ワールドイズマイン・B
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心得その2
好きなんだろ、好きだって言っちまえ、この天の邪鬼
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成長の度合いは、一応、慶次から聞いてあったので。
それなりの基礎知識は、持っていました。
けれど、やはり目の前で成長をしていくのを見ているのは嬉しいものでした。
少しずつ、大きくなっていく元就。
身体だけでなく、心の方も。
気の強さや意地っ張り加減だけは一貫して変わりませんが。
確実に、元親に懐いてはきていました。
なかなか、判り難い懐き方ですが。
元親はちゃんと判っていて、それが又可愛くて。
文字通り、猫可愛がりして育てていました。
「元就、ちょっと」
「何だ、元親」
「いいから、来い来い」
「用件を言え」
口調はきつくとも、行動は素直に元就は元親の傍へと寄って行きます。
だいぶ、大きくなったとはいえ、まだ自分の胸の辺りの大きさです。
耳ごと、頭を髪を撫でてやります。
「これが用事か?」
「これ以外もあるって」
「何だ、それは」
「一緒に風呂だ」
え、と小顔を傾けた一瞬後、元就は逃げの態勢に入りましたが。
元親の腕の方がそれより素早く、その身体を掬い上げてしまいました。
「イヤっ、嫌だ、元親放せっ」
「何でそんなに嫌がるんだ、今まで一緒に入ってたろ」
「今までは今までだっ、もう一人で入れるっ」
「そんな寂しい事言うなよ、髪一人で洗えないだろ」
「あ、洗えるっ」
「俺が洗ってやりたいんだよ、なあ、元就」
抱き上げている腕の中で、元就がぐっと言葉に詰まりました。
最初に請われて家猫を承諾してから、元就は元親のお願いに弱いのでした。
いつもいつも、ここぞとばかりに懇願される事に元就は抵抗し切れた事はありません。
今回も至近距離でにこにこ笑ってくる元親に、落ちるのは時間の問題です。
「…髪だけだぞ」
「俺の背中は洗ってくれるんだろ」
「…うむ」
「じゃあ、俺も洗ってやるって」
「ち、違うっ…」
「いいからいいから」
鼻歌を歌い始めた元親に、どうしても一泡を噴かせられない悔しさと。
最近、気付いてしまった気恥ずかしさに。
元就は、元親の首にギュッと抱き付き、その肩に顔を埋めました。
狡い奴だ…と、真っ赤になった顔を隠す為に。
本当は嫌じゃないんです。
ほんの少しだけ大人になっている人猫の元就にとって。
元親は飼い主以上の存在になっていたからでした。
要するに、意識し始めていたからでした。
それに気付いてくれない事に苛立ちながらも。
ドキドキとする心に、振り回されている元就でした。
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髪も身体も洗ってやって、元親は元就を抱いて湯船にと浸かっていました。
元親は上機嫌で、元就は半分意識を飛ばしてぼんやりと。
洗う行為の中に潜まれた、元親の手に依って。
元就の身体は、本人の預かり知らぬところで開発されていたからでした。
初めは確かに、親の気分で仔猫の元就を育てていた元親でしたが。
毎日、かまっているうちに愛情が多岐に渡ってゆき。
大事に、このまま育てて自分のモノにする決定事項をしていました。
ちゃっかりと。
だからこそ、自分を…自分のする事を元就が怖がらないよう心掛けていました。
警戒心と恐怖心を植え付けない様に。
気持ち良いと、心も身体も感じられる様に。
そちらも、大事に育ててきました。
「も…もとちか…あっ、だ…だめ…」
「ダメか? イヤなのか、元就」
「…………いや、じゃな…ぃ、…けど」
「けど?」
言葉の続きを促して、元親は元就の形の良い猫耳を甘噛みします。
ここは、元就の良い所のひとつにしたのは元親の成果で。
息を詰め、首を竦め、感じ入って身体を震わせる姿が。
元親の達成感を満たします。
まだ、子供から抜けきってはいない元就。
けれど、身体はもう子供とは言えず、成長途中の発展途中。
猫のしなやかさと元からの肌の滑らかさが、元親を度々煽ります。
その欲を大人の威厳と矜持と元就への想いで、抑え込んでいました。
今も、本当は湯の中で触れ合っている身体を思う儘にしてみたくて仕方ありません。
まだふっくらとした頬を撫でてやり、細い首を絞めるふりをして。
両肩を両手で包み込み、薄い胸、胸の飾りを掠めて。
ゆっくりと元就の勃ち上がりかけの柔らかい花芯を元就自身に握らせ、その上から元親も掌で握りました。
「あっ……」
「元就、けどの続きは?」
耳の付いた頭が左右に、必死に振られます。
両肩が竦められ、必死に耐える元就の姿に元親は満足気に微笑みました。
心と身体のバランスはまだまだ上手く取れないけれど。
元就なりの進歩を少しずつ見せてくれるのが、可愛くて仕方のない元就バカの元親でした。
「続き、言ってみろって、元就」
「…………して」
「イイコだ」
「もとちかっ」
強めの刺激を与えて、腕の中でビクンビクンと可愛らしく震える元就を。
元親は愛情を込めて抱き締めました。
次のステップへの下準備に、ひくついている元就の蕾を緩く刺激するのを忘れずに。
2010.09.09 back
飼い主元親×仔猫元就
子供と大人の中間位まで育ったにゃんこと悪戯飼い主(step B)