アデノウイルス感染症 


 
主に幼児から学童などに多いかぜウイルスの一つです。アデノウイルスには40-50種類位の型があり、夏かぜのプール熱(咽頭結膜熱)をおこすウイルスとしてしられています。5-7日ぐらいの潜伏期のあとに39-40℃ぐらいの発熱で発症することが多いようです。

症状
 39℃以上の高熱が5日前後続くのが特徴です。のどちんこ(口蓋垂=こうがいすい)の両わきにあるへんとうせん(口蓋扁桃=こうがいへんとう)に白いうみのようなもの(膿栓=のうせん、白苔=はくたい などとよばれています)がつく滲出性(しんしゅつせい)扁桃炎を認めることが多い(見た目はひどくてもあまりのどの痛みはつよくないようです。)ですがまったくない場合もあります。しろめのところが赤くなる結膜炎はウイルスの型にもよりますが全体では10-20%ぐらいでおこります。

検査
 血液検査で炎症反応と呼ばれるもの(白血球とくに好中球、CRPなど)が上昇します。のどを綿棒でこすった液を検査することによりウイルスの感染があるかないか判定することが可能です。(15分位で結果のでる迅速診断キットというのがあります。)

治療
 ウイルスの感染によるものですので抗生剤(細菌にしかききません)は無効です。高熱が続きますので水分の補給が重要ですが腹痛、下痢、嘔吐といった消化器症状の強い場合は点滴が必要となる場合もあります。発熱4日目ぐらいから鼻づまりがひどくなる事があります。鼻の奥のアデノイドと呼ばれる咽頭扁桃に白苔が付きそこで頑固なつまりを引き起こします。丹念に鼻の処置を受けますと非常に楽になるようです。

  

家庭で気をつけること
 うがい、手洗いなどをきちんとします。一日中ずっと床のなかにいる必要はありませんが、外出や運動は控えましょう。家庭内の感染で2-7日して兄弟などが発熱しますので、近づけないように注意します。感染力の強いウイルスですのでタオルなどの共用も控えましょう。


保育園、幼稚園、学校
 咽頭結膜熱(プール熱)はインフルエンザと同様に学校保険法の「第2種伝染病」ですので通常は出席停止処置と登校の際の治癒証明が必要です。熱がおさまって2日くらい休む(主要症状が消退した後2日を経過するまで)のが通常です。

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