社会保険労務士関連ニュース・社会関係(2003年 4月-)

2003年 4月〜 
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統計情報関連
  100歳以上 初の2万人突破

2003/ 9/ 9 朝日新聞夕刊

  国内の100歳以上のお年寄りが初めて2万人を超えることが9日、厚生労働省が発表した全国高齢者名簿(長寿番付)で分かった。昨年より2627人多い2万561人で、5年前の2倍以上に増えた。このうち女性は1万7402人(84.6%)だった。
育児休業取得率アップ

2003/ 8/22 日本経済新聞朝刊

  人事院が21日まとめた2002年度の国家公務員の育児休業実態調査によると、同年度に新たに育児休業を取得した職員は、男性が対象者の0.5%に当たる83人、女性が92.0%の5566人で、取得率では前年度に比べそれぞれ0.2ポイント、1.0ポイントとわずかに上昇、過去最高となった。
少子高齢化 歯止めかからず 出生最低115万人 65歳以上18%

2003/ 8/21 日本経済新聞朝刊

  総務省は20日、2003年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口調査の結果を発表した。2002年度の1年間の出生者数は115万1507人で、1979年度に同様の調査を開始して以来の過去最少を更新した。年代別では65歳以上の高齢者の比率が上昇、少子高齢化が進んでいる。
医療費 2年ぶり減少 昨年度30兆2000億円

2003/ 8/ 9 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は8日、2002年度に医療機関が各医療機関などに請求した概算医療費(速報)が前年度比0.7%減の30兆2000億円となり、2000年度以来2年ぶりに減少したと発表した。診療報酬引き下げや制度改革による高齢者の自己負担が主因とみられる。
医療費、最高の31兆円 厚労省調査2001年度3.2%増 高齢者増加が影響

2003/ 7/29 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は28日、2001年度の1年間に国民が使った医療費(国民医療費)が前年度比3.2%増の31兆3234億円となり過去最高を更新したと発表した。高齢者人口の増加が主因だ。国民一人当たりでは同2.9%増の24万6100円で、こちらも過去最高。
国民医療費の国民所得に対する割合は、8.4%。
年齢別に見ると70歳以上の高齢者の医療費は前年度比5.8%増の11兆9539億円で医療費全体の38.2%を占めている。70歳以上の1人当たり医療費は、約1万円増え76万6800円だった。
国民年金 未納最悪37% 強制徴収へ対策本部 昨年度

2003/ 7/24 日本経済新聞夕刊

  社会保険庁が24日まとめた2002年度の国民年金の加入実績によると、保険料がどれだけ納められていないかを示す未納率は前年度より8.1ポイント増えて37.2%となった。景気低迷による所得減少などが影響し、過去最悪だった前年度を大幅に更新した。未納増加は年金財政の悪化につながるため、同庁は強制徴収の実施など納付対策の強化に着手する。
国民年金の加入状況は同日の社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)年金部会に報告した。自営業者や20歳以上の学生らが加入する国民年金は加入者が月1万3300円の保険料を自主的に払い込む方式のため、未納が発生する。
公的年金は財源を現役世代の保険料に頼っており、未納増は年金財政悪化につながる。未納者が将来、無年金になる問題もある。
未納率を年齢別に見ると若年層が高い。20歳代前半の未納率は52.6%、20歳代後半は50.6%。都道府県別で未納率が高いのは沖縄県(未納率61.3%)や東京都(同42.7%)など。これまで未納が少なかった東北や九州で未納率が上がっている。
75歳以上 1000万人超す 高齢社会白書 65歳以上人口の18.5%

2003/ 6/10 日本経済新聞夕刊

  政府は10日の閣議で、高齢化の状況と対策をまとめた2003年度版の「高齢社会白書」を決定した。2002年10月1日現在で、65歳以上の人口は前年比76万人増の2363万人。75歳以上の人口は同51万人増の1400万人となり、初めて1000万人の大台を突破した。
65歳以上の人口が総人口に占める割合(高齢化率)は、同0.5ポイント増の18.5%。男性は996万人、女性は1367万人だった。
高齢者医療費昨年10-12月 月平均2.4%減少

2003/ 5/ 2 日本経済新聞朝刊

  増加傾向だった70歳以上の高齢者の医療費が昨年10月から3ヶ月連続で前年水準を下回った。10月に70歳以上の患者負担を引き上げる制度改革を実施した影響で受診を控える人が増えたとみられる。
70歳以上の高齢者医療費は昨年4-9月は月平均で2.1%前年同月を上回ったが、10月は一転して同3.0%減となった。その後も12月まで毎月マイナスで、10-12月の月平均で同2.4%減。介護保険の導入で高齢者医療費の一部が介護保険適用に変わった2000年度を除くと、高齢者医療費が2ヶ月以上連続でマイナスになるのはまれだ。 
情勢・動向
  来年度の基礎年金国庫負担上げ 「完全実施は困難」 厚労相

2003/ 9/25 日本経済新聞朝刊

  坂口力厚生労働相は24日、日本経済新聞社とのインタビューに応じ、来年の年金改革の焦点である基礎年金の国庫負担割合を現行の3分の1に引き上げる問題について、来年度に一気に実現することは困難との認識を示した。厚労省の従来の主張を事実上断念した形で、厚労相は次善策として段階的な引き上げに向けた具体策を検討する考えを強調した。
国会は全国民共通の基礎年金について、今後の保険料の上昇を抑えるため、前回(1999年)の改革で「2004年までに安定財源を確保し国庫負担割合の引き上げを図る」と決定した。ただ2兆7000億円の財源のメドが立っていない。
国民年金徴収実力行使へ 保険料滞納に差し押さえも まず1万人対象

2003/ 9/17 日本経済新聞朝刊

  社会保険庁は16日、国民年金の保険料滞納者に対する強制徴収策を全都道府県の社会保険事務局長に指示した。未納者のうち所得や資産が多いとみられる人から最大約1万人を選んで10月以降に催告状を送り、それでも応じなければ来年3月にも預貯金などの資産を差し押さえる。未納率が4割近い保険料の納付意識を高めるため、実力行使に踏み切る。
年金保険料上限で固定 社保審部会意見書 給付下げ財政調整

2003/ 9/12 日本経済新聞夕刊

  社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)年金部会は12日、来年の年金制度改革への意見書を正式にまとめた。現役世代の保険料を上限まで引き上げて固定し、年金水準の方を下げ財政調整する「保険料固定方式」の導入を提唱。上限として会社員の厚生年金保険料(現在年収の13.58%、労使折半)を約20%とするなど複数の案を示した。
意見書は4日に同部会が示した案に沿ってまとめた。表現をやや変えた程度で、内容は同じ。厚労省は10月にも同省の年金改革案をまとめる。財務省、与党と調整のうえ、年内に政府としての改革案を作り、来年の通常国会への関連法案の提出を目指す。
 
<年金改革意見書のポイント>
現役世代の負担力に応じ給付水準を自動調整する「保険料固定方式」を導入
保険料の引き上げ凍結は速やかに解除。最終的な水準(上限)は年収の20%以内に
基礎年金の国庫負担割合は今改革で1/3から1/2へ引き上げ
パート労働者への厚生年金適用は週20時間以上に拡大
離婚時に夫婦の年金分割を可能に
 
年金財源は税制改革で 厚労相
坂口力厚生労働相は12日の閣議後の記者会見で、年金改革で全国民共通の基礎年金給付費の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げる財源問題で「総合的な税制改革のなかで決める。所得税減税の見直しも1つの考えだ。税制改革に年金財源も含めてもらいたい」と述べた。消費税の福祉目的税化も「1つの考え方」と指摘した。
年金保険料「先決め」案 財務省 国民負担の抑制狙う

2003/ 9/12 朝日新聞朝刊

  財務省は04年に予定される年金改革で、給付水準を設定してから必要な保険料率を決める現行方式から、あらかじめ固定した保険料率を決めた上で、年金給付額を算出する制度への抜本的な転換を提案する。料率を固定することで、年金のために支払う保険料や税の国民負担を抑制するのが狙い。年金改革では、坂口厚生労働相が、現制度の延長線上で試案を出している。
保険料15%上限 給付2割カット 経団連が年金改革意見書

2003/ 9/11 朝日新聞朝刊

  日本経団連は10日、厚生年金の保険両立の上限を年収の15%(労使折半)に抑えたうえで、年金給付水準を将来的に2割程度にカットし、基礎年金の財源として消費税を活用することなどを骨格にした年金制度改革への意見書を発表した。保険料率の上限を20%にしている厚生労働相試案に比べ、企業の負担を軽減し、年金の給付水準を抑制する姿勢を鮮明にしている。
意見書では、保険料率については現行の13.58%を極力上回らないことを求めている。給付水準を2割カットしても、交際費などを除いた高齢者の基礎的な消費支出はカバーできるとしている。
国保、滞納世帯2割 今年最悪の440万世帯に 厚労省 収納対策急ぐ

2003/ 9/10 日本経済新聞朝刊

  自営業者らが加入する国民健康保険(国保)で、保険料を滞納している世帯が2003年は過去最悪の20%程度に達しそうだ。リストラなどで失業した後に国保に加入したものの、家計が苦しく保険料が払えない人が増えている。国保財源の悪化は税金で穴埋めする必要があり、自治体財政に響くだけに、厚労省は各市町村と連携、保険料の上限を引き上げ高額所得者からの徴収額を増やすなどの対策を急ぐ。
※未納率:加入世帯の18%(411万世帯 昨年分調査)
 ※参考:国民年金の未納率37%(昨年度)
 
厚労省が各自治体に指導する主な収納対策
市町村の徴収努力

コンビニでの納付

督促状の送付

電話、訪問などでの催促

口座振替への切り替え
滞納処分

財産調査による預貯金や不動産の差し押さえ
適正な保険料の設定

法律に基づく保険料上限の引き上げ
年金給付水準 現役世代賃金の55% 厚労相試案 積立金取り崩し

2003/ 9/ 5 日本経済新聞夕刊

  坂口力厚生労働相は5日午前、来年の年金制度改革の試案を発表した。約150兆円に上る公的年金の積立金を徐々に取り崩して向こう95年間の給付費に充当、厚生年金の場合で給付水準が現役世代の手取り賃金の55%(現在は59%)を下回らないようにする。将来への備えを先食いすることに批判が根強い半面、給付水準が53%まで下がる今の積立金温存方式に比べ、少子高齢化に伴う給付削減幅を圧縮できる利点がある。
 
保険料の上限を年収の20%とした場合の厚生年金の給付水準の見通し
積立金を維持する方式(従来方式)
現在 2023年度
59.4 52.8(この水準を維持)
積立金を取り崩して給付に充てる方式(坂口方式)
現在 2018年度
59.4 54.5(この水準を維持)
社保審部会が意見書案 年金保険料に上限 給付水準は自動調整

2003/ 9/ 4 日本経済新聞夕刊

  社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)年金部会は4日、来年の年金制度改革に向けた意見書案をまとめた。少子高齢化が進んでも現役世代の負担が重くなり過ぎないよう保険料に上限を設ける新方式を提案。年金給付は会社員の厚生年金も自営業者の国民年金も「引き下げはやむを得ない」とした。パート労働者への厚生年金の適用拡大など制度の「支え手」の拡大策も提案した。
 
年金改革意見書案のポイント
保険料引き上げ
現在は凍結中 => 凍結を速やかに解除
最終的な水準は年収の20%程度かそれ以下
給付水準
引き下げ必要
現役世代の負担力に応じ水準を自動調整
高所得者への給付
制限は見送り、公的年金等控除を縮小
基礎年金の国庫負担割合
3分の1 => 2分の1へ今改革で引き上げ
パート労働者への厚生年金適用
所定労働時間一定以上に適用範囲拡大
高齢者の就労促進
在職老齢年金の一律2割カット
支給開始年齢(65歳)の引き上げは見送り
女性と年金
第3号被保険者の見直しに取り組む
離婚時の年金分割を実施
企業年金
確定拠出年金の掛け金限度額の引き上げ
公的年金控除対象 厚労省、要望見送り

2003/ 8/28 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は27日、財務省などに提出する来年度財政改正の要望をまとめた。国民年金保険料の徴収強化に向け、保険料未納者は民間の個人年金保険に入っていても所得税の保険料控除を適用しない制度の導入などを盛り込んだ。公的年金等控除の縮小など年金課税を強化する要望は見送った。
2025年生まれの年金受取額 保険料の2倍に 固定方式で厚労省試算

2003/ 8/27 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は来年の年金制度改革で保険料を将来20%に固定する方式を導入すると、2025年に生まれるサラリーマンと妻の年金受取額が納めた保険料の2.1倍になるとの試算をまとめた。現在68歳の夫婦の場合は保険料の8.4倍の年金を受け取る。年金水準を維持する現行制度に比べると、現在の高齢者は影響を受けない半面、50歳代以下の世代は年金受取額が減る。
 
世代別モデル世帯の保険料と年金額の試算(国庫負担2分の1の場合)
生まれ 保険料(万円)A 年金額(万円)B 倍率 B÷A
1935年

700

5,800

8.4

1945年

1,100

5,600

4.9

1955年

1,800

6,300

3.5

1965年

2,700

7,500

2.7

1975年

3,900

9,300

2.4

1985年

5,100

11,500

2.2

1995年

6,500

14,200

2.2

2005年

8,000

17,300

2.1

2015年

9,800

21,100

2.1

2025年

11,900

25,700

2.1

(注)

保険料と年金額を65歳時点の価格に換算。保険料は2004年度以降毎年引き上げ、2022年度以降は20%に固定
60歳代前半の会社員 年金一律カット廃止 増収で就労促す

2003/ 8/25 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は来年の公的年金制度改革で「在職老齢年金制度」を見直し、60歳代前半の会社員が受け取る年金の一律2割削減措置を2005年度をメドに廃止する方針だ。収入の少ない人は働いても年金を満額受け取れるようにして高齢者の就労意欲を高める。年金減額は賃金との合計収入が一定水準を超える場合に限定し、企業に65歳までの継続雇用を促す狙いもある。
 
60-64歳の在職老齢年金見直し例(月額・万円)

賃金

本来の年金額

削減額

年金受給額

合計収入額

一律2割

収入比例

現行

10

10

▲2

8

18

20

10

▲2

8

28

30

10

▲2

▲5

3

33

厚労省案

10

10

廃止

10

20

20

10

廃止

▲1

9

29

30

10

廃止

▲6

4

34

(注)▲は削減。「賃金」はボーナスを含む総報酬の1ヶ月分で、現行の数字も総報酬(来年度に移行)への換算値
国民年金保険料 未納の場合 「個人年金 控除なしに」 厚労省 税制改正要望へ

2003/ 8/22 朝日新聞夕刊

  厚生労働省は今月末に財務省へ提出する来年度の税制改正要望で、国民年金の保険料を納めない人が民間の生命保険会社などが販売する個人年金に任意加入している場合、保険料に対する控除を認めないよう求める方針を固めた。深刻化する国民年金の空洞化に対する批判の世論は高まっており、年金税制の見直しを要望の筆頭項目にあげた。控除手続きの際に国民年金保険料の納付証明書を添付することを義務付けることなどを想定している。
 ※現在の保険料未納率は約4割。これを5年間で2割まで下げることを目的とする。
社保審部会が意見書骨子 年金保険料上げ必要 来年の改革 給付に下限設定

2003/ 8/21 日本経済新聞朝刊

  社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の年金部会は20日、2004年の公的年金制度改革に向けた意見書の骨子を固めた。改革の目標として将来世代の保険料負担が重くなりすぎないようにし、年金制度への不信を解消することを掲げた。そのため現在凍結中の保険料引き上げの早期再開や、保険料に上限、給付水準に下限を設ける方式の導入が適当とした。意見書は9月中にとりまとめる。
 
項目 考え方
給付と負担のあり方 ・保険料引き上げの凍結を解除し、保険料の上限を設定
・労働力人口の減少などに応じて給付水準も削減
・給付水準の下限を設定
・公的年金等控除の縮小
基礎年金の国庫負担 ・3分の1から2分の1へ引き上げ
女性と年金 ・女性の就業や人生設計の多様化に対応した制度づくり
・離婚した場合に厚生年金の分割を実施
企業・個人年金 ・転職に伴い厚生年金基金や確定拠出年金間で積立金を持ち運ぶことができる制度の導入
年金情報の周知徹底 ・年金の給付額や加入期間など個人情報をインターネットで提供
パート労働者への厚生年金の適用 ・年金の支え手を増やすために適用範囲の拡大

 
若年世代の負担軽減 実現の道筋あいまい 社保審骨子 年金積立金 焦点に
社会保障審議会年金部会の意見書骨子に厚生年金保険料を将来も年収の20%以内に抑える方針が盛り込まれたものの、若年世代に今後負担が集中する構図は変わらず、不満解消につながるかは不透明だ。基礎年金給付費の国庫負担割合を2分の1に高める財源の手当てや年金積立金の活用方法などの具体策を今後、どのように詰めるかも課題となる。
医師会「医療費0.2%減」4-6月

2003/ 8/20 日本経済新聞朝刊

  日本医師会は19日、4-6月の医療費が前年同期に比べ0.2%減、患者数は同2.4%減になったとの独自の調査結果を公表した。4月からサラリーマンの医療費の自己負担割合が2割から3割に引き上げられたことが影響した格好だ。
厚年基金の4割、解散・減額 給付下げ447基金 15基金は2回目

2003/ 8/12 日本経済新聞朝刊

  代表的な企業年金制度である厚生年金基金で年金給付の引き下げや解散の動きが止まらない。厚生労働省によると、2002年度中に給付を下げたのは99基金で、引き下げが可能になった1997年度からの累計は447基金に達した。解散も累計235基金に上り、全基金の4割近くでサラリーマンが老後の生活設計の見直しを迫られている。運用利回りの低迷による年金財政の悪化が主因だ。
サラリーマンの自己負担増 -> 医療機関の6割「外来患者減少」 東京保険医協会調べ

2003/ 8/ 5 朝日新聞朝刊

  今年4月からサラリーマン本人などの医療費の自己負担が増えたことで、外来患者の数が減った医療機関が6割を超えていることが、東京保険医協会のアンケートで分かった。負担増が原因で患者が受診を控えたとみられる治療中断があったとする医療機関は、38%に達した。
年金控除縮小時の健保料 70歳世帯、7172円減額 年金総合研究センター試算

2003/ 8/ 5 朝日新聞朝刊

  年金控除を縮小した場合、70歳以上の高齢者がいる世帯の健康保険料が平均で年7172円増えることが厚生労働省系の年金総合研究センターの試算で明らかになった。政府税制調査会は、年金受給者が対象の公的年金等控除を縮小する方針だが、高齢者世帯の負担が国民健康保険料も含めて重くなりすぎないように控除縮小の内容を検討する意向だ。
健保の解散急増 27組合 医療費増え続け財政悪化 4-6月

2003/ 8/ 3 日本経済新聞朝刊

  企業が従業員のために設けている健康保険組合の解散が急増している。今年度4-6月期の解散は27組合と、前年同期に比べ3割弱増えた。保険料収入が伸び悩む一方で医療費が増え財政が悪化したためだ。景気低迷で企業に健保組合を支援する余力が無くなってきたことも背景にある。
社会保障費2200億円圧縮 概算要求基準固まる 公共投資関係3%減

2003/ 7/30 日本経済新聞朝刊

  政府は29日、2004年度予算の概算要求基準を固めた。年金、医療など社会保障関係費の伸びを2100億-2200億円圧縮する。公共投資関係費も今年度予算比3%以上、政府開発援助(ODA)などの裁量的経費は2%以上、それぞれ減らす。この結果、政策的経費である一般歳出は今年度比1%増の48兆1000億-48兆2000億円以下に抑える。
介護サービス格付け 質向上へ全事業対象 厚労省方針

2003/ 7/28 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省はヘルパーによる訪問介護など全ての介護保険サービス事業者に対し、外部の客観的な評価を受けることを義務付ける制度を導入する方針だ。提供するサービスごとに事実上格付けすることで、利用者が質の高いサービスを選びやすくする。事業者の競争を通じ劣悪な業者のとうたを進め、介護保険給付費の抑制にもつなげる。来年度からモデル事業で始め、数年以内に全事業を対象にする。
年金保険料 日米二重払いを解消 協定締結へ 企業の負担軽減

2003/ 7/26 日本経済新聞朝刊

  日米両政府は両国の会社員が相手国に赴任した場合に公的年金や医療保険の保険料が自国と相手国で二重払いになっている状態を解消するため社会保障協定を締結する。5年以内の赴任であれば相手国での保険料納付を免除する。両国は28日から東京で事務レベルの最終交渉を実施、実質合意する予定。両国は必要な法制度を整備して協定を結び、2005年春の発効を目指す。
厚生年金離婚時に分割 厚労省が2案提示 割合は当事者で

2003/ 7/ 3 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は離婚した場合に夫婦間で厚生年金を分割できるよう制度改正する方針を固め、3日に社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会に2案を提出した。2004年の年金制度改革の実現をめざす。実際に分割するかどうかや、分割割合は当事者が決める。離婚した配偶者に対し老後の所得を保障する。
 ※年金額の分割案:婚姻期間中に相当する厚年金の一定額を夫の年金支給開始時から妻にも支給、夫死亡で年金受け取り不可
 ※年金受給権の分割案:厚年金の加入期間の一定割合を離婚段階で配偶者に移行、夫死亡後も年金受け取り可能
 ※遺族年金の改革案についても年金部会に提示。厚生年金の水準を「夫と妻の老齢厚生年金合計額の5分の3」まで引き上げ。
国・地方公務員 年金保険料率 2009年に一本化

2003/ 7/ 1 日本経済新聞朝刊

  総務、財務両省は30日、国と地方の公務員がそれぞれ加入する年金財政を2004年から段階的に統合すると発表した。受給者の増加による年金財政の悪化に備えて、双方の給付に支障が出ないよう資金を融通し合う。2009年までに段階的に保険料率を一本化することも決めた。
公的年金給付 まず2%下げ 財務省、2004年度予算に調整

2003/ 6/15 日本経済新聞朝刊

  財務省は2004年度予算編成の焦点となる公的年金給付の抑制で、今年度比約2%の引き下げを実施する方向で厚生労働省と調整に入る。月23万6000円を受給するモデル世帯で4900円の下げとなる。
財務省は7月末の概算要求で厚生労働省に2%の引き下げ実施をまず求める。さらに2004年の年金改革で抜本的な給付引き下げを求め、2段階で社会保障費を抑制したい考えだ。ただ、厚労省は慎重姿勢で、2%の下げ幅の調整は年末までもつれこみそうだ。
国民年金保険料 滞納者から強制徴収 厚労省来春メド 富裕層対象に

2003/ 6/14 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は自営業者らが入る国民年金の保険料滞納者のうち、経済的に余裕のある富裕層に対し、預貯金の差し押さえなどを含む強制徴収を十数年ぶりに実施する方向で調整に入った。保険料をきちんと納めている人との「負担の不公平」を和らげ、2004年の年金制度改革で予定している保険料引き上げに理解を求める意味合いもある。
国民年金の保険料滞納率(金額ベース)は過去最悪を毎年更新しており、2002年度も前年度(29.2%)より悪化したとみられる。徴収を受け持つ社会保険庁(厚労省の外局)が年6回の手紙や電話などで納付を求めているが効果は上がっていない。賞罰がないことが一因とみられるため強制徴収に踏み切る。7月に正式発表する。
厚生年金、初の赤字転落 2001年度6999億円 高齢化で給付増

2003/ 6/13 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省が12日まとめた厚生年金の2001年度財政状況によると、同年度の収支は6999億円の赤字となった。赤字転落は制度発足以来初めて。景気低迷で保険料収入が伸び悩む一方、高齢者の増加で年金給付が増えたことが原因。
赤字は積立金を取り崩して穴埋めするが、赤字基調は今後も続くため年金財政は厳しくなるばかりだ。
社会保障 高齢者給付を抑制 審議会報告書案 子育て支援強化

2003/ 6/10 日本経済新聞夕刊

  社会保障制度のあり方を検討していた社会保障審議会(厚生労働省の諮問機関)が6月中にまとめる報告書案が10日明らかになった。今後負担急増が見込まれる若年世代の問題に対応するため、高齢者給付を抑制する一方で子育て助成などを強化する考えを打ち出した。豊かな高齢者への年金課税強化を容認するなど急増する社会保障費の財源問題にも踏み込んだが、社会保障費の抑制のため「潜在的国民負担率」に上限を設ける案には強い反対を盛り込んだ。
 
■報告書ポイント
「高齢」関係給付の伸びをある程度抑制し、次世代育成支援を推進する
社会保障財源は、保険料を中心に公費負担、利用者負担を適切に組み合わせる
現在凍結中の厚生年金、国民年金の保険料引き上げを早期に解除
基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げは、安定した財源の確保と一体で検討
所得や資産を有する高齢者には応分の負担を求めていく
財政規律の考え方である「潜在的国民負担率」を社会保障と過度に関連づけるべきではない
基礎年金 国庫負担増「見送り」 財政審 来年度、財源確保できず

2003/ 6/ 4 朝日新聞朝刊

  財政制度など審議会(財務相の諮問機関)は、04年度予算編成に対する提言に、基礎年金の国庫負担引き上げを盛り込まない方針を固めた。政府は04年の年金改革で国庫負担割合を現在の3分の1から2分の1に引き上げる方針だったが、新たに必要な年間約2兆7000億円の財源が確保できないため、財政審は実施は困難と判断した。財務省は提言を受け、厚生労働省と04年度中の引き上げを見送る方向で調整する。
国民年金の届け出忘れ 専業主婦を救済 厚労省検討

2003/ 5/28 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は、サラリーマン世帯の専業主婦が国民年金の届け出を忘れるなどで老後の年金が減額される問題に対応し、特別に年金が減額されないようにする救済措置の検討に入る。2004年の次期年金改革の中に盛り込む方針で、具体策を今後詰める。
 ※現在の2年間しかさかのぼれない状態を過去の届け出忘れ期間全てを認める。
介護保険料徴収 対象拡大を検討 社保審が見直し議論

2003/ 5/28 日本経済新聞朝刊

  社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の介護保険部会は27日、初会合を開き介護保険制度の見直し議論を始めた。げんざい40歳以上である介護保険料徴収対象者の範囲拡大や、在宅介護と施設介護の中間的な新しいサービス形態の創設などが課題となる。早ければ年内にも見直し案をまとめる。
2000年度にスタートした介護保険は施行後5年をめどに制度を見直す規定がある。このため、厚労省は医療・福祉関係者や自治体代表らで構成する部会を設置し検討に入った。介護保険料は現行制度のまま放置すると40歳以上の国民の負担だけが過重になる恐れがあるので、徴収対象を20歳以上などに拡大することを検討する。
介護サービスについては、高齢者が自宅の近くでサービスを受けることができる小規模施設を全国整備することなどを考える。
診療所、定額730円に 再診料改定 厚労省案

2003/ 5/21 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は21日の中央社会保健医療審議会(厚生労働相の諮問機関)に昨年4月に改定した再診料の改定案を提示した。通院回数が増えると安くなる「逓減制」を廃止し、診療所で730円、中小病院で580円、大病院(200床以上)で680円を毎回支払う定額制に戻す。中医協で協議のうえ正式決定し、7月にも再改定する。
 ※頻繁に通院する患者数があまり減っていない、通院のたびに負担額が変わることへの戸惑いに対応するため。
 
再診料の見直し案
  現在 見直し案
診療所 20床未満 ・月1回目 810円 730円
(740円:2002年3月まで)
・2、3回目 740円
・4回目以降 370円
病院 200床未満 ・月1回目 650円 580円
(590円:2002年3月まで)
・2、3回目 590円
・4回目以降 300円
病院 200床以上 ・月1回目 770円 680円
(700円:2002年3月まで)
・2回目以降 350円
給付・負担 格差是正へ 政府税調・社保審が合同会議

2003/ 5/21 日本経済新聞朝刊

  政府税制調査会と社会保障審議会は20日、初の合同会議を開き、少子高齢化で膨らむ社会保障費を賄うため年金課税を強化し高齢者に広く負担を求める方針で一致した。税や保険料の「負担」と年金などの「給付」の両面で高齢者が優遇されている現状を是正するのが狙いだ。ただ2004年の年金改革に伴う基礎年金の国庫負担引き上げ問題は議論を先送りした。
年金課税強化を検討 政府税調 厚労省と意見交換

2003/ 5/14 日本経済新聞朝刊

  政府税制調査会(首相の諮問機関)は13日、厚生労働省の担当者を招いて基礎問題小委員会を開き、年金課税の強化に向けて意見を交わした。少子高齢化で膨らむ社会保障費を広い世代で賄うため、高齢者が年金を受け取る際の税優遇の縮小などを検討する方向を確認した。
厚生年金など公的年金からの収入は65歳以上の場合、公的年金など控除によって最低でも140万円を課税対象から差し引ける。さらに年間所得が1000万円以下の65歳以上の高齢者は老年者控除(50万円)も使える。政府税調は高齢者の税負担は現役世代より軽いと見ており、税優遇を縮小したい考えだ。13日の会合で、厚労省側は2004年の次期年金改革で世代間の不公平の解消を重視する姿勢を説明。年金課税の強化方針に一定の理解を示した。
基礎年金の国庫負担割合を現在の3分の1から2分の1へ引き上げる問題を巡っては、厚労省が「保険料の上昇を抑えるために引き上げは必要」と主張した。石弘光政府税調会長は会合後の記者会見で、財源の手当ても含めて慎重に検討する考えを示した。
介護保険認定者、2001年度16%増 保険事業収支黒字1000億円

2003/ 5/ 1 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省が30日まとめた2001年度の介護保険事業報告によると、介護が必要な状態と認定された人は同年度末で298万人となり前年度比で16.4%増えた。主に軽度の認定者が増えた。認定者の増加に伴って介護給付費は増えているが、全国ベースの事業収支は約1000億円の黒字だった。
年金、支給中の減額検討 財政審、議論きょうスタート

2003/ 4/24 日本経済新聞朝刊

  財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は24日、2004年の公的年金改革に向けた議論を始める。年金財政の破たんを防ぐために、高齢者がすでに受け取り始めた年金額の削減を検討する。働いて保険料を払う現役世代だけでなく、年金を受け取る高齢者にも広く負担をしてもらうのが趣旨だ。ただ、年金受給者からの反発は必至で、年金改革での意見調整は難航しそうだ。
厚生年金に夫婦折半制 来年導入方針 パート適用緩和

2003/ 4/22 朝日新聞夕刊

  厚生労働省は22日、厚生年金に加入する会社員とその配偶者が、老後の年金を半分ずつ分割して受け取る制度を04年の次期年金改革で導入する方針を固め、社会保障審議会年金部会に提示した。パートなど短時間労働者に対する厚生年金の適用条件についても、就労時間条件を「週20時間以上」などに緩和する。
厚生年金に加入している会社員は、年収の一定割合(現行は13.58%)の保険料を労使折半で納めている。配偶者が無職の場合、「第3号被保険者」(1153万人、うち女性1148万人)扱いとなり、配偶者本人に保険料負担は求めない一方、支給する金額は基礎年金分(40年加入でつき6万6000円)に限っている。
年金分割案では、会社員の年収の半分は配偶者が稼いだとみなし、現行制度では会社員のみに支給される報酬比例部分(報酬月額39万円
で月8万5000円)も夫婦で折半する。
年金、パートに別基準 厚労省案 月収基準・給付下げも

2003/ 4/22 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は22日、パート労働者の厚生年金加入の具体案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会に提示した。保険料や給付額について、一般のサラリーマンとは別建ての基準を設ける案など複数の選択肢を示した。年金部会は今秋に改革案をまとめる。
 
社保審、今秋に改革案
現行制度には、保険料などの最低基準があり、実際の収入が低くても最低でも9万8000円の月収があると見なして、この額に保険料率(現在13.58%。これを労使折半)をかけて保険料を徴収している。厚労省はパート労働者に対して、現行基準をそのまま使う案(保険料は月額1万3000円を労使折半)や、最低月収基準を下げて例えば7万円とする案(同1万円)を示した。
年金の給付額については、現行の最低基準を維持する案(月額8万8000円)や、最低基準の引き下げに応じて下げる案(同8万2000円)、さらに引き下げる案(同7万2000-7万4000円)を示した。
 
厚生年金へ加入する月収7万円のパート労働者の保険料と年金額 (月額、円)
  保険料 年金(厚生年金+基礎年金)
現行制度の最低収入(9万8000円)とみなす場合 1万3000 8万8000(2万1000+6万6000)
現行制度の最低収入(9万8000円)を下げ月収7万で計算する場合 1万 8万2000(1万5000+6万6000)
現行制度の最低収入(9万8000円)を下げ月収7万で計算し、年金は減額する場合 厚生年金減額のケース 1万 7万4000(8000+6万6000)
基礎年金減額のケース 1万 7万2000(1万5000+5万7000)
(注)保険料は労使折半。年金額は加入期間40年。配偶者が会社員などで、その扶養者になっている場合。
高額所得者 年金給付上限も 厚労省見解 国庫負担引き上げ主張

2003/ 4/18 日本経済新聞夕刊

  坂口力厚生労働相は18日の閣議後の記者会見で、(1)若い世代が安心するよう保険料の上限を定めたうえで、年金給付額に上限を設ける(2)基礎年金の国庫負担率(現行の3分の1)の引き上げに国民的な合意を得る--など、2004年の公的年金改革に向けた基本的な考えを示した。財務省や経済産業省などから年金改革への意見を出ているのに対し、方針を明らかにして経済財政諮問会議などの議論に臨む考えだ。
厚労省は2004年の年金改革で、少子高齢化に備え、厚生年金の保険料率を将来、年収の20%に抑えることを目指している。このため、年金の給付削減などで支出総額を抑えることが課題になっている。
遺族年金に課税 税収確保へ財務省検討 政府税調で議論

2003/ 4/18 日本経済新聞朝刊

  財務省は、夫を亡くした妻などが受け取る遺族年金の所得への課税を検討する。現在は非課税だが、高齢化が進み膨らむ一方の社会保障負担を賄うには、年金への課税の範囲も広げる必要があると判断した。18日に開く政府税制調査会基礎問題小委員会で議論を始め、6月をメドにまとめる中期的な税制の将来像を示す「中期答申」に盛り込む。
遺族年金は、一家の生計維持者と死別した遺族に支給する公的年金。全国民が対象の遺族基礎年金、会社員の遺族のための遺族厚生年金などがあり、約585万人(受給権者数)に年間約6兆円を支給しているが、所得税はかかっていない。
年金改革 「国民負担率5割まで」 経済財政諮問会議 雇用対策強化で一致

2003/ 4/17 日本経済新聞朝刊

  経済財政諮問会議は16日、2004年の年金制度改革について協議した。会合では民間議員が経済の活力を維持するため、国民所得に対する社会保険料や税金の比率(国民負担率)を抑えるよう提案。財政赤字を含めた潜在的な国民負担率を50%程度にとどめる方向を確認した。今後さらに検討を進め、6月に示す構造改革の基本方針(骨太方針)に年金改革の大枠を盛り込む。
 
国民負担率 厚労省案でも6割に 内閣府試算 医療・介護給付抑制も
内閣府は16日の諮問会議に年金制度と国民負担に関する試算を提出した。試算によると、現行制度を維持した場合も、厚生労働省が検討している改革を実施した場合も、国民所得に対する社会保険料や税の比率(潜在的国民負担率)は2025年で約60%に達する。負担率を下げるには健康保険や介護保険の給付抑制なども同時に実施する必要がありそうだ。
厚生年金の保険料率は現在、サラリーマンの年収の13.58%(これを労使折半)。夫婦2人分のモデル年金月額は23万8000円で、現役世代の平均可処分所得の59%に相当する。
試算では、現行の給付水準を将来も維持した場合、保険料率は最終的に22.3-25.3%まで上昇。潜在的国民負担率は2001年の47.0%から2025年で60.8%になる。
厚労省は国民の負担増への不安を解消するため、厚生年金保険料の上昇をサラリーマンの年収の20%程度で固定する方式を検討。同方式では将来の年金給付水準が現役世代の平均所得の47.4%-54.1%に低下する。ただ2025年の国民負担率は59.8%とほとんど下がらない。
年金改革に合わせて健康保険や介護保険の負担増を半分に抑えるほか、国の歳出の伸びを国民所得の伸び率より0.5%低くする改革を実施した場合は国民負担率が54.5%まで低下。さらに厚生年金保険率の上限を18%に設定すれば53.4%になる。 
その他読み物
  年金制度改革 厚労省案に反対 同友会が意見書

2003/ 9/18 日本経済新聞朝刊

  経済同友会は17日、来年の年金制度改革で厚生年金の保険料(現行は年収の13.58%)を20%に引き上げる議論が進んでいることに「現役世代の意見を反映していない。企業経営に与える影響も甚大だ。」と反対する意見書をまとめた。
「厚生労働省が検討している年金改革案は国民の将来不安を払しょくするには不十分で到底容認できない」としている。
経済同友会は1人一律月額7万円の給付を全額消費税で賄う新たな基礎年金を創設すべきだとしている。
基礎年金「全額税で」 民主党が抜本改革案

2003/ 9/15 朝日新聞朝刊

  民主党の公的年金制度の抜本改革案の概要が14日、明らかになった。厚生年金や国民年金等の現行制度を一本化し、全額を税金で賄う「国民基礎年金」と、現役世代の所得に応じた保険料で賄う「所得比例年金」の2階建てに再構築する。国民基礎年金は、現役世代の所得が高ければ減額し、低所得者に比較的、手厚くするのが特徴だ。
65歳超す男性 1千万人突破 高齢者人口・比率、最高

2003/ 9/15 朝日新聞朝刊

  「敬老の日」にちなんで総務省が発表した15日現在の推計で、全国の65歳以上の高齢男性人口が初めて1000万人を突破し、1026万人になった。男女合わせた高齢者人口は2431万人で、前年より71万人増加。総人口に占める高齢者の比率は19.0%で、前年より0.5ポイント増えた。高齢者の人口、比率ともに過去最高を更新した。
少子化対策大綱を作成 政府、来年5月をめどに

2003/ 9/11 朝日新聞朝刊

  政府は10日、先の通常国会で成立した省しか社会対策基本法に基づき、少子化社会対策会議の初会合を開いた。全閣僚がメンバーで、小泉内閣が会長。出生率低下による少子化をくい止めるため、来年5月をめどに政府の長期的な指針を示す「少子化社会対策要綱」を作成することで合意した。
大綱では、雇用環境の整備、保育サービスの充実、地域での子育て支援、ゆとりある教育の推進、経済的負担の軽減などを盛り込む。今後、有識者らによる検討会を設け、具体的な作業に入る。
年金施設 2割閉鎖 厚労省2005年度までに 資金投入を停止

2003/ 8/31 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は公的年金資金を使って建設した厚生年金会館などの福祉施設の廃止や統合に踏み切る。全国に265ある施設のうち民間と競合する老人ホームなど2割程度を廃止。年金資金を使った施設の改修なども止め、独立採算で運営できる黒字の施設だけを残す。少子高齢化による年金財政の悪化に歯止めをかける一貫で、2005年度までの実施をめざす。
公的年金予定利回り 名目2%程度に下げ 厚労省 2008年度以降は2.8%-3.6%

2003/ 8/28 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は2004年の年金制度改革で公的年金の予定運用利回り(名目)を現在の年4%から引き下げる方針を決め、27日の社会保障審議会年金運用分科会に報告した。2007年までには2%程度、2008年度以降は2.8-3.6%とする方向だ。
公的年金 予定利回り下げ 実質1.6-2.1% 給付削減要因に

2003/ 8/24 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は公的年金の積立金について、将来の運用収益見通しを下方修正する。2003-2007年度の予算運用利回りを実質1.6-2.1%と、現行計画(2.5%)から引き下げる。2004年の年金改革に反映させる。約150兆円ある積立金の運用収益が現行計画より見込めなくなるため、保険料引き上げや年金給付削減の要因となる。
厚労省は27日に社会保障審議会(坂口力厚労相の諮問機関)年金賃金運用分科会で了承を受け、28日の同審議会年金部会に報告する。与党との調整を経て、年内にまとめる年金改革案で正式決定する。
自治体の99%給与下げ

2003/ 8/20 日本経済新聞朝刊

  総務省が19日に公表した2002年度の地方公務員の給与改定状況によると、全国の3260自治体(2003年4月1日現在)の99.6%に当たる3247自治体が給与水準を引き下げたことが分かった。2002年度の人事院勧告が初めて国家公務員の月給、基本給を2.03%引き下げるよう勧告したことを受けた措置。
年金積立金減額を提案 厚労省 年金給付確保へ徐々に

2003/ 8/18 朝日新聞朝刊

  坂口厚生労働相は17日に出演したNHKの討論番組で、厚生年金の給付水準を現役世代の収入の55%程度に維持するために、現在約147兆円ある年金積立金を今後徐々に減らし、厚生年金の給付に当てたい、との見解を示した。2100年までかけて25兆円程度にまで減らせば、現役世代の保険料負担も軽減できるという。04年の年金改革に向け、積立金の規模縮小も選択肢に含める意向を示した。
シニア専門職 派遣拡大 技術者らを中小企業に

2003/ 8/18 日本経済新聞朝刊

  定年退職者ら50-60歳代の中高年を対象にした人材派遣が広がりを見せ始めた。中小企業が技術や特定業務のノウハウを持つ人材を一定期間活用するケースが目立つ。定年退職者らも働く意欲はあるものの、長期にわたる勤務にこだわらないケースもあるからだ。派遣から正社員になるケースもあり、中小企業に人材を提供する新たなルートになりつつある。
今年度の新入社員 起業・独立より社内の管理職

2003/ 8/18 日本経済新聞朝刊

  起業や独立よりも社内の管理職を志向--。産業能率大学がまとめた今年の新入社員の意識調査で、独立志向が大きく減退した。同大では「IT(情報技術)バブルの崩壊などで、起業・独立のリスクが敬遠されているのでは」とみている。
支給中の年金 4%削減を 消費減少分を給付に反映 財務省 来年の改革で要請

2003/ 8/13 日本経済新聞朝刊

  財務省は2004年の公的年金改革で、支給中の年金額を一律4%に削減するよう厚生労働省などに求める。社会保障費の伸びを抑える狙いから、これまで議論してきた物価下落分に加え、消費の減少分も年金給付の引き上げに反映させる「原則論」をあえて持ち出した。財務省は年金課税の強化も目指しており、年金改革を巡る政府・与党内の調整は難航しそうだ。
確定拠出年金 掛け金の増額を 厚労省、上限引き上げ要望

2003/ 8/ 7 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は2004年度の税制改革で、確定拠出年金等の掛け金の上限引き上げを要望する。2004年の公的年金改革で厚生年金などの給付水準を将来に引き上げる方向を固めつつあることを踏まえて、加入者が自助努力で補えるよう確定拠出年金を拡充する狙いがある。
政管健保 積立金が枯渇 昨年度 赤字、最悪の5588億円

2003/ 8/ 1 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省は31日、中小企業従業員らが加入する政府管掌健康保険(政管健保)の2002年度収支が5588億円の赤字になったと発表した。赤字は10年連続で、今回の赤字額は過去最大。加入者減で保険料収入が減る一方、高齢者増で医療費支出が増えたためだ。赤字を穴埋めする積立金も枯渇した。
政管健保の財政は医療保険分と介護保険分に別れており、税制が悪化しているのは医療分。景気低迷などが響き保険料を負担する加入者が1年間で約40万人減少。2002年度収支は前年度比2.3%減の6兆5909億円となった。
年金・医療保険・介護保険 3制度あわせ負担上限 8月に厚労相案

2003/ 7/31 朝日新聞朝刊

  坂口厚労相は30日、静岡県浜松市であった講演会で、前倒しで提示するとしていた04年年金制度改革の骨格について、「年金だけでなく、医療保険や介護保険も含めた負担と給付の全体像について考えをまとめたい」と述べ、8月末にも大臣案として示す方針を明らかにした。具体的には3つの制度をあわせた保険料負担の上限を設ける一方、その負担で保障する給付の水準についても目安を示す意向だ。
社会保障制度に対する国民の不安を解消し、生活設計が立てやすいようにするためには、総合的な負担の上限や給付の水準を示すべきだと判断した。
介護保険の赤字 自治体の25%借金で穴埋め

2003/ 7/29 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省が28日まとめた介護保険の財政状況によると、借り入れによって赤字を穴埋めしている自治体が2002年度末で全体の4分の1に達していることが明らかになった。高齢者の増加で介護保険財政は厳しくなる一方で、保険料収入を増やす方策や給付の抑制などが課題となる。
公的年金 運用赤字3兆円 昨年度、累損6兆円に倍増

2003/ 7/23 日本経済新聞夕刊

  公的年金(厚生年金と国民年金)の資金運用が一段と悪化している。積立金の一部を債券や株式などで運用している年金資金運用基金が23日発表した2002年度の運用結果は、株価下落の影響で3兆608億円の赤字と3年連続の大幅赤字となった。過去の赤字を加えた累積損失は6兆717億円で前年度末からほぼ倍増、将来の年金給付に備える積立金の目減りが深刻さを増している。
年金支給ミス問い合わせ殺到 「今さら払えぬ」・・・「理解を」

2003/ 7/21 日本経済新聞朝刊

  年金の支給ミス問題で社会保険庁が14日からお詫び状の発想を始めたところ、すでに1600件を超す問い合わせの電話が殺到した。「支給しすぎたからと今さら請求されても払えない」と返納を断る電話のほか、複雑な制度を尋ねる電話も多い。同庁は「5年ほど前から全国的な問題になりかねないと予想していた」と認めており、危機意識の薄さが対応の大幅な遅れを招いた。
介護保険 介護費13%増加 2002年度 在宅サービス大幅増加

2003/ 7/20 日本経済新聞朝刊

  国民健康保険中央会の集計によると、2002年度に介護保険から支払われた介護費は5兆1918億円と前年度比13.7%増えた。自宅で暮らす人向けの在宅介護サービスが25.7%増の2兆1496億円と大幅に伸びた。特別養護老人ホームなど施設サービスは6.6%増の3兆422億円。
基礎年金への一本化に言及 制度改革で財務相

2003/ 7/20 日本経済新聞朝刊

  塩川清十郎財務相は19日、愛知県吉良町での講演で、年金改革について「現在の基礎年金を大幅に引き上げて、(現役時の所得水準に関係なく同じ額を)平等に渡し、後は貯金など(自助努力)で対処すべきだ」との考え方を表明した。
未払い2万9000人 計215億円分判明 年金支給ミス

2003/ 7/17 日本経済新聞夕刊

  厚生年金の支給額が誤っていた問題で、社会保険庁は17日、未払い分の総額が判明分だけで約2万9000人、総額215億円に上ったことを明らかにした。9月12日に一括して支払う。1人当たりの最高支給額は274万円で、平均で75万円という。同庁は約6300人について調査を続けており、更に40億-50億円の支払いが必要になる可能性がある。
同庁は再発防止策も合わせて発表。長官をトップとする「事故再発防止策検討委員会(仮称)」を設置。年金支給のオンラインシステムについて外部の専門家による業務点検を実施するとした。
健保赤字4003億円 2002年度最悪に

2003/ 7/11 日本経済新聞朝刊

  健康保険組合の全国団体である健康保険組合連合会は10日、全国約1700の健康保険組合の2002年度決算(見込み)は4300億円と過去最悪の赤字になったと発表した。被保険者の減少などで保険料収入が減った上、高齢者医療費を賄うための負担金が増えたことが主因。赤字組合の割合も80.6%と初めて8割を超えた。
介護報酬改定後も 厚労省は「介助」国交省は「白タク」 「移送サービス」混乱続く

2003/ 7/ 7 毎日新聞朝刊

  介護保険の要介護認定者を施設や病院などに送り迎えする「移送サービス」の混乱が続いている。厚生労働省は今年4月の介護報酬改定で、タクシー事業者による「介護タクシー」を「乗降者介助」と新たに位置づけたが、それを訪問介護事業者による白ナンバー車での送迎にも適用するかどうかについては都道府県によって対応が別れてしまった。一方、国土交通省は白ナンバー車での有償移送は、道路交通法違反との指摘を変えていない。移送サービスを明確に位置づける時期に来ている。
「厚労省の年金改革案、前提甘い」 日本総研リポート 将来世代ほど給付大幅削減

2003/ 7/ 2 日本経済新聞朝刊

  日本総合研究所は1日、厚生労働省が公表している2004年の年金改革のたたき台を「将来世代ほど給付の削減が大きく、現役世代の平均手取り年収に対する年金の比率(所得代替率)が45%を切る可能性がある」とする報告をまとめた。坂口力厚労相は現在59%であるこの比率を将来も50%以上に維持する考えを示している。
年金過払い分24億円 回収不透明 受給者、すでに100人死亡 社会保険庁「強制」は名言避ける

2003/ 6/28 日本経済新聞朝刊

  社会保険庁が厚生年金支給額を誤っていた問題で、払いすぎた加給年金の受給者約7000人のうち、100人制度がすでに死亡していることが27日、分かった。同庁は遺族のほか、蓄えがない年金生活者にも返納を求める方針。担当者は「こちらのミスだが、納得していただきたい」と低姿勢だが、強制回収については前代未聞の不祥事だけに明言を避けている。
厚生年金 支給不足は300億円

2003/ 6/27 日本経済新聞夕刊

  社会保険庁が厚生年金の支給額を誤っていた問題で、同庁は27日、年金受給額の配偶者が65歳に達して年金を受け取る際に、支給額を上乗せする「振替加算」を支払っていなかったのは約3万6000人に上り、総額で約300億円になると発表した。「夫婦の年金の支給状況の照合ミスで支給不足が生じた」と説明している。
厚生年金 払いすぎ7000件 社会保険庁99年6月以降 10億円返還請求へ

2003/ 6/27 日本経済新聞朝刊

  厚生年金受給者の配偶者が65歳未満などの場合に年金額が加算される「加給年金」を、社会保険庁が1999年6月以降、プログラムミスで約7000人に払いすぎていたことが26日、分かった。総額は10億円超の見通し。65歳以降では未支給分が判明、対象者は数万人に上る可能性があるという。未支給分はさかのぼって支給、過払い分は返還を求める方針。
年金への信頼 50歳境に逆転 本社世論調査 40代「不信」54% 50代は「信頼」58%

2003/ 6/21 朝日新聞朝刊

  厚生年金や国民年金などの公的年金制度に対する信頼感が50歳を境に大きく異なっていることが、社会保障に関する朝日新聞社の全国世論調査(8、9の両日実施、面接)の結果から浮き彫りになった。払った保険料に見合う年金がもらえそうな50代以上と、負担と給付のバランスが危ぶまれる20代から40代とでは、制度への信頼感が完全に逆転している。
富裕層の年金控除縮小 政府税調中期答申 少子高齢社会にらむ 消費税率2ケタ明記

2003/ 6/17 日本経済新聞夕刊

  政府税制調査会(首相の諮問機関)は17日午前、税制改正の将来像を示す中期答申を小泉純一郎首相に提出した。「少子高齢社会における税制のあり方」との題で、年金受給者の控除縮小など所得課税の強化や消費税率の2ケタへの引き上げを明記。膨らむ社会保障費を賄うため、校理恵者を含めた家計に広く負担増を求めるなど増税志向を鮮明に打ち出した。
財政難、給付抑制を明記 消費税の活用を提示 具体化、政府内で綱引き 社保審意見書

2003/ 6/17 日本経済新聞朝刊

  社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)は16日、「今後の社会保障改革の方向性に関する意見」書をまとめた。現役世代の負担増を抑えるため年金などの給付を抑制する方針を打ち出し、社会保障の財源として高齢者も負担する消費税を充てる考えなどを示した。給付と負担は経済財政諮問会議や政府税制調査会でも議論されており、具体策は今後の政府内での調整に委ねられる。
 
社保審意見書のポイント
▽給付のあり方
年金など高齢者向け給付の伸びをある程度抑制。子育て支援は推進。
▽負担のあり方
厚生年金・国民年金の保険料引き上げ凍結を早期に解除
社会保険料や税について高齢者世代も含めたあらゆる世代が能力に応じて広く公平に負担を分かち合う方向で努力
基礎年金の国庫負担割合引き上げは安定した財源の確保策と一体で検討
所得や資産がある高齢者には応分の負担を求め、公的年金への課税は見直し
▽国民負担率をめぐる議論
「潜在的国民負担率」を社会保障と関連づけて論じるのは適当ではない
企業年金 転職先へ移管可能に 厚労省検討 確定給付型で新制度

2003/ 6/12 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は確定給付型の企業年金に加入するサラリーマンが、年金を転職先に持ち運びできる新制度の検討に入った。転職する際に元の企業年金から脱退一時金を受け取るだけでなく、新しい勤め先の企業年金とまとめて老後に年金として受け取れるのは特徴。老後の年金であまり不利にならない環境を整え、雇用の流動化に対応する。2004年の年金制度改革での実現を目指す。
企業の少子化対策行動計画 2-5年で達成促す 厚労省指針案

2003/ 6/12 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は12日、少子化に歯止めをかけるため従業員300人超の企業に作成を義務付ける行動計画の指針案をまとめた。男女別の育児休業の取得率など「可能な限り定量的な目標」を示し、2-5年での計画達成を求めている。特に男性の育児休業の取得促進を重視。子供の出生児の男性従業員の休暇制度の創設などの具体策を盛り込むようにしている。
今国会で審議中の次世代育成支援対策推進法案では、ここの企業に行動計画の作成を義務付けている。企業は厚労省の指針に基づき計画を作り、2005年度から実行する。
指針案では、就学前児童を育てる授業員を支援するため、短時間勤務制度や法律の規定を上回る期間・回数の育児休業制度の導入などを挙げている。
出生率1.32 02年 また最低更新

2003/ 6/ 6 朝日新聞朝刊

  1人の女性が生涯に産む子供の平均数(合計特殊出生率)が02年は1.32となり、戦後最低だった01年の1.33を更新したことが、厚生労働省が5日発表した人口動態統計でわかった。生まれた子供の数も1万6796人減の115万3866人で2年連続減少し、1899年の統計開始以来最低となった。今後、出産期にあたる20〜30代の女性人口が減ることもあり、少子化傾向に歯止めがかかりそうにない。
結婚・出産巡り自己決定権盛る 少子化対策法案

2003/ 6/ 6 朝日新聞朝刊

  自民、民主、公明などの超党派の議員が提出して衆院内各委員会で審議中の少子化社会対策基本法案について、前文に「結婚や出産は個人の決定」という文言を入れて修正することで5日、提出議員や提出には加えられなかった民主党議員の間で合意した。
年金給付水準「かなり削減を」 財務次官

2003/ 6/ 3 日本経済新聞朝刊

  財務省の林正和次官は2日の記者会見で、公的年金制度に触れ「かなりの給付水準の引き下げがないと制度を維持できないし、若い人の賛同は得られない」と述べ、年金額の削減が不可欠との認識を示した。
塩川正十郎財務相が夫婦2人の標準世帯への年金額(月23万8000円)を月17万円程度まで減らす考えを示したことには「中長期的に維持可能な年金制度に変えなければいけない。財務相の発言はそうした線に沿っている」と同調した。
「年金3割カットを」 財務相

2003/ 6/ 2 日本経済新聞朝刊

  塩川正十郎財務相は1日のテレビ朝日の番組で、公的年金制度のあり方について「現在の年金は現役時代の収入を所得保障するものだが、この考え方では無理だ。生活の最低限を保証するものに変えるべきだ」と述べ、高齢者の夫婦2人の標準世帯への年金額(月23万8000円)を約3割減らして月17万円程度にすべきだとの見解を明らかにした。塩川財務相が給付減額の具体的な金額に言及したのは初めて。
現行の年金制度は、働いていたときの収入の約6割の年金給付を保障している。塩川財務相は年金財政がひっ迫していることを踏まえ、「本当に国民に公平平等で持続可能な制度なのか」と指摘。年金給付額を生活を最低限保てる水準に改めるようにすべきだと訴えた。
基礎年金への国庫負担割合 審議会、「1/2」上げ一致

2003/ 5/31 朝日新聞朝刊

  04年の年金制度改革を議論している厚生労働省の社会保障審議会年金部会(部会長・宮島洋早稲田大学教授)は30日、基礎年金に対する国庫負担の割合を現行の3分の1から2分の1に引き上げるよう求める方向で一致した。秋までにとりまとめる審議会意見の骨格となる見通しだ。
ただ、年金制度における税の使い方や、具体的な財源に関しては「全額税法式とするべきだ」「低所得世帯に負担となる消費税を所得保障の財源にするのは不適当」など、審議会内でも意見が割れている。集約には難航も予想される。
厚生年金保険料「年収の20%が上限」 有識者調査 半数が「負担固定」

2003/ 5/30 日本経済新聞夕刊

  厚生労働省は30日、年金制度のあり方について、学者や労使団体の代表者らを対象に実施した「有識者調査」の結果をまとめた。厚生年金保険料の最終的な負担上限については「年収の20%程度」(現在は13.58%)との答えが59%で最も多かった。同省ではこの結果を参考にしながら2004年の制度改革基準案をつくる考えだ。
子供の予定 若夫婦1.99人 初めて2人割り込む

2003/ 5/29 日本経済新聞朝刊

  結婚して5年未満の若い夫婦が予定している子供数は1.99人で、初めて2人を割り込んだことが28日、国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「2002年出生動向基本調査」で分かった。女性の晩婚化がさらに進む中、1960年代に生まれた女性が出産する子供数も大幅に減少。急速に進む少子化の実態が浮かび上がった。
子供の予定人数は全体でも2.13人にとどまり前回比0.04人減で、過去最低。
高齢者の高額医療費 払い戻しを4割受けず 東京の29区市

2003/ 5/26 朝日新聞夕刊

  東京都内で、医療費の払い戻しを受けられる高齢者の4割が手続きをしていないことが、東京保険医協会の調査でわかった。通知が無くて払い戻し対象になっていることを知らなかったり、役所に出向かなければならなかったりする煩雑さが原因とみられる。同様の傾向は他県でもみられ、全国保険医団体連合会は近く全国調査をする。
「基礎年金も減額が必要」 経団連、主張へ

2003/ 5/25 日本経済新聞朝刊

  日本経団連は年金制度改革で、国民共通の基礎年金についても一定の所得のある高齢者への支給停止や減額が必要と主張する方針を固めた。現役時代の収入に比例する報酬比例年金の支給減額と組み合わせて給付水準を下げなければ、年金財政の立て直しは難しいとみている。
結婚・妊娠 国が支援 少子化対策転換めざす 法案 審議入り

2003/ 5/23 朝日新聞夕刊

  自民、民主、公明などが提案した少子化社会対策基本法案が23日、衆院内閣委員会で審議入りした。育児休業制度や保育サービスの充実などに加え、国と地方自治体が不妊治療に取り組むことも定めている。現在は仕事と育児の両立のための環境整備が中心だが、基本法案は、政府の次世代育成支援対策推進法案と連動して、結婚・妊娠の支援に踏み出す内容で、国の少子化対策の大きな転換を目指す。
個別の契約で医療費割引も 健保と医療機関

2003/ 5/21 朝日新聞朝刊

  健康保険組合と医療機関が個別契約を結べば、医療費の割引も可能になった。厚生労働省が20日付で全国の健康保険組合に通知した。契約医療機関を受診すれば、医療費の事故負担が安くなるが、制度の適用には厚生労働相の認可が必要となる。昨年3月末に閣議決定された規制改革推進3カ年計画で打ち出していたが、厚労省内で手続き方法などを決めるのに時間がかかっていた。
厚年基金の3分の1 代行返上500基金突破 運用悪化、母体企業が負担増回避 株安と売却、悪循環

2003/ 4/18 日本経済新聞朝刊

  代表的な企業年金である厚生年金基金が、公的年金の運用・給付を代行する業務を相次ぎ返上している。厚生労働省から返上を認可された基金は4月中旬までに511と、全体(4月1日現在で1653基金)のほぼ3分の1に達した。株安などで運用が悪化し、負担に耐えられない母体企業が増えているからだ。返上に際し保有株を売却する基金が多く、株式相場を圧迫している。
年金35%減に現受給者同意 信金厚生年金基金 現役との公平感配慮

2003/ 4/15 日本経済新聞朝刊

  総資産額最大級の企業年金、全国信用金庫厚生年金基金(溝口肇理事長、加入者約14万人)が、すでに年金を受給している人を含めた給付金の減額に、受給者の同意を事実上取り付けた。今回の提案は年金基金による上乗せ部分の給付額を35%減らす内容で、制度変更に3分の2以上の賛成が必要。これに対し現時点までに親近などを既に退職した受給者らの82%が同意書を提出した。支払額が確定している受給者の給付引き下げは、用件が厳しく01年度までに7例しかない。最大級の基金が踏み切ることで、他の企業年金にも影響が広がりそうだ。
健保組合 解散最多の37件 昨年度 財政悪化の組合増す

2003/ 4/11 日本経済新聞朝刊

  企業が従業員のために設立している健康保険組合の2002年度の解散数が前年度を11上回り、過去最多の37組合となった。保険料収入が伸び悩む一方で医療費が増え続け、財政が悪化する組合が増えている。健康保険組合連合会が10日まとめた全国の健保組合の2003年度予算によると、今年度も6割の組合が赤字の見通し。解散は続きそうだ。
 ※健保組合総数:1674(2002年度末) 加入者数:約3100万人
厚年基金 88%が積み立て不足 2001年度、過去最悪を更新

2003/ 4/ 5 日本経済新聞朝刊

  厚生労働省が4日発表した2001年度末の厚生年金基金の財政状況によると、積立金が加入者に約束した年金を給付するのに足りない厚年基金は全体の88.2%と、前年度末の76.5%を上回り、過去最悪を更新した。資産運用利回りが2年連続でマイナスだったことが影響した。