【切り取り線】 I


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ひとつ
又ひとつと
連鎖してゆく
気持ち良く
思わず口笛が吹きたくなるくらいに

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あれから、一週間。
俺と毛利は、ウン、まあそれなりの関係になってる。
責任は取ってやる、って言った以上、それなりの対応もしてる。
毛利は、ツンツンしてっけどよ。
文句もタラタラだけどよ。
俺から逃げようとはしてねえ。
それが、毛利からの返事って俺は思ってる。

あの日。
あの後、俺は毛利を毛利ん家に送ってって、そのまんま面倒看た。
身体の負担が、相当だったらしく、眉顰めて一々蹲られちゃな。
あ〜、悪いコトしたなって、俺も反省した。
だからよ、詫びも兼ねてチャンと面倒看てやったんだ。
勿論、毛利からの罵詈雑言付きでな。
ホント、アイツは口が悪い。
けど、耳赤くして、しどろもどろで、いつもと違うってのは。
ん、可愛いんだわ。

『ん〜判った判った』
『何が判ったと言うのだ、貴様はっ…』
『あ〜ほらほら、興奮すんなって。アンタも懲りねえなあ』
『………誰の所為だと』
『俺だろ? だから、こーしてチャンと責任取ってやってるんじゃねえか』
『い、要らぬわっ…』
『要らぬって言われもよ、アンタ、俺がいないと動けないのにどーすんだ?』
『し、知らぬわっ』

支離滅裂。
混乱して、更に顔真っ赤にさせてよ。
俺の保護欲、庇護欲を煽ってくれちゃってよ。
ホント、どーすんだっだって。

遠目で見ててよ、牽制し合ってよ。
ずっと、イケ好かねえヤツ。
ナンだ、コイツはよ、だったヤツ。
それが、一つの視線が切っ掛けで、思いっ切り踏み込んだらよ。
ナンだよ、コレは可愛いじゃねえか。
反則だろ、ヤバいだろ…だったワケだ。

ガッチガチの境界線を越えたら、意外だった。
気付かなかった色んなモンに、気が付いた。
そーいや、俺って手の掛かるモン好きだもんな。
手が掛かる程、手を掛けたくなる。
構い過ぎちまうって悪癖もあっけどよ。
毛利だったら、大丈夫だろ。
コイツ、強えモンな。


「長曾我部、何を笑っておる。気色の悪い」
「気色悪いって、なあ。他に言い様ないのかよ」
「あるのか?」
「格好イイ彼氏の見惚れたってのがあるだろ」
「無い」

ホント、気の強さは突き抜け状態。
他の追随を許さねえって、ヤツ。
だーから、そうゆうコトされって突きたくなるんだって。

今日は、俺ん家に連れて来た。
所謂、恋人のテリトリーにご招待って、な。
外デートは今までの経緯もあっから、目撃でもされたら憤死しかねえし。
落ち着かねえだろうからな、毛利が。
ま、俺の部屋のソファに隣同士で座って、密着してるのも落ち着かねえみたいだけどな。
ナンてゆーか、小動物系?
マジ、可愛いわ。

「長曾我部?」

ほらな、俺が黙っちまったモンだから。
そんな不安を無理矢理隠そうとして失敗してる顔を向けてくる。
これで絆されなきゃ、いつ絆されるんだって。

「目、瞑ってな、元就」

瞬時に染まる目元。
言葉を失って震える唇。
俺を真っ直ぐに見つめてくる目を見ながら。
俺は元就にキスをした。





2013.10.21
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瀬戸内:現パロ、2人とも小学校教諭です
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某R様のお誕生日プレゼントのつもりでリクエストを頂いた話です
長曾我部先生が、恋人ゲット編・最終話ですv