プリズム



by 遙か



〜 悟浄編



心は確かに一人だけなのに
躰はどうして…
この2つは別々のものなのでしょうか
どちらも僕のものなのに

■□■ □■ □■ □■ □■□


悟浄は、僕の初めての恋人です。
人との距離を計るのが苦手で、一人でいる方を選んでいた僕に。
悟浄は、積極的に近付いてきてくれました。

最初は警戒しました。
悟浄の真意が汲み取れなくて、疑問ばかりでしたから。
でも『俺は八戒をスキなの。そんだけ』という台詞を。
何度も何度も、毎日毎日、言って貰えると。
少しずつですが、素直に悟浄の言葉を受け取れる様になりました。

――僕も悟浄を好きですから

そう、自分の気持ちを認められる様になりました。
心の距離と同時に、悟浄からのスキンシップも多くなってきました。

僕が一々、ビクッとするので。
悟浄はとても気を遣ってくれて、少しずつ確かめる様に。
頬に触ったり、髪を撫でてくれたり、手を握ってくれたり…。
やっと、肩を抱かれて一緒に歩けるまでになった時は。
…悟浄、とても嬉しそうでした。


それが、今、悟浄と一緒にベッドの中で、初体験を迎えているなんて…。
恥ずかしくて、目が開けられません。
顔を覆っている手が、外せません。

「はーっかい、顔見せてよ」
「…でも」
「大丈夫だって、怖いコトしねえから」
「怖いんじゃ…」
「あ、恥ずかしいんだ」
「…はい」
「ふ〜ん」

不意に、手首を掴まれて、顔から外されてしまいました。
悟浄の視線を感じて、目をぎゅっと瞑ってしまいました。

「恥ずかしくなんかねえよ? 八戒のコト、スキだからさ、一杯、優しくするって。
 だからさ、目開けて俺のコト見てよ」
「…悟浄」

恐る恐る、目を開くと鼻先が触れ合う近さで。
悟浄の目が僕を見ていました。にこにこと笑いながら。

「八戒、カワイイ」

重ねられた唇に、僕はもう何も言えなくなり。
心の中で、悟浄を呼びました。


覆い被さってくる悟浄の髪が、シャツを脱がされた僕の身体の上に落とされて。
悟浄が動くと、髪もさらさらと動きます。
その流れる様な動きに、擽ったさと。
じわりとした何かを感じて、僕は落ち着かなくなりました。

「八戒、感じてる?」

悟浄の言葉に、僕は一瞬固まり、首を横に振りました。

「ウソつくと、イジメちゃうぞ」
「悟浄っ」
「うっそ、だけどさ〜気持ち良かったら、気持ちイーって言って?
 そーしてくれっと、俺、メチャ嬉しいんだけど〜」
「悟浄…」
「なっ、八戒、お願い〜」
「…はい」

悟浄のお願いは、口にするのに恥ずかしいという抵抗があるのですが。
それ以上に、悟浄のお願いに抵抗出来なくて…。


それからの事は、出来たら思い出したくありません。
自分で触れた事もない様なところを、悟浄に触られて。
それが気持ち良くて、それを口で言わされて。

『八戒が気持ちイーと、俺もイーの。2人で一緒にって、イイだろ』

軽く噛まれたり、痛みを覚えるくらいに吸われて、痕を付けられたり。
…悟浄の舌で、様々なところを舐められたり、と。
刺激が強すぎました。

積み上げていた積み木を崩されて、ばらばらにされて。
悟浄の手で好きにされている、そんな感じでした。
身体の外も、内側も、全部。
悟浄を受け入れた事で、変わってしまいました。

まだ、僕の中から抜かれず、脈を打ってる悟浄のを感じて。
身体の震えが止まりません。
そんな僕の髪を撫でながら、抱き締めて『スキ』と『カワイイ』を。
満足気な声で繰り返す悟浄に、僕はしがみついて目を閉じました。

―――好きです、悟浄…



2008.4.22  UP



☆ コメント ☆

彩乃さまに、心を込めて捧げますv

今年のオンリーで知り合えて、春コミでお話出来て
その時に萌えた八戒総受け話の第一話目です
最初は悟浄v
続きは彩乃さんの許可が取れたので書きます
取り敢えず、始まりの話から〜


どうぞ、お受け取り下さいませv



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