遠くの敵と近くの敵


コ|ゴルフUSコース/GOLF US COURSE

Nintendo
FAMILY COMPUTER
1987

ジャンル| ゴルフ
目的| 全国トーナメント1位



青いディスクカードで、3500円で発売された。青である。黄色カードでは、青向けのソフト例えば、ゴルフジャパンコース、エフワンレースなどには書き換えることもできなかったように記憶している。

青カードは、おもちゃ屋などにおいてある装置、ディスクファックスを用いてゲームのスコアデータを送り、北海道、本州、四国、九州各地の顔を知らない各地の敵と全国トーナメントを行う。スケールが大きく、ディスクファックスのサイズもでかかった。ディスクライター(書き換え機)と同じ程度の大きさで、二つ並べると、ある意味で調和していた。

色以外の相違点は、確か磁気ディスクに指で触れられないように、シャッターがついていたような気もするが、定かではない。容量は両面128キロバイト/1メガビット、まさに隔世の観があるが、ファミコンユーザーに与えた衝撃度は大きかった。ロムの時代から、書き換え可能、セーブ可能(当時はロムではバッテリーバックアップのセーブは一般的ではなかった。87年1月発売のドラゴンクエスト2がパスワード式。)などの新機能が可能になったのだ。現在のDVDRAM(事件性は主に容量)の衝撃度と比べてもそう劣るものではない。

敵は、全国!
言葉面で読むと、友達とだけ遊ぶのが日常だとするのなら、全国大会は、非日常の頂点、高校野球で言うところの、甲子園級大イベントな意味が発生しそうだが、そうでもなかった。確か、プレイしてスコアをセーブ、それを、ディスクファックスで記録をどこかの計算機に送ることは覚えている。だが、その後、結果は、その時点では分からず、順位は賞品の発送のみで分かり、順位に入らないと、結果が分からないのではなかったような、全員結果発送だったろうか?その周辺の記憶が消えている。情報をで探し、随時アップロードします。

彼方の敵と、ご近所の敵、その違いは彼方の敵の行儀正しさだろう。ご近所の敵は、負けが続きすぎると、集中力を散らすために、わめく、ゆらす、うたう、など彼なりの知略を尽くした特殊攻撃を繰り出す。手がふさがっていても、足がある。勝てば華、負ければ泥。コントローラーを使った行為だけがテレビゲームにあらず。それが彼が自軍の床の間に飾っていた座右の銘であった。頭脳運動であると同時に全身運動だ。

最終的に自軍の形勢が不利であることが判明すると、メタ技のリセットボタン押しをして、勝負そのものをなかったことにするおそれがあるので、画面だけでなく、そのプレイヤーの体の動き自体にも注意を払わなければならなかった。それに比べると、彼方の敵は、スコアの数字のみでその姿を示し、その全データ量は1キロバイトもあれば充分だろう。勝とうが、負けようが、プレイヤーに影響を与える量も数キロバイト程度だった。

勝つことよりも、勝つ経緯、誰に勝つかが重要だよな、と自分が持つコントローラー(ワンコン)からでた、コードがファミコン本体に入り、CPUに接続、もう一端のコードが出てつながったコントローラー(ツーコン)を持つご近所の敵を眺めながら、思うのだった。「またぼくの勝ちだ、だから、押すなってリセット。なんどやりゃ気が済むんだってば(なぜ近所にこいつしかいないんだ)」


written by bitnik.jp
1998