出産祝いは「お七夜」にお祝い品を持参 して行くのがしきたりでした。 しかし、現在では病院で出産する人がほとんどで、お七夜にあたる日はちょうど退院する時期であります。ですから退院後2〜3週間以内にお祝いをあげるのが、現実の習わしとなっています。実はこれには、理由があり、お祝いをいただいた側は、生後1ヶ月後のお宮参りの前後にお返しをしなければならないからです。だから贈る側が遅くなってしまうと、相手にお返しをまた用意させなければいけないので、注意が必要です。贈る側の金額の目安は5000〜1万円程度でおつき合いの度合いに応じて。品物は1年後に着られる洋服などを選ぶのが無難ですが、ベビーフードや肌着セットなどいくつあってもうれしい実用品も人気です。のし紙の表書きはもちろん「御出産祝」とします。また、送られた側のお返しはいただいたものの「半返し」が目安。つまり半額程度と考えます。品物はお砂糖や、お赤飯、石鹸などが一般的です。

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 出産祝いは生後3週間以内に贈るものですが、この友達の場合はその間に親族が亡くなられたわけですね。出産はとてもおめでたいことですが、不幸があったなかで「おめでとう」と言われたり、お祝い品を贈られると、逆に相手のほうが戸惑ってしまいます。こうした不幸があつた場合は、必ずそちらを優先し、贈り物やお祝いの言葉などは控えたほうがいいでしょう。少し日にちをずらしてお祝い品をという手段もありますが、葬儀があった場合その親族は四十九日まで忌中となり、その間七日ごとに法要を営むなど、親族も悲しみに暮れています。出産のお祝いごととは対極にあるものなので、相手の気持ちを第一に考え、くれぐれもお祝い品を贈るタイミンクを間違えないことが大切です。 こうしたケースでは、出産祝いを1年後の誕生日に贈ってもおかしくはありません。事態が事態ですから「ご不幸があつたので遅くなりましたが」と言って渡したり、メッセージカードを入れて送るのがいいでしょう。また、これだけ親しい仲なのですから、ご親族のお通夜や告別式にも顔を出しているはずです。そのときに友達にさり気なく「ご不幸があったので、お祝いは後ほど」とあらかじめ断っておくのもいいですね。出産祝いは品物を贈ることではなく、出産を心から喜んであげる気持ちが大切なのです。その基本を理解していれば、相手にも気持ちが通じるはずです。

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 2人目の赤ちゃんにとってはかわいそうですが、1人目に贈った品や金額より簡単にすませても結構です。残念ながら周囲の人にとって、赤ちゃんは1人目の喜びより、2人目のほうが少し減ってしまう、それが人情なのです。相手のほうでもお祝い返しなどの大変さを知っているので、逆に面倒くさいと思って、お祝いを断ってくる人もいます。でもこれはあくまでも人それぞれです。相手の気持ちと自分が贈りたい気持ち、それに合わせて贈るのがいちばんいいでしょう。

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 お祝いの贈り物は、一般的に品物や金額に暗黙のルールがあるものなので、こうした例外的なケースには、頭を悩ませてしまう人が多いのではないでしょうか。でも、そもそも贈り物とは、お祝いする気持ちを金品に代えたものなのだということを忘れないでください。こうした素直な気持ちから考えると、双子が生まれた人へ、1人分だけのお祝い品を贈るのは失礼になるわけです。やはり2人分の品物を贈ってこそ相手にも喜ばれ、お祝い品も生きてくるのです。これは決して単純に金額を倍にするという意味ではありません。1人のときと金額は同じでも、2人分の品物を用意してあげる気づかいが必要だということなのです。一般的に出産祝いの品は、赤ちゃんが1年後に着られるものを相差して贈るものです。双子ならおそろいのパジャマやTシャツ、肌着など、同じようなものを2つ贈るのがいいですね。 また、双子ということで大変さも2倍。励ましの電話をするなど、気づかってあげてください。

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 出産後もしばらく実家にいるのか、1週間程度で戻ってくるのか、その友達のケースにもよります。すぐに戻ってくるようであれば、いま住んでいる家あてに、産後も実家でしばらく過ごすようなら実家あてに送っておきましょう。また、いつ帰ってくるかわからない、長くいるようだが実家の住所がわからないなどの場合は、ご主人あてに送っておくと間違いがありません。親しいおつき合いの友人であれば、たとえお祝いが遅くなっても、彼女が戻ってきてから手渡すのがいいですね。

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 2人の友人関係がどの程度のものなのかにもよりますが、自分が出産祝いを辞退したことを相手は覚えているはずです。 そうだったら、おめでとうのカードを送ったり、電話をかけたりですますことができると思います。日本は世界でも贈答の習慣が多い国です。そこにさまぎまなしきたりが生まれ、贈り物をいただいたらそのお返しをするのもしきたりのひとつです。ただ、最近の若い人たちは、こうしたわずらわしい慣習を嫌う傾向にありますので、友人同士でお互いに贈らない約束をしている人も少なくありません。しかし、自分はお祝い品を断ったけれど、相手には贈りたいと思ったなら贈ってもかまいません。贈り物は、相手からの見返りを考えるものではなく、贈りたい気持ちの問題なのです。金額は関係ありません。要は相手におめでとうという気持ちが伝わればいいのです。

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 親類関係とどこまでつき合うかは、とて も難しくて微妙な問題です。とくにご主人側の親類は、自分自身で勝手に判断するこ とができませんので、まずはこ主人に相談することが大切です。しかし、もしご主人 もおつき合いがまったくないというのであれば、贈らないほうが無難てすね。お祝い品を贈ると、お返しのことなとでかえって相手に気を使わせることになります。またこの場合なら、手紙などでお祝いのメッセージを送る必要もないと思います。 でも、もし一度でも会ったことがある近い親類なら話はまた別で、お祝い品や手紙なとでおめでとうということが必要なときもあります。 住所を知らないのなら、こ主人の実家に尋ねるなど、なんらかの手段かあるはずです。 親類とは永久的につき合いがあるものですから、迷ったときには姑や義姉に聞くといいでしょう。

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 七五三は家庭内の祝いごとなので、親族 にはいいですが、近所の方々にあえてお知 らせすることはありません。 もともと七五三とは、子どもが丈夫に育つということが大変なことだったころの、 節目節目の祝いごとなのです。昔は祝いごとがあると、必ずお赤飯を炊きましたので、近所におすそ分けをしたのです。現在では無理にこうしたことをすると、人によっては「お祝いを要求しているのでは?」と勘違いされる場合もありますから、あまりおおっぴらにする必要はないでしょう。本当 に親しい近所の方なら、千歳飴を配るなど、相手にあまり負担にならないことでおすそ分けをしましょう。 ただ、地方によっては七五三のお祝いを、親類はもとより近所の方々を呼んで盛大に祝うところもあるそうなので、一概にこれがルールとは言えません。

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 お祝いの時期は入園した前後に、通園に 便利な衣類や運動靴、図書券などの実用品 を贈るのが一般的です。しかし、最近では 幼稚園や小学校でも受験があり、一喜一憂している場合がありますので、あまり詳細 を知らずに「おめでとう」と言ってお祝い するのは考えものです。また、こうした入園・入学祝いには、ほかの贈答と違ってお返しのしきたりがありません。 お返しの代わりに元気な子ともの姿を見せる、身内の簡単なパーティをすることでお返しとする家庭が多いようです。相手が困惑するような高価なものを贈るのは、かえって相手の負担になりますので控えましょう。また、七五三と同様に、入園や入学祝いは一般的に身内のお祝いごとです「身内の範囲とは、兄弟や姉妹、おい、めいのことをさします。ですから近所の人が入園や入学でも、お祝い品を贈る必要はありません。

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 いまや日本は世界lの長寿国lとなりました。定年退職したあとも続けて働く人も多く、また趣味の多い人が増えましたので、「老人」と呼ぷには抵抗があるほど、皆さん元気なものです。長寿のお祝いには、のようにさまざまないわれと名称があります。ひと昔前には長寿の祝いは、必ず60歳の還暦からはじまりました。しかしそれは、人生50年といわれていたころのものです。 現在では、だいたい77歳の喜寿くらいからを、長寿のお祝いとしています。贈り物はその方の趣味に合わせて選ぷことが大切ですが、ガウンや羽毛布団など、毎日使えるものも喜ばれるものののひとつです。 お祝いの上書きは、金銀蝶結びのおめでたい水引に「祝喜寿」 や「金寿御祝」などとして贈ります。金額の目安はありませんが、親としていままで、そしてこれからもお世話になる人への、大切なお祝いですから、心をこめて祝い、贈ることが礼儀です。
還暦 60歳 暦のうえで干支が60年で一回りし生まれた干支に戻るため
古希 70歳 唐の詩人、杜甫の詩「人生七十古来希なり」にちなんで
喜寿 77歳 喜の略字が七十七と書くことから
傘寿 80歳 傘の略字が八十と書くことから
米寿 88歳 米という字が八十八と書くことから
卒寿 90歳 卒の略字が九十と書くことから
白寿 99歳 百の字から一ひくと、白になることから

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 60歳で干支が戻ることから赤ちゃんに戻るといわれ、昔は赤いチャンチャコ]などを着せました。現在では、いまだ現役の人もいるほど皆さん元気ですから、まず、お義父さんに還暦の祝いをしてほしいかどうか、はっきりと尋ねたほうかいいですね。なかには逆に怒る人もいるかもしれません。本人に聞いてOKなら、周りがお膳立てしてあげることが必要です。 プレゼントはしゃれたセータやベスト、帽子などがおすすめです。選ぶとき、とくに赤にこだわる必要もないと思います。

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 家を購入したと聞くと、どうしても「新築祝」を思い浮かべてしまうので、なんといってお祝いを贈ろうかと困るわけです。新築でも中古でも、その方が家を購入した事実に変わりはありません。そして、それに対するこちらのお祝いの気持ちも変わらないはずです。つまりシンプルに、お祝いと考えればまったく問題ありません。のし紙の例としては「御新居祝」やただの「御祝」でもいいですね。肝心なのは祝う気持ち、お祝い品はあらかじめ希望を聞いておくのがいいでしょう。

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 新築祝いというのは本当に親しい仲でするもので、知人が家を建てたからといって、簡単にお祝いを贈るべきではありません。一般的には新居に招待された場合に限って贈るものといわれています。これは、新築祝いのお返しは親しい人を家に招いて、お食事を出して、家の中を見せてもてなすことだからです。だからあまり親しくない人からお祝いをもらうと、相手は逆に困るわけです。声をかけられたらお祝いを持っていく。そんなスタンスが大切です。お祝い品はインテリアなどには好みがありますから、避けたほうが無難ですね。5000〜1万円程度を目安におつき合いの度合いに応じて。ただ、ストープなど火に関するものは、縁起が悪いとされていますので注意が必要です。また、建てた方もこの人には教えたいと思う人にとどめておきます。お返しはいただいたものの半額程度のものをお返しします。

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 御中元と御歳暮は、贈答の代名詞といわれるほど、職場でも家庭でもなじみが深いしきたりです。アンケートによると、家庭1軒あたり平均3か所に贈答しているそうですから、一般家庭でも欠かすことのできない存在です。御中元も御歳暮も、日ごろお世話になっている人に、感謝の気持ちを金品に代えて贈るものです。上司や仲人、両親など、お世話になっている目上の方に贈るものであり、部下の人などに贈るものではありません。 そもそも、″中元”とは7月15日のことをさします。ですから7月15日までに届けられるものを、のし紙に「御中元」と書いて贈り、日ごろの感謝を表すものなのです。それを過ぎると、「御中元」ではなく「暑中御伺い」と上書きが変わりますので、くれぐれも注意してください。 また御歳暮は、もともと年内に相手先へ贈るものだったのです。それが、宅急使なとで送るようになったいまは、12月25日くらいまでに届くのがいいといわれています。 ただ、お年始にうかがう予定があるならば、お年始として持って行っても失礼ではありません。贈る時期はデパート商戦の関係で、全体的に早まっている傾向にあります。でも、御中元も御歳暮も早ければいいというものではありません。御中元は7月、御歳暮は12月に入ってからで十分です。 また所によっては、月遅れで8月15日を採用している地域もあります。贈る相手側 に合わせて贈ることが大切です。

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 本来、御歳暮や御中元というのは、お世話になっている方のお宅へおうかがいし、日ごろの感謝を述べるとともに贈るものです。しかし、最近ではデパートからの配送など流通の発達もあり、わざわざ出かけて贈る人は少なくなりました。便利な世の中になったとはいえ、残念ながら相手先に宅配便で届けられた品物はモノを言いません。感謝の気持ちを伝えるはずの御歳暮や御中元も送りっぱなしでは絶対にいけません。心を伝えるのが贈り物ですから、日ごろの感謝はもちろんのこと、どうしてこれを贈ったのかを説明する一筆が必要です。それをしてこそ、御歳暮や御中元を贈る本当の意味があるのです。「贈りました」という趣旨を書いた手紙やハガキ、また電話でもいいので、品物を贈ったすぐあとには必ず実行してください。そしてそれは、品物が届くより早く相手に知らせることが大切です。いまどきの宅配便は配送が早いですから、りウカウカしていると後先が逆になってしまいます。 ですから、送ってからすぐ、遅くても1週間以内を目安に連絡するようにしましょう。 これは電話で伝える場合も同じで、品物を送ったという事実を伝えるよりも、できるだけ感謝の気持ちを表すようにしましょう。 日本の宅配便は早くて正確、しかも信頼性が高いのですが、万が一、間違えて着かない場合にも送り状が役に立ちます。あらかじめ相手に知らせてあれば、「せっかく送っていただいたみたいなのに、着かないんですよ」と連絡がもらえ、宅配ミスも早めに発見することができます。本来は贈る品物の中に 「お世話になりました」とメッセージを入れるのがいいのでしょうが、こういったことも考え合わせると、品物といっしょに消えてしまう場合も考えられますので、お礼状は別に送付することをおすすめします。

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 喪中の家への贈り物は大変迷うものです。しかし御歳暮というのは、一年問お世話になった相手に感謝の気持ちをこめて贈るもので、お祝いの品ではありません。 ですから相手が喪中でも、御歳暮は贈ってかまわないものなのです。ただし、贈る場合はあまり派手な包装は避けて、必ず「この一年大変お世話になりました」と一筆添えるか送付してください。 逆に自分が喪中の間は、御歳暮を贈ってはいけません。 この場合の喪中とは四十九日の間をさします。一般的に喪中の家から品物が届くことは、相手があまりいい気がしないものです。御歳暮を贈る仲ですから、相手もあなたが喪中であることは知っているはずです。次の機会のときに、 「この間は喪中で大変失礼しました」と一筆添えて、いつもより若干上乗せした金額の品物を贈るといいでしょう。

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 よくこの質問には3年間という答えが書かれてますが、たとえ頼まれ仲人でも、自分たちの結婚式でお世話になった方、でき るだけ長く細く続けることが大切ですね。仲人さんは結婚式でお世話になっただけかもしれませんが、いつまたお世話になるかわかりません。面倒くさいと思うなら、3年でやめてもかまいませんが、できるだけ長く続けることをおすすめします。 でもこの場合、本来なら逆に仲人さんが気を使うべきです。若い2人に毎年御歳暮をいただいて「もう気を使わなくても結構ですよ」と礼状を書くべきなんですね。 その手紙を受け取っても、もう一度贈るんです。 それでも「本当に結構ですよ」と言われたら「ご迷惑になっても恐縮ですので」とやめるのがマナーです。もう結構ですと言われたあとにあと1回贈る、そうするとプッツリ切れた印象を与えずにすみます。

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 御歳暮や御中元は日ごろの感謝を品物に代えて贈るものですから、その人にお世話になっていないと思ったら、贈らなくてもいいわけです。この場合は、大家さんと毎日顔を合わせるわけではない、ということなので、それほど気を使わなくてもいいのではないでしょうか。でも、大家さんが同じマンション、または近くに住んでいて、ときどき宅配便を預かってもらっていたり、また日ごろからなにかと子どもの面倒を見てもらっていたりなど、自分で 「いつもすまないなぁ」と思っているなら贈ったほうがいいでしょう。 賃貸マンションの場合、家賃を払っているのはこちら側で、向こうはそれをビジネスにしているわけです。それほど神経質にならなくても、お世話になっているなら贈る、そうじゃなければしない、といったドライな感覚で判断しても大丈夫です。本来なら贈らなくても失礼なことではありません。

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 目下の人からの御中元や御歳暮には、日ごろの感謝の気持ちが入っているもので、お返しは差し上げないものなのです。その代わり、お礼状を出すことと、その後も変わらないおつき合いをすることが大切です。また、旅行に出かけたらおみやげを買ったり、食事をごちそうするなど、面倒を見てあげるのも一案です。つまり御中元や御歳暮にこめられた「いつもお世話になっております。今後もよろしくお願いします」 という気持ちに応えてあげることが、いちばんのお礼になるわけです。

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 御中元と御歳暮は必ず2回セットで贈る 必要はなく、どちらか1回でも結構です。 でもどちらか一方をというなら、一年の最後に 「今年もお世話になりました」の意味を込めて、御歳暮を贈ることをおすすめします。また、自分の実家でとれた果物や産地直送の魚介類など、相手の好物や家族構成を考えて贈っているものは、毎年それを楽しみに待っている場合もあります「 もしかしたら「あの人からは今年も○○ が届くから」と、買わずに待っている人もいるかもしれません。そのようなケースでは、品物を変えることが逆効果になりかねません。 相手のお礼状から察して「喜ばれているな」と思えば、たとえ同じものでもそれを贈るのがいいでしょう。また、送る際には「今年も○○を贈らせていただきます」と一筆書き添えると相手の喜びも増すはず。

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 基本的に親や兄弟なとの身内に、御歳暮や御中元は贈らなくてもいいものです でも、なにかのことでお世話になっていると思っているのなら、あげたほうがいいですね。たとえばふだんから子ともの面倒を見てもらっている、仕事のことでお世話になっているなど、日ごろから「なにかお返しをしなくては」と考えているのならば、必ず贈ったほうがいいでしょう。 ただ、御中元や御歳暮の時期は、皆さんほかからも贈り物が多いものです。 せっかくの感謝のしるしも、ほかの贈り物といっしょにされては、両親の喜こびも半減すかもしれません。ですから、御中元や御歳暮といったかたちより、別の記念日にあげることをおすすめします。 ほかの人が、贈らない誕生日や結婚記念日などに贈るほうが形式ばった御中元などよりも、喜ばれれるかもしれません。