姫椿




by 遙か



そう言えば…
この一連の出来事の一番の被害を被った方は
何方だったのでしょうか
今の所思い当たるのは軍の実質の責任者2名の
休暇届けを申請・提出の代理人となった部下の方でしょうか
それとも
休暇届けに認印を押す事になった上司の方でしょうか

********** **********


「捲簾、ここは何処なんですか?」
「異空間をひん曲げて繋がったトコだから、俺にも正確な位置は判らないよ。」
「はぁ…つまり、誰にも判らないっていう事ですか。」
「そうだな。けどこれで、2人っきりになれただろう。」

ニコニコ笑って、僕に捲簾は軽くキスをしてきました。

閣下の執務室の前の廊下から、どういった流れでなのか。
よく判らないうちに、僕は捲簾にここに連れて来られていました。
まあ、捲簾の顔を見れば、これから僕の身に起こる事は大体判ります。
覚悟は一応付けてありますし、自分からねだっておいた事もありますし。
異議を唱える事はありませんけどね…。
強引、過ぎませんか?
連れてくる前に、一言くらいは。ねぇ?
ちゃんと言って下さい。
僕にだって、心の準備というものがありますし。
不安だってあるんです。
この身体で、貴方とって考えると。
うーん。何て表現したらいいのか。
ぴったりの言葉が見つからなくて。

「どうした?」
「いえ、別に。」
「どうした、天蓬。」

2回も言われたら、答えない訳にはいかなくて。

「どうしてここに来たのかな、と。
 貴方の部屋でも良かったのでは、と。」
「ああ、それはな。
 俺の部屋でお前の悲鳴が上がったら、部屋の外が大騒ぎになるだろ。
 事の最中を中断されたくないからな。」
「あの…悲鳴って、僕が出すんですか。」
「出すだろ。2度目でも、あの瞬間は。」

屈んで、捲簾は鼻先で僕の耳の辺りに掛かっている髪を掻き分けつつ。
『2度目』を含み笑いで、囁いてきました。
ドキンと、自分の心臓の音が鳴ったのを聞いてしまいました。

「捲簾…。」

これが、僕の声?
という位の声で、僕は捲簾の胸元のシャツをキュッと握りました。
その僕の手をくるむように、捲簾は手を握ってきました。

「大丈夫だって、相手は俺だろ、前も今もな。」

握られた指先から、捲簾の体温が伝わってきました。
それが温かくて。
それにホッとして。
僕は、珍しく素直にひとつ頷きました。

途端、きつく抱き締められ、爪先立ちのキスを充分して。
それから、その場から身体を抱き上げられました。
スタンダードなお姫さま抱っこの形に。、

「…ベタですね。」
「それがいいのさ。」

笑っている捲簾の首に腕を回して、僕達はもう一度キスをしました。
これからの始まりに。


********** **********


天蓬をベッドの中央に座らせて、俺は自分の上着だけを脱いだ。
天蓬の視線が、そんな俺の挙動をずっと目で追っている。
ギシリと、音を立てベッドへと上がり。
天蓬の前に胡座を掻いて、天蓬の服を脱がす為の手を伸ばした。

俺を見ていた目が伏せられる。
今の天蓬の心境―――戸惑いを隠せなくなっているようだ。
髪を安心させる為に撫でながら、服の袖を抜いた。

そこに現れたのは、丸味を帯びた白い肩。
続く、細い二の腕。
俺が選んで着せているインナーが―――薄いグリーンのキャミに。
白い肌がよく映えているんだが…。
決して、ロリ趣味はなかったよな、俺は。
それが何で、相手が天蓬だというだけでこんな感情が湧き上がるのか。
まあ、つまり惚れてるんだよな、コイツに。

片腕で、簡単に攫える腰を抱いて。
俺へと引き寄せ、身体を抱き込んでから押し倒した。

少女の骨格が、俺の腕の中に収まる。
力を入れたら、壊してしまうんじゃないかっていう華奢さと。
脆さに、思わず慎重になってしまった。

「…捲簾。」

閉じられていた瞼が持ち上げられ、俺を見た。

「ん?」
「大丈夫ですから、壊れたりしませんから…僕は。」
「…ああ。」
「だから、いつも通りに…僕が安心出来るように…。」
「天蓬。」
「僕に貴方を感じさせて下さい。」

天蓬の指が、俺に頬に触れて撫でた。
それに引かれて、俺は天蓬へとキスを落とした。

何度も角度を変えながら、キスを繰り返す。
息が熱くなっていくのを直接感じる。
天蓬の耳の柔らかい部分を2本の指で、擦り合わせると。
鼻にかかった甘い声が上がり出した。
戸惑うように、俺の身体の下で身動ぐ天蓬の身体。

掌で表面をゆっくりと。
今の天蓬を確かめるように撫で下ろしていく。
薄い皮膚の下にある柔らかい肉。
キスを解いて、舌で顎の先を舐め、喉元へと下がり。
首の付け根、服を着て見える処に幾つもの痕を付ける。

吸い上げて、舐めて。
くっきりと付く痕に、ほくそ笑んだ。
自分でお墨付きを許可した天蓬は、何か言い足そうにするが。
口を噤んで、潤み始めた眸で俺を睨んでくる。

この媚態は、俺だけのものだ。
俺以外に見せる事は、決して許さない。
背中を浮かせて、身に付けているものを剥いでいく。
そこで、顕わになった胸の膨らみに目を奪われつつ。
止まる事なく、まだ薄い色の乳首を口に含んで吸い上げた。

ビクンと、跳ね上がる身体を抑えつけるように。
もうひとつの胸を下から、手の中に包み。
堅さの残る柔らかさを揉みし抱き、指の腹で乳首を刺激してやると。
反応良く勃ち上がってくる。

そのまま、両方の胸に別々の愛撫を続けていると。
天蓬の口からは、切れ切れの感じイッている声が零れ始めていた。
それに気を良くした俺は、白い腹を舐めながら。
自分の身体を下へとずらしていき、膝を掬って。
両脚に、大きな角度を保たせた。

天蓬が抵抗するより早く、獣が水を飲む体勢で。
俺は天蓬の少女の部分に口吻けた。

今までになく震え、大きく逃げを打つ身体を力で抑えつけた。
涙声の混じる拒否を口にしてるが、それが本気でないの判っているから。
俺は容赦なく、そこを集中的に舐め続けた。

「……けんれ、ん…。」

天蓬の指が、俺の肩へとしがみつき食い込んでくる。
慣れない快感に耐えようとしているのか、指先も震えていた。
長引かせると拗ねそうだが、今回は下準備を怠る訳にはいかないんだよ。

俺の唾液と、天蓬の裡から溢れ出してくるもので。
もう滑りも良くなっているだろうと、判断して。
先ずは指を1本潜り込ませてみた。
痛みを口にはしないが、圧迫感があるらしくくぐもった声がする。

そのまま2本目、3本目を慎重に挿れると。
キュウキュウと締め付けてきた。
後ろも狭いが、前も随分と狭いんだな。
傷付けたくないのは山々なんだが…出血はどうしたって免れない訳だし。
こればっかりは、天蓬に我慢してもらうしかない。
なんで、少しでもその痛みを紛らわす事が出来るようにと。
俺は天蓬の中に挿れている指を動かして、イイ処を探り始めた。
赤く充血し始めたクリトリスを丁寧に舐めてやりながら。

短く、断続的に上がる、止まらなくなった甘い声。
ゆっくりと、快感に身を浸し始めて力が抜けていくのを見計らって。
3本の指をグイッと押し込み、クリトリスに軽く歯を立てた。

天蓬の全身が、ピンッと強張って。
イッたのが、判った。

俺は身体を起こして、焦点の合っていない眸をしている天蓬を抱き寄せ。
腰を抱いて、俺のを浅瀬に宛い。
位置を確かめる為に、軽く腰を揺すると濡れた音が上がった。
それに反応はするが、力は抜けたままなので。
俺は天蓬へ『愛してる』と唇を合わせる前に告げ。
侵入を開始したのと同時に、しっかりと唇を合わせた。

天蓬の悲鳴が、合わせたキスの中に飲み込まれていく。
全身の引き攣り。
身体の裡を裂く俺のモノに対する抵抗をしながら。
天蓬は俺の背へと、覚束無い手を伸ばして抱き返して。
俺を必死に受け入れようとしていた。

その仕草に、加減というストッパーが外れたのを。
頭の片隅に捨てて、俺も天蓬へと没頭し始めた。


********** **********


頭ん中が、真っ白になった瞬間。
俺と天蓬は、熱を分け合って果てた。
荒い息をつきながら、天蓬を見ると。
首がカクンと崩れ落ちて、気を失っていた。

どうやっても、コイツには夢中に為らざるを得ないというか…。
俺は一人ごちながら、一応の反省をしつつ。
まだ天蓬の中から出る気はないので、気付くまでこのままでいるかと。
天蓬の身体を抱き直した。


天蓬の眸が覚めたら、正式に申し込むかと。
ずっと考えていた事を実行にうつそうと、そう決めた。

『早く、起きろよ―――――天蓬。』



2006.05.01  UP



★ コメント ★

あ〜ノーコメントでいきたい(笑)
流石にブログでは『処女喪失』は書けないよ!
でしたが、書いてたら楽しくてさあ〜
気分は捲簾(大笑)

このお話を書いての大収穫は姫のイラストを頂けた事だな〜vv
もう棚からボタモチ
エビで鯛釣りでしたからね(笑)
本当にありがとうvv

姫元帥を愛して下さるお嬢さま方にこの話は強制的に捧げます♪



モドル