採集時期: | 97年9月 |
採集場所: | 朝日新聞97年9月26付投書欄 |
使用状況: |
首相に欠ける鈍刀の切れ味(というタイトル) (略)橋本首相に「鈍刀」の迫力を期待するのが「ないものねだり」だというなら、別な人に代わってもらうしかない――これが今回のゴタゴタを見守ってきた多くの国民の偽らざる気持ちではないだろうか。 |
差し出口: |
切れ味を欠くから鈍刀だと思うが。それにもとの文章の「鈍刀」とも微妙にニュアンスが違うみたいだし。 あるいはタイトルを書いた人は、首相には鈍刀ほどの切れ味すらないと言いたかったのか。 |
採集時期: | 97年9月 |
採集場所: | 朝日新聞97年9月20付投書欄 |
使用状況: | 投書欄の左側に紹介された写真のタイトルが山里の棚田(「日本の自然」写真コンテスト)。山の斜面から棚田だけを見下ろして写したもの。田の畔には脱穀したあとの藁が束ねて立ててある。 |
差し出口: | 「自然との調和」写真ではなく「日本の自然」写真だそうだ。棚田は自然にできたわけではなくまた動物が作ったものでもなく、明らかに人間が開墾したものだと思うが。それとも山里に住んでいるのは野生の人間だとでも言いたいのだろうか。失礼な話である。 |
採集者 : | みのうら様(ホームページもお楽しみください) |
採集時期: | 1997年9月 |
採集場所: | 宝塚歌劇「エリザベート」より、主題歌「愛と死の輪舞」から。 |
使用状況: | 「禁じられた愛のタブーに 俺は今踏み出す」 |
差し出口: | 禁じられていないタブーはないと思う。舞台で聞いた時は、役者の歌唱力(以下略)だったので気がつかなかったが、ビデオでチェックしていて気づきました。え? 好きですよぉ、宝塚。 |
採集時期: | 97年9月 |
採集場所: | NHK総合テレビ「堂々日本史」 |
使用状況: |
家康は三成が城に籠城する可能性もあると水攻めにする策も考えていました。 (記憶によっているため詳細は違っています) |
差し出口: | 明らかな「馬から落馬」のパターンだけど、考えてみれば平気でアパートに籠城したり民家に籠城する現代人にとっては城に籠城するのは特殊なケースなのかもしれない。 |
採集時期: | 97年9月 |
採集場所: | スポーツ新聞の社会面 |
使用状況: |
父に抱えられるように教会に入った二人は、落ち着いてはいたが、動揺を隠しきれない様子だった。 |
差し出口: |
動揺してるうちは落ち着いているとは言えないのでは。 にしてもこの「動揺を隠しきれない」とか「ショックを隠しきれない」という表現はどうにかならないものだろうか。思わず不快感を隠しきれなくなってしまう。「こいつ動揺(ショック、不快感)を隠しきれていない」→「本来隠すべきものだろうに」→「それができないのは人間ができてない証拠だな」と読んでしまうのは勘ぐりすぎ? |
採集時期: | 97年8月 |
採集場所: | 『美味しんぼ』17巻 |
使用状況: |
「うは、味はともかく、私はこのネチャネチャした感触が気持ち悪い!」 「この舌ざわりが、初めての人には苦手なんだろうね」 |
差し出口: | 苦手ってのは一度経験してからなるものでなかろうか。初めてで苦手というのは何やら変。 |
採集時期: | 97年7月 |
採集場所: | 中日新聞「応答デスク」 |
使用状況: |
「応答デスク・願い下げたい冷夏予報」 (略)子供達が思い切り自然に親しみ、真っ黒になれるよう、冷夏予報は外れてもらいたい。 |
差し出口: | それって、「願い下げたい冷夏」でないかい。タイトルを読んで「冷夏予報なんか出すな」と文句を言ってるのかと思ってしまった。 |
採集時期: | 97年7月 |
採集場所: | 中日新聞の投書欄 |
使用状況: | 「(略。俳句が書いてある)」これは私の拙句。 |
差し出口: | 「拙句」だけだと自分で詠んだ俳句のことだと思うけど、わざわざ「私の」と断られると文字通りの拙い俳句に読めてしまうから不思議。この人は「私の秀句」とか「○○さんの拙句」なんて使い方もしてるのだろうか。チェックぐらいしなさいよ、投書担当の人。 |
採集時期: | 97年7月 |
採集場所: | ラジオのレポート |
使用状況: | このような斬新的なメニューはなかなか受け入れられにくいものですが…… |
差し出口: |
れっきとした形容動詞でもある「斬新」にさらに「的」をつけて形容動詞だと強調するとは念の入ったことである。いや、「〜的」は、そのものではないがそれに似たようなもの、という使い方をするので、この場合は斬新ではないがちょっと斬新風という意味か。 最近名詞や四字熟語に「的」を付けたがる人をちょくちょく見かけるが、蛇足的な感じがすることであるなあ。そういえば新聞の随筆で「枝葉末節です」と書けばすむところを「枝葉末節な事なのです」としていた人もいたっけ。 |
採集者 : | 藤井 浩様(ホームページもお楽しみください) |
採集時期: | 1994年ごろ |
採集場所: | 「VOW PLUS 1(宝島社)」 P115 |
使用状況: |
新聞テレビ欄の誤植を指摘するコーナーで、「有言実行三姉妹シュシュトリアン」が「有吉実行……」になっていたという投稿の読者コメントに以下のような記述。 「基本的な四字熟語なのにねえ。」 この投稿に対する編集者のコメントには、上記の件に対するツッコミはなし。 |
差し出口: | 言うまでもなく正しい四字熟語は「不言実行」であるが、どうもこの「有言実行」が最近はスタンダードとして認知されているようだ。プロレス雑誌などでもよくこの言い回しを見かける。やっぱり、黙々とものごとをやりとげる人間より、雄弁な人間のほうが現代では好かれるのだろうか。 |
付和雷同: | そういえば「有言実行」は選挙演説あたりでも聞かれるような……あれは「有限実行」か。by松楓庵 |