under blue in the sky



by 遙か



†††††

水の飲み方とか。椅子の座り方とか。
今まで、一つも意識していなかった事が。
映像を撮る様に、クリアに意識してしまう。
目で、その一つ一つ追ってしまう。

これって…変、ですよね。
だって…止められないんですもの。

     †††††

小言を言われるより、無言で無視される方がイヤで。
目つき鋭く怒っている顔より、過去を振り返っている表情がイヤだ。

全部、こっちに向けたい独占欲が膨れ上がっていく。
これって…変だよな。
けどな…止めらんねーんだよよ。

†††††


悟浄と八戒の2人が、双方想い合っていると発覚したのが。
一週間前。
両方で、秘めたる想いとゆーモノを抱えてて。
しかも、一生黙っていよーという、不健康な誓いを。
立てていたモノですから。
本音と建前が喧嘩して、とうとうご本人達も喧嘩して。
売り言葉に、買い言葉。
全く、ロマンチックではない、告白劇。

『俺はお前が好きなんだっ!』
『僕だって、貴方の事は好きですよっ!』

今までの苦悩が、恥ずかしくなる位のストレートな告白で。
晴れて恋人同士と相成った訳です。


まあ、特に日常生活が変わった事はありません。
悟浄も八戒も、それぞれの一日の行動パターンがあるので。
それを崩す事は、ありませんでした。
ただ、元々触り魔の悟浄が、kissも+し始めた位。
一応、恋人同士のkissを一番最初にクリアしてから。
挨拶的なモノを多々、し始め出しました。

思いの他、イチャイチャ甘々の大好きな悟浄。
叶わないと思って諦め切っていた八戒を手に入れる事が。
出来た事で、はしゃぎ回り、せっせ、せっせと。
八戒の隙あらば、kissし捲っていました。

八戒も戸惑いとか、照れとかで。
そんな悟浄を邪険に扱いはしていますが。
嬉しいのは悟浄と一緒なので、kissの洗礼を許していました。

想いが、通じ合った事。
ままごとみたいな、少し甘味の増した生活。
スキンシップによる、安堵感。
指先を絡めて、唇を啄んで。
目を合わせて、笑う。

微笑ましい…最高僧が目撃したならば。
銃乱射確実の…カップルとなっていました。


†††††


さて、更に一週間。
イチャイチャしているのに、決して飽きた訳ではないのですが。
2人共、立派な成人男子ですし。
小学生みたいな『好き』だけでは、物足りなくなるのは当然です。

そして、特に悟浄。
トラウマのせいで、肉体的な繋がりのみばかりを。
渡り歩いて来たせいで。
そちらの欲求が、ムクムクと湧き上がって来ます。

心が通じ合ったという事で、八戒が見せ出した無防備な姿の数々。
気の強さ、口の悪さは相変わらず絶好調なのですが。
悟浄に向ける笑顔に、無意識の柔らかさが加わり。
見惚れる事、度々。

悟浄の動きが止まり、鼻の下伸びてます。
下半身も、直撃しています。

しかし、本気であればこそ。
次へのステップへの踏み方を考えて…考えて…。
あれ? と、悟浄は気付きました。

『どーすりゃ、いーんだ?』

何しろ、ストレートな女性遍歴の輝かしい男だったので。
スキとかアイしてるの言葉は、付随的なモノ。
スパイス的なアクセサリーだったので。
感情の方に重みが、ずっしりと乗っかかってきて。
にっちもさっちも、動けなくなってしまいました。


†††††


さて、もう片方の八戒。
元々、姉との関係を鑑みても。
肉欲よりも、精神面に重きを置く方で。
性的には、ご本人も淡泊な方だと思っていました。

ですが、日々の恋人からの過剰なスキンシップとkissに。
いつの間にか、反応し始めていて。
内心、戸惑っていました。
ポーカーフェイスと蠅叩きの要領で。
出されてくる手をぺちぺちと、防戦していたのですが。

触られて気持ちが良いと感じるのは、悟浄にだけ。
限定の人のみに感じるモノは、着々と八戒の中に。
きちんと、根付いていっていました。

けど、スル方からサレる側への180度の方向転換。
悟浄と向き合う。
悟浄を受け入れるという事に。
気付いた時、八戒はフリーズしていたのです。

冗談抜きで、真っ白になってしまった自分を。
何とか奮い立たせているのですが。
一回、意識してしまったソレは、頭の中から離れず。
事ある毎に、リピートして八戒を硬直させているのです。

ギクシャクとした、ブリキ人形の様な動きで。
お互いから目を離せない、2人の恋愛事情。

進展の、Xディは何時の事になるのやら…。



2004.4.10 UP



☆ コメント ★


うみさまに捧げますv

相互リンクのお礼なのね…
きっと優しい貴女なら貰ってくれると…
信じて、贈ります(笑)

『両想いなのに、進展がそれ以上ない2人』

これって…一種の鬼畜よね?(大笑)
放置プレイの変型かしら?
うみたんのリクエストには、つくづく感心ですv


では、慎んで贈らせて頂きますvv




モドル