High High High -6


--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--

一つ知れば知る程
又一つ知りたくなる
切りが無いのは判ってる
でもそれが
貴方を好きって事でなのしょう

--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--


充実した一日だった。
丸一日、2人しての休み。
俺は満喫し切ってた。
一日、元就さんを独り占めしてた気分で。

風呂から上がった元就さんの機嫌をアイスで取って。
それからパジャマのまんまで、一頻り喋って。
今日は外出もしたから、疲れたから、って。
今、こうして一緒に、腕ん中に元就さんを抱いてベッドに入ってる。

さっきまで、慣れてねえのもあるけど、恥ずかしいんだろうな。
顔真っ赤にして、ジタバタしてた元就さん。
力じゃ、俺に敵わないの知ってても藻掻く姿の可愛かったコト。
俺は力を入れ過ぎねえようにすんのに、四苦八苦してた。
思いっ切りギュウッと抱き締めたい気持ちと。
力入れたら壊しちゃうんじゃねえかって、チョイ怖かったので。

ホント、結婚出来て良かった。
誤解が解けて、チャンと気持ちを伝えて、教えて貰って。
通じ合うコトが出来て良かった。

俺はこの人を絶対に離したくねえ。

腕ん中、寝息を立てている元就さんの寝顔を見て。
俺は改めて、強く強く、思った。
この人を守って、大事にして、うーんと幸せにしてやりてえ。
それが俺の幸せに直結する。
勿論、一方的にするつもりはねえ。
そんなの元就さんもヨシとしねえだろうし、な。
この人は、一緒にって思ってくれてる、と俺は思ってる。
口にはしてくんねえけど、やるコト為すコトの1個1個が。
元就さんの本音を俺に教えてくれてる…筈。

自惚れでもイイ。
そんくらい、俺は元就さんに惚れてっから。

だーから、今晩はHしそこねたのも我慢だ。我慢。
今更、元就さん起こしてなんて出来ねえ…もんな。
久しぶりの休日だから、期待はしてた…けどよ。
仕方ねえ…よ。
こんな気持ち良さそうに寝てんのを、さ。
起こせねえ、よ。

くそっ!

多少の見栄と意地を張って、俺は元就さんが寝やすいようにして。
せめてもの寝顔を目一杯堪能して、俺も眠りに入った。


   --*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--


翌朝、元々早起きな元就さんが更に早起きしてくれて。
俺の為に、朝飯を作ってくれていた。
昨日、元就さんの寝顔見続けて、結局は寝削がれてた俺の頭は一気に覚醒した。
朝っぱらから、元就さんのエプロン姿を拝めるなんてよ。
目を覚まさなきゃ、ウソだろ。勿体ねえだろ。

「何を呆けておる。早く顔を洗ってきて席に着かないか」
「あ…うん、判った」

写メ、写メ出来ねえかな。
頼んだら撮らせてくれねえかな。
新妻のエプロン姿!
待ち受けはコレで決まりだろ。
隠し撮り…バレた時のコトを考えっと怖え。
コソコソ撮るなって、怒られそうだ。
……ん〜、じゃ真っ正面からの方が、正攻法の方が。
元就さんは攻略出来っかも、だ。
よし、頼んでみっか。土下座の勢いでいけばいけそうだ。
固く決心した俺は、顔を洗うついでに携帯を取りに行った。


「…顔を引き締めよ、元親」
「ん〜」
「仕事に行くのであろう」
「ん〜」
「だらしないのは好かぬ」

あ、タンマタンマ。キリッとします。するからって。
仕事に出る前の玄関先での会話に、俺は焦って顔を元に戻した。
直ぐに崩れそうだけどよ。今だけ、今だけでもな。
じゃねえと、折角の待ち受けを没収されちまうもんな。

「…全く、そのようなもので」
「そんなモンじゃねえぞ、俺にはお宝だって」
「…元親、恥ずかしい事を堂々と云うでない」
「ホントのコトだって」

屈み込んで、思いっ切り顔を近付ける。
頬が赤く染まってる。
何で、この人はこんな可愛いんだろうな。
思いっ切り抱き締めて、キスして、家ん中にUターンしたくなる。

「なあ、元就さん」
「何ぞ」
「旅行行こうぜ」
「旅行? 何処か行きたい所があるのか?」
「あるある」
「そうか。ならば、仕事を調整出来るかどうかになるが」
「俺もしてくるな、何しろ俺達の新婚旅行だもんな」

えっ? と、元就さんの目が丸くなる。
単なる旅行としか考えてなかったのが、丸わかりだ。
あー、こーゆートコもホント可愛いんだって。

「今晩、ドコに行くか相談して決めような」
「………うむ」

さあ、ドコにすっかな。
行き先はドコでもイイんだ。
元就さんと一緒ってトコが重要なんだもんな。
今度は耳まで真っ赤になった元就さんを理性総動員で、軽く抱き締めてから。
俺は玄関のドアを開けた。
これで、又元就さんとの楽しみが1つ増えたとホクホクしながら。





2012.07.27
                  back
とある方より、その後の話と云って頂きポンと思い付いた話です
お見合い話のその後、つまり新婚さんな瀬戸内になります
元親視点、ほぼ惚気です、お覚悟をv