それじゃ、先いくね、悪くおもうな


ア|アイスクライマー/Ice climber

Nintendo
FAMILY COMPUTER
1985

ジャンル| 縦スクロールアクション
目的| 氷山をのぼりつめること


縦スクロール、2人同時プレイ可能なアクションゲーム。まだソフトがそれほど多くない時に発売され、複数でゲームする時の定番の感があった。

ハンマー片手に二頭身の登山家が、氷山を頭突きで崩しながら、登っていく。ボーナスステージでは、理由の説明がないままナスを集める。なぜ、ナスを集めるのか。それはプレイヤーが登山家であることから、「そこにナスがあるからだ。」という主張が読みとれる。

それとも、カラーパレットの紫色の使い道として見いだされたのか。縦横スクロールアクションゲーム、パルテナの鏡 光神話 (任天堂|ディスク|1986)においては、敵キャラ、「ナスビ使い」が現れ、プレイヤーキャラ「ピット」に呪いをかけてナスにしてしまう。ナサー(NASUの比較級、今作った。PALTENA IS NASUER THAN ICE CLIMBER.)な作品となった。日本人にとっても充分謎だが、海外のプレイヤーはいったいどう感じていたのか、興味は尽きない。

2人同時プレイ中に、片方が上段に進んでしまうと、残された方は、「ボワワワ」という効果音とともに強制スクロールに挟まれ残機数が減ってしまう。それはキャラクターの残機が一減るということを指し示す記号であると同時に、その上のステージで生き残り呑気にハンマーを振り回しているものと、犠牲になったものとの間にかかる友情という名の橋がきしむ音でもあった。

コミカルなキャラクターを用いたゲームであったが、当時の子供たちに、友情のはかなさを「ボワワワ」とシビアに教えた。アイスクライマーは、コントローラーのケーブルで二人を接続し、関係を組み替えた。



参考 ファミコン通信責任編集 1992
「ゲーム年鑑1983~86」 アスキー出版局