夜、明くる空



by 遙か



「八戒…。」
「あれ、悟浄どうしました?
交代の時間には、早いですよ。」


街を格好付けて、飛び出した後。
文句を入れようが、入れまいが、野宿が決定となり。
野営の支度をし、少しでも疲れを取る為。
交代で仮眠を取る事となった。


八戒は3番目の、火の番で。
あと、一時間程したら、4番目の悟浄と交代する予定だった。



「うーん、目が覚めちまってよ。」
「…それでも、目を瞑って横になっていた方が楽ですよ。」
「でもよおー。」
「独り寝が寂しいなんて、言わないで下さいね。」
「―――――。」
「図星、ですか?」


返事がないのが、肯定の証拠。
八戒は、一瞬目を瞠り、悟浄の顔をマジマジと見つめ。
ふっと、花が綻ぶ様に、笑顔を向けた。


「仕方ない人ですねえ…悟浄は、本当に。」
「…悪いかよ。」
「いいえ、ちっとも。」
「んじゃ、肩貸して。」
「ええ、いいですよ。」


八戒の隣へ、悟浄が座り。
重さを掛け過ぎない様にと、注意をしながら。
悟浄は八戒の肩へと、寄り掛かった。


「あ〜、ほっとすんなあ。」
「そうですか。」
「うん、そう…。」

決して、寝やすい体勢とは言えないのに。
悟浄が、嬉しそうに言う。









「…お酒も…煙草も、買ってあげられなくて、済みませんでした。」
「あー、いいって。
酒もタバコも、いつだって買えるからさ。
だから、いーの。
俺にはお前がいてくれんだからさ。」
「僕…ですか?」
「そ。」
どこにも売ってねえ、俺さま限定で、非売品でよ。」
「僕って、レアだったんですね。」
「そー、激レア。
だからさ、離すなよ。」


最後のポツリと呟かれた言葉は。
八戒にも悟浄自身にも、誓う言葉。
先の読めない明日でも、決して離れる事がない。
力強い意志の言葉。



「なっ、八戒。」
「はい、悟浄。」


コクリと頷いた八戒へと。
悟浄がスイと近付いて、キスをする。



何があっても。
離す事などない。
互いの存在に、触れ合いながら……。


そして。
夜は。
朝を迎えてゆくのだろう。
幾つも…幾つも……。



2002.3.28 UP



☆ コメント ☆

58好きのお嬢様方v
ご覧になられましたよね、祝・連載再開

待ちました
マジ、待ちましたわ
やっと、八ちゃんのご尊顔を拝見出来るたわ

美人
美人
美人
うふふ〜♪












悟浄にしっかりと愛されていたのよねえ〜♪
管理人、脳ミソ腐れてます〜♪

そして、こんな話を即・考えて
即・更新v

さあ、須く見よですよ、お嬢様方
58で、ご一緒に驀進しましょーねv