この気温差、風邪ひいちゃうぞっ
作:遙か
くしゃんっ。
え、と。八戒が音のした方へと振り返る。
そこにいるのは、勿論、一人だけなのですが。
「悟浄ですか? 今のくしゃみは。」
「ん、ああ。そっだけど。」
「随分、可愛らしいくしゃみをするんですね。」
ニコニコと笑う八戒とは対照的に。
言われた悟浄は、まさか、そんな事を言われるとはといった感じで。
ぽとりと、咥えていたタバコを落とした。
「ああ、もう。ちゃんと灰皿に落として下さいよ。」
「あのなあ、大の大人に向かって、そのセリフはないんじゃないか?」
「だって、素直にそう思ったんですもの。
いいじゃないですか、悟浄の事を可愛いなんて思うのは僕くらいですから。」
マジ、かなわねえ、と悟浄は口を閉じる。
口でかなわないのは、もう、分かり切っている。
無駄な努力が面倒な悟浄は、直ぐに次の行動に出た。
「悟浄?」
「ん。」
「この手は何ですか?」
「お前を抱いてる、俺の手。」
「それは、見れば分かりますから、目的を教えて下さいな。」
「風邪引いたら大変だから、あっためて欲しいなってコト。」
仕方ない人ですねえ、と八戒が笑う。
いいじゃんと、悟浄がキスを贈る。
あたたかいお互いの体温を心地好く感じながら。
2人は身体を寄せ合っていった。
2001.4.21 UP
☆コメント☆
仲がおよろしく、ホンとに良いですね――でした。ははは、は〜。
昨日は暑かったのに、今日は寒いので、こんな話を考え付きました。
この2人は暑かろうが寒かろうが、くっついてんのっ。
