無敵のヴィーナス
by 遙か
もぅ、大丈夫v
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青い空。白い雲。天気はバッチリ。
つーたら、デート日和でしょーが。
なあ、そうだよなあ。
普通、そうでしょそうでしょ。
だのに、どーして洗濯日和ですって、ゆーワケ〜?
恋人同士だろ? 俺達は!
どーして、そんなに所帯臭いんだよ〜。
おマエは………って、……あ〜ハイハイ、俺のせーネ。
……………俺のせー、ですか。
……………スキで、面倒見てっクセに。
あーーっ、タンマタンマ。
ハイハイ、俺のせーデス。
全部、俺のせーデス。認めマス。………怖ぇ。
俺の恋人の八戒さんは、とっても気難し屋サン。
機嫌の取り方、間違えっと、も〜大変。
すーぐ、ふて腐れんの。
ポーカーフェイスのクセに、そーゆー時だけさ。
拗ねの表情見せんのって、反則!
カワイイんだもんな〜、ホントホント。
けど、コレゆーと殴られる。
照れ隠しだと判ってっけど、アイツの報復手段は、かーなり痛ぇ。
手加減してヨ〜。
恋人じゃん、俺はってゆー訴えも即座に却下するしさ〜。
口も悪けりゃ、手癖も悪ぃ。
あの美人の顔に騙くらされて、気付いていねぇ…じゃなくて。
気付かせられていねぇ連中多いモンなあ。
と、口に出さず頭ん中でブツブツたら。
『それで、どうするんですか。
デートするんですか、しないんですか。』
…うわあ〜、デート行きたいワケね。
こ〜の天の邪鬼が、ナンとも言えません。
恋人の俺だけの、特権。
甘えたいくせに、甘えらんない気の強いネコみてぇ。
ハナ鳴らして、関心を引きつけてから。
スルリと、後ろ向きに逃げてく。
目が離せなくなる、媚態。
ホーント、反則技ばっか。
アバタもエクボってゆーんだっけ??
こーゆーのって、さ。
『悟浄。』
あっ、ヤベッ。
『ドライブ行こーな、八戒。』
『仕方ないですねぇ。
では、付いていってあげましょうか、悟浄。』
『お願いしマス。』
ペコリと大げさに頭を下げると、ふわりと甘やかな感じがした。
気の所為でしょう、と簡単に言われそーだけど。
匂いじゃなくてさ、雰囲気。
その場の空気が、甘い色に変化したっちゅーか。
八戒が俺にだけくれる甘さ…なんだよなあ。
「僕は急いで支度してきますから、貴方はジープのご機嫌を取って おいて下さいね。」
「あ、車はダチの借りてきた。ジープはサルんトコ。」
「はい? えっ? 何時の間に…。」
そりゃあ、抜け目なく用意周到に準備してあんもん。
結構、八戒の方がヌケてんだよな。
今頃、ジープのヤツがいねえコトに気付いてんだもんな。
「偶にはさ、気儘勝手にしてみよーぜv」
「貴方は、いつもしているじゃないですか。」
「お前も、一緒にだよ。」
「僕までしたら、どうしようもなくなっちゃうじゃないですか。」
「だ・か・ら『偶には』って、言ってんのv」
まあだ、ぐちゃぐちゃ言う八戒の二の腕を掴んで。
俺は屁理屈を捏ねてみた。
…効果は、どーかな?
「…そう、ですね。『偶には』…ですね。」
おvやったやった。何でもやってみるもんだなあ。
「だろ? だろ?」
俺は説得が成功したのに、Vサインを出したい気分だった。
やったねvv
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日差しが思ったより、きつくなくて。
車のおかげで、風も切って流れているしで。
僕はかなりの上機嫌で、車の助手席に座っていました。
今日の運転手は、悟浄です。
『偶には』ですからも、楽させて貰っちゃいましょう。
思いもかけない申し出。
外へのデートのお誘い。
段取りしてあるマメさ。
…悟浄って、本当に僕の機嫌を取るのが上手いですよね。
…時々、恐ろしく下手な時もありますけど。くす。
まあ、その時はフォローの仕方で許してあげますけどね。
何でもない、日常からの離脱。
目の前に広がってゆく空間の清々しさに。
季節の眩しさを感じます。
他人から見たら、些細な事でも。
悟浄と過ごす事で、色を成していきます。
この人を好きになって、良かった―――と。
「安全運転でお願いしますね。」
「ハーイv」
無意識に鼻歌を歌っている悟浄をちらりと見て。
僕は窓を全開にしました。
優しい風を受け止める為に…。
2005.11.17 UP
☆ コメント ★
叶井さまに捧げますv
ハイv 叶井さんのサイトとの相互リンクのお礼のお話ですv
ハイv 判っています。今頃の大遅刻です(汗)
でもでも、叶井さんの広いお心に甘えて押し付けます(笑)
リクエストは『58のドライブ』でしたv
どうでしょうか…ドキドキ
悟浄が一生懸命に抜け目なく誘っているトコが
自分ではお気に入りです(笑)
ではでは、慎んで贈らせて頂きます♪
モドル