ハナマル☆センセイション【2】


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子供だからと言って、侮るな
年齢や見掛けで、判断するな
ずっと、本気だと言っておる
何故、信じないのだ
断じて、勘違いなんかではないからな

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春を迎え、無事に五学年に進級した。当然だが。
級友に、幼稚舎から一緒の政宗と幸村もいて、大した変わり映えはしないが。
これで、又、一歩近付いたと思うと感慨に等しい。
我の恋人であり、担任の長曾我部に。

我は気にしていないと言うのに。
どうにも、長曾我部は気にする傾向にある。
気にするなと、言っているのだが。
仕方ない。
社会的な大人という立場というのは、色々あるようだ。

ここは、我の方が大人になるのが良策なのだろう。
障害をわざわざ作る必要は無い。
我にだって、判っているのだぞ?
長曾我部が我の年齢に拘っているのには。

しかし、こればかりはどうしようもない。
今更、年齢を縮めるなどと出来はしないのだから。
それよりも、出逢えた事を喜ぶべきだ。

担任教師と生徒。

世間の誤解を生むには、格好のネタなのだから気を付けろと。
アドバイスしてきたのは、政宗だ。
口煩い奴だが、的を射る発言をするので耳を傾けている。
第三者の客観的な意見は、大事だ。

しかし、な。
こう、いつまでも何もされないのも、はっきり言って不満だ。
五年生になったのだから、先に進んでも良い筈だ。

「Oh、随分と積極的だな」
「このままでは、埒が明かぬ」
「まあ、そりゃ確かに」
「聞き分け良くばかりでは、進展が無い」
「決心は固いんだな」
「当然だ、我を誰だと思っている」
「OKOK、いくらでも協力するぜ」
「某もするでござる!」

2人の協力を得た事で、更に自信を持った。
長曾我部の言う、子供だからは理由にならない。
大人と子供で、気持ちに本気か間違いかを決め付けられたくない。
我が長曾我部を好きなのは、本当なのだ。
それこそ、初めて逢った時から。

副担任として、長曾我部が教壇に立った時の事は良く覚えている。
背だけではない、全体的に大きな印象を受けた。
顔が好みだった。
目の色も、髪の色も。
声も…全部、あの一瞬で好きになっていたのだ。

ちゃんと、判っている。
子供でも、判っているのだ。
それを長曾我部にも判らせる。
判らせないと、今の停滞した関係は打破出来ぬ。


「ヨーシ、頑張れよ」
「頑張って下さいでござる」

2人の後押しに感謝し、我は長曾我部の背中に飛びついた。
緊張する心臓を叱咤しながら、名前を呼んで。
思いっ切り、ぎゅうっと抱き付いた。

――元親、我はそなたが好きなのだ。






2010.05.18
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元親×元就、教師×小学生パラレル
政宗と幸村の協力の元、積極的な元就話