メリクリ ★
by 遙か
イチゴのケーキにピンク色のシャンパン
グラスを軽く触れ合わせて
ロウソクの火を吹き消して
一連のモニュメントを 恋人と楽しむ
聖なる夜の ひととき
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今、僕の目の前にいるのは、ご機嫌な悟浄です。
始終、にこにことしていて、男前が台無しですよ。
なんて、僕も機嫌が良いんですけどね。
クリスマス商戦に乗っかってしまって。
ホテルのスィートをリザーヴして。
プレゼントの第一弾とか言って渡されたスーツを着て。
特別仕様のディナーで食事をして………。
クリスマス一色です。本当に。
気持ちも緩んで、呆れるを通り越して笑っちゃいますよ。
悟浄のする事ですし、今更もありますから。
この人は、本当にどういう人、なんでしょうねぇ。
何年付き合っても、未だに吃驚させられるんです。
思いもしない幸福で、僕を包んでくれるんです。
偶に、大喧嘩もしますけどね。
そんな時は、三蔵の所に『実家に帰ります』状態で飛び出した僕を。
バツが悪そうに、悟浄が迎えに来てくれるパターンで終着するんです。
そんな事が出来るのは、悟浄だけ。
花喃とは…した事もありませんでした。
いつもいつも、肝心な事から目を逸らしてぶつかる事をせず。
許容する事で誤魔化して、笑っていた僕と花喃。
失う事だけを怖がっていたから…。
今だって、悟浄を失う事は怖いです。
けれど、だったら失わない様にすればいいのだと気付いたんです。
悟浄との暮らしで。
脅えて、手足を縮めていたら駄目だという事に。
僕は悟浄を失いたくありません。
だから、足掻きます。みっともなく。
悟浄…貴方といる為に。
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目の前で静かに微笑んでいる八戒は、ホントに綺麗だ。
俺は目が離せなくなって。
………一時も、目を離したくなくて、ずっと見ていた。
あぁ、俺は心底、八戒に惚れてんだなぁって、思うワ。
去年は家で、2人っきりのクリスマスを過ごしたけど。
今年は奮発して、時流に乗ってみたりして。
…ま、思いもかけず懐が潤っちゃったコトがあったんで。
八戒の為に散財したってワケ。
八戒に知られると『又、無駄遣いして』とか。
『少しは貯金して』とか、言われんのは判ってっから。
口にはしなかったけど…バレてんだろーなあ。
我が家の大蔵大臣だし〜。
でも、なあんも言ってこないってコトは、イーってコトだよな。うん。
贈ったスーツも、サイズピッタリだ。
伊達に、この腕に抱いてるワケじゃねーからな。
八戒の身体のコトだったら、八戒より知ってっかも。
アソコとアソコが、特に弱いとか…。
ソコを舐めっと、気持ち良さそうな声出すとか…。
それから…それから………。
うわっ! …ととと。ヤバイ〜かーなり、ヤバイ。
俺の目も耳も、八戒に関しては反応が良くってさぁ。
特に、頭ん中にある記憶の中枢は一寸した刺激で。
既に………はぁ。
今晩はロマンチックを貫こうと思ってたんだけど。
無理みてぇ。
傍にいるだけで満足、ってのはさ。
確かに、そーなんだけどね。
それ以上を許して貰ってるって、自信が。
心も身体も、動かすんだヨ。
「――八戒。」
名前を呼んで、手首を握って。
俺は八戒へと近付いた。
「悟浄…。」
と、呼び返してくれた唇へと。
キスする為に。
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ホテルの部屋に飾られているクリスマスツリーの点滅する灯りが。
絡み合う2人の素肌へと、色を付ける。
ベッドの下には、2人分のスーツが脱ぎ散らかされていて。
2人の性急さを雄弁に物語っていた。
「―――大丈夫、か。」
「えっ……えぇ。」
悟浄の上に乗って、悟浄の胸に手をついて身体を支えていた八戒が。
俯いていた顔を上げて、ゆっくりと息を吐いた。
身の裡で息づく感覚に、満足そうに微笑みながら。
最初の挿入だけば、今だに引き攣る痛みを伴うが。
形も熱も、今ではすっかりと覚え込んでいる。
受け挿れて、身体を繋げる事に歓喜を引き起こす。
最奥を抉られて、擦られ。
抜かれてしまう事を惜しんで、包み込み、締め付ける。
声を出し、涙をこぼし。
体液を溢れさせる、飽くことのない欲求。
飢餓にも似た、切ない程の欲望。
手を握る。指を絡ませる。
何もかもを解放して、溶け合ってゆく、疑似体験。
細い悲鳴を上げて崩れ落ちた八戒を。
悟浄の両腕が受け止め、胸の中へと抱き締める。
そして、悟浄と八戒は。
目を閉じて。
重ねるだけの、触れ合うだけのkissを交わして……………。
2004.12.24 UP
★ コメント ★
悟浄と八戒のクリスマスのお話v
タイトルにも使った、BoAちゃんのメリクリが
とにかく、可愛くて〜vv
この歌で、なんかお話を創りたいv
と、張り切ってみました(笑)
このお話を読んでくれた貴方へ
Happy X'mas〜♪
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