真の敵


ハ|バトルシティ

Battle City

ナムコ(現バンダイナムコゲームス)
FAMILY COMPUTER
1985

ジャンル| シューティング
目的| 自軍の司令部を守ること



タイトルは、バトルシティ。その名の通り、シティでバトルするゲームである。シティバトルでもいいじゃないかとも思われるが、時代はそれを選ばなかった。

ジャンルは無理に選べばシューティングになるのだが、ちょっと珍しいタイプで横スクロールでも縦スクロールでもなく、固定画面である。

見た感じの印象は、ドラクエ1みたいな感じである。それで戦車を操って司令部を守りつつ、敵の司令部を爆破するのが目的である。

ここまでの解説では、普通のゲームみたいな印象である。確かに、一人プレイの場合はアイテムでパワーアップしながらゲームを進んでいくという、まあ率直に言って特に印象に残るゲームではない。

だが、このゲームには2人同時プレイが備わっており、その時バトルシティはその真の姿を現し、プレイヤーズにその牙をむく。

2人同時プレイの場合、連携が重要である。「おれ、後ろから援護するから、お前先にいって敵を打て、アイテムがでたら、俺にまわせ」みたいな条約を結ぶのが常である。

だが条約、それは破られる定めをもった一時的な約束。このゲームのパワーアップアイテムはかなり強力で、パワーアップするとそれまで壊せなかったコンクリートの壁などを壊せるようになる。ものすごい魅力がある。

すると、「まあ約束はしたけど、別にいっか、このアイテムもらい!」みたいな裏切り者がでるのは宿命と言っていい。すると、裏切られた側は、「なんだと!条約を踏みにじったな」と、攻撃する。司令部を、敵じゃなくて自軍の。すると、ゲームオーバーという答えが導きだされる。

このゲームは、自軍の司令部も攻撃できるシステムであり、ある意味自軍の攻撃を誘発する要因があった。「確かに、条約はやぶったが、自軍を攻撃してゲームオーバーにすることはないだろう」と、抗議しても後の祭りである。

2人同時プレイのとき、敵軍に攻め込まれてゲームオーバーになるよりも、自軍どうしの内部抗争でゲームオーバーになることの方が、明らかに多かったと、歴史は語る。真の敵は敵軍なのか、自軍なのか、未だその論争には答えがでていない。


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