新世紀レガシィへのセキュリティのインストール


ドアロック連動

 新世紀レガシィの集中ドアロックには専用のスイッチはありません。運転席をロックすれば他の席もロック、運転席をアンロックすれば他の席もアンロックになります。これを実現するためにドアロックのコントロールシステム(キーレスエントリーユニット)には運転席のドアからロック状態を伝える線(アンロック線)が繋がっています。この線は具体的にはロック時にアース、アンロック時にオープンになります。

 この機能を使って集中ロックするには、アンロック線をオープンにする必要があります。そこで、アンロック線を途中で切り、リレーを挿入します。このリレーは普段はオンでセキュリティーからアンロック信号が来た時にオフになるような物を使います。セキュリティからのロック信号はシステムによって異なりますが、一瞬(0.5秒位)だけ12VもしくはOVになるのが一般的です。私のセキュリティではどちらも出ていますが、+12Vになる方の線を使いました。これだと一瞬ロックした後、アンロックに戻ってしまいそうな気もしますが、実際には運転席が一旦ロックされればドアからのアンロック信号がオープンになるのでリレーが戻った後もアンロック線はオープンのままで、アンロックされることはありません。

 次にアンロックですが、これはアンロック線をアースに落とす必要があります。これもリレーを使っています。ロック時に0V、それ以外はオープンになるセキュリティなら直接アンロック線につないでもokです。私のセキュリティではロック時に0Vになる線は、それ以外の時は+12Vが出ていたので直結はやめ、ロック時に+12Vになる方の線をリレーの入力にしました。ちなみに、VALIANTやHORNETでは直結できます。しかし、ひょっとするとディップスイッチの設定次第では私のセキュリティも+12Vでなくオープンになるのかも知れません。ちょっと解析が甘かったかも。

 以上のリレーの回路をまとめると右図のようになります。
 実際のリレーユニットの写真です。小型のリレー(OMRON G5V-1)を使ってコンパクトにまとめています。

リモートエンジンスタート

 私のセキュリティにはリモートエンジンスタート機能が付いています。これを使うには基本的にはイグニション(IG)とスタート(ST)のラインを繋げばセキュリティがIGを+12Vにし、数秒後にSTを+12Vにしてセルモーターが回わりエンジンがかかります。実際には他にもエンジンがかかったことを示す信号(ALT:発電機出力)も接続し、これが+12VになればSTを0V(オープン)にします。

 エンジンのスタート自体はこれでいいのですが、実は問題が一つ。IGはオンになるのですが、アクセサリ電源(ACC)が2分位経たないとオンにならないのです。レガシィの場合、ACCがオンにならないとエアコンが入らないので早めにリモートエンジンスタートすることが必要になってしまいます。この方がエンジンには優しいのかもしれませんが、私はアイドリングをあまり長くしないので、エンジンが始動したらACCもオンになるようにしています。簡単な解決方法はIGからACCに電流が流れるようにダイオードで接続してしまう手があります。しかし、これではダイオードに10A以上の電流が流れる可能性かあり、これに耐えるダイオードは巨大になってしまいます。また、セルモーターが回っている時にもエアコンが動作してしまい、バッテリーの負荷が重くなります。ちなみに、レガシィの場合、エンジンキーでスタートする時はキーをスタート位置にするとACCはオフになります。

 さて、これを解決する為に、右図のようなリレー回路を作りました。これでエンジンがかかって(ALTが12Vになって)、かつSTが+12Vでなくなった時に"A.C.relay"の端子が+12Vになります。(このようにリレーを入れるとECUが誤動作する可能性があることがわかりました。レガシィのスタート線はニュートラル検出を兼ねているためです。これを回避するために今は大容量のダイオードでECUからスタート線を通ってリレーのコイルに電流が流れないようにしています。)これを直接ACCに繋ぐとダイオードに大電流が流れてしまいますので、ここには20A以上の大容量リレーを繋いでいます。このリレーの接点は常時電源につないでいますが、万一のことを考えてここにはヒューズを挿入してあります。ちなみに、このリレーもドアロック同様G5V-1を使ってユニット化しています。ただし、ダイオードが入ったために一回り大きな箱を使っています。

 さて、回路をよく見ればわかりますが、ACC全部をこれでオンにしてしまうと実はACCが永遠にオンになってしまいます。実際にはエアコンの制御ユニットのACC電源線(正確にはシガーライターの電源でもある)を切断してここに前述の大容量リレーのもう片方の接点をつないでいます。このラインだけでも10A以上の電流が流れる可能性があり、ACC全体となると普通に手に入るリレーでは容量不足になってしまいます。また、ACC全体をオンにしてしまうと止め忘れていたワイパーが動き出すという不都合もあります。従って、必要な電源だけオンにする方が使い易いのです。

 なお、後で分かったことですが、私のシステムはエンジンスタート後2分間のウオームアップ時間を経てACCもオンになるそうです。実は単純にACCのラインを繋ぐだけで早めにエンジンスタートすればエアコンも入るようになっていたのでした。しかし、2分というのは長すぎて使いにくいのでリレーを使ったのは正解だったと思っています。セキュリティに内蔵のリレーの容量にも不安がありますし。

ドアミラー格納連動

 

 


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