薔薇と牡丹



by　遙か



花の競演
咲き誇る　一瞬の香り

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大学までエスカレーター形式の全寮制の、お嬢様学校の。
『白百合学院』に、小等部から押し込まれている僕が。
その子に会ったのは、中等部での入学式での事でした。

外部受験からの子で、トップの成績の為。
入学の宣誓に抜擢されて、壇上に上がって来ました。

第一印象は、地味な子で。
大丈夫ですかねぇ、と同じ壇上で生徒会の副会長の席に座っていた僕は。
不躾に、ジロジロと見ていると。
パチッと、目が合ってしまったんですよね。
深い碧色の、綺麗な綺麗な瞳と。

僕がニコリと社交辞令で、笑い返すと。
嬉しそうに、ニコッと笑ってくれたのが。
それはそれは、可愛くて。
…つい、その瞬間に僕のものにしましょうって思っちゃったんですよね。

早い者勝ちv

入学式が終わって、バタバタとしている最中。
僕はその子を早速掴まえて、生徒会へと勧誘しました。
悪い虫が付かないうちに、僕の手元に置いてしまうのが一番ですもの。


はい？　何ですか？
僕が一番、何だって言うんですか？


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とても、綺麗な人―――――

僕の、あの人への第一印象はそれだけ、でした。
さらさらのストレートの、綺麗な髪。
白い、綺麗な素肌に。
掛けられた眼鏡の奥の、綺麗な瞳。
にこりと、綺麗な形の唇が微笑んで話し掛けて下さる。
凛とした通る、綺麗なお声で。

こんなに、綺麗な人がいるなんてと。
僕はただ吃驚するだけしか、出来ませんでした。
しかも、更に吃驚してしまったのは、生徒会へのお誘いを頂いた事です。
だって、外部入学の新参者の僕をだなんて。

あまりにも恐れ多くて…お断りしようかと、思ったのですけど。
ぎゅっ、と細くて長い綺麗な指に。
手を握られて、真っ正面から顔を覗かれながら、お願いされたら。
もう、断るなんて…出来なくて…。

コクンと頷いて、承諾をしたら。
歓声と共に、ギュウッて抱き締められて。
僕は…真っ赤になる事しか出来なくて…。

でも。
あの時に、頷いて良かったです。
だって、こうして毎日一緒にいる事が出来るのですから。
誰よりも、大好きな天蓬お姉様のお傍に。


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やっぱり、自分の好みにするというのは、心の快感ですよね。
あの時、声を掛けて正解でした。
八戒は孵化したばかりの雛の様に、僕に懐いてくれて。
慕ってきてくれます。

外見は勿論、僕の好みですが。
中身の基本まで、僕の好みだなんて。
僕って、見る目がありますよね。ふふ。
素直で、愛らしくて。
本当に、育て甲斐があります、八戒はv

キスの受け方も、段々と上達してきていますし。
今だに、顔を真っ赤にする初なところは変わらないですけど。
常日頃から、スキンシップを心掛けておきましたからね。
おかげで、八戒のファーストキスを頂いた時も。
無駄な抵抗をされずに、楽々と貰っちゃいました。

さくらんぼうみたいな唇を、何度も舐めて軽く噛んで。
鼻で息をするなんて知らない八戒が、息をする為に開いた唇に。
一気に侵入して、舌を絡め取って。
僕の唾液を一杯飲ませちゃいましたものね。

ディープキス一つで、あんな簡単に力を抜いちゃって。
くたりと、僕にその身を預けてくれて。
本当…あの時を思い出すと、可愛くて。
今も可愛いですけど、ね。

僕の八戒vv　ぎゅっvv


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あ……っ。
天蓬お姉様に抱き締められていると。
恥ずかしくて仕方ないのに、嬉しくて…動けなくなります。

今も、生徒会室の中の。
ドアからは死角になっている隅の壁に、追い詰めてられて。
もう、何回したのか判らない位のキスをしています。

どうしよう…どうしようって、逃げたいのに。
お姉様の『大人しく、じっとしてて下さいねv』って。
耳に囁かれると『はい』って返事をしてしまうんです。
綺麗に微笑む『イイコにはご褒美をあげますから』という、お姉様の言葉に。
顔を真っ赤にしながら…。

お姉様の手が服の上から、僕の身体を沢山触ってて。
力が抜けてしまって…もう、動けなくなります。
もっと触って欲しいって、口には絶対に出せませんけど。
…思ってしまうんです。

お姉様に、もっと…ってお願いしたら、はしたないと思われてしまうでしょうか。
それとも、喜んで貰えるでしょうか………。


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「八戒。」
「はっはい、天蓬お姉様。」
「週末に、僕の家にお泊まりで遊びに来ませんか？」
「え？」
「二人っきりて遊びましょv」
「……はい///」
「約束しましたからねvv」

指切りをしていた小指をカリッと、噛まれて。
僕はハッとすると、目の前には。
今まで見た事のない瞳で、微笑んでいる天蓬お姉様が―――



２００５．６．７　　　ＵＰ



☆　コメント　★


いづるさまに捧げますv

誕生日のプレゼントとして、贈りますv
（誕生日の日付は何時？と聞かない様に（笑））
リクエストは、天蓬お姉様と八戒の百合と即答してくれた
いづるさんに心を込めて、書き上げましたv

ではでは、慎んで贈らせて頂きます♪



モドル