GigaHit

お言葉ですね・覚書


環境影響評価(アセスメント)

採集時期: 1997年2月
採集場所: 新聞・テレビニュース等
使用状況: 新聞記事より
観光や観測などの活動が環境に及ぼす影響を事前に調査する環境影響評価(アセスメント)手続きを導入することになった。
差し出口: アセスメントという言葉だけ普及させておいて今さら環境影響評価(アセスメント)もないわな。それにこの書き方だと「アセスメント」ってのが「評価」か「影響評価」かそれとも「環境影響評価」なんだかよくわからない。
ちなみに私は長らく「事前説明会」だと思っていた(失笑)。
戻る最初の画面に戻る

銃声音

採集時期: 1997年2月
採集場所: ラジオニュース
使用状況: ペルー日本大使公邸人質事件の報道より
(略)公邸の方から爆発音と数発の銃声音が聞こえました
差し出口: つまり銃声ではないわけだな。
戻る最初の画面に戻る

目に一筋の涙

採集者 : みのうら様(ホームページもお楽しみください
採集時期: 1997年2月3日
採集場所: 今朝のワイドショー(テレ朝)。
使用状況: 「野本被告の目に一筋の涙
差し出口: 野本被告の目に一粒の涙、ならわかるし、頬に一筋の涙、ならわかるのだが、 あんまり目には一筋流れないんとちゃうか?
かばい手: 野本被告はドライアイだったのかも知れず(笑)。by松楓庵
戻る最初の画面に戻る

“意中の人”を選ぶ

採集時期: 1997年1月
採集場所: 新聞の特集記事
使用状況: 岐阜県知事選挙関連特集の記事より
(略)町内の男性(六〇)は「知事選では産廃問題も含め、民意を重視してくれるかどうかを基準にして“意中の人”を選びたい」と話している。
差し出口: 「意中の人」というのは、結婚相手や恋人にしたいと具体的に考えている人、この役職にはこの人が適任だと心中で決めている人、ぐらいの意味で、ふつう心の中ですでに決まっている人のことだからいるいないしかないと思っていた。これから選ぶとか探すのもありなのか。
戻る最初の画面に戻る

生前の意思(リビング・ウィル)

採集時期: 1997年1月
採集場所: 新聞のコラム
使用状況: 「尊厳死は殺人ではない・医師に刑事責任はない」より
「尊厳死の場合は無益な延命を拒否するという生前の意思(リビング・ウィル)があればいい」
差し出口: 「リビング・ウィル(生前の意思)」ならともかく、なぜ「生前の意思」という立派な日本語にカタカナ英語の註釈を付けなきゃならないのだろう。あるいは私が知らないだけで、すでに「リビング・ウィル」が正式な法律用語にでもなっているのか?
戻る最初の画面に戻る

窓から外を覗き込む

採集時期: 1996年12月
採集場所: テレビニュース
使用状況: ペルーの日本大使公邸人質事件の報道より。
「時折廷内にいる人質の人が窓から外を覗き込む姿が見られました」
差し出口: 個人的な趣味かもしれないが、もともとそういう趣旨の企画なのでやはり取り上げることにする。
「窓から覗き込む」「壺を覗き込む」などと書くけば、わざわざ断らなくてもふつう中を覗き込むことだろう。
外の様子をこっそり眺めるという意味なら、「窓の外を覗き見る」「窓から外の様子をうかがう」ぐらいの方がよいのではなかろうか。
戻る最初の画面に戻る

自力に勝る○○

採集時期: 1997年正月
採集場所: 新聞のスポーツ欄
使用状況: ラグビー大学選手権準決勝の記事より。
自力に勝る○○大は、開始早々から4連続トライ」
「自力」とは「自分自身の力」のことだけど(「自力優勝」「自力で脱出した」など)、「自分の力より優れている○○大」とはどういう意味だろう?
差し出口: 「地力に勝る」の変換ミスと思われるが、「地力で勝る」の方がわかりやすいかも。
ちなみに「自力」には「人間の力」の意味があり、「他力本願」はもともと「(人間以外の)仏や如来の力を借りて極楽に往生すること」で、「他の人の力を当てにすること」ではなかった。言葉の世界の「軒先貸して母屋取られる」かもしれない。
戻る最初の画面に戻る

朝が明ける

採集時期: 1996年12月ごろ
採集場所: テレビのニュース番組
使用状況: 「夜事件が起こり、一夜明け、また夜が来て、そして再び朝が明けたところです」
差し出口: 夜が明けると朝になるが、朝が明けると何になるのだろう。
(「朝明(「あさけ」または「あさあけ」)」という言葉はあるが、夜明けごろ空が明るくなることを指す雅びな言い方のようなので独断と偏見で却下)
戻る最初の画面に戻る

行方がわからない男性は見つかっていません

採集時期: 1996年
採集場所: テレビのニュース番組
使用状況:行方がわからない男性は依然として見つかっていません
差し出口: 見つかったら行方がわかっているのではなかろうか。「男性は依然として行方がわからないままです」ぐらいにしてちょ。
戻る最初の画面に戻る

年末明け早々(賞賛)

採集時期: 1996年12月27日
採集場所: NHKラジオ「列島リレーニュース」
使用状況:年末明け早々から……年明け早々から(以下略)」
この番組に限ったことではないが、たまたまさっき聞いたばかりなので。
たとえ全国ネットであっても、いや全国ネットだからこそ言い間違いは言い間違いとしてちゃんと訂正しなくてはならないし、またちゃんと訂正する態度は立派である。ニュース報道でおかしな言葉をそのままにしておくのはニュースの信頼性をもそこねかねない行為だ。
差し出口: これまでこの企画ではたんなる言い間違いと思えるものは取り上げないようにしてきた(つもり)。だからラジオやテレビで変な言葉を聞いても、まあ人間誰しも間違いはあるから、と聞かないふりをしていた。自分だっていつ同じような間違いをしでかすかもしれないし。
しかし、以前にも書いたけど言葉はかなりの部分耳から覚えるものだ。それに今更言うまでもないが、テレビ・ラジオのようなメディアの場合、その影響力は計り知れない。このアナウンサーのようにすぐにきちんと間違いを正せば、たとえその場はみっともなくても言葉に対する真摯さ・誠実さは伝わるし、言葉そのものも伝わっていく。
ということで、これからはそういった一発芸のお言葉も対象に加えていく予定(たんなるネタ切れ)。
戻る最初の画面に戻る

0対0の同点

採集時期: 1996年夏
採集場所: ラジオの野球中継
使用状況: 「3回を終わって両チーム0対0の同点です」
他のところで聞いたことがないので、このとき限りの言い間違いの可能性大。
差し出口: 野球では便宜的に点が入っていないことを「0点」と言うが、これは「0点が入った」という意味ではない。ありもしない得点が同じではおかしいので「両軍無得点」とか言って欲しかった。
戻る最初の画面に戻る

どんな結果になるのかどうか

採集時期: 不明
採集場所: ラジオのニュース
使用状況: 「はたしてどんな結果になるのかどうか、注目されるところです」
どのような結末を迎えますかどうか、期待したいですね」など。
差し出口: 平たく言い直せば「どうなるかどうか」となる。
結果が勝ち負けなど相反する二つだけの時には「そんな結果になるのかどうか」などと使うけど、いくつもの可能性があるときに後ろに「どうか」と付けるような使い方はどうかと思う。
戻る最初の画面に戻る

カルチャー文化

採集者 : ゐんば様(ホームページもお楽しみください
採集時期: 不明
採集場所: NHKだったか朝日ジャーナルだったか、割と堅めの報道
使用状況: これは実は同語反復ではないのです。
 主婦を中心に各地でカルチャーセンターが大流行したことがありました。「アサヒカルチャーセンターとかの、源氏物語の講義とか古代メソポタミア文明を学ぶとか、そういうやつですね。
で、そういう草の根的な文化が根付きつつあった。それを称して「カルチャー文化」と読んだわけです。
差し出口:  ご飯ライスだよこれじゃ。
戻る最初の画面に戻る

あすはあすの風が吹く

採集時期: 不明
採集場所: CBCラジオ「ラジオジャンクション」
使用状況: 某女性アナウンサーが「明日は明日の風が吹く」を表記のごとく読んでいた。あの人の声やしゃべり方、気に入ってるのになあ、とほほ。
ついでに言っておくと、ここでCBCラジオから採集した標本が多いのは、CBCラジオを聴く時間が他のラジオ局に比べて長いからである。理由は簡単、好きだから。ま、嫌いなら聞かないのだから当然ではあるが。
差し出口: NHKラジオ第1放送で平日の夜8時頃放送している「話芸笑芸当たり芸」の中で、ある落語の師匠(名前失念)がおおむねこんな事を言っていた。大学の落研の人は本を読んで落語を覚えるから、落語の継承者としてはあまりよろしくない。口でしゃべったことを耳で聞かないとどのように発音していいのかわからないから、落語を習うときは口伝でなくてはならない、と。
この標本の場合はおそらくアナウンサーが本でこの言葉を読んだだけで、人から聞いたことがないのだろう。
「明日」は「あす」と読むのが本来で、「あした」という言葉はもともと「朝」のことだったようだ。全くの私見だけど、「今日はもう日が暮れた。朝になったらまた会いましょう」ぐらいの意味で「また朝(あした)」と使っているうちに「あした」に「明日」の意味が生じたのではなかろうか。
しかし、「明日は明日の風が吹く」を目で読むだけならともかく、耳で聞く場合には「明日」は「あした」でなくては語呂が悪い。せっかくの七五調が崩れてしまうのだ。ふう、長い差し出口になってしまった。
戻る最初の画面に戻る

自然なナチュラルさ

採集時期: 不明
採集場所: テレビ朝日「ニュースステーション」
使用状況: 臨海副都心に対する要望のインタビューの中の、実際に住んでいる主婦の回答。
「もっと自然なナチュラルさが欲しいですね」
差し出口: 「ナチュラル」ですでに「自然な」という意味なんですが。
一般人の何気ない言葉は本来対象外としたいけど、一応放送する側の編集を経ているということで採用。
戻る最初の画面に戻る

調査が進むにつれて被害が拡大する

採集時期: 1995年1月から2月にかけて
採集場所: 新聞・テレビ・ラジオの阪神大震災報道
使用状況: 「今回の地震は、この先調査が進むにつれて被害が拡大するおそれが強まってきています」
「今後調査が進むと、ますます被害が大きくなっていく見込みです」
など。
差し出口: 調査を進めて被害を拡大されたのではたまらない。せめて「調査が進むにつれて、被害の大きさが明らかになっていく」ぐらいにして欲しかった。
戻る最初の画面に戻る

もう少し最高

採集時期: 不明
採集場所: CBCラジオ「おはようタケチユウジです」
使用状況: 「もっとベスト」とほぼ同じ。
差し出口: 「最高」より上があるとは以下略。しかも「もう少し」があるということは「もっとすごい最高」「最高に最高」などもあると思わせる使い方で、よけいひどい。
戻る最初の画面に戻る

もっとベスト

採集時期: 不明
採集場所: CBCラジオ「おはようタケチユウジです」
使用状況: 「もしこれが〜だったら、もっとベストなんですけどね」
差し出口: 「ベスト」より上があるとは思わなかった。
戻る最初の画面に戻る

ネーミングを付ける

採集時期:不明
採集場所:CBCラジオ「おはようタケチユウジです」
使用状況:商品の命名の仕方が売り上げに影響するというレポートの中で、やたら「ネーミングが大切」とか「ネーミングしだいで」と繰り返すのが気になっていたら、とうとう「ネーミングを付けて」とか「ネーミングの付け方で」とか言いだした。
差し出口:「ネーミング」だけで「名前を付けること」という意味なんですけど。
戻る最初の画面に戻る

気分が高まる

採集時期:不明
採集場所:CBCラジオ「おはようタケチユウジです」
使用状況:「何年か前に、個人でも英語を勉強したいという気分が高まって英語教室ができたんですが、そのころは文法とかが中心だったんですね。ところが最近では、より実用的な英語を身に付けたいという気分が高まって、英会話中心になってきているんです(記憶によっているため、細部は異なっているかも)」
差し出口:普通こういう場合は「気運が高まる」と言いませんか?

戻る最初の画面に戻る