4月なのに、夏日かい


作:遙か


「あっちぃなあ。」
「……そうですか。」
「そうですかって、あっちいじゃん。」

自分の何気に出した言葉に、冷たいとしか言い様のない返事が返ってきて。
悟浄は、びっくりして、八戒を見た。

「へっ? 何、その格好…。」
「別に。」

悟浄の格好はシャツを羽織ってはいるものの。
前は全開状態。
そこら辺にあった雑誌をパタパタと団扇代わりにしていたというのに。
対する、八戒は。
きちんと、シャツの一番上までボタンを嵌めて。
しかも、長袖の上、袖口のボタンまで、きっちりと……。

「どしたの、お前。」
「……心当たり、無いんですか。」
「はあ。」
「貴方の脳細胞は、一晩たつと消滅するんですね。」

一晩……その言葉に、悟浄はああっと、反応した。

「あ、もしかして、昨日の晩の痕がバッチリってことか…。」

バスンッ。
悟浄の顔に、八戒が投げたクッションがモロ・直撃をする。
コントロールの良い事で。

「そっかあ。」
「思い出さなくて結構ですっ。」

真っ赤になった、八戒の顔が。
超・可愛くて。激・美人で。
ぶつけられた鼻の先が赤くなってるのも、気にせずに。
悟浄は、思いっきり八戒を抱き締めた。

これから、仲直りの時間の始まりという事で−−。



2001.4.20 UP



☆コメント☆

今日、暑くて…そっから考えました。
八戒、大変だよなあ。
首筋と手首が気になって、肌の露出が出来ませんのよ。
あんまし、あっさりと、許さない方が宜しいかと思うのですが。
きっと、余計なお世話なんでしょうね。はは。