ワールドイズマイン・C
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心得その3
イイコにしてろ、目一杯可愛がってやるから
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成長と共に訪れるのは、発情期です。
それは、元就も例外では無く順調に訪れてしまいました。
けれど、本人にはあまり自覚がなく放っておいたのですが。
人猫といえど、猫の本能が擡げてくるのを止められませんでした。
身体の芯から湧き起こるモノの正体が上手く掴めず、元就はイライラとしていました。
音にも匂いにも敏感に反応していました。
耳も尻尾も落ち着かず、ピクピクとしていました。
「元就」
自分の部屋、元就はベッドの上に丸まっていました。
元親に呼ばれても、返事をせず、タオルケットの中に隠れていました。
「どうした、元就、具合が悪いのか?」
ベッドの脇に座って、元親がタオルケットの上から頭を撫でてきます。
心配されてるのが判るのですが、元就は返事が出来ません。
声を出したら、この我慢している事が外に出てしまいそうで。
それが怖くて、元就は自分の口を両手で塞ぎました。
「それとも、俺が何かしたか? だから、拗ねてるのか? 」
元親の優しい声色に、元就は違うと首を振りたかったのですが。
タオルケット越しに触られた事で、急激に体内の熱が上がってしまっていて。
身動き出来なくてなっていました。
『我は病気なのか…元親…元親…怖い怖い怖い…』
「元就?」
静観するか、強引にするか、逡巡した後、元親はタオルケットを捲りました。
意を決して見ると、そこには涙を瞳一杯に浮かべて、
顔を真っ赤にしている元就がいて、元親は慌てましたが。
よくよく観察してみると、一つの結論に思い至りました。
自分が心待ちにしていたこの状況が、元就にきたのだと。
元就が仔猫から、確実に成長する時がきたのだと確信しました。
願ったり叶ったの事に、元親は脂下がりました。
勿論、それは元就には気付かせないようにです。
「元就、ほら、おいで」
とうとうポロポロと涙を零し始めた元就の脇へと両手を差し入れ、
元親は自分の膝の上に乗せました。
下手に刺激しないよう緩く抱き締めて、背中を撫でてやりました。
落ち着かない身体と心を少しでも宥めてやろうと、撫で続けました。
「…もと、ちかぁ」
「大丈夫だって、元就が大人になった証拠がきただけだって、心配ないない」
「我が…大人?」
「そ、だからこうゆう事の先も出来るようになったんだぞ」
熱を帯びて赤くふっくらとしている元就の唇に、元親はキスを仕掛けました。
それは、性的な意味合いを多大に含んだキスでした。
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触れる事に抵抗の無い様に、怯えない様に育ててきたお陰で、
元就は元親の手を拒む事はありませんでした。
撫でられていく掌に、うっとりと目を細め始めます。
強張っていた身体から、力が徐々に抜けていきます。
「気持ちイイだろ?」
元親の膝の上に乗せられた儘、元就は背中を支えられていました。
猫耳を甘噛みされ、吹き込む様に言葉を囁かれる度に元就の身体がピクピクと動きます。
その様子が可愛らしくて、元親の愛撫は濃度を増していきました。
「やっ…もとちか、やぁ……」
「イヤって顔してないぞ」
子供から脱却しつつある身体が、熱を孕みだします。
障り心地の良い滑らかな肌が、汗を浮かばせています。
ほっそりとした腕が、辿々しく触れてきます。
元親は煽られている自分に、苦く笑いました。
愛情をもって育ててきた経緯があります。
その愛情が、子供に対するものから別のものに変化していました。
それを元親は、はっきりと自覚しています。
だから、この先も元就に対しての責任は喜んで負うつもりでいました。
撓る背中を抱いて、膝の上からベッドの上へと元就を横たえます。
息も切れ切れに、丁寧な愛撫にくったりとしている元就へと元親はキスをしました。
元就の意識を一点に集中させないように、気を遣いながら、
ローションを絡めた指先を後ろの蕾の周りへと塗り付け始めました。
擽る様に、痛みを与えない様に、細心の注意を払って。
絡み合う事を覚えた元就の小さめの舌を吸い上げながら、
指の先を浅瀬で抜き差しをすると、元就の目が驚きで見開きました。
うっうっ、と口を塞がれている為の元就の戸惑いを元親はそのまま飲み込んでやりました。
今更、この状態で退く気などありませんので。
藻掻くのをある程度無視して、元就の裡に挿れた指で中を広げる様に刺激し始めました。
中は強張りがまだ解けてはいませんが、柔らかく、
元親の指を押し出そうとキュッと締め付けてきます。
それを宥め、奥へ奥へと慎重に指を進めていくと、
キスを続けている唇から跳ねる様な甘い声が上がりました。
そして、身体の力が抜けていくのを重ねている肌から元親は確認しました。
ゆったりと、蜂蜜がとろけてゆく様に、元就が快感を受け入れ始めています。
その機を元親が見逃す筈もなく、更に愛撫を強めていきました。
「元就、お前のココに俺のを挿れるからな」
「……………ん」
念の為に二回、元就だけ先にイカされていました。
身体の力は入らず、意識もだいぶ朦朧としてはいましたが、
元親の言葉に元就は頷き、両腕をしっかりと元親に向かって伸ばしました。
その広げた腕に、元親は嬉しそうに身体を預け、グイッと押し込みました。
衝撃に、痙攣し始めた肢体を抱き締め、何とか自分をコントロールしながらも、
最奥へと到達させました。
愛おしさで胸が一杯になり、元親は深く息を付きました。
成長したとはいえ、まだ幼さの残る身体で自分を受け入れてくれている元就が、
愛おしくて仕方ありません。
「元就、大好きだぞ」
「我も…我も…元親が……」
好きだ、という小さな声を元親はちゃんと聞き届け、
一生離すものかと強い決心を固めると行為をきっちりとする為に、
繋げた身体を動かし始めました。
元就が気持ち良くなる様に、自分とスルのが好きになる様に、と。
2010.11.21 back
飼い主元親×仔猫元就
大人の階段昇っちゃうにゃんこと手際の良い飼い主(step C)