アンチキャラクタームーブメント


オ|オバケのQ太郎 ワンワンパニック

バンダイ
FAMILY COMPUTER
1985

ジャンル| 横スクロールアクションゲーム
目的| 犬をさけ、全12面をクリアすること


「主演・オバケのQ太郎」、このゲームを一文で表すのならこうであろう。

ほんとうにゲームが好きらば、このタイトルに限らず、アニメオリエンテドなキャラクターゲームなんて買わない。なんでキャラつけてるんですか。ふふーん、もしかして?キャラつけなきゃ売れないようなものを、買うようなガキだと思わないでくださいね。(ない前髪をかきあげるふりをしがら)例えQちゃんは好きでも、アニメはアニメ、ゲームはゲーム。そんな彼らなりのポリシーを持つ硬派な子供も80年代に存在していた。

内容こそが重要だ。なんなら、○と×のような単純なキャラでも許す。それが彼らの主張であった。毛が三本のかわいいQちゃんも、彼らの目には、子供のゲームを選ぶ能力を過小評価する大人の商品に映った。

キャラクターがつくことで逆にそのタイトルを見る目が一段と厳しくなったりもした。その厳しくなった理由もキャラクターものにはあまり出来がよくない印象のものが多かったという点からの自衛策だったらしいのだが。

また、キャラクターがついているゲームが好き派、ゲーム内容がよければキャラクターも可派や、ゲーム内容がよくてもキャラクターがついているだけで不可派など、様々な流派に分かれていた点も見逃せない点である。

しかし、周囲の大人の目には、おどらされた(by硬派な子)子供と、そうでない子供の差はまったく見えなかった。そしてアニメからゲーム化は許せなくても、ゲームのアニメ化に関しては比較的暖かかったりしたりした点が一層その差を見えなくした点だったのかもしれない。



参考 ファミコン通信責任編集 1992
「ゲーム年鑑1983~86」 アスキー出版局