ローズマリーの一日
野田ローズマリー(ロン)
2000.07.10 改訂
朝、外でカラスさんがカーと鳴くと、ロンも起きだして、一日の仕事の始まりです。
寝室へ行き、ベッドに飛び乗ります。そして、ジャンプして蛍光灯の紐を引っ張り、灯りをつけます。
灯りがつくと、カアサンに怒られるまえに、急いで寝室から逃げ出します。
カアサンは「まだ起きるのは早いじゃない」と言って、寝室のドアを閉めて又寝てしまいます。
それでも、ロンはトオサンとカアサンを起こそうとドアに突進し、ガリガリとツメで引っ掻いて、開けようとしますが、残念ながらロンには開けられません。
しばらくして、カアサンが起きだしてきて、ロンの朝御飯をくれます。この頃少し太ってしまい、カアサンがとっても気にして、ロンの食事は、朝ドライフーズスプーン一杯と猫缶四分の一、夜寝る前にドライ一杯です。
そのあと、トオサンが起きてきて、「デブチャン、御飯はたべましたか?」といってきますが、ちゃんと名前を呼ばないので、無視して知らん振りしています。
トオサンの朝食が終わるのを待って、ソファーに寝転がって新聞を読み始めたトオサンのところに行き、ボール遊びをしてもらう為に手で顔をチョンと突付いてニャと鳴いてお願いします。
でも、トオサンは遊んでくれません。何度もしつこくお願いしていると、カアサンが来て、ボール遊びをしてくれます。
朝の運動の後は疲れたので、一眠りします。
昼間は時々御飯を食べに行く以外はほとんど寝ています。
カアサンが洗濯物を抱えて屋上に行く階段を昇ってます。ロンは大急ぎで後についていきます。
箱入り娘のロンが家の外に出るのはこの時だけです。
ロンが小さい時、屋上のドアが開くと飛び出していって、物置の下にもぐりこんだり、隣の家の屋根に
いったりして、トオサン、カアサンを大慌てさせました。
今は、大人になったのでそういうことはもうしません。
でも、カラスさんに突っつかれて、屋上から落ちると危ないので、首輪に紐をつけられます。
首輪には、名前と電話番号が刻印されたハート型の迷子札がぶら下げられています。
以前、散歩にいこうとカアサンが家の外に連れて行こうとしましたが、外に出たとたん、 車の音が怖くて、家に逃げ帰ってしまいました。
トオサン、カアサンがお出かけの支度をしています。あ!!この時間に二人でお出かけということは、麻布十番の動物病院へロンを連れて行くつもりかもしれません。
カアサンはここで富司純子さんとあったといって喜んでいましたが、ロンは体をいじりまわされるので
大嫌いです。
見つからないように、そっと秘密の場所にかくれます。カアサンが家中ロンの名前を呼んで探し回っています。
でも、絶対に見つかりません。カアサンはあきらめたようです。二人で出かけて行きました。
どうやら動物病院ではなさそうでした。ホッと一安心。
皆が出かけちゃって一人の時間が長くって寂しくなった時、カアサンが帰ったときは嬉しくてしばらく膝で甘えちゃいます。
ロンは皆から可愛い、可愛いといわれます。可愛いのはペットとしてのロンの商売なのであたりまえです。でも、自由猫のロンとしては無理やりだっこされるのはだいきらいです。
それでも我が家のアルファであるトオサンに「おいで」と呼ばれたときは、無視するわけにはいかないので、寝るために暖かいテレビの上に昇る前に少しだけ膝の上に乗って甘えます。
(犬じゃないぞ!!!)
ピンポーン!! 玄関のチャイムが鳴りました。番猫ロンは誰が来たのか見に行きます。
宅配便のお兄さんでした。宅急便がくると、匂いをかいで中身が何か確認します。
「邪魔だからあっちへ行って」と言われますが、これはロンの仕事なので、ダンボール箱の中は特に念入りに調べます。
猫の一番重要な仕事は鼠退治です。でも、ロンはまだ本物の鼠さんを見たことがありません。時々トオサンがおもちゃの鼠さんのぜんまいを巻いて動かしてくれますが、すぐに止まってしまうのであまり面白くありません。
鼠さんの代わりの獲物はゴキブリです。でもゴキブリもたまにしか出ないので、小さな虫、蚊など見つけると何でも家中追いかけます。
そうすると、カアサンが飛んできて、すぐにロンの代わりに虫退治をしてしまいます。
やはり、ゴキブリを追いかけるのがスピードもあり、一番面白いです。
夜になっても殆んど寝ていますが、テレビで面白そうな番組をやっていると起きだして、テレビの前にいって見ます。
特に動物番組が大好きで、小鳥などが映るとおもわず画面に飛びついてしまいます。
カラーン!! あ、ロンの食器の音です。カアサンがロンの夕御飯をいれています。 この音を聞くと条件反射で御飯を食べに行ってしまいます。(でも絶対にパブロフの猫ではない)
一日中寝ていると、太りすぎになってしまうので、夜寝る前にちょっと運動します。
ロンの趣味はフリークライムで、時々家の中で練習します。
洗面所の扉がルーバーになっていて、爪のかかりがちょうど良く、登るのに最適です。
登った後、降りるのは飛び降りるしかありません。
でも高すぎて、登るよりも降りるほうが大変でなので、しばらく扉の上で待っていると、トオサンがきて降ろしてくれます。
カアサンが風呂のお湯を入れに行くと、ロンはお湯の見張り番をしなければなりません。
でも、ロンは身体が濡れるのがきらいで、お風呂には入りません。
トオサンがお風呂から出て、ソファーに寝転がって(トオサンはいつもソファーで寝転がっている)
涼んでいると、ロンはお腹の上に飛び乗ります。風呂上りのトオサンのお腹の上はホッカホカで最高に気持ちいいです。
「ロンちゃん寝ますよ」というトオサンの声でお休みの時間です。トオサンの後に付いてふとんの上でグルグル・・・ちょっと寝たふり。
冬の寒いときはトオサンの顔をチョンと手で突付くと、トオサンは布団を持ち上げてくれます。ロンはもぐりこんで、トオサンの腕枕で寝ます。
カアサンは寝相が悪いので、つぶされないよう、近付きません。
「さー皆寝たかな」・・・と眠ったのを確認して、いよいよ家中の見回りです。
そして一日の楽しかったことを、カウンターの上でぼーと考えていると、(カウンターとちゃぶ台の上は乗ってはいけないとしつけられている)「ガスの元栓閉め忘れた・・・」などといって、寝たはずのカアサンが起きてくるのでビックリ、見つかってしまいます。
そんな時は、寝ぼけた振りをして、なにくわぬ顔でカウンターからおります。
やっとカアサンも寝たので、ロンの夜の見回り再開です。
これから誰も知らないロンの時間が始まります。
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