ややっ、見ましたね;_; あなたは 人目ですよ;_;/H

 単発小拙

 家庭教師の話(仮)
         乎簾壁 斉

※関係ないッすけど、すっかりこいつ(乎簾壁)の
 読み忘れちまいましたよ。
※あ、出来あんまり良くないっすよ。なんせ
逃避で書いたんでね。



 洋太の新しいバイト先は家庭教師だった。センターに登録してあったのをすっかり忘れていたのだが、ついこのあいだ連絡が来たのだった。
 目的の家は、川べりのマンションの6階にあった。鶴田香里という中学2年生だった。一番難しそうな時期だが、条件はいいので受けることにしたのだった。成績は悪くないし、素行も普通ということだったから、反抗されて困るということもないだろう。
 洋太もまだ19だったし、そういった関係を期待しないでもなかったが、マニュアルの第1項にしっかりとそれに関する罰則が赤の太文字で書いてあったから――ごていねいにも刑法のコピーまで添えて――、考えないことにしていた。
 たどり着いた場所は、賃貸のごく普通のマンションだった。オートロックのパネルから601号室を呼び出す。
 やや間があって、若い女の声が出た。
「はい、鶴田ですけど」
「あ、ぼく、広川洋太って言います。家庭教師センターから派遣されて来ました」
「あ、香里の先生の方ね。どうぞ」
 ドアが開いた。洋太は奥のエレベータに乗り込むと、6階のボタンを押した。
 エレベータには狭い窓があって、そこから通路ごしに外の景色が見えるようになっていた。細長い都会の川が、ずっと向こうまで続いている光景が、どんどん広がって行く。
 すうっと止まったエレベータを降りると、洋太は通路の一番端にあるドアに向かった。ドアホンを鳴らすと、さっきの女の人が直接ドアを開いた。
「いらっしゃい」
 にっこり笑ったその人は、声から受けた印象よりも、大人びた雰囲気を持っていた。よく考えれば、この人が香里という子のお母さんだということにすぐ気づくはずだが、洋太はその時、どういうわけだかどぎまぎしてしまって、挨拶することも忘れていた。
「あ、あたし香里の母です。まだあの子帰ってないんだけど、どうぞ上がって?」
 洋太はみっともないくらいにぺこぺこしながら、玄関を上がった。
 それほど広くはない室内は、手前がすぐリビングになっていた。すすめられ、ソファに腰かけると、香里の母親は洋太の前に湯気の立つお茶を出した。
「来ることはわかってたんだけど、今日だとは思わなくて。ごめんなさい」
 そう言って恥ずかしげに笑いながら、彼女はボウルに盛った磯辺焼き煎餅の山を出した。
「あ、いえ、どうぞおかまいなく」
 言いながら、洋太は一杯お茶をすすった。
 香里の母親は、魅力的だった。美人というわけではない。半分は、洋太の若さというか、性への飢えも後押ししていたのだと思うが、彼女にはどこか男を惹きつける雰囲気があった。べつに誘うような態度など取ってはいないし、そんなふうに相手を見るのはひどく不躾だと言うことはわかっていたが、それでも洋太は暴走する妄想を半ば楽しんでいた。手を出す度胸なんてなかったし、香里が帰って来ればそれで終わりなのだ。そんなことはよくわかっている。
 下半身が固くなるのがわかる。うまく位置をずらして、さりげなく手で彼女から見えないようにしながらも、洋太は頭の中で相手の裸を思い浮かべていた。
「あの」
 もう少しで声をあげるところだった。洋太は内心あわてて取り繕うと、何事もなかったかのように顔を上げた。
「は、はい?」
 最初の「は」が裏返ったが、なにか不審に思われただろうか?
「香里のことなんですけど、あの子、ちょっと勉強にむらがあるんです。英語が好きだって、結構いい成績を取って来るくせに、理科や数学はまるでだめで」
「それは典型的な文系ってことだと思いますよ、香里さんが。珍しくないです、全然」
「でも、それだと高校受験も大変でしょう?」
「そうですね……まあ、高校はなんとかなるでしょうけど、語学系の大学に進むのは大変でしょうね。総合力を要求されますから。でも、まだ中2の段階で、騒いでもしかたありませんよ」
 彼女は表情を曇らせた。
「でも、まだ、まだって言ってるうちに、すぐ受験だし」
「まあそうですけど、基礎作りはこれからですし、よほど偏差値の高い学校に行かない限りは、基礎さえしっかりしていれば大丈夫ですよ」
「そうでしょうか」
 洋太は大きくうなずいた。
「ええ、ぼくもそうでしたから」
「あ、でも、広川さんはたしか明陵大ですよね、偏差値67の」
 洋太は苦笑して首を振った。
「それは法学部と理工学部の一部だけですよ。ぼくは英文ですから、50台です」
「でも60近いでしょう? たしか明陵大で一番偏差値が低い学部でも58だったはずですもんね」
「まあ、そうですけど。そうですね。中学のときはそんなに成績よくありませんでしたけど、基礎やってたおかげで、受験前には結構いい成績取れましたし」
 香里の母親はにっこりと笑った。
「じゃあ、安心ね」
「いやまあ、その、簡単に安心されても……」
「大丈夫よ」
 励ますようにそう言うと、彼女は洋太の肩に手をぽんと置いた。
 真っ赤になった洋太は、あわててお茶に手を伸ばしたが、口に含んだとたんむせて思い切り咳き込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」
 言いながら、彼女はペーパータオルを破って洋太の吐いた茶を彼の服からぬぐおうとした。
「あ、い、いいです、すいません」
 差し出された手を避けようとして、とっさに身体を引いた洋太は、自分の部分が彼女の視線にもろにさらされたことに気づいた。彼女の目がかすかに見開かれ、一瞬動きが止まる。洋太はパニックに陥ると、あわてて茶碗をテーブルに置こうとした。だが、力の加減を忘れて受け皿に乗せたせいで、熱い飛沫が飛び散った。
「あ、あつっ」
 ひざまずいていた香里の母親が思わず声を上げて後ろに倒れた。その拍子に、彼女の膝の間から、たしかに白い物が見えていた。それがなんであるかに気づくと、洋太は痛いくらいに自分の中心が固くなるのを感じた。
「す、すみません」
 洋太は思わず立ち上がると、何度も謝りながら彼女の手を取って助け起こした。香里の母親は顔を真っ赤にしながら、ひざ元をおさえてその場に座り込んだ。見られたとわかっているらしい。洋太はなにも見ていないふうを装いながら、手近な箱からティッシュをひきぬいて相手に渡そうとした。
「あ、ありがとうございます」
 今度は彼女が頭を下げながら、濡れた服を上から叩くようにして湿り気を取っていた。
 洋太は顔を上気させながら、両手で脚の間をおさえこむようにしてソファに座り直した。
「そ、その――」
「あ、あの――」
 ほぼ同時に顔を見合わせて、ふたりは真っ赤になってうつむいた。
 こうなると、意識するなと言う方が無理だった。相手がもうすこし年嵩ならいざ知らず、彼女はすくなくとも見た目には十分に若かった。いやむしろ、年齢が行きすぎない程度に上であるという雰囲気が、かえって洋太を興奮させていた。
 それでも洋太が自分をおさえこんだのは、彼がそれなりに常識を持ち合わせていたおかげだった。ここでこんなことをすればどうなるか、考えるまでもない。
 大きく膨らみを見せている部分を隠すのも忘れて、洋太は自分を必死で鎮めようとしていた。
「お、おかしいわね、香里まだかしら」
 口調は母親のものだったが、その全身から発散している――ように洋太には感じられた――のは、まぎれもなく女性のそれだった。それが、洋太にはたまらなく刺激的だった。

 結局、その日は香里は洋太のいる時間には帰ってこなかった。夕方からの用事のために香里の家を出た洋太は、何の気なしに表札を見上げていた。
 香里の母親は香子という名前のようだった。そのとなりには、ひときわ大きな字で貴志と書かれている。やはり、彼女は人妻なのだった。
 1週間後、香里の部屋を訪れた洋太は、初めて香里と顔合わせをした。中2ということだったが、見た目にはもっと幼く見えた。たしかに、資料にあった通りおとなしい普通の子だった。洋太の教えも素直に聞いたし、のみこみも早い。意外なことに、彼女は理系の科目にも興味を示していた。たしかにあまり得意ではないようだったが、中2ならすぐに取り戻せるだろう。あの熱心さなら、もしかしたら得意科目にできるかも知れない。
 勉強が終わると、洋太は夕食に誘われた。下宿暮らしであまりまともな食事をとっていなかった洋太は、ふたつ返事でその誘いを受けていた。
 夜9時近くまで香里と母親をまじえて談笑してから、洋太は帰途についた。
 それから、毎週、家庭教師の日はそれが日課になった。その日は、決まって父親の帰りは遅いらしい。そのたびに洋太は香里と母親の3人で食事をして、夜遅くに帰宅していた。
 そんなある日、洋太が家庭教師に出かけると、香里はまだ帰宅していなかった。夏の暑い時期だったので、その日洋太を出迎えた母親は、ノースリーブにひざ上まで出ているスカートという格好だった。
 洋太の中でしばらく眠っていたあの感覚が、目を覚ますのがわかった。激しく鼓動する心臓をなんとかおさえこみながら、洋太はしきりに謝る母親をなだめていつものソファに座った。
「本当にごめんなさい。あの子も、ちょっと休みに入って気が緩んでるんだわ」
「ですから、構いませんよ。ぼくも暇なんです。大学はとっくに休みですしね」
「そうですか。でしたら、どうぞごゆっくりしていってくださいね。あなたが来てくださってから、香里ったら本当に成績がどんどん上がって、学年で本当に上位に入るようになったんですよ」
 洋太は照れて頭をかいた。
「いや、香里ちゃんの実力ですよ。興味を持ちさえすれば、あんなものでしょう」
「そんな、親の子なんですから、実力なんて知れてますよ」
 言いながら、彼女は麦茶を洋太に勧めた。胸の谷間が、まともに目の前に飛び込んで来た。ビデオや写真誌などで見る時は、それほど刺激を感じなかったが、こうして目の前で現実に見せられると、そのなまめかしさは想像以上だった。思わずごくりと喉を鳴らしてしまう。
 その音に気づいたのか、母親ははっと顔を上げてうつむいた。
「そうそう……なにかお茶請けを出さなくちゃ」
 言いながら立ち上がる瞬間、緩く組んだ膝の間にかすかに白いものが見える。洋太は爆発しそうになる自分をおさえるので精一杯だった。
 昂ぶった気持ちをおさえるのにどのくらいかかったろう。かなりの時間が過ぎたのに、母親は戻って来なかった。心配にかられた洋太は、母親を探して、彼女の去った玄関の方向に向かった。
 と、トイレのドアに開けられた小さなすりガラスの窓に明りが灯っている。洋太は赤面すると、居間に向かってきびすを返そうとした。その時だった。
「ああ……ううん」
 うめき声のようだった。洋太はとっさにドアを叩いていた。
「ど、どうかしましたか? 大丈夫ですか?」
 言いながらドアノブを回すと、あっさりと開いた。どうやら、鍵をかけ忘れたらしい。
「お、奥さん――」
 洋太は、それ以上なにも言うことができなかった。香里の母親は、洋式便器の上に腰かけ、低く、高く、声をもらしていた。だがそれは、苦痛のうめきではなかった。
 彼女の両脚は、大きく、広く左右に開かれていた。太腿に押し上げられるように丈の短いスカートは大きくめくれ上がり、白いレースのショーツは右脚の端に引っかかっているだけとなっている。開かれた脚の中心には、わずかに濃いめの、しかしほっそりとした茂みと、その下に隠れている唇があった。彼女は、ため息をもらしながらその中心を右手の指先でもてあそんでいるところだった。
 と、ようやく洋太の存在に気づいたのか、彼女の潤んだ目が彼に向けられた。とたん、ひっと喉の奥で声を出して、あわてて両脚を閉じようとする。離した指先が、短い糸を引くのが見えた。
 洋太は、もはや自分を止めることができなくなっていた。それが、女のオナニーだということは知っていた。だが、実際にこうして目にするのは初めてだったし、女性が本当に快楽に浸っているさまを見るのも初めてだった。
「ご、ごめんなさい……あ、あたし、でも、がまんできなくって、だって、広川……くんのこと、最初見た時から、すごいなって。汚して欲しいなって……あ、あたし、なに言ってるんだろう」
 言いながら、彼女の目は洋太の部分に釘づけになっていた。ぼんやりと見下ろした洋太は、そこがジーンズを大きく盛り上げてはちきれそうになっていることにようやく気づいたのだった。
「え、ぼ、ぼく……」
 彼女が懇願するような目で洋太を見上げる。洋太は身動きできなかった。彼女は便器の上で身を乗り出すと、もどかしげにベルトを外し、ジッパーを下ろして、洋太をむき出しにした。おさえつけられていたものが、びん、と震えるようにしてそそり立つ。その上に、淫らな表情を浮かべた彼女が唇をかぶせる。
「う、うわっ」
 身体の中心から力が抜け出て行くかのようだった。巧みに唇と舌を使って、彼女は洋太をさらにたくましくした。と、唐突に限界が訪れた。熱いものが身体の芯を通り抜け、一気にほとばしった。
 香里の母親はそれを音をたてて吸いながら、こくこくと喉を鳴らした。やがてすっかり洋太から放出の痕跡をぬぐい取ると、彼女は、なおも洋太の部分に舌を這わせて来た。放出して、もはや虚脱感に支配されていたはずの洋太は、そのとたん、ふたたび大きさを増し始めていた。
「すごいね、すごいよう。幸せ、あたし」
 涙をこぼして喜悦の表情を浮かべる彼女が、なぜだか洋太は急にいとおしくなった。
「ど、どうすれば」
 彼女は口を離すと、不思議そうに首をかしげる。
「ぼく、どうすればいい?」
 その言葉を聞いたとたん、彼女は満面に喜色をたたえて洋太の手を取った。
「お、お願い、ここが、熱いの。ここに、キスして」
 彼女が洋太の唇を導いたのは、彼女の両脚の間にある白っぽい液体にまみれた部分だった。ビデオなどで見たことはあるが、もちろん実物を目の前にするのは初めてだった。それどころか、相手はそこを好きにしろと洋太に言っているのだ。
 ぼんやりと相手を見返す洋太に、彼女はふたたび懇願するような目を向けた。
 洋太は、猛然と彼女の部分に襲いかかった。その部分はしょっぱくて、ぬめぬめとしていた。ちょっと鼻をつく匂いがあるが、気にはならなかった。
 洋太が舌を動かすたびに、彼女は短い悲鳴のような声で叫んだ。そのたびに、彼女の湿り気はますます量を増やしているかのように思われた。唾だけではない。
 夢中になって洋太がしゃぶるうちに、彼女は突然背筋をそらせたかと思うと、短い悲鳴を何度も発していた。身体を固く硬直させ、痙攣するように身体を震えさせる。
「う、うれしいよう。洋太……くん? 呼んでいいよね?」
「ぼ、ぼくも、名前で呼んでいいですか、奥さんの、こと、香子って」
「もちろん」
 香子はそう言って、涙目のままうなずいた。そのたびにぽろぽろと涙がこぼれる。
 洋太は気の抜けた笑顔でそれに応えながら、自分の中心が熱く燃えるようになっていることにようやく気づいていた。
「すごい……ねえ、ちょうだい? だめ? 洋太くんので、あたしの中をめちゃめちゃにしてくれない? お願いだから」
 洋太はおずおずとうなずくと、熱く太く脈打つものを手にしっかりと握って、彼女の部分へと向けた。先端が触れる。冷たい感覚はなかった。ぬるりとした感覚だけが伝わり、温度差は感じない。
「ねえ、もっと、奥へ」
 洋太は腰に力を込めながら前へと押し出した。失敗だったのは、握った手をその時とっさに放してしまったことだった。彼女の表面を覆っていたものに、ぬるり、と弾かれる。
「あ……」
「あせらないで、ね?」
 洋太はうなずくと、ふたたび彼女の中心に向かった。だが、今度も彼は入り口で空しくはじき出される。
「そ、そんな……」
 あせればあせるほど、それはうまくいかなかった。結局、何度目かの試みで洋太が滑った瞬間、洋太は思わず放っていた。白い物が、彼女の茂みとその上にめくれ上がっていたスカートを汚す。
「あ、あ、ご、ごめんなさい」
「う、ううん、いいの、いいの、ごめんね」
 そう言うと、彼女は洋太の上にふたたび唇を重ねて来た。

 そこからしばらくの記憶が飛んでいる。気がつくと、洋太は夕暮れの商店街をひとりとぼとぼと帰路についていた。
 人通りの少ない裏通りに入ったその時、彼の横を2ストの安っぽい金属音を響かせながらレーサーレプリカのバイクが通り過ぎ、すこし後方で止まった。バイクはふたり乗りだった。ヘルメットを脱いで相手に渡しているのは、香里だった。彼女は洋太に気づかないようすで、バイクの男に軽く手を振ると、そのまま角を曲がって行ってしまった。
 ふだんなら、胸騒ぎを感じて当然の展開だったが、その時の洋太に、他人のことを考えている余裕はなかった。
 それからの1週間、洋太の記憶は途切れ途切れにしか残っていない。気がつくと、香子のことだけを考えていた。
 結局、失敗してしまった。あれで、香子には情けない男だと思われただろう。だいいち、本当に彼女はあんなことを望んでいたのだろうか? 洋太には、時間がたてばたつほど、考えれば考えるほど、あれは自分が嫌がる相手に無理やりしたことなのではないかと思えてしかたがなかった。
 家庭教師の日はすぐにやってきた。だが、洋太は部屋に閉じこもったまま、ぼんやりと座っていた。
 夕日が窓からさし込む頃、突然、電話が鳴った。根負けして受話器を取った洋太は、その向こうから聞こえた声に思わず息を飲んでいた。
『今日は家庭教師の日ですよね? どうして来られないのですか? いまからでもかまいませんから、ぜひ来てくださいね』
 香子だった。すると、洋太のしたことは不問に伏してくれるらしい。
 洋太は部屋から駆け出していた。
 向こうに到着するまでに20分はかかっていたものが、わずか10分ですんでいた。チャイムを鳴らすと、いつも通りの笑顔で彼女は迎えてくれた。そう、何事もなかったように。
「いらっしゃい」
 香里は部屋にいた。すこし様子が違っているように思えたが、洋太にはどこに違いがあるのか、よくわからなかった。いつも通りに勉強をして、いつも通りに食事をした。ただ、すこし違っていたのは、香里が友だちと花火を見に出かけるということだった。洋太も誘われたが、適当に理由をつけてていねいに断った。
 気がつくと、洋太は香子とふたりきりになっていた。
「あ、あの……」
 洋太が声をかけると、香子は身体をびくりと震わせた。
「ご、ごめんなさい。このあいだのようなことは、もう……」
 洋太は、その一言ですべてを理解した。目の前が暗くなった。だが、当然と言えば当然だった。要するに、今日自分を呼んだのは、この間のことはなかったことにしようと言い含めるためだったのだ。
「す、すいません。ばかみたいで」
「い、いいえ、あの時は、わたしこそ。じつは、主人、浮気してるんです。たいしたことじゃないんですけど、接待って言って、決まって週のこの日はどこかへ行くんですけど、かならずお風呂に入って帰るんです。それも朝早くに」
「あ、で、でも、それってサウナに泊まってるんじゃあ」
「それならそうとわかるわ。違うの。男の人は、隠せてるって思うかも知れないけど」
「で、でも――」
 彼女はさっと立ち上がった。
「ごめんなさい、こんなことお話するんじゃなかった。か、家庭教師ですけど、今日限りで……」
 洋太は彼女の背後からむしゃぶりついていた。タンクトップの首筋から、甘い香りが漂う。よく見ると、スカートはいっそう短いものになっていた。とっさに手を滑らせる。彼女は身をこわばらせていたが、抵抗はしなかった。
 ぴんと張ったレース地の上から触れたあの部分は、すでに音がするほど湿っていた。軽く指を離すと、糸がのびるのがわかる。
「あっ」
 彼女は、突然腰の力が抜けたように洋太の身体に体重を預けて来た。洋太はそのまま相手をソファに仰向けにすると、思い直して食事が終わって片づいたばかりのテーブルに抱え上げた。
「な、なにを」
「ぼ、ぼく……もう」
 言いながら、洋太はショーツの上から指をくねらせるように動かしていた。にちゃにちゃといやらしい音をたてて、中心にできた染みが広がって行く。最初は唇を噛みしめて抵抗していた彼女も、次第に甘い吐息をもらすようになっていた。
 洋太は息を荒らげながらショーツと太腿の間に手を差し入れ、直接あの部分を刺激した。とたん、彼女の声も大きくなる。下着の上からはぬめりに過ぎなかったものが、そこではしたたるほどにあふれつつあった。
 やがて、洋太は彼女の中心にある熱い塊に彼女が大きく反応することに気づくと、そこを中心に責め始めた。あふれるものはますます多くなり、ショーツを染み出して下へと流れ落ちた。洋太は低くうなると、スカートの奥に手をさし入れ、そのままショーツを引きおろした。熱く濡れそぼった黒い茂みが姿をあらわし、ついでその下に淡い肌色の襞があらわれた。それに沿って指を動かすと、彼女は甲高い声で反応する。その先端にある小さくしこった部分に指をあて、こねくり回すと、彼女はじっとしていられないようすで、洋太の指に合わせて腰を器用にくねらせた。
「……お、お願い、ねえ、ちょうだい、このままじゃ、あたし、おかしくなっちゃう」
 洋太はその部分に唇を触れた。彼女の声はますます甲高くなったが、言葉には否定の響きがあった。
「それじゃないわ! もっと、熱いの、それ、ねえ、洋太くんのそれを――」
 洋太はようやく気づくと、腰をテーブルの縁に引っかけ、白い液体をしたたらせる部分を前に突き出している相手に向かって、自分の反り返ったものをむきだしにした。赤黒く変色したそれは、この間より大きくなっているようだった。
「そう、それよ! 早く、ちょうだい! おねがい!」
 懇願と命令に近い悲鳴が彼女の喉からもれる。洋太は彼女の腰を左手でかかえると、右手で反り返るものをつかんで、大きく口を開く部分に近づけて行った。ぬるりという感触があった。先が触れただけだったが、彼女は狂喜するような声を上げた。さらに慎重に腰を沈めて行く。最初はうまく行かなかったが、洋太を迎え入れる部分がもう少し下にあることに気づくと、後は、洋太の大きさがうそのようにすんなりと奥までおさまった。
「ぼ、ぼくのが……入ってる……すごい」
「うん、すごいよう、すごい、ねえ、動いて、お願い」
 洋太は必死で動いた。腰を動かすこつはすぐに呑み込めた。たくみに彼女が洋太の腰に合わせて動いてくれたからだ。中にあふれた液体と、洋太がこすれて、激しい音をたてる。それは狭い部屋の中にこだまして、よりいっそうふたりの興奮を高めるのだった。
「すごい、すごい、奥まで、ねえ、奥までよ」
 彼女は興奮を抑えきれないように、何度も叫んだ。洋太は何度も爆発しそうになるのをこらえながら、彼女に向かって自分を突き入れた。
 やがて、その瞬間が訪れた。洋太の中で、なにかが爆発した。それは熱いものとなって彼を流れ出ると、すべて相手の身体に吸い込まれて行った。
 気がつくと、彼女は洋太の間にひざまずいて、洋太を口できれいにしてくれているところだった。
「すてきだった……うれしい」
 彼女は、ふたたび大きさを増し始めた洋太に歓喜の声を上げ、今度はテーブルにうつ伏せて持ち上げるように腰を突き出した。あの部分が、上下逆さになって洋太の目の前にさらされる。とろりとしたものが、念入りにふき取られた部分からふたたび流れ出ている。
 洋太は頭が真っ白になるのを感じた。気がつくと、彼は、後ろから彼女に突き入れていた。テーブルの上で彼女は髪を振り乱し、歓喜の声を上げている。洋太は、激しく腰を揺すりながら、何度も彼女の中で果てたのだった。

 次の週の家庭教師は、香里だけだった。どうしても外せない用事とかで、母親は外出したとのことだった。洋太は気落ちを隠せなかったが、それでもきちんと授業をこなすと、香里の入れるお茶を待ってテーブルについていた。
 香里がもどってきた。洋太は、息を呑んだ。彼女は、なにも身に着けてはいなかった。
「ちょ、ちょっと」
「知ってるんだ、あたし。お母さんが先生のこと好きなの。お母さん、先生のこと想って、毎晩ひとりエッチしてるんだよ。それに、お母さんと先生がしてるの、見ちゃったし」
 洋太は目を見開いた。
「でもいいの! お母さんかわいそうだし、あたしお母さんすきだし。でも、先生のこと、ずっと好きだった」
 言いながら、香里は洋太にしがみついてきた。
「あたしね、先生に迷惑かけないように、処女なくしてきたんだ。ほら、この間バイクに乗って帰って来たでしょ? あの時よ」
 洋太は目を見開いた。
「そんな、ばか――」
「だって、処女なんていいことなにもないもん! 痛いし、血が出るって言ってたし……出なかったけど。でも痛かったよ」
「いいか、あのね、きみはもっと自分を」
「だって、先生好きだもん! お母さんから先生取ろうと思ったら、こうするしかないじゃない」
 香里はそう言うなり、洋太に唇を重ねて来た。ぎこちないが、甘いキスだった。
 洋太は、自分がいきり立つのを知って、がく然とした。目線を移すと、まだ薄いあの部分から、この子ももう滴らせている。
「で、でも」
「お願い! 先生、好き! 一度だけでいいの、して、お願い! だって、そうでなきゃどうしてあたしあんな痛いことしなきゃならなかったの」
 洋太は憐むように香里を見返していたが、やがてゆっくりと唇を重ねた。彼女の部分に指を滑らせると、確かに濡れていた。
「だって、毎晩先生のこと想ってひとりエッチしてたの、お母さんだけじゃないもん」
 洋太の指の動きに言葉を途切らせながら、香里はそう言った。いけないこととはわかっていたが、洋太はそんな香里がたまらなく可愛いと思った。
 指先が、まだ細い彼女の中へ可愛い音をちゅっちゅっとたてながら潜り込み、そして引き出される。そのたびに、香里は甲高い声をたてて身をよじらせた。同時に香里の薄い胸を左手でさすりながら、唇は彼女の身体にくまなく触れて回る。
 やがて、洋太の指に合わせて、香里の腰の動きも激しさを増して行った。十分に受け入れられるやわらかさとぬめりが出たところで、洋太は突然指の動きを止めた。涙をためた目で、意外そうに香里が見返す。
「ひとりで行くなんてずるいじゃないか」
 言いながら、洋太は服を脱ぎ捨て、自分の上にゆっくりと香里を沈めて行った。香里が声を上げたのは、途中、わずかに引っかかった1回だけだった。ひどく窮屈だったが、洋太はすっかり香里の中に没していた。香里の動きに、洋太が香里の中を上下するのがわかる。
 声を上げられないほど、香里は全身を貫く感覚に身をよじらせていた。洋太は彼女の小さな腰をささえると、突き上げるように下から腰を浮かせる。そのたびに、彼女は声にならない声をあげて、頭を振るのだった。
 やがて、洋太が達する瞬間、彼は香里から自分を引きぬくと、その場ですべてを吐き出した。白いものが、かおりの薄いもやのような茂みと、洋太の腹を汚す。
 それを見届けると、支えを失ったように香里は洋太の上に倒れ込んだ。洋太も、腰を持ち上げることができなかった。
「ただいま」
 玄関から聞こえた母親の声に、まるで予想していたかのように香里は自分の部屋に飛び込んで行った。洋太も大あわてで服をひっつかむと、香里の部屋に飛び込んで服を身に着けた。わずかな差で、香子がドアを開く。
「あら、まだ勉強してたの?」
 洋太は引きつった笑いを浮かべて香子に向かって相槌を打つと、Tシャツとショートパンツの下にはなにも着けていない香里を見た。香里は意味ありげな視線を洋太に向けると、さっさと行けと目顔で言った。
「でもまあ、そろそろおわりにしようかと思っていたところで……」
「あら、そうなの?」
 ぱっと顔を輝かせる香子に、洋太は腰から血が引いて行く思いだった。
「さあ、友だちのところに行って来るね」
 言いながらふたりの脇を通り抜けた香里は、意味ありげに洋太に向かって笑いかけた。
「これから、楽しくなりそうだね」

                       なんだかなあ:D