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99年(平成11年)第3四半期
 



平成11年第3四半期(10月〜12月)に新聞などで発表されたニュースです。


【00.01.03】 「失業手当 受給者なお高水準」
 求人増でも改善せず 求職条件・能力すれ違い
 企業の求人意欲が上向くなかで、失業手当の受給者数は高止まりする傾向が鮮明にな
 ってきた。11月の全国の求人広告件数は4箇月連続で増加したが、失業手当の受給
 者数は依然として前年水準を上回っている。企業が求める人材と求職者の条件・能力
 が合わない雇用のミスマッチが背景だ。政府は情報通信など新分野で雇用創出を促す
 政策を打ち出しているが、求人需要に応じた職業訓練が進まなければ、雇用の改善が
 遅れる可能性もある。

  ((12月31日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12.29】 「老人保健拠出金 分担見直し先送り」
 厚生省、調整行き詰まる
 厚生省は、原則70歳以上の高齢者の医療費を賄うために健保組合などの医療保険が
 払っている負担金(老人保健拠出金)の分担ルールの見直しを2001年度以降に先送り
 する。加入者に占める高齢者や子供の比率が高いところの負担を減らし、現役世代の
 多いところの負担を重くする案を検討していたが、負担増になる医療保険側が強く反対
 したため、2000年度中の見直しを断念した。
 個々の企業が従業員のために設立する健保や市町村が運営する国保など各医療保険
 が支払う拠出金額は、その医療保険の加入者に占める高齢者の比率を基準に算定して
 いる。今でも医療保険の負担能力が反映するよう高齢者比率の低い健保・国保の拠出
 金額は高めに、逆に高いところは少なめに設定している。

  ((12月29日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12.26】 「賃上げ基準 企業の8割「業績」で」
 労働省調査「世間相場」は1割
 賃上げなどの決定基準として企業の81.5%が「企業業績」を挙げていることが、労働省が
 まとめた「賃上げ等実態調査」でわかった。10.6%と1割に過ぎない。企業業績が8割台
 に乗ったのは69年の調査開始以来初めて。
 調査は9月、今年1年間の手当を加えた賃上げ状況(予定を含む)を調べた。全国の3174
 社を対象に実施し、回答は2079社。
 99年に1人当たりの平均賃金を引き上げた企業は76.8%、引き上げた企業は3.8%、賃
 上げも賃下げも実施しなかった企業は14.3%だった。賃下げ企業の調査は今回が初め
 てで、賃上げを見送った企業の割合は75年以来で最も高い。引き下げ、見送りの理由は
 ともに「企業業績の悪化」がトップで。それぞれ87.1%、70.5%。
 賃下げの方法(複数回答)は「諸手当の減額」が63.3%、「基本給の減額」が53.1%。基
 本給の減額では臨時的に賃金カットをした企業が36.0%だったが、賃金表の改定などで
 賃金水準そのものを引き下げた企業も26.2%あった。

  ((12月26日 日経新聞朝刊))
 
 
「国民健保を広域運営 自治体連合で財政強化」
 保険料負担増緩和も
 厚生省は自営業者や高齢者を対象に市町村が運営している国民健康保険(国保)の広
 域化を推し進める。高齢化による医療費の膨張に備え、国保の経営体質や保険財政を
 強化するのが狙いだ。複数の自治体が広域連合を組織指定量保険の運営を統合する
 場合、システム改修費や事務経費の一部を補助する。広域化に伴い保険料を引き上げ
 なければならない市町村には、国が助成して保険料上昇を抑えることも検討する。加入
 者にとっては保険料の負担増を緩和する効果が期待できる。

  ((12月24日 日経新聞朝刊))
 
 
「労働組織率、最低の22.2%」
 過去最多の26万8000人減少 6月末時点労働省調べ
 今年月末時点の労働組合員数は前年より26万8000人(2.2%)減少し、1082万5000人
 になったことが、23日、労働省がまとめた「労組基礎調査」でわかった。減少は5年連
 続で、マイナス幅は過去最大。全組合員数を雇用者数(5321万人)で割った労組の組
 織率も前年比0.2ポイント減の22.2%と戦後最低を記録した。組織率は最近でのピーク
 である75年の34.4%から下がり続けている。

  ((12月24日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12.23】 「診療報酬、実質0.2%上げ」
 政府・与党決定 患者負担増やす
 政府・与党は19日、病院や診療所が医療保険から受け取る診療報酬を来年4月から
 1.9%引き上げることを決めた。病院などの収入減となる薬価引き下げを差し引いた実
 質では0.2%の引き上げとなる。医療費が560億円膨らむため、その財源として原則70
 歳未満の患者の自己負担の月額上限額を上げ、入院時の食費負担を増やす。70歳以
 上の高齢者にも応分の負担を求めるため、自己負担額に月間の上限を設け、かかった
 医療費の1割を自己負担する定率制を部分的に導入する。患者負担の増加はいずれも
 来年7月から実施する予定。医療費効率化などの抜本改革は見送り、病院などの収入
 増を患者負担で賄うことに国民の批判も出そうだ。

  ((12月20日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12.17】 「失業給付 保険料1.2%で決着」
 労働省、来年法案提出へ
 赤字が続いている雇用保険制度の見直しは16日、失業給付の保険料率を現行の0.8%
 から1.2%(労使折半)に引き上げることが固まり、事実上決着した。保険料の負担が5割
 も増えるうえ、失業給付の水準は全体で2割弱切り下げられる厳しい内容になった。
 一方、教育訓練給付の限度額を現行の200,000円から300,000円に、育児・介護休業手
 当を休業前給付の25%から40%にそれぞれ引き上げる前向きの実績も盛り込まれた。
 労働省は雇用保険法改正案などを来年の通常国会に提出する。
 現行の失業給付額は失業前の給与の6-8割(日額の限度額は約10,800円)で、給付日
 数は年齢と保険加入期間によって90-300日間支給されている。改正案では、給付日数
 を90-180日に削減したうえで、解雇、倒産など離職を余儀なくされた非自発的失業者に
 は30-150日を上乗せし、失業の理由によって大きな格差をつける「2階建て」方式になる。
 このほか、1)パート、派遣労働者の加入要件の90万円の年収制限を廃止 2)緊急雇用
 安定地域や特定不況業種などに適用されている60日間の個別延長給付を廃止 3)再就
 職手当は失業手当の残存期間の3分の1相当に切り替える、などが盛り込まれる。
 雇用保険法などが改正されれば、2001年度から施行される。ただ、教育訓練給付、育
 児・介護休業手当の増額は2001年1月から実施する方針で、労働省は来年度予算に事
 業費を要求する。

  ((12月17日 朝日新聞朝刊))
 
 
「教育訓練給付増額を前倒し」
 伊藤庄平労働事務次官は16日の記者会見で、政府が2001年度実施を予定している雇
 用保険改革のうち教育訓練給付と育児・介護休業手当の増額は2000年度中に前倒し実
 施する方針を明らかにした。

  ((12月17日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護支援サービス強化提言」
 通産省は16日、介護保険制度の導入で拡大が予想される介護関連市場について報告
 書をまとめ、利用者の立場で介護計画を作成できる中立的なケアマネージャー(介護
 支援専門員)の必要性を提言した。ケアマネージャー事業は介護サービスの提供者が
 兼業している場合が多いためで、利用者の判断を助けるため、各事業者のサービスを
 客観的に評価する基準も必要だと強調した。

  ((12月17日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12.15】 「育児・介護休業手当 賃金の40%に上げ」
 政府・与党方針 来年度実施を目指す
 政府・与党は14日、少子高齢化対策として育児・介護休業手当の水準を休業前賃金
 の25%から40%に引き上げる方針を決めた。休業中の所得保障を手厚くすることで企
 業に勤める女性らが仕事と育児、介護を両立しやすい環境を整えるのが狙い。2000年
 度中の実施を目指す。労使と最終調整し、与党三党の少子化対策に盛り込み、17日
 の少子化対策関連閣僚会議で正式決定する。
 現在は会社員ら所得給与者が1歳未満の子供の養育のために休業すると、休業中の
 賃金の25%の育児休業手当を雇用保険から支給している。財源は7%が国費、残りは
 労使が折半負担する雇用保険で、99年度の予想支給額は約320億円。年間で約7万人
 が利用、99%が女性。労働省によると、女性会社員で出産する人の約5割が育児手当
 を受け取っている。
 現在の少子化は出産・育児と仕事の両立が難しいため、会社勤めの女性が結婚に慎
 重になり、独身を続けていることが一因との指摘が多い。育児休業中に受け取る手当
 が増えれば、休業中の収入源への不安が弱まり、働いている女性も安心して子育て
 が出来ると労働省は見ている。
 親や配偶者の介護のために最長2箇月の介護休業をとる会社員らに支給する介護休
 業手当も賃金の25%から40%に引き上げる。介護休業手当は今年7月から支給を開始
 しており、99年度は約130億円の支給を見込んでいる。

  ((12月15日 日経新聞朝刊))
 
 
「高齢者医療費 定率では負担大幅増」
 厚生省が5案提示
 医療制度改革で焦点となっている高齢者の医療費の自己負担を巡り、厚生省は13日、
 外来診療の場合の5つの引き上げ案をまとめた。最も負担が重くなるのは、現在の定
 額負担を1割の定率負担に変えて月額の上限を10,000円にする案で、上限は現在の5
 倍近くに跳ね上がる計算だ。入院時についても原則として1日1,200円の定額負担を、
 上限付きの1割定率負担に変え、現在よりも負担を増やす。自民党が来年4月に薬剤
 費の患者一部負担を廃止する方針を固めたことに伴う財源確保のための見直し案で、
 予算編成に向けて本格化する診療報酬の改定論議などにも影響を及ぼしそうだ。

  ((12月14日 朝日新聞朝刊))
 
 
【99.12.12】 「国民年金基金 掛け金に差」
 平均寿命の違い反映 女性は15%上げ 男性は2%
 自営業者などを対象にした国民年金の上乗せ公的年金制度である国民年金基金の掛け
 金が、男女別に格差を設けて引き上げられる見通しだ。超低金利の長期化などで資産の
 運用利回りが低下したことが背景。女性の平均寿命が延びて生涯の年金の受取額が多
 くなることを考慮し、引き上げ幅は男性で平均2%程度、女性は同15%程度とした。
 女性の掛け金が高くなる見直しは公的年金では初めて。国年基金の上部組織の国民年
 金基金連合会は、2000年4月以降の加入者から適用するよう各基金と調整する。厚生
 省も近く認可する方針だ。

  ((12月11日 日経新聞朝刊))
 
 
「65歳までの継続雇用制度 導入を努力義務に」
 労働省は10日、65歳までの継続雇用制度の導入を企業の努力義務とし、普及を促す方
 針を決めた。2001年度から厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられるのに
 対応、60歳以降も働き続けられる環境作りを急ぐ。高年齢者雇用安定法の改正案を来年
 の通常国会に提出。2000年度から継続雇用制度を導入する企業への支援を拡充するほ
 か、従業員の再就職を支援する企業への助成制度を新設する。
 現在は「継続雇用定着促進助成金」で一気に65歳までの継続雇用制度を導入して企業
 に賃金助成しているが、この支援基準を緩和、定年を61歳以上に引き上げた企業などを
 加える。また、従業員が退職前に再就職活動や教育訓練に入れるよう休暇を与える企業
 には、休業中の賃金の3分の1程度を助成する制度も導入する。

  ((12月11日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護分野 新規雇用に助成金」
 労働省、次期国会に法案
 労働省は10日、2000年4月の介護保険導入に合わせ、介護分野の雇用対策を強化する
 ことを決めた。介護分野で新たに労働省を雇い入れた企業や社会福祉法人、非営利団体
 (NPO)に対する賃金助成やホームヘルパーを目指す失業者を対象にした無料講習などが
 柱。来年の次期国会に介護労働者法の改正案を提出する。
 新規の助成策は企業が払う雇用保険料を財源とする雇用保険事業として実施する。介
 護保険導入に向けて介護分野の労働力需要が強まり、現在、中小企業を対象に実施し
 ている雇用支援策を社会福祉法人やNPOも含めて介護分野全体に広げる。介護保険制
 度の対象となっていない配食業者なども支援対象に加える。
 雇い入れ尾助成率は初年度の賃金の3分の1が基準で、対象者には介護分野で多いパ
 ート労働者も含める。助成率の強化により来年度に7万−8万人の雇用を創出できると労
 働省は見込んでいる。これらの介護関連対策費として、同省は来年度予算要求で100億
 円を要求している。

  ((12月11日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12.11】 「医療保険料 実質引き上げ」
 厚生省法改正へ 介護保険料 別枠に
 厚生省は9日、医療保険料と介護保険料をあわせた保険料率の法定上限を実質的に引
 き上げる案をまとめて、自民党医療基本問題調査会・社会部会合同会議に正式に提示
 した。介護保険料を別枠にし法定上限を医療保険料のみに適用する。介護保険制度が
 始まる来年4月以降に40-64歳の介護保険料を上乗せすると、合計の保険料率が現行
 の法定上限を超え、医療費を支払えなくなる健康保険組合が相次ぐ恐れがあるため。
 来年の通常国会に健康保険法改正案を提出し、4月からの実施をめざす。
 介護保険料を別枠にすることで、法定上限を介護保険料相当分だけに引き上げるのと
 同じ効果が見込まれる。同省は医療保険制度の抜本改革を2000年4月に実施すれば、
 医療保険料の大幅引き下げが可能で、合計の保険料率が法定上限には達しないとして
 きた。今回の方針変更は医療費の削減が難しいとの判断を示したものともいえ、負担
 増に歯止めがなくなることを懸念する声が高まりそうだ。

  ((12月10日 日経新聞朝刊))
 
 
「失業給付1-2割削減 雇用保険改革、「定年」などカット」
 労働省方針 料金は1.2%に上げ
 労働省は8日、赤字が続いている雇用保険の見直しで、給付総額を1-2割削減すると
 同時に、労使折半で負担する保険料率(現在は賃金の0.8%)を1.2%に引き上げる方
 向で最終調整に入った。離職理由によって給付額に差を付ける仕組みも導入。勤め先
 のリストラなどで離職を迫られた人については現行の給付水準をほぼ維持するが、定
 年退職者ら離職を予想できる失業者への給付日数は最長180日と現在の6割に短縮
 する。育児休業手当やパート・派遣労働者への保険適用は拡充する。
 失業給付、離職理由で格差
 労働者が検討している雇用保険制度改革案では、失業給付は中高年に多いリストラ
 離職者は現在とほぼ変わらない反面、定年退職者や自己都合の離職者の給付は大
 幅に減り、高齢者や転職志向の若年層にとっては厳しくなる。保険料率は現在より約
 0.4%上がり、加入者は1人当たり平均で年間9,000円程度の負担増になる可能性が
 大きい。ただ、削減幅や保険料率について労使の溝は埋まっていないうえ、「離職理
 由による区別は実際には困難」との指摘もあり、残された課題は多い。

  ((12月 9日 日経新聞朝刊))
 
 
「医療費の自己負担額 一般患者、約9000円上げ」
 厚生省案 70歳未満、月73,000円
 厚生省は8日、原則70歳未満の患者による医療費自己負担の上限額引き上げ案を明ら
 かにした。一般患者の上限額は現行の月63,600円を月73,000円程度に引き上げる。年
 収840万円-850万円超の患者を対象に新たな区分を設け、上限額は月140,000円に設
 定する。こうした定額の上限に加え、1カ月の医療費が一定額(被保険者本人は365,000
 円)を超える患者には、超過分の1%相当額を定率で追加負担を求める。
 同省は年内に医療保険福祉審議会や自民党と調整し、来年の半ばをメドに引き上げを
 実施したい考えだ。
 現在、原則70歳未満の患者は医療費の2-3割を自己負担している。ただ費用のかさむ
 重病患者の負担を軽減するため、1カ月の自己負担額が63,600円を超えた場合は、患
 者の加入する医療保険が差額を支払っている。
 しかし薬の種類に応じて患者が支払う「薬剤別途負担」の来年度廃止に伴い、患者の
 自己負担を高めることにした。
 現在、住民税非課税の低所得世帯の自己負担上限額は月35,400円と低く設定されて
 いる。こうした世帯の上限額の引き上げは小幅にとどめる方向だ。

  ((12月 9日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12. 9】 「確定拠出型年金法案の4省原案 加入者利益を保護」
 企業・金融機関に忠実義務
 厚生、大蔵、通産、労働の4省が来年の通常国会に提出する方針の確定拠出型年金
 法案(仮称)の原案が7日、明らかになった。制度を導入する企業や関連業務を委託する
 金融機関は加入者のために忠実に業務を遂行しなければならないと明記。違反行為が
 あった場合は厚相が是正を命令できるとし、罰則規定も盛り込んだ。確定拠出型年金
 では加入者本人が積立金の運用に責任を持つが、企業や金融機関の義務も明確にす
 ることで加入者利益の保護を目指す。

  ((12月 8日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.12. 4】 「医療費自己負担 上限上げ」
 所得に応じ段階的に 入院時の食費も
 厚生省は入院や通院などの際に支払う患者の自己負担の上限を来年度から引き上げる
 方向で検討に入った。原則月63,600円までとなっている現役世代の上限額を患者の所
 得水準に応じて数千円程度引き上げるほか、入院患者の食費の自己負担額を6-7%引
 き上げる。医療保険の加入者が死亡した時に支給する埋葬料など現金給付も削減する。
 自民党が日本医師会に配慮し、薬の種類数に応じて患者が支払う「薬剤別途負担」の
 来年度廃止を決定したため、医療保険から4,900億円の支出増が見込まれる。自己負
 担額の引き上げはこの穴埋めに充てられる。

薬剤別途負担廃止の穴埋め策
現役世代の自己負担-------------------------
・一般の患者で月額63,600円が上限=>高齢所得者中心に引き上げ
入院時の食事負担-------------------------
・一般 日額760円=>引き上げ
現金給付-------------------------
・埋葬料
 10万円以上(健保)
=>段階的には廃止・縮小
・傷病手当金
 1日につき標準報酬日額の60%(健保)
=>年金受給者は減額
老人の自己負担-------------------------
・定額(外来は1日530円、月4回を限度)=>上限付き1割負担

  ((12月 4日 日経新聞朝刊))
 
 
「「介護」軽減財源の交付金 市町村の裁量認めず」
 厚生省の羽毛田信吾事務次官は2日の記者会見で、高齢者の介護保険料の軽減財源と
 して市町村に配る臨時特例交付金の使徒について「(保険料を半年間徴収せず、その
 後1年間も2分の1に軽減するという)当初の方針を変えたという意識はない」と述
 べ、市町村の裁量でホームヘルパーの要請など他の目的に流用することは認めない考
 えを示した。保険料を徴収したり、軽減割合を小さくしたりする市町村には交付金を
 減額する。反面、「自民党内で議論があることは承知している」として、将来の方針
 転換には含みも残した。
 厚生省は自民党社会部会幹部との間で、交付金の使途について市町村の裁量を広く認
 めることでいったん合意。自民党の衛藤晟一政調副会長は1日の党介護保険小委員会
 で、交付金の使途を弾力化することで丹羽雄哉厚相と大筋一致したと説明し、その場
 に居合わせた厚生省幹部も方針転換を認めていた。
 しかしその後、丹羽厚相は合意したという認識はないと反発。2日朝には青木幹雄官
 房長官と急きょ会い、流用を認めない当初方針の維持を再確認した。羽毛田次官は「市
 町村の対応がバラバラになるとかえって混乱を招く」と話すが、「厚生省の腰の定ま
 らない対応は現場の混乱を招いている」(社会部会幹部)との批判も広がっている。

  ((12月 3日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11.28】 「企業年金 確定拠出型移行に上限」
 政府が仕組み案 超過分には課税
 政府は2000年秋に導入する確定拠出型年金(日本版401k)について、企業が確定給付型
 の企業年金から401kに移行する際の仕組み案を決めた。厚生年金基金や税制適格退職
 年金から移すことができる積立金に上限を設ける。上限は従業員1人当たり432,000円に
 勤続年数をかけた額とする。この範囲内なら移行時に従業員に分配する積立金に所得税
 を課さない。企業年金が充実している大手企業では、既存の年金積立金をすべて401kに
 移すと従業員が課税される場合も出てくるとみられ、企業側の反発も予想される。

  ((11月28日 日経新聞朝刊))
 
 
「リストラ離職 中小に集中」
 47%が「従業員30人未満」労働省調べ
 過去3年間に勤め先の倒産・人員整理などで離職した非自発的失業者の約47%は従業
 員30人未満の零細企業で発生していることが労働省の調べでわかった。労働省は「リス
 トラ離職は経営基盤が弱い中小企業で集中的に起こっており、この層への雇用対策が重
 要になる」とみている。
 調査は総務庁の労働力調査特別調査に基づき失業者を離職理由別、勤め先の規模別に
 分類してまとめた。
 過去3年間に勤め先の都合で離職した失業者は89万人に達する。このうち定年退職や労
 働条件の悪化などの事情で辞めた人が46万人で、残る43万人が勤め先の倒産や解雇・
 人員整理など特に厳しい離職を迫られた。
 厳しい離職を迫られたケースを勤め先の規模別にみると、従業員30人未満の企業が最も
 多く、500人以上の企業は全体の約14%にとどまった。大企業の離職者では定年や契約
 の終了で失業した人の割合が高い。
 労働省は「大企業の人員削減ではなく新規採用の抑制や関連会社への出向・転籍が中
 心」と指摘。出向・転籍先の企業で、玉突きで解雇される従業員が増えている可能性も
 ある。

  ((11月28日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11.27】 「年金法案を強行採決」
 自民、自由、公明の与党三党は26日夜、衆院厚生委員会で、厚生年金の給付水準の
 抑制を柱とする年金改革関連法案の採決を民主党など野党側の抵抗を押し切って強行、
 同法案は一部修正の上自自公三党の賛成多数で可決された自自公側は29日の衆院
 通過を目指しているが、野党側は「到底容認できない」と強く反発、すべての国会審議
 を拒否する構え。週明けの国会は与野党の対立激化で空転する事態も予想され、99
 年度第二次補正予算案などの審議への影響は避けられない見通しだ。
強行採決した法案の主な内容
項目種別
改正項目
内 容
 




 
厚年報酬比例部分の5%削減経過措置として現行の年金額は維持。
完全適用は2004年度から。
厚年報酬比例部分の支給開始
年齢の65歳への引き上げ
現行の60歳を2013年度から3年ごとに
1歳ずつ引き上げ。女性は5年遅れ。
厚年在職老齢年金制度の60歳
代後半への適用拡大
会社員を続ける人から保険料を徴収。
給与と報酬比例部分の合計が月37万円
超なら年金減額
共通65歳以上の年金の賃金ス
ライドの凍結
年金額が賃金スライドを維持した場合
の8割未満になれば復活。
物価スライドは維持。
 



 
厚年総報酬制の導入ボーナスを含めた年収ベースで徴収
保険料率は17.35%から13.58%に
国年低所得者の半額免除支給額は3分の2に減額
国年学生の納付免除10年以内に追加納付が可能
厚年育児休業時の事業主負担免除本人分は既に免除
 



 
共通基礎年金の国庫負担割合
の2分の1への引き上げ
2004年度までに「安定した財源の確保」が条件
共通年金積立金の全額自主
運用
年金福祉事業団を廃止し、新たに年金
資金運用資金を設立

  ((11月27日 日経新聞朝刊))
 
 
「医師会 診療報酬3.6%増要求」
 「医療費1兆円増」 健保など負担増に反発
 日本医師会は2000年4月から医療機関が医療保険から受け取る診療報酬を3.6%引き
 上げる要求をまとめ、26日の中央社会保健医療協議会(厚相の諮問機関)に提示し
 た。これに対し医療費を負担する健保組合などは「国民医療費が1兆円増える」と反
 発、来年度予算編成に向け攻防が激化しそうだ。医療機関が薬の仕入れ値と公定価格
 との差額を収入とする薬価差益の解消についてはほぼ一致したが、医師会は差益分を
 診療報酬に振り返るよう求めており、調整が難航するのは必至だ。

  ((11月27日 日経新聞朝刊))
 
 
「大卒男子 初任給伸び低迷、0.6%」
 今春 小企業、大企業を上回る
 労働省が25日発表した99年度の賃金統計速報によると、今春の大卒男子の初任給
 は196,600円となり、前年比伸び率は0.6%と98年(0.8%)を下回った。リストラ
 を進める大企業を中心に初任給を抑える傾向が続いている。ただ、小企業は初任給を
 同2%以上引き上げて大卒の採用を積極化しね調査を開始した1976年以来初めて小企
 業の大卒初任給水準が男女とも大企業を上回った。
 大卒女子の初任給は4月に改正男女雇用機会均等法が施行された影響などから188,700
 円、前年比1.3%増となった。高卒は男子が0.7%増(金額は157,600円)、女子が0.3%
 増(148,300円)となった。大卒男子の初任給の伸び率は95年に1%を下回って以来、
 低迷が続いている。
 大卒の初任給の伸びを企業規模別に見ると、従業員1,000人以上の大企業では男子で2.1
 %、女子で2.3%と高水準になった。小企業の大卒初任給の水準が大企業を上回った
 のは女子は98年から2年連続、男子は今年初めて。労働省は「大卒採用の好機とみて
 医療、情報関連サービスなどの小企業の一部が大卒採用に積極的になった」と指摘し
 ている。

  ((11月26日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11.23】 「国保、赤字1020億円」
 98年度 前年度の3.5倍に 医療保険改革が急務
 厚生省は22日、自営業者らを対象に市区町村が運営する国民健康保険(国保)の98年度
 財政状況(速報)を発表した。前年度からの繰越金などを除いた単年度収支は1020億円
 の赤字で、赤字額は97年度(292億円)の約3.5倍に拡大した。景気低迷の影響で収納率
 が下がり保険料収入が伸び悩む一方、医療費支出は患者の自己負担を増やした97年9
 月の制度改革の影響が薄れ、再び大幅に増えたためだ。国保の財政悪化が鮮明になっ
 たことで、医療保険改革の早期実施を求める声が強まりそうだ。

  ((11月23日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護保険見直し 自治体の6割 批判的」
 現場の作業混乱 家族介護支援 8割が実施・検討
 高齢者の保険料徴収を半年間凍結するなどを柱にした介護保険制度の見直しについて、
 64%の市町村が負担とサービスの給付の関係があいまいになるなどとして「デメリットが
 大きい」と批判的に見ていることが、日本経済新聞社の調査で明らかになった。「メリット
 が大きい」は31%だった。来年4月の制度開始に向けた準備作業への影響では、68%
 が「保険料徴収事務などに関するコンピューターシステム変更の必要」を挙げ、現場の
 混乱をうかがわせた。実施するかどうかは市町村の判断にゆだねられた慰労金など家
 族介護支援事業に関しては、84%が実施するか検討中としている。

  ((11月20日 日経新聞朝刊))
 
 
「医療費抑制 道険しく」
 保険改革、中医協審議入り 医師会 健保連 診療報酬で火花
 政府が2000年4月からの実施を目指している医療保険改革論議が大詰めを迎えた。厚
 相の諮問機関、中央社会保険医療審議会は17日、病院などの医療機関に診察代金とし
 て医療保険が支払う診療報酬の見直しを始めた。だが実質審議入りした同日の中医協
 では、医療費負担を抑えたい健康保険組合と報酬の引き上げを求める日本医師会が真
 っ向から対立した。薬価や高齢者医療の改革も進んでおらず、医療費抑制への道は険
 しくなってきた。

  ((11月18日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11.13】 「大卒63%高卒41% 就職内定率最悪に」
 来春、大学を卒業する就職希望者の内、就職が決まった人の割合は63.6%(10月1日現
 在)と、前年同期を3.9ポイント下回ったことが12日、文部、労働省両省の調査で明ら
 かになった。高校卒業予定者の内定率は41.2%で、これも前年同期より7.7ポイント
 低かった。いすれも調査を始めて以来、最低の数字だ。未内定者は大学で141,000人(前
 年比10,000人増)、高校で139,000人(同6,000人増)にのぼる。大手を中心に企業の人
 員削減が相次いでいる影響で、学生の就職難は深刻さを深めている。

  ((11月13日 朝日新聞朝刊))
 
 
「低所得者の訪問介護負担 2003-2004年度も軽減」
 厚生省 費用の6%に抑制
 厚生省はホームヘルプサービスを利用している低所得者向け負担軽減の具体策を決め
 た。介護保険制度では費用の10%を自己負担するのが原則だが、サービスを利用して
 いる低所得者の負担割合を制度開始から3年間は3%、その後2年間は6%にする。

  ((11月13日 日経新聞朝刊))
 
 
「保険料 884億円徴収不能」
 来年度健保連推計 介護保険導入で
 健康保険組合連合会は11日、来年4月の介護保険制度導入により、来年度は全国1786
 の健保組合の45%に当たる810組合で保険料率が法定上限の9.5%を超えるとの推計を
 明らかにした。料率が法定上限を超えることで徴収不可能となる保険料は884億円に
 達する。政府は介護保険の円滑導入策の一環として、税制状況が悪化している健保組
 合に財政支援する方針で、具体的な支援方法や対象組合を早急に詰める構えだ。

  ((11月12日 日経新聞朝刊))
 
 
「失業給付 60歳代の日数短縮へ」
 労働省、財政悪化で検討
 失業手当の受給者増で財政が悪化している雇用保険について、労働省は60歳代の定年
 退職者に対する失業手当の給付日数を短縮する方向で検討に入った。給付削減策を組
 み合わせることで労使が負担する保険料(現在は従業員の賃金の0.8%)の負担を小幅
 にとどめるのが狙い。これまで給付削減に反対していた連合が60最大については容認
 姿勢を示し始めたことを踏まえた。12月上旬までに具体的な改革案をまとめ、来年通
 常国会に雇用保険法改正案を提出する。

  ((11月11日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11. 7】 「保険料 大半が負担増」
 40-64歳「介護」導入で年4400億円 政府支援及ばず
 来春の介護保険制度の導入で40-64歳の大半は、現在より保険料負担が重くなったこ
 とが確実になった。政府は介護保険料の負担軽減策を決めたが、この年齢層への政府
 の財政支援は、収支が悪化した健康保険組合や国民健康保険に対する年間600億円前
 後にとどまり、厚生省によると4400億円程度の保険料を追加的に負担する必要がある
 ためだ。これは当初想定の保険料負担とほぼ変わらず、負担はほとんど軽減されない。
 支援を受ける健保組合や国保でも40-64歳の人は大半が実質負担増となる見通しだ。

  ((11月 7日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11. 6】 「介護保険料 40-64歳 負担軽減は2年」
 政府が特別対策決定 65歳以上徴収を半年凍結
 政府は5日、2000年4月に導入する介護保険制度の見直しで問題で、65歳以上の保険
 料を当初の半年間は徴収せず、その後1年間も半額にする事などを柱とする特別対策
 を発表した。40-64歳に関しても医療保険に介護保険料として上乗せされ、負担増とな
 る一年分を、国が2年間にわたって医療保険に財政支援することにした。自民、自由、
 公明の3党合意では40-64歳の保険料も実質的には徴収しないこととしていたが、所属
 する医療保険によっては徴収されることになる。国が負担する約1兆100億円の財源は
 大半を赤字国債の発行でまかなう。
 政府案骨子
  ・65歳以上の高齢者の保険料は2000年4月から半年間は徴収しない。同年10月から
   の1年間は半額に減額
  ・40-64歳の被保険者の介護保険料は従来より負担増となる額の1年分を国が2年間
   にわたり財政支援する
  ・介護サービスを利用しない要介護者を抱える低所得の家族らに上限で年10万円の
   「家族介護慰労金」を支給
  ・今年度で終了する新ゴールドプランの後、新しいプランを策定
  ・ホームヘルプサービスの低所得者層の利用料を3年間、3%に軽減し、その後段階
   的に引き上げ
  ・制度見直しに伴う国の財政負担は約1兆円

  ((11月 6日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護事業 生損保が強化」
 生命保険、損害保険各社が介護ビジネスの強化に乗り出した。日本生命保険は在宅介
 護最大手のニチイ学館と提携、訪問入浴や食事宅配などを保険契約者に提供できる体
 制を整える。第一生命保険は東京の指定を受けた子会社を通じ、来春からホームヘル
 パー派遣事業に本格進出する。損保でも三井海上火災保険が介護大手に出資するなど
 参入が相次いでいる。来年4月の公的介護保険の導入を機に拡大する高齢者市場を直
 接開拓したり、既存の保険商品の販売拡大を狙った関連サービス拡充の動きが加速す
 る見通し。

  ((11月 5日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護受けられぬ「自立」が6.1%」
 厚生省、10月22日まで集計
 どの程度の介護が必要かを決める介護保険制度の要介護認定について、厚生省が一部
 自治体の認定結果をまとめたところ、同制度からのサービスが受けられない「自立」と判
 定された人が6.1%に上ることが4日、分かった。
 同省が集計したのは先月22日までに報告があった31都道府県、107市町村の約1,700人
 分。
 ホームヘルパーの派遣など在宅サービスは受けられるが特別養護老人ホームなど施設
 への入所はできない「要支援」は10.6%だった。施設入所が可能な「要介護」は、それぞ
 れ要介護1が22.4%、同2が14.5%、同3が14.0%、同4が16.5%、最も必要度が高い同
 5は16.0%となった。
 「自立」が6.1%という結果について、厚生省は「施設と在宅のお年寄りの比率が精査で
 きていないうえ、ごく一部しか分かっておらず、現時点で評価するのは難しい」としている。
 

  ((11月 5日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11. 3】 「健保組合保険料率 8.5%超す部分補てん」
 来年4月に始まる介護保険制度の見直しの一環として、厚生省は大企業のサラリーマ
 ンが加入する健康保険組合への財政支援の具体策を固めた。医療保険料率が政府管
 掌健康保険(月収の8.5%)を上回る健保組合を対象に、8.5%を超える分の医療保険料
 収入に相当する額を国が補てんする。約1800組合のうち5割弱が対象となる見通し。介
 護保険料は満額徴収するが、医療保険料が下がる分、個人負担は軽減される。健保組
 合の保険料率が法定上限(9.5%)を超えないようにする狙いもある。

  ((11月 3日 日経新聞朝刊))
 
 
「国保加入、「現役」初の増加」
 昨年度 失業で企業健保から流入
 自営業者などサラリーマン以外が入る国民健康保険(国保)で現役世代の加入者が増え
 ている。98年度平均加入者数(国保組合を除く)は前年度比27万人贈と国民皆保険制
 度が発足した1961年以来、初めて前年を上回り、99年度も増加が続いている。雇用情
 勢の悪化で失業したサラリーマンが企業の健康保険から国保に移ったためだ。国保は
 サラリーマンの健康保険より国費助成が多く、政府は99年度補正予算で1000億円前
 後の追加支出になる見通し。企業の人員削減の余波が社会保険制度にも波及してきた。

  ((11月 2日 日経新聞朝刊))
 
 
「老人福祉施設12%増加」
 厚生省が1日発表した98年の社会福祉施設調査によると、特別養護老人ホームなど
 老人福祉施設が前年比12.2%増の19,106箇所と急増している。介護保険制度の導入
 に向け、政府が積極的に施設整備を進めているためで、入所者は372,025人と、前年よ
 り2万人増えた。障害者向けの施設も増えているが、一方で少子化により保育所は14
 年連続で減少している。
 98年10月時点での社会福祉施設は65,845箇所で、3.6%増えた。のびが著しいのは
 老人福祉施設で、整備目標を定めた「ゴールドプラン」がスタートした90年の3倍にな
 った。95年からは年間2,000箇所ずつ増えている。厚生省は、依然として入居待ちの
 利用希望者が多いため新しい整備目標を決めて施設を増やす方針。
 保育所は前年比0.3%減の22,327箇所と、84年のピークより約600箇所減った。

  ((11月 2日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.11. 1】 「家族介護慰労金 政府、年10万円軸に調整」
 要介護4、5対象
 自民、自由、公明の与党三党が合意したか以後保険制度の見直しの具体化について、
 政府・与党は一日から調整を本格化する。焦点は高齢者を自宅で介護している家族に
 現金を給付する「慰労金」の支給額とその対象者の範囲だ。厚生、大蔵両省は支給額
 を年10万円とする案を軸にしたい考えだが、家族介護への評価を求める連立与党側は
 年20万円−40万円程度への上積みを求めており、曲折も予想される。

  ((11月 1日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.30】 「家族介護慰労金 市町村の判断で」
 厚生省方針 現物給付も認める
 厚生省は高齢者を介護する家族に現金給付する「介護慰労金」について、財源は国が
 負担するが、実施するかどうかは市町村の判断に委ねる方針を固めた。国からの補助
 金の使徒を現金支給に限定せず、おむつなど介護用品の現物支給や介護にあたる家
 族に交流の機会を与える事業の予算に充てることも認める。家族介護への現金給付で
 はなく、現物給付などを選択する市町村も予想され、対応にばらつきが出そうだ。

  ((10月30日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護保険 「凍結半年」軸に最終調整」
 自自公対象年齢でも詰め
 自民、自由、公明の与党三党は28日、2000年4月から導入する介護保険制度の見直
 しを巡って大詰めの調整を続けた。焦点である介護保険料の徴収凍結の期間は「6カ
 月」を軸に話し合いが進む方向。凍結の対象については自民党が「65歳以上の高齢
 者」、自由、公明両党は「40歳以上の全ての保険料納入者」を主張し、折り合いが付
 いていない。財源問題を巡っても、自民党が保険方式を堅持する立場なのに対し、自
 由、公明両党は凍結解除後の制度の抜本的見直しを主張し、調整に手間取っている。

  ((10月29日 日経新聞朝刊))
 
 
「雇用調整金 支給額、昨年度9割増」
 今年度も高水準で推移
 企業の生産調整で一時帰休する従業員の雇用維持を促す雇用調整助成金の支給が急
 増している。98年度実績は268億9,300万円と前年度の1.9倍に急増、99年度に入っ
 てからも8月までの支給事業所数は前年度の6割増の水準となっている。10月からは
 助成率が下がっているため支給増に歯止めがかかると見られる者の、企業の雇用過剰
 感は根強いことから、当面は高水準で推移すると労働省はみている。
 業況が一時的に悪化している業種の企業が従業員の一時帰休や出向を実施する場合、
 国は賃金の支払いを一部、雇調金で肩代わりする。助成を受けるのは国の指定を受け
 た業種の企業だけで、財源は企業が負担する雇用保険料(賃金の0.35%)で賄う。

  ((10月26日 日経新聞朝刊))
 
 
「確定拠出型年金の運用 企業の一括指示認める」
 厚生など4省 手数料下げ促す
 厚生、大蔵、通産、労働の4省は、来秋に導入する確定拠出型年金(日本版401k)に
 ついて、企業が従業員に代わって年金資産の運用方法を一括して指示することを条件
 付きで認める方針だ。金融機関が運用商品を提示する運営管理業務と資産管理業務を
 兼業したり、年金資産の運用業務と資産管理業務を兼ねることも認める。4省は金融
 機関が提供するサービスの手数料を規制しない考えだが、制度を簡素化することで手
 数料を引き下げを促す。

  ((10月25日 日経新聞朝刊))
 
 
「家族介護 月2-3万円」
 自民方針 保険枠外で支給
 自民党は24日、2000年4月から始まる介護保険制度で、要介護の高齢者を抱えなが
ら介護サービスを受けない家族の支援策として、高齢者一人当たり月2-3万円の家族介
 護手当を支給する方針を固めた。25日から本格化する介護保険制度の見直しを巡る
 自由、公明両党との協議で提案する。自由、公明両党も基本的に同調する方向で、家
 族介護手当の支給が与党の見直し案に盛り込まれる見通しだ。

  ((10月25日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.23】 「家族介護 厚相、現金給付に難色」
 亀井氏らと協議 自自公は月内に結論
 丹羽雄哉厚相と自民党の亀井静香政調会長、自由党の藤井裕久幹事長、公明党の坂口
 力政審会長は22日夕、都内のホテルで介護保険制度の見直し問題を巡って協議した。亀
 井氏は家族介護を重視する立場から、要介護老人を抱えながら介護保険サービスを受けな
 い家族に現金を給付する制度の創設を提案。藤井氏、坂口氏も現金給付を主張したが、丹
 羽厚相は「法律改正を伴う見直しは難しい」と主張し、難色を示した。このため与党三党は
 週明けからワーキングチームを作って検討し、月内に結論を出すことになった。
 厚相と与党三党の政策責任者は介護保険制度を予定通り2000年4月から実施することで
 は一致した。
 介護保険を巡っては自民、自由、公明の与党三党の政策責任者が負担の軽減策やサー
 ビス内容の見直しを10月中に取りまとめることで合意し、亀井氏を中心に厚生省や大蔵省
 と協議を続けてきた。
 見直しに当たって亀井氏は「親の面倒をみている家族が報われる制度にすべきだ」と主張
 しており、現金給付はその具体策。ただ、現金給付には政府内だけでなく自民党にも「給
 付金が介護に使われるかどうか不透明」「家族が介護に縛られる」との批判がある。

  ((10月23日 日経新聞朝刊))
 
 
「新卒採用減少に歯止め」
 2001年春 企業の人員削減限界?
 2001年春卒業の大学生に対する採用予定数は2000年春の採用予定数と比べ、「減少」
 と答えた企業が8.2%にとどまってることが、学生援護会が22日までにまとめた「採用動
 向調査」でわかった。援護会では「採用計画は未だ決まっていないが、健全な組織維持
 のために、採用人数はこれ以上減らすことができないとの判断が企業の間に広がってい
 るのでは」と分析している。

  ((10月23日 日経新聞朝刊))
 
 
「雇用保険料2倍に 給付維持で労働省試算」
 水準下げ課題
 労働省は21日、雇用保険で現在の失業給付を続けた場合、将来必要となる保険料の
 試算をまとめ、中央労働安定審議会の雇用保険部会に提出した。毎年の赤字を穴埋め
 している積立金は2000年度末にはほぼ底をつき、2001年度以降、給付費を賄う国庫負
 担率を14%から25%に高めても、雇用保険料(労使折半)を月収の1.5−1.6%と現行の
 約2倍に引き上げる必要がある。ただ、保険料の引き上げには反発が強く、給付の削
 減など支出面の見直しも課題になるとみられる。
 労働省は同部会が年内にまとめる改革案に沿って、雇用保険法改正案を来年の通常
 国会に提出する。
 雇用保険の失業率はサラリーマンの年収の0.8%の保険料のほか、国が一般会計から
 失業給付費の14%を拠出することで賄っている。ここ数年は失業率の上昇に伴い失業
 手当の給付が急増、今年度は1兆3,000億円の大幅赤字を見込んでいる。
 現在、単年度赤字は過去の黒字を蓄えた積立金で補っているが、この積立金残高も99
 年度末には約1兆6,000億円に落ち込み、2000年度末には559億円とほぼ底をつく。同
 省は「2001年4月までに財源を拡充しなければ雇用保険制度は破綻する恐れがある」
 としている。
 労働省は2001年度から5年間の平均的な失業率が4.6%、5.0%、5.4%となる3つの
 ケースについて、現行の失業手当の給付を維持した場合、単年度の収支を均衡させる
 のに必要な保険料を試算した。
 同部会は国庫負担率を給付費の25%に高める方針で一致しており、これも織り込んだ。
 平均失業率が4.6%と現在(4-8月の平均は4.8%)より小幅低下した場合、保険料を1.4
 −1.5%に引き上げると均衡する。失業率が5.0%で高止まれば、1.5−1.6%の保険料
 率が必要。さらに失業率5.4%の最悪のケースでは、保険料を1.7%に上げなければ赤
 字は解消しない。
 試算は被保険者数も賃金も伸びないと言いう前提に立ち厳しさを強調した面もあるが、
 雇用情勢が大きく好転しない限り、離職前の賃金の6−8割を90−300日間支給する
 現在の給付水準を維持するには、保険料を2倍近く上げる必要がある。
 ただ、保険料負担の大幅増には経済界などが反発しており、失業給付を抑えて保険料
 の引き上げ幅を圧縮するよう求める声が強まっている。

  ((10月22日 日経新聞朝刊))
 
 
「健保組合 1割が財政危機」
 「解散予備軍」増える昨年度決算 今年度、赤字最大に
 健康保険組合連合は20日、サラリーマンが加入している健康保険組合の98年度決算
 見込みを発表した。保険料を月収の9.0%以上と法定上限(9.5%)近くまで上げても規
 定の準備金を積めない組合数が147と全体の1割に達し、財政難の「解散予備軍」が
 増えている。1,794組合全体の収支は患者負担を増やした制度改正の影響で5年ぶり
 に黒字になったものの、99年度は老人医療費を賄う負担金の増加で再び収支が悪化
 し、過去最大の赤字になる見通しだ。

  ((10月21日 日経新聞朝刊))
 
 
「来春の大卒内定者17.8%減」
 本社調査 過去6年で最大 電機・自動車絞り込む
 大規模なリストラの進展などを受け、民間企業の2000年春の大学新卒採用数は2年連続
 で減少、過去6年で最大の落ち込みとなることが確実になった。日本経済新聞社がまとめ
 た2000年度新卒採用内定調査(回答909社)によると、内定者数は前年度実績比17.8%
 減。電機、自動車などが内需不振で絞り込んだほか、医薬品、外食などを除き大半の業
 種が前年を下回った。日産自動車グループが3年で従業員を21,000人削減する計画を表
 明するなど大手企業は人員抑制の姿勢を強めており、2001年度の就職戦線も厳しさが
 続く見通しだ。

  ((10月21日 日経新聞朝刊))
 
 
「政管健保 2002年度に積立金枯渇」
 厚生省試算 保険料据え置き前提
 厚生省は、主に中小企業サラリーマンが入っている政府管掌健康保険の収支見通しを明
 らかにした。医療保険料を月収の8.5%(労使折半)の現行水準に据え置くと、単年度赤字
 額は2000年度の2,000億円から2003年度に5,500億円に拡大する。高齢者医療費を負担
 する老人保健拠出金が膨らむのが主因だ。同省は2002年度に料率を9.1%−9.2%に上
 げなければ、積み立てている支払準備金が事実上、枯渇し「医療費が払えなくなる」(保険
 料)とみており、高齢者の負担上げなど医療費抑制政策を検討する。

  ((10月20日 日経新聞朝刊))
 
 
「国保減収の半分補てん」
 介護保険導入で厚生省 徴収漏れ拡大対策
 厚生省は2000年度の介護保険制度の導入に伴い、国民健康保険を運用する市町村に対
 し、財政支援する方針を固めた。介護保険料を医療保険料に上乗せして徴収すると、加入
 者の負担が増え、現在でも1割前後ある保険料の徴収漏れが更に拡大すると予想される
 ためだ。具体的には減収額の2分の1程度を補てんする方向。市町村の間で国保の財政
 悪化への懸念が強いことに配慮、介護保険制度の円滑導入策に盛り込む。自民、自由、
 公明3党の政策責任者協議に諮り、了承を得た上で来年度予算に計上したい考え。

  ((10月18日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.16】 「国民年金「空洞化」の悪循環」
 未納者増に拍車 保険料23%が支払わず
 長引く景気低迷などの影響で、自営業者や学生が加入する国民年金で保険料の未納・
 滞納が膨らんでいる。低所得による免除者と合わせて、対象者の3分の1が保険料を
 支払っていない「空洞化」は公的年金への不振を高め、さらに未納者が増える悪循環
 に陥っている。厚生省は国会で継続審議中の年金制度改革法案に期待をかけるが、効
 果は未知数だ。

  ((10月16日 日経新聞朝刊))
 
 
「訪問介護の初年度負担 低所得者3%に軽減」
 丹羽雄哉厚相は14日、愛知県東海市内で記者会見し、来年4月実施の介護保険制度
 の円滑導入策の一環として、訪問介護の低所得者の利用者負担を軽減する方針を明ら
 かにした。介護サービスにかかる費用の10%を負担するのが原則だが、現在ホームヘ
 ルプサービスを無料で利用している高齢者について自己負担割合を初年度3%、次年度
 5%に軽減する。介護保険の対象外となる健康な高齢者向けのサービス水準を維持す
 るため、宅老所や高齢者生活福祉センターなど施設設備も加速する。第二次補正予算
 案に必要な経費を計上する見通しだ。
 現在ホームヘルプサービスを利用している約400,000人の高齢者のうち約300,000人は
 所得税非課税などの理由で自己負担が免除されている。丹羽厚相は「急激な負担増を
 緩和するために思い切った施策が必要」として、こうした低所得の利用者については特
 例措置を講じる考えを示した。身体介護の場合、利用料金は30分以上1時間未満で
 402円から120円程度に下がる見通しだ。
 また丹羽厚相は「(要介護認定で自立可能と判断され)介護保険の対象外となる高齢者
 を同支援するかが円滑実施の大きなカギを握る」と強調。健康な高齢者を日中宅老所
 など生きがい支援施設の整備を加速する方針を示した。今年度二次補正予算で、昨年
 度三次補正予算の300億円を大幅に上回る予算を要望する。非営利団体(NPO)による
 配食サービスなど、生活支援・介護予防を目的としたソフト事業の予算も今年度当初の
 100億円から上積みを目指す。
 ケアハウス(軽費老人ホーム)など、特別養護老人ホームからの退去を迫られる健康な
 高齢者の受け入れ施設の整備も加速する方針。特に高齢者生活福祉センターは来年
 度中に現行目標の二倍に上る1,200カ所の整備を目指す。
 介護保険制度を巡っては、自民、自由、公明3党が高齢者負担の軽減など円滑導入策
 を協議している。丹羽厚相は「3党間で協議中の問題は触れるのを避けたい」として、介
 護保険料の軽減については明言を避けた。

  ((10月15日 日経新聞朝刊))
 
 
「政管健保 6年連続赤字」
 昨年度35億円 被保険者23年ぶり減
 社会保険庁は14日、中小企業のサラリーマンらが加入している政府管掌健康保険の
 98年度決算は実質35億円の赤字になったと発表した。患者負担を増やした97年9
 月の健保法改正の影響で前年度より赤字幅は縮小したが、雇用情勢の悪化で被保険
 者数が23年ぶりに減少したことなどから6年連続の赤字となった。高齢者医療費を
 賄うための負担金の増大に伴い99年度は3,000億円強に赤字が拡大する見通しで、
 このままでは穴埋めする積立金が2年以内に底をつき、保険料引き上げを迫られる可
 能性がある。

  ((10月15日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.10】 「厚生年金 2人で1人支える」
 進む高齢化 現役に負担 98年度保険料収入、初の減少
 サラリーマンが加入する厚生年金の受給者数が98年度末に加入者の5割を初めて超え、
 現役2人で受給者1人を支える段階に入った。高齢化やリストラで加入者が減少する一
 方、受給者が着実に増えているためだ。年金財政もこれを反映、同年度の保険料収入は
 制度発足以来初めて前年度を下回った。現役世代の保険料で高齢者をまかなう「世代間
 扶養」の限界が見え始めており、給付を受ける分を自ら払う「積み立て方式」への移行や
 民営化など厚生年金制度の抜本改革の議論が高まりそうだ。
 98年度末の厚生年金の加入者数は3,295万人で、前年度比1.5%減った。減少は制度
 改正のあった86年度を除くと石油ショックの影響を受けた75年度以来、23年ぶり。一
 方で受給者数は4.6%増の1,650万人と、加入者数の50.1%になった。
 この比率は前年度に比べて3ポイントの急上昇。加入者に対する受給者の比率が30%
 台に乗ったのは87年度。それから40%台になるまで8年かかったのに、その後わずか
 3年で50%台に乗った。
 受給者には遺族年金、障害年金など給付額が相対的に少ない受給者も含まれるが、9
 8年度末は老齢年金のうち加入期間が長く給付金額も大きい「老齢相当」の対象受給
 者だけで23.8%に達した。
 今後、景気回復で就業者が増えれば加入者が増える可能性はあるが、高齢化で受給
 者の増加は不可避だ。厚生省は2000年度について、加入者に対する受給者の比率が
 52.2%に上がると見ており、その後も上昇が避けられない。
 加入者と受給者のバランスのゆがみは、年金財政を直撃する。厚生年金保険料は将来
 の給付増加も織り込んで徴収しているが、98年度の保険料収入は20兆6,000億円と前
 年度比0.3%減少、給付額は18兆2,000億円と5.7%増加した。収入源は1942年の制度
 発足以来初めてで、将来の給付余力は乏しくなってきている。
 厚生省は年金給付額を抑制することで保険料負担の伸びを抑える年金改革法案を通常
 国会に提出したが、継続審議とされ成立のめどが立っていない。識者の間では「世代間
 扶養では若年層の負担が重くなる。消費税で基礎年院を拡充し、厚生年金の二階建て
 部分は自分の給付に見合った保険料を払う積み立て方式にして民営化すべきだ」(広
 井良典・千葉大助教授)と抜本改革を求める意見も出ている。

  ((10月10日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.09】 「大企業の25%年俸制を採用」
 不況で単身赴任急増 労働省、昨年末調べ
 従業員1,000人以上の大企業の25.6%が年俸制を採用している。労働省が8日まとめ
 た98年末実施の「賃金労働時間制度等調査」で明らかになった。比率は前回調査の
 96年末時点と比べ9.7ポイント上昇し、景気低迷下で人件費を効率化しようと年俸制を
 導入する企業が増えていることを裏付けた。同時に工場の統廃合など企業にリストラ
 も加速、従業員の配置転換が急増した結果、単身赴任は94年末より約60,000人増え
 約310,000人となり、初めて300,000人を突破した。
 年俸制の採用率は大企業ほど高く、企業全体では12.3%だった。年俸制を採用した大
 企業でも年俸制の対象従業員は10人に1人の割合で、管理職など一部にとどまってい
 る。企業が従業員のために支払う労働費用は1人当たり1カ月平均502,400円と3年前
 に比べ3.9%増えた。労働費用の内訳を見ると、現金給与の伸びは2.2%にとどまり、現
 金給与以外が12.3%と大きく伸びた。特に退職金が32.7%、厚生年金保険料が14.7%
 と伸びが大きかった。
 調査は従業員30人以上の5,319社を対象に実施し、回答率は91.9%だった。

  ((10月9日 日経新聞朝刊))
 
 
「企業年金 運用利回り改善、8%」
 上期推計 株価上昇を反映
 企業年金の99年度上期の運用利回りは年率換算で8%弱と、前年度の2.5%から大幅
 に改善した模様だ。運用規制の撤廃などを受けて企業年金の多くが国内株式の運用を
 拡大、これに春以降の相場回復が重なったためだ。企業年金の大半が想定運用利回り
 (予定利率)を5.5%に設定しており、現在の運用成績を通年で維持できれば、運用益が
 想定以上に出ることになる。2001年3月期からの退職給付会計の導入で、企業は数十
 兆円にのぼる年金などの積み立て不足の穴埋めを迫られるが、運用利回りの改善が続
 けば負担は軽減されることになる。

  ((10月8日 日経新聞朝刊))
 
 
「年末のボーナス6.6%減」
 既決定分「2.5カ月未満」が6割
 すでに決まっている年末のボーナス(一時金)額は前年同期と比べ6.6%減であることが、
 民間の調査期間、労務行政研究所(猪股靖理事長)が5日までにまとめた「年末一時金
 妥結状況調査」でわかった。同研究所は「個別企業の大幅な業績落ち込みや厳しい雇
 用環境が背景にある。最終結果も今回の調査とはほぼ同水準になるのでは」と分析し
 ている。
 調査は東証一部上場企業のうち労組が主要産業別労組に加盟している520社を対象に
 実施。今春闘時か夏季一時金交渉時に既に年末一時金が決定している330社を集計し
 た。全産業の平均額は685,746円で、2年連続のマイナス。下落率は90年以来最大で、
 この10年で初めて700,000円を割り込んだ。
 月数を見ると平均で前年比0.15カ月ダウンの2.37カ月。昨年は「2.5カ月以上」に全体の
 約6割が集中したが、今年は逆に「2.5カ月未満」に約6割が集まった。特に「2.0カ月未
 満」は昨年の9.2%から23.1%に倍増、厳しさを裏付けた。
 同一企業で昨年と今年の支給月数を比べると、67.7%の企業で減少していた。月数は
 22.1%、月数増は10.1%。現象企業の平均減少月数は0.24カ月だった。
 業種別の支給額は非製造業が717,342円(同4.6%減)で、製造業の677,546円(前年同
 期比7.1%減)を上回った。額で増えたのは水産・食品(同0.1%増)だけ。2ケタのマイナ
 スは機械(同13.2%減)をはじめゴム(同12.8%減)、紙・パルプ(同12.7%減)、鉄鋼(同10.
 7%減)、建設(同10.5%減)の5業種。

  ((10月6日 日経新聞朝刊))
 
 
「介護保険 高齢者負担軽減へ」
 保険料下げを検討 大蔵省慎重財源調達厳しく
 自民、自由、公明三党は介護保険制度を円滑に導入するため高齢者の負担軽減策を検
 討する。初年度で約二兆四千億円に上る介護保険料や利用者負担の引き上げ策を月内
 に決定する。不足する財源は公費で肩代わりする方向だが、大蔵省は大幅な国費投入
 には慎重姿勢を見せており、曲折も予想される。介護が必要な状態と認められない「認
 定漏れ高齢者」にも現行のサービスを確保するため、市町村への財政支援の拡充も検
 討する考えだ。
 
介護保険制度の円滑導入策の主な課題
○ 65歳以上の高齢者の保険料軽減
○ 40-64歳の保険料軽減
○ 利用者の一部負担の減免
○ 認定漏れ高齢者へのサービス充実
○ 介護サービス基盤の拡充
○ 介護保険制度を広域運営する市町村への財政支援

  ((10月5日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.05】 「標準報酬月額の算定 4-6月平均に変更」
 厚生年金、2003年実施へ
 厚生省は厚生年金の保険料を決めるための標準報酬月額の算定期間を、2003年4月から
 変更する方針だ。現在は毎年5−7月の早急夜野平均額を用いているが、4−6月の平均
 額に変える。現在の方法では、企業は年に2回、標準報酬月額を算定する手間が生じてし
 まうためだ。算定期間を1箇月繰り上げることで、企業の負担を軽減する。
 現在、企業は個々の従業員について5−7月の総給与の平均額から標準報酬月額を算定
 し、定時改定として8月に厚生省に届け出る制度になっている。しかし総給与が3箇月連続
 で標準報酬月額から乖離した場合は、随時で標準報酬月額を改定する必要がある。多くの
 企業は4月に給与を見直しているため、4−6月の総給与の平均額で標準報酬月額をいっ
 たん算定、7月に随時改定として厚生省に届け出た上で、8月にも定時改定で届け出を求
 められていた。算定期間を4−6月に前倒しすれば、企業は年1回の届け出で済む。

  ((10月4日 日経新聞朝刊))
 
 
【99.10.03】 「「厳冬」脱した雇用戦線 失業率3カ月ぶり改善」
 8月の完全失業率4.7%に低下したとはいえ、高失業率時代が続くとの見方が強いなかで、
 一部の産業や企業に「底打ち」を予感させる動きが出始めた。自動車業界が期間工の採用
 を相次いで再開しているほか、流通・サービス業界でもパート労働者を中心に雇用を増やす
 動きが目立つ。リストラの行き過ぎを是正するため正社員採用を始めた企業も出るなど、雇
 用戦線は「厳冬期」を脱しつつあるようだ。
 リクルートの求人誌4誌に掲載された8月の求人広告件数は前年同月比7.2%増で、1年10
 カ月ぶりにプラスに転じた。住宅着工戸数の伸びに比例して、建築、住宅関連の求人件数
 が4カ月連続でプラスになっているほか、アパレルなどファッション関連が前年より50.6%増
 とひときわ目立つ。

  ((10月2日 朝日新聞朝刊))
 
 
【99.10.01】 「要介護認定申請 きょうから開始」2692市町村
 来年4月導入予定の介護保険制度で、高齢者がどの程度の介護サービスを受けられる
 かを決める要介護認定の申請申請受付が1日から全国の市町村で本格的に始まる。来
 春までに200万-300万人の高齢者が認定を申請する見通しで、介護保険制度が実質的
 に動き出す。
 厚生省の調査によると、1日に受付を始めるのは全体の約83%にあたる2692市町村(特
 別区を含む)。
要介護度とサービス利用上限額(単位万円)
 代表的な事例上限額
要支援掃除などに一部手助けが必要6.4
要介護1立ち上がりなどに手助けが必要17.0
要介護2歩行や寝返りに支えが必要20.1
要介護3排便や入浴が一人でできない27.4
要介護4日常生活に全面手助けが必要31.3
要介護5生活全般に全面手助けが必要36.8

  ((10月1日 日経新聞朝刊))
 
 
「国民年金の財源 税方式化に課題」
 厚生省が年金白書
 厚生省は年金制度の関する情報を盛り込んだ99年度版の「年金白書」をまとめた。
 「21世紀の年金を『構築』する」と題し、秋の臨時国会で議論される年金改革法案の説
 明や年金制度についての議論などを紹介。基礎年金(国民年金)の財源を現在の社会
 保険料方式から消費税などの税方式に切り替えることは、@所得や資産によって給付
 が制限される恐れがあるA巨額の財源が必要になる−などの問題点を指摘。「十分な
 国民的議論と合意形成が必要」と慎重な見方をにじましている。白書は10月10日ごろ
 一般向けに発売する。

  ((10月1日 日経新聞朝刊))
 
 
「4業種を雇調金対象に」
 労働省は30日、雇用調整助成金の対象業務として10月1日から耐火れんが製造業
 など4業種を新規指定し、ニット生地製造業など18業種を再指定すると発表した。指
 定期間はいずれも2000年9月末まで。

  ((10月1日 日経新聞朝刊))
 
 


2000. 1. 3 Update