MILK & BITTERS




by 遙か


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甘くて 苦いのは チョコの味???

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「八戒〜、口、あけてみv」
「どうしてですか?」
「イーから、あけろって。」
「…変なこと、しないで下さいね。」
「しねーって、ほら。」

日頃の行いで、思いっきり八戒に釘を刺された悟浄が。
心当たりがあり過ぎるにの、苦笑いしながら。
指で摘んだトリュフチョコを八戒の口元に差し出す。

「疲れた時は、甘いモンだろ?」
「そう…ですけど、これ、僕が作ったチョコじゃないですか。」
「お裾分け〜♪」
「それに、疲れさせたのは悟浄じゃないですか。」
「八戒がカワイーことしてくれっからさ、大サービスしちまったの。」
「サービスって…。」

溜息を付いた八戒の口の中にも、チョコを押し込んで。
悟浄は、唇を押し当ててキスを仕掛けてきた。
唇の肉の柔らかさを愉しんで、口の中で溶け出したチョコを。
舌に絡めて、舐め合う。

「―――――ん……ぅ。」

鼻に抜けていく八戒のチョコよりも甘い声が、耳に心地良く。
悟浄からのキスは、エスカレートするばかり。、
いくら貪っても、飽きることのない恋人の唇は。
キスをするのも、好きで。
吐息混じりの掠れた声で、名前を呼ばれることにもマジにキて。
興奮して、舌舐めづりをする。

可愛くて可愛くて。
食い付きたい衝動に、背筋が痺れる。
唇だけじゃない。何度シテも、お互いに夢中になれる。

「八戒。」
「はい?」
「もぅ一回、シヨv」
「もう一回って…何回、する気になんですか。
 それに…。」
「ん? それに、ナンだよ。」
「ずっと入りっぱなし、じゃないですか。悟浄は。」
「あ〜、だってさ、八戒ん中キモチ良くってさ〜。
 出たくネーんだもん。」

悪戯気に腰を動かされて、繋がったままのところから。
ぐちゅっと、音がする。
その音に、その動きに、八戒の躰は直ぐさまに反応して。
悟浄を睨むが、それには慣れっこと悟浄は。
更に、腰の動きを大胆にエスカレートさせてゆく。

「悟浄っ!」
「なあんだよ〜。」

パシンと、顔を叩きそうだった手をいち早く握って。
シーツに食い止め、悔しさにきつく睨む八戒に。
悟浄は、してやったりと笑った。

「せーっかくの、バレンタインの夜なんだからさあ。
 そーんな怖い顔しネーのv」
「誰がさせてると、思ってるんですかっ。」
「そりゃ、俺だけどさ。
 今夜は、イー顔の方見せてよv」
「…だったら、手、離して下さい。」
「暴力、反対ヨン?」
「しませんよ。」

解放された八戒の手が、悟浄へと伸ばされ。
スルッと、首へと回される。

「おねだり?」
「はい。」
「んじゃ、八戒の期待に張り切って応えよっかv」
「程々で。」
「愛情もイッパイ注ぎこんでやっから。」
「それは、歓迎します。」
「覚悟しろよ。」

沈み込んできた悟浄の躰を受け止めて、再開された愛撫に。
八戒は素直に、身を任せる。
トロトロに溶けて、甘さが麻痺するまで。
2人のバレンタインの夜は、更けてゆく―――







「捲簾捲簾。
 目を瞑って口を開けて下さいv」
「…何、する気だ。」
「いいからv 早く開けて下さいvv」
「………。」

天蓬との押し問答ほど、無為なものはないと悟りきってる捲簾は。
大人しく言う通りにすると、ポンと口の中に何かを放り込まれ。
次に、天蓬の唇が重なってきた。
舌先に広がっていくのは、ほろ苦い味と柔らかく絡んでくる舌の。
滑る感触。

口の中のものが、チョコだとは判るが。
天蓬の意図は、判らない。
それでも、仕掛けられたキスを捲簾は止める気はなく。
切りのない、長いキスを続ける。

寝っ転がっている捲簾の躰の上に、乗せられている天蓬の細い躰。
落ちないようにと、腕で囲われ重ね合っている。

漸く、キスが解かれ。
天蓬が捲簾の目をジッと、覗き込む。

「お味は、どうでした?」
「美味いが…何で、チョコなんだ?」
「バレンタイン、ですからv」
「お前、そういうのにのる奴だったか?」
「面白そうだったのでv」
「納得。」

捲簾の首の横に、肘を付き短い髪を弄んで。
天蓬はにこやかに、笑っている。
2人だけの、言葉の駆け引き。本音も建て前も、交じり合わせて。
何が本当なのか。曖昧にして。
それが、愉しい。

天蓬の腰に、捲簾の掌が当てられる。
小さくピクリとしたのを合図に、片手は背骨のラインを上に辿り。
もう片方は、双丘の窪みへと潜り込んでいく。

「…よし、しっかり、銜え込んでるな。」
「ええv」
「まだ、イケるな。」
「アナタは?」
「イケるに決まってんだろ。」
「無理しないで下さいねv」

このヤロと、捲簾が天蓬の髪を引っ張り、角度を付けたキスをする。
隙間なく密着した、汗が引いていた躰に熱が再燃する。
どうして、こんなに恋人の躰は気持ちが良いんだろう、と。
まさぐる手は、止まらないし。
感じてしまう肌の震えは、止まらない。

取り込もうと収縮を繰り返す狭道を。
翻弄する為に繰り返される、挿入。
擦る方も、擦られる方も強烈な快感を共有する。

下からの突き上げに脚を、痛みを覚えるまで開いて。
腰を押し付ける。
もっと、繋がりたいと奥の奥まで。

「…また、おおきく、なってる…アナタ、の。」
「お前が、シメ、つけっからだろ。」
「ん……だって、いい…んです…スゴく。」
「俺、もだ。」

乱暴に揺すられて、天蓬の躰がガクガクと揺れる。
目は開けていられなくなり、涙を流すのみ。
その乱れた姿を目の当たりにして、本能に従った捲簾の。
動きは、激しくなる一方。

ぎりぎりまで、引き延ばした到達感を。
息を詰めて解放し、一気に脱力する。
荒い息と共に。

捲簾は天蓬の頬を指先で撫で。
天蓬は捲簾を見つめ返して。
2人は、唇を重ねる。
恋人の甘さを何度でも、味合う為に―――



2006.02.13  UP



★ コメント ★

バレンタインの夜のお話ですv
チョコとベッドと素っ裸(大笑)
シーツにくるまって、怠惰にエロく過ごすのです〜♪

最近、比較対象的に58とケンテンのお話を書くのが好きみたい
一つのテーマで、どっちの側面からもってのが
この書き方が面白いので、また、この書き方をするかも
一粒で二度美味しい…かなv ふふふvv



モドル