[ジュウキュ サイ]
by 遙か
2人でいる事の意味って
どうやって知るのが一番イイのか知ってる?
だって
言葉だけじゃ物足りないでしょ
もっともっと欲しいでしょ
もっともっと全部―――心も躰も
ね? そうでしょ
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ふと、目が覚めたら真っ暗でした。
―――――何時、かな
昼間はだいぶ気候が良くなっていて、少しだけ暑くなり始めていますが。
夜はまだまだ冷え込んでいるんですね。
空気が、ひんやりとしています。
―――――何も、着ていない所為もあるかな
その分、僕の身体を抱き締めている悟浄の腕の体温が。
温かくて…。
肌を触れ合わせる事をもう一度、僕に。
教えてくれたのは、悟浄でした。
―――――ごめんね、花喃
薄暗い視界のぼんやりとした部屋の中には。
直ぐ近くの悟浄の寝息と。
遠くから聞こえる時計の秒針の動く音が、耳に入ってきます。
不思議な旋律で。
―――――よく眠っていますね、悟浄は
つい、鼻を抓んで起こしたい位に、悟浄は深く眠っています。
僕を抱いて眠ると、良く眠れると。
あっけらかんと、言われましたっけ。
これかせニヤニヤ顔で言われたら、頬を一つ抓ればいいのですが。
素で言われてしまったちら、どうにも…。
対応が一瞬遅れてしまったのを誤魔化すのが、大変でした。
―――――油断大敵って、悟浄の為の言葉ですね
いつも、無造作に掻き上げる髪が枕に散らばっています。
どうしようもなく、好きな人です。悟浄は僕にとって。
喪わずに済むのなら、どんな愚行でも再び犯しても良いくらいに。
口にすると、本気で怒られますから言いませんけど。
―――――馬鹿ですよね、悟浄は
僕を拾って、究極の貧乏籤を引いて。
自嘲的な笑いが込み上げてきてしまって。
それを発散させる為に、僕は悟浄の髪の毛の先をカシッと噛みました。
その小さな衝撃に、悟浄の眸がゆっくりと開かれてるのを。
見つめながら。
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―――――――――――――――ん?
八戒? …どうしたんだ??
朝じゃねえのは、夜だからってのが判る。
けど、その夜になんで起きてんだ?
翠のおめめ、パッチリに。
俺のコト、見ながらさ。
怖い…夢、見たってカンジじゃねえよな。
呼吸は落ち着いてる。
トラウマ…に、引っ掛かってってワケでもなさそーだな。
んじゃ、どーした?
「八戒?」
返事ナシ。
でも、俺はかまわずに八戒へと手を伸ばしてきつめに抱き締めた。
すんなり収まる、細い躰。余分な肉なんかねえ、躰。
痩せすぎだっての。抱き心地云々よりさ、線が細いのってさ。
心配項目に入るぞ、おいこら。
メシ、喰わせてねえみてえじゃん。
―――――と、冗談はさておき。
俺は抱き締めた八戒の髪を撫でながら、八戒の髪にキスをした。
いくつも。たくさん、な。
同じシャンプー、同じ匂いのする八戒の髪に。
「………ごじょ、ぉ。」
腕の中で、顔を見せてくんない八戒が俺を呼んだ。
八戒の声だけど、いつもより甘ったるくて。
いつもより、エロくて。
いつもより、ずっと欲情してる声で。
「八戒v」
ココで、応えてやんなきゃ恋人失格。
俺は耳ん中に優しく囁いて、耳朶にキスして軽く噛んでやった。
ピクンと伝わってくる震えが、輪を広げるよーに。
俺の欲に、共鳴してく。
八戒が俺を欲しがってる。
それが簡単に判っから、余計に火が点く。
どーしよーもなく、引きずられるまでもなく。
俺から八戒にハマっちまう。
八戒も俺も、お互いが欲しーんだからさ。
メチャクチャ抱き合って、溶け合えばイーんだよ。
それで満足すんだからさ、俺達は。
それこそ身も、心もって、な…。
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しなやかに撓る肢体を
力強い浅黒い腕が
抱き締めて抱き直して
飽く事なく貪り続ける
所有する為に
欲して抉りだして
己だけに晒け出させて
エゴの儘に手に入れる
―――――愛する人を
2006.05.28 UP
★ コメント ★
58dayの為のお話です
色々とアクシデントがありまして
なかなか書き上がらなかったのですが
何とか出来ましたv
5月中にアップ出来たので満足です(笑)
BGMはスガシカオ氏の19才
アニメ、xxxホリックのOPですねv
妖しさ満点ですよ〜(笑)
それをイメージして書いてみましたv
如何なものでしょうか(笑)
モドル