アクア・ブルーの水の音
by 遙か
閉じている瞼の先が、明るい…から。
朝が来たんだなって、分かりました。
けれど。
水の音が聞こえるから。
雨降りなのかなあ…今日は…。
「ん。」
つい、いつもの癖で目をこしこしと、すると。
「お、起きたな。」
後から、声が聞こえてきて。
えっ、こ、ここって。
今、僕が居る処って、バスタブの中?
「朝ブロだよ。気持ちイイだろ?」
後からの声が、続いて。
僕はキョロキョロと、自分の状況を見て…しまった……。
後から抱き抱えられ、子供みたいに。
お湯に。
バスタブに身を沈めて…いる。
「あ、あのっ。」
「ん、何だ?」
「どうして、僕、お風呂に?」
「ああ、だってさあ。
昨日の夜、あのまんまで寝ちまったじゃん?
だからだよ。」
だから――だからって、一体、何なんですかっ。
昨日――昨日…って……。
確か。
この森を管理している狼の一族の僕が、新しく赴任してきて。
パトロールの最中に。
森で、この紅頭巾の悟浄さんと、初めて会って。
その時、煙草の煙を火事と勘違いした僕は。
思いっきり水を掛けてしまって。
お詫びに洗濯して、お昼を用意して。
その後……。
////////。
「もお、ぜーーんぶ、オレが洗ってやったからさ。」
「えっ?」
「それこそ、頭の天辺から足の爪の先まで、な。」
それって……。
この明るいバスルームの中で……。
僕が眠ってる間に。
僕の身体をってこと……ですか?
「そ。後は10数えたら出ような。」
!!!!!!!!
パニックを起こして。
湯当たりじゃなく、真っ赤になってしまった狼の八戒の躯を。
紅頭巾の悟浄は、それはそれは楽しそうに。
きゅっと抱き締めた。
2001.6.28 UP
★ コメント ★
屋根裏部屋に置いてある【紅頭巾ちゃんと翠の瞳の狼さん】のお話の続き?
かなあ。
やられちゃった、次の日の朝の出来事です。
目を覚ましたら、お風呂ん中で。
当然、なあんにも着てなくて。
しかも、全身隈無く、洗われちゃったなんてv
狼さんの恥ずかしさは、頂点に達したコトでしょーvv
お粗末さまでした〜♪