静夜 〜 silent night 
by 遙か
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始まりは kiss から
仔猫みたいに じゃれ合って
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他人の体温を一番強く感じるのは。
こうして、抱き合っている時。
服を取り払った素肌を重ね合わせて。
互いにきつく抱き締め合いながら。
キスしている時。
僕は、いつも躊躇ってしまう。
悟浄みたいに、大胆に誘えずに…気後れしてしまいます。
もう…数え切れないくらい、しているのだから。
照れからでは無いと、思うんですけど。
………受け身の、せいかな?
元々、僕は淡泊な方だし。
悟浄は、精力旺盛だし。
テクニックに長けている悟浄が、リードを取るのは常なんです。
最初から、そうなので。
今更、スタイルを変える気なんて。
僕からはありません。面倒臭いですもの。
大体、悟浄は目で合図を送ってきます。
僕が気付くまで、無言で見つめてきて。
僕が気付くと、捕らえたって感じで迫ってきます。
多少の抵抗はしますが、逃げる気は無いので。
そのまま、伸ばされた腕を振り払う事はしません。
悟浄とのキスは、好きです。
キスに、こんなにバリエーションがあるって事も。
実践付きで教えてくれたのは、悟浄でした。
ちゅっ、て可愛らしい音を立てる啄む様なキスから。
絡める舌から頭の芯が、ぶれる程の執拗なキスまで。
耳の中に、直接吹き込まれる、僕の名前。
顎のラインを軽く噛んでゆく、堅い歯。
普段はくすぐったいだけなのに、舐められると感じてしまう喉元。
隙間無く、合わせる胸と胸。
感じて立ち上がっている乳首が、擦れ合って。
脇腹を優しいタッチで、撫で上げられる。
手首が、指の痕が付く位、強く抑え込まれる。
足の付け根ばかりを触って、肝心な所をわざとはぐらかしてくる。
膝の裏を舐められて、足の指の間まで恭しく愛撫される。
もどかしい熱に、音を上げまいと唇を噛むと。
一転して、激しいものへと変わってしまう。
時間を掛けられた分。
心も躯も、易々と。
強烈な刺激を受け入れて、歓喜する。
後回しにされていた部分を口の中に、含まれ。
軽く噛まれて、ピクッとした後に。
優しく先端を舌の先で、突かれる。
シーツを掴み、大きく開かされた足を緊張させる。
悟浄の名前を途切れ途切れに呼びながら、涙を流す。
大きく目を開き、全身を硬直させ。
イク、タイミングを悟浄にコントロールされて。
僕は………果てます。
必ず、『良かった?』と聞かれ。
返事をしないで、悟浄の首へと腕を回して。
答えの代わりの、満足したキスを返します。
僕からのキスに、気を良くした悟浄に。
怠い躯を抱き込まれると。
お腹の下辺りに、元気過ぎる悟浄が…当たってきて……。

「クリスマスの夜だから、一杯しよーなvv」
「どんな理屈ですか、それは?」
「クリスマスには、恋人達はHするって法則vv」
「貴方が作ったんでしょ。」
「そう。お前の為になvv」

馬鹿らしくて、可笑しい、僕達の不文律。
くすくす、と笑いながら。
僕は悟浄へと、抱き付きました―――
2003.12.25 UP
★ コメント ★
クリスマスへと日付を跨いでから、書き上げたお話ですv
こっちは、悟浄の言っている通りに恋人だから、シテル話です(笑)
エロティックがどうかは、判りませんが
どうぞ、お楽しみ下さいませvv
モドル