Open your eyes
by 遙か
『自分以外の誰も信用していない』
全てを。
一人で片付けようとする、アイツの、その姿は。
ある意味、誰の目にも傲慢に映るだろう。
出陣の喧噪の中。
一人。
何を見ているのか。
遠くなのか、近くなのか。
それさえも、分からない、瞳の先。
もしかしたら。
本人も、分かっていないのかもしれない。
だから。
その刹那な姿を。
俺は――。
†††††††††††††††
風、ですね。
戦闘の後の慌ただしさと一緒に。
名残りのように砂塵が舞っています。
又、一つ、終わりました。
一体、幾つ、同じような事を過ごして来ているのでしょうか。
僕は。
何も変わらない。
何も動かない。
腐った、河の流れのように。
日常が、僕を浸食していく。
一言で、言えば。
【退屈】
良く言えば。
【恵まれ過ぎている】
悪く、言えば。
…何、でしょうねえ。
分かりません。
僕は、一人で。
いつも、一人で。
この場所に、立っているんです。
誰も。
誰もいない、この場所に。
†††††††††††††††
「なあ、天蓬。」
「はい、何ですか。」
「こーゆーのってさあ。
仲がイーってゆうんだよなあ。」
「そーですねえ。
悟空的のとは、少し違うとは思いますけど。
仲が良いとは思いますよ。」
「そーだよなあ。
仲イーよなー、俺達って。」
「捲簾、擽ったいです。
乗っからないで下さい。重たいです。」
「細かいコト、言いっこなしっ。」
「どうして、そう大雑把なんですか、貴方は。」
くすくすと、鈴を転がすように。
天蓬が、捲簾の腕の中で笑い出す。
素肌を触れ合わせて。
唇を重ねて。
指を絡めて。
誰よりも、近くに。
何よりも、深く。
†††††††††††††††
あの、出逢って、日が浅かった時から。
時間は、多々、過ぎていっていた。
見つめる先を。
お互いと、決めて。
散々な、紆余曲折の末に。
手に入れた、相手。
何も言わなくとも、放さない。
何もなくても、傍に居る。
何が、起ころうとも。
いつか来る、終わりが来ようとも。
2001.5.29 UP
☆ コメント ☆
はい、GF6月号、ネタです。
自分以外の〜には、凄くキました。
だって、その天ちゃんの眼は捲兄ちゃんを映す訳っしょ?
あの、何も楽しいコトなんてないってゆー天ちゃんに。
捲兄ちゃんがいるよって、カンジで書いた話です。
しかし、捲兄ちゃん、甲斐甲斐しいですねえ。
超・多忙の奥さんの世話を焼く旦那。
ほーんと、イイ男で嬉しいです。
報告書は書くし、お風呂の心配はするし。
何より、傍にいるしv
絶対、離れないでねv