3頭身のB-BOY


ネ|熱血硬派くにおくん

KUNIO KUN

テクノス ジャパン
FAMILY COMPUTER
1987

ジャンル| アクション
目的| 親友のひろしを助けること



アーケードから移植の異色アクションゲームと言ったとしても、どこからもクレームがでないだろうと思われるタイトル。

タイトル名からして、微妙である。熱血硬派なのに、名前はひらがなで、しかもくんづけ。このあたりに、制作者側の、ワルで売りたいと言う気持ちと、でも親しみをもってもらいたいという、アンビバレントな心理状況を読みとることができる。

そしてたたみかけるようにワルなのに、三頭身のデフォルメキャラ。これは好んで三頭身にしたわけでなく、ファミコンの処理能力の限界が、彼をしてかわいい三頭身にさせたと思う。ファミコンの罪である。

でもそうかといって、関連タイトルが処理能力がアップしたPCエンジンでもでるのだが、少なくともその時も三頭身であった。それ以降は知らない。三頭身じゃなきゃくにおくんじゃないというファンの意向を無視できなかったと思われる。

というか、8頭身にしたら、くにおくんでなく、ストリートファイターになってしまう恐れがある。三頭身はくにおくんのアイデンティティにすでになっている。

くにおくんにしたら、お笑い芸人が本人が飽きてももちネタを要求されるような気分だろうか。おれもっとかっこよくなれるよ!みたいな。ゲーム内容はぶっちゃけ標準的なアクションゲームの枠をでていないと言える。

くにおくんのキャラクターゲームと言ってもいいが、めずらしいのは通常キャラクターゲームは漫画やアニメから設定をもってくるのだが、くにおくんはオリジナルキャラである。ここに男気がある。さすが熱血硬派を名乗るだけはある。

でも熱血硬派かどうかは、本来、プレイヤーが決めることである。しょぼいプレイをしたら、熱血硬派くにおくんではなくて、しょぼいくにおくんになるはずである。だいたいぼくのプレイはしょぼいくにおくんだった。

当時はB-BOYの集まる場所だったアーケードゲーム出身ということで、アーケードでは本物の熱血硬派なガイが熱血硬派くにおくんをプレイするのが見られたのかもしれないが、それは歴史が語らないことである。


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