Financial Planner 受験資料 (AFP-Affiliated Financial Planner / CFP-Certified Financial Planner)

【Last Update 2000. 5. 6】

受験体験記
講座等の印象
  ベネッセ
通信講座
AFP認定機関の「ミサワバン」との提携講座。このベネッセの講座の一番の長所は「その価格」。講座の売り文句でもありこの価格設定は認定機関の講座でも間違えなく低額の部類に入るであろう。
逆に短所は
  ・法改正情報の情報量が少ない:主要な改正に関しては試験直前期に情報が送られてくるものの、細かな情報が不足する。税法に関しては致命的になる事もあり得る。情報送付の頻度が1回では明らかにこの資格では不足。
  ・問題量の不足:問題集は教材としてついてくるが、それだけでは問題量が絶対的に不足。何らかの形で補う必要がある。
  ・基本項目以外の情報量不足:テキストに記載されている項目については「基本的な項目」については網羅されているが、細かい内容について省かれているものが多く、テキスト以外の情報から取得しなければならないものが多い。
であるが、通信講座はどこでも同じ様なものかもしれない。 
  問題集 日本法令の独習問題集は「日本FP協会」のカリキュラムに準拠して作成されているが、他の団体の試験にも活用できる様に構成されている都合上、一部沿っていないと思われる内容もある。法改正内容についてはきちんと問題に反映されるので、「最新版」を必ず購入する事。
問題レベルについては「過去問」から考えれば難度は決して低いものではないが、資格審査試験の難度が上がっているので今後、難度について調整が行われるかもしれない。
  雑誌 日本法令の「FPサポート」はあくまでも「FPの仕事を補助する為の情報誌」の役目で作成されており、社会保険労務士の「社労士V」等の様な「受験者向けの内容」では無いことに注意。
実務における「知識を得る為の情報源」として考えれば適切な内容。但し「資産運用の為の情報誌」としては「日経マネー」等の雑誌の方が役に立つと思われる。尚、AFP試験対策の問題が若干ながら毎月掲載される。
以前は「ビジネスガイド(同日本法令発刊)」にFP試験対策が掲載されていたが、「FPサポート」に全て統合された。
各課目の印象(他資格との関連も含む)
  FP基礎 常識的な範囲でしか出題対象にならない。取り立てて「試験対策」の必要はなく、問題集を解くレベルで良いと思われる。
  金融資産運用設計 金融商品に関しては要領を掴んで、覚える以外方法はない。「提案書」を書く上でも必要となる知識であり、「金利は変動か固定か」「利率は単利か複利か」「長期か短期か」「マル優対象か」「セーフガードの対象となる金融商品か」等を抑えておくことは絶対不可欠。
債権・株式などについては「各金利」の定義などを理解しておく必要あり。計算問題が出題されると暗記だけでは対応できない場合がある。
  不動産運用設計 登記簿・物件調査・不動産各法令に関しては以前「宅地建物取引主任者」で勉強したものであり、「ああ、あの時やったなぁ」等と思い出しながら勉強をしていけば難しくは感じなかった。今まで全く触れた事のない人にとっては「専門的な言葉」に辟易する部分もあるだろうが。
但し「土地関連税制」に関しては数値等が毎年変化する為、全て覚え直す必要あり。例外規定がたくさんある為、きちんと整理しておかないと対応できない。
  ライフプランニング・リタイアメントプランニング 一番はっきりと覚えている「社会保険労務士」の関連知識は15問中のわずか4問。社労士の知識自体はFP資格審査試験ではほとんど役に立たないと考えても良い。それでいながら問題の難易度はかなりのもの。最近の内容ならばそのまま社労士試験に出題されてもおかしくない。この分野で出題される「ローン」の問題は「各制度との比較」で出題されるので、それぞれの限度額、融資条件などをしっかり抑えておく必要がある。
また「ライフプランニング」を作成する為の常識的な知識も要求される。
  リスクと保険 生命保険・損害保険の代表的な商品分類の特徴は覚えておく必要あり。自動車の自賠責保険についても出題がある。死亡時の税金のかかり方等税法と絡んだ出題もある。
  タックスプランニング 受験者全員が苦手としている科目。所得税関連の出題が中心となるので過去問は全て抑えておく必要がある。但し制限税率や控除額などは法改正により頻繁に変わるので、試験時点での制度を正確に抑えておきたい。特に7月の試験を受ける場合には注意が必要。
法人税に関しても細かい部分の出題があるが、とにかく所得税の知識である。
  相続・事業承継設計 こちらも税法の「相続税」「贈与税」に関する問題、相続対策に関する出題が難しい。相続に関する法令(民法分野)については宅建や行政書士レベルの「相続」の知識があれば苦になるような問題ではない。相続に関する自社株の問題などについては意外と難しい出題がある。
  (総括) 税法関連の出題については法改正が多く、難問が多い。勉強を進めるにつれて苦手意識を持たない様にしたい。
その他の法令については他資格の関連知識があればそれで対応可能。宅建資格に関しては「不動産運用設計」で役に立つ部分が多い。
商品に関する知識についてはとにかく覚えないと話にならない。実務の知識が活かせる立場にある人にとっては問題ないかもしれないが。。。
AFP実務試験提案書について
  ベネッセでは ベネッセでの課題は以下の様な内容であった。
「佐藤様のご相談内容
佐藤様ご夫妻は半年前に結婚された共働きのご夫婦です。10年後位にはマイホームを取得したいと考えています。頭金の作り方や親から資金を援助してもらうときなどの税金について、教えてください。
子供は、5年後位に1人欲しいと考えています。教育資金にかかる費用も心配です。
また、万一の際の保障についてもアドバイスをしてください。」
(※前提条件等は著作権の問題などがあるので引用致しません。)
  提出条件
提出期限
ベネッセでの提案書提出条件は以下の通りになる。
 ・講座受講開始後3箇月以降
 ・課題に関する提出要件なし(添削課題を1枚も提出していなくても提案書提出可能)

ベネッセでの提出期限は以下の通りになる。
 例えば3月の試験を受験予定>研修修了証明書の発行は1月初旬
   >提案書の期限は11月末
 つまり受験しようとする月の4箇月前の月末
  印象 ベネッセの講座では提案書の記入例が乏しいので書き方に戸惑う所があるかもしれない。特に「現在の状況」「キャッシュフロー」に対して、与えられた前提条件・希望をどのように反映させていけば良いかという問題である。
資料の添付は可能であるが私は提出時には何の資料も添付しなかった。添付をする場合には各金融機関・保険会社から取り寄せたパンフレットの添付となる。資料を添付しないとしても「子供が産まれた際の費用」「マイホームを購入する際の費用」については把握しておかないと提出課題を作成するには必要。
簡単に済ませようと思えば1日で完成出来るが、まともに取り組むと何日経っても終わらないという事になる。
試験勉強について
  勉強方法 テキストについて読み込みを行うのはもちろんであるが、自分の専門分野(資格を取得している分野)については読み流して未知の分野に進んでいかないと効率が悪い。
ある程度内容を把握したら「過去問」をどんどん解いていく事を薦める。過去問は日本FP協会より販売されている(過去3回分)のでそちらから入手可能。但し筆者は過去問は入手しなかった。利子関係の計算や税法に伴う計算などは過去問をやらない限り理解することは難しい。
  勉強時間 勉強期間については3〜4箇月(200時間程度)で合格可能と思える。
筆者の場合は途中で会社を移るなどして参考にならないが、以下の通り。
 1999年 3月:講座受講開始
 1999年 6月中:第1回課題提出(金融資産運用設計)
 1999年 7月中:第2回課題提出(リスクと保険)
 1999年 9月下:第3回課題提出(タックスプランニング)>税金の為理解に苦しむ
 1999年11月中:第4回課題提出(不動産運用設計)
 1999年11月中:第5回課題提出(ライフ・リタイアメントプランニング)
   >自分の専門分野の為同時に課題提出
 1999年11月下:実務試験提案書提出
 2000年 1月中:第6回課題提出
 基本的に各課題を提出する為の勉強時間は平均20時間(1教科)程度。
 1〜3月で問題演習による勉強を行う。
合計勉強時間としては200〜250時間程度と推測できる。
  その他 テキスト以外の市販の色々な本から得る知識が多い。流動する知識が多いのでそういった本も教材として活用すべきである。新しい金融商品や保険商品を試験においてはいちいち気にする必要もないが、動向として知っておく事は重要である。