未来占いⅲ

【未来占い】　ⅲ

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全然諦められない
そんな自分に抵抗してる
無駄だって判ってるのに
本当に馬鹿みたい
諦められる筈なんてないのだから

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偶然なのか。
必然なのか。
そんなのもうどうでもイイ。
俺は息を飲んだまま、固まってた。

俺だって、偶には一人になるコトがある。
そんな時だった。
何をするってワケじゃなく、ただカフェテラスでコーヒーを一人で飲んでいた。
ぼおーっ、と考え事をしてた。

毛利のコトを。

進展なんか全くゼロだ。
見掛けるのが、精々で。
声を掛けるなんて、出来っこねえ。
穏やかに、人の輪の中にいんの見たらよ。
俺なんか必要ねえよなって思っちまう。
今と昔じゃ違うんだ。
互いの人生がある。生き方もいくらでも選べる。
わざわざ、交じり合わす必要なんかねえ。

こうやって、俺は自分に言い聞かせてきた。
こんな風に、納得って形を取ろうとしてた。
けど。
けどな。
誤魔化し切れねえ。切れなかった。
こうして、毛利を目の前にすっと。

ふと、気が付いたら視線の先に毛利も一人で座っていた。
本を熱心に読んでいた。
その姿に昔を思い出すのと同時に、今の毛利をしっかりと目に捕らえちまった。
髪がサラサラしてる。
昔はあの髪を触るのが、俺は好んでたのを思い出す。
肩や背も細えけど、しっかりしてる。
抱き締めるたんびに、そう思ってたんだ、俺は…昔。

だから。
今を知りてえ。
今の毛利を俺は知りてえんだ。

俺の視線を感じたのか、居心地悪そうに毛利が本から顔を上げた。
ゆっくりと周りを見る。
俺と目が合ったが、何事もなかったように又前を向いた。
確信はねえ。
こんなんじゃ判らねえ。
記憶がねえ確率の方が、高い。
けど。
けど。
ジッとなんか、もうしてらんねえ。

俺は椅子から立ち上がった。

もおイイ。
毛利が俺のコトを覚えてようが、覚えてなくても。
そんなのはイイ。
肝心なのは、今の俺が、今の毛利を知りてえってコトだ。
このまんま突っ走ってどうなるかな、なんて考えねえよ。
なるようにしかなんねえ。
後悔なんかするモンか。
するとしたら、毛利と又出会えたってのに。
ナンもしねえでいるコトだ。
こんな近くにいるってのに、言葉も交わさずに。
大学を卒業したら、二度と会えなくなるかもってコトを。
拱いたら、俺は絶対に後悔する。

それが、すっげえ判った。
さっき、毛利と目が合った瞬間に。
なら、俺のやるコトはひとつだよな。

座っている毛利の背中を目指して。
俺はズカズカと近付いて行った。
心臓の音が大きくなってくのを聞きながら。

2013.09.04　　　　　　　　　　　　　　　　　　back