リフレクション
by 遙か
沸き立つのは、判ります。
時間が掛かった分、勝利の喜びというものは大きいものです。
だから、それは判っているんです、ってば。
それに、水を差す気なんてありません、ってば。
ただね、三日間も騒いだら良い加減気が済みませんか?
捲簾大将殿。
■□■ □■ □■ □■ □■□
西方軍がお祭り好き揃いなのは、知ってます。
僕は、そこの上司ですから。
それ位は、把握しています。
帰還の為のゲートが開くのに、日程が上手く調整出来なかった為に。
勝利を収めた後、僕達は下界へと駐留した儘でした。
敵は討伐した訳ですし、他にする事も無いからと。
連日連夜のドンチャン騒ぎ、で。
その陣頭指揮を取っているのは、言わずもがなの、捲簾で。
もう、全身の血がお酒と入れ替わっているんじゃないですか、という位。
呑んでいる訳で。
枠にも、程があります。
まあ、最初のうちは僕だって、機嫌良くお付き合いしていましたよ。
お祝いですから。
でも、何時までも浮かれている訳にはいかないでしょう?
宴会の輪の真ん中から動かない捲簾に、何度言おうと思った事か。
けれど、こういうものは本人が気付くべきでしょう。
僕からは一切、言う気はありませんから。
僕は、自分用に設定されているテントへと。
睡眠を取る為に、戻りました。
■□■ □■ □■ □■ □■□
戦闘後とは言え、戦場でしたから眠りは浅い状態でした。
気は抜けませんので。
なので、厚手の毛布で身体を包み、少しでも身体自体を休めようと。
僕は簡易ベッドの上で、丸まりました。
睡眠の為に、ゆっくりと長い呼吸を繰り返し。
意識を外に攫われないように…と、していたというのに。
風に乗ってか、離れた場所の音が聞こえてきます。
まだ、呑んでいるんですね…捲簾は…どうせ…。
…………………………。
止めましょう、頭の中をグルグルと回すのは。
わざわざ、自分から要因を作る事はありません。
シャットダウンすれば良い事です。
帰還したら、暫くは事後処理でバタバタしますよね。
面倒臭い事で、忙しいのは嫌ですね。
そうそう、押し付ければ良いんですね。誰かに。
そうしましょう。
あと、帰還する前に一寸だけ、あのお店に行って来ましょうか、ね。
久しぶりだから、何か入荷されているかもしれないし…。
行きましょう、明日の朝一で。
そう決まったら、もう寝るのに限ります。
もう一度、毛布にしっかりとくるまって。
僕は眠りの体勢を整えて、目を瞑りました。
今度は上手く、いきそうです………。
[暗転]
「てーーーんぽ」
呼ばれたと、ほぼ同時に。
僕の上に、何かが降って来ました。衝撃的に。
思わず、潰されたカエルの気分を味わって…って。
捲簾っ!?
「姿、消えたと思ったら、ここにいたのか〜」
居たのかじゃなく、寝ていたんです。どいて下さい。
「てんぽ〜」
上から伸し掛かり、毛布ごと身体を抱き締められて。
僕は身動きが全く取れなくなっていました。
しかも、息苦しい。
おまけに、お酒の匂いがきつい…処じゃありません。これは。
この酔っ払いっ。
腕を振り上げて、ぶん殴ってやりたいです。
酔っている所為で、力加減など無視で抱き付いてくるんですから。
たまったものじゃ、ありません。
「く、るし…ぃ、捲簾……はなし、なさ…」
「―――――ん〜」
押さえ込まれた儘、真上からのキスに酸欠を起こしかけ。
気を失いそうでした。
■□■ □■ □■ □■ □■□
宴の最中、天蓬が一人でふらっと出て行ったのは。
目の端で、確認していた。
今日は、特に機嫌が低下していたんで、目を離さなかった。
通常通りの、表面の元帥はこなしていたが。
裏の方のアイツが、ご機嫌斜めなのを知っていたからな。
冷静沈着と、巷では言われているが。
天蓬の喜怒哀楽の格差、つったら半端じゃない。
取り扱い注意だ。
頭を冷やさせてやろうと、見送ってから小一時間。
そろそろ、頃合いかと思い、俺は立ち上がった。
■□■ □■ □■ □■ □■□
酔ってはいるが、微酔いの域で理性も意識もある。
天蓬の機嫌を取るには、充分だ。
元帥用に設営されているテントの中に入ると。
外の騒ぎとは裏腹に、静かだった。
いつもの、不法侵入という一言もなし…寝ているのか、と。
近付いて、覗くと天蓬の寝顔が見えた。
閉じられている瞼は、開く気配がない。
本当に、眠っていた…珍しいな。
コイツが、ここまで起きないのは…疲れが溜まっているのか。
と、ここまで考えて。
だったら、天蓬の溜まってるもんを取り除いてやろうと。
俺は先手必勝で、天蓬の上に覆い被さった。
久しぶりの長いキスをしながら、毛布ごと抱き締めていると。
天蓬の身体から力が抜けていった。
そのぐったりした所で、キスを解いた。
きつく目を瞑り、呼吸する事に集中している天蓬から、服を剥いだ。
天の邪鬼が発動する前に、ある程度の抜き差しならない所までもっていかないと。
やばいからな。
俺は、さっさと足の付け根を押さえ付け。
通常モードの大きさの天蓬のものを口の中に銜え込んだ。
「捲簾っ!」
怒気を含んだ叫び声と、目の前にある白い腹が。
ビクンと大きく波打ったのを見て、更に銜えた。
時間の問題で、天蓬の声が啼き声に変わっていく。
短い嬌声と。
舌足らずに、俺を呼んで。
熟知している天蓬の感じやすい所をしつこく、丁寧に舐めてやると。
その度に、天蓬の身体が小さくうねり、時折思い出したように固くなる。
足の内側――白い肌が、攣るように震える。
そこを掌で、宥めるよう撫でてやると。
更に震えながら、足を開いていく。
舐め続けているうちに、天蓬の先走りと俺の唾液が混じり。
口から溢れ出して、そのまま天蓬の後孔へと流れ、そこを濡らす。
口での愛撫は止めず、指の先で円を描き。
慎ましく、ひきつき始めたそこを強く刺激してやった。
喉の奥底から上がる、細い悲鳴。
シーツを掴む手が、強く握られていく。
限界が近い…な。
俺は身体を起こし、天蓬の身体も腕を引っ張り引き起こした。
「…な、にを」
「イイことを、な」
胡座を掻いた所に、背中を寄り掛からせて座らせ。
大きく、足を開いてやった。
天蓬の出入り口を真っ正面に、して。
「けん、れんっ」
「声はあまり出すなよ? 外に聞こえるぞ」
忠告をしてやってから、天蓬の両手を掴み、自身のモノを掴ませる。
嫌がって、逃げようとするのを。
上から、俺の手を重ねて、思い切りぐちゃぐちゃに揉み込んでやった。
「…ひっ! …………ん…ぁ」
頭を激しく振り、髪を乱し、イキかけている身体を持て余し。
焦れだした天蓬の媚態には、息を飲む。
外で運良く、この声を聞いた奴は、ある意味不幸だろう。
これ以上は、何奴にもやらない。
コイツは、俺のものだ。
「イキたいか」
甘える様に、天蓬の頬が俺の腕に擦り寄る。
その仕草に気を良くした俺は、天蓬だけをイカせた。
芯を無くして、崩れていく身体を抱き寄せると。
「…もっと」
「何をだ?」
「あなた…を」
「俺を?」
「下さい――捲簾」
そう言い切ると、天蓬の喉が鳴った。
物欲しげに。
それに、俺は逆らう事なく天蓬の身体を。
俺へと向かい合わさせて、押し倒していった。
天蓬の濡れた指が、ひんやりと俺の背に回るのをほくそ笑みながら。
2007.11.29 UP
★ コメント ★
裏三蔵様へ、捧げますv
前回書いた話を裏さんが気に入ってくれたのに
気を良くして、再び書いた話なんですが
天蓬の一人H第2弾にするつもりだった筈なんですが
…あれ〜?
強制×××ーに、なってしまった…えへへv
これじゃ、裏さんは物足りなくて悶えてくれないかなあ、と
思いつつも、折角書いたので押し付けてきてあります(笑)
ではでは、どうぞ、贈らせて下さいねv
モドル