桃と苺
【1】 《美味しさと品質をお楽しみ下さい》


この話は不定期連載の形を取ってます
この話は天八萌え仲間の茗子嬢に捧げます



僕の八戒は、一つ年下で
黒のショートヘアに、翠の瞳が綺麗な
可愛い系の美人さんです
勿論、中身も可愛くて
思わずぎゅうってしたくなり…いえ、しちゃってます
いつでも、どこでも
恋人の権利だから、行使させて貰いますよ?
どんなに貴方が恥ずかしがってもね、八戒v

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僕と八戒の運命の出逢いは、この全寮制の学院に。
八戒が途中転入して来た時でした。
中高一貫の女の花園に、お家の事情で…。
まあ、殆どの皆さんもそうなんですけど。
僕も例に漏れず、ですし。

そんな所ですから、外からの風には皆さん、興味津々にならない訳がありません。
僕はそれまで、そういった事に無関心だったのですけど。
八戒にはそんな事を言ってられませんでした。
衝撃的って、言うんですか。
この僕が、本当に受けましたから。吃驚しましたよ。

正直に、僕のモノにしたいって思いましたからね。
寮長と副会長の権限を有効活用して、他を牽制したのも策略したのも。
勿論、初めてで。
それは全て、八戒を僕の手に入れる為のものでした。

早い者勝ち、と思ったのですよ。
カンみたいなものですが、これが働きましてね。
それは、見事に的中した訳で。
現在の僕は、八戒を独占しています。

当然、双方の同意の元にですよ?
理不尽な事も無理強いな事もしていませんよ?
不粋じゃないですか。
僕はそういうのは、好まないんです。

僕が、ちゃんと手掛けて。
八戒からも、ちゃんと出来るようにする方が。
楽しみがあって良いじゃないですか。

可愛い可愛い、僕の恋人、八戒。
もっともっと、可愛がってあげますからね。
僕の全身全霊の愛情を込めてv


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僕が家の事情で、この学院に転入した時は。
不安で仕方ありませんでした。
周りは、誰一人知らない方ばかりですし。
性格は、とても積極的とは言えないですし。
ポーンと、一人で放り出された様な感じで。
僕は小さく縮こまっていました。

皆さん、親切に声を掛けてはくれるのですが。
緊張から、儀礼的なお返事しか返せなくて…。
どうしても、馴染めないでいました。

そんな、俯いてばかりの僕に…。
『ちゃんと顔は上げましょうねv 勿体無いですよ』って。
声を掛けて、僕の頬をその掌で包んで。
顔を上げさせてくれたのが、天蓬お姉様でした。

今でも、あの時の事はしっかりと覚えています。
考えると、ドキドキしてしまいます。
こんなに綺麗な人がいるなんて…と、吃驚しましたから。

何故、お姉様が僕をかまって下さるのか、判りません。
…みそっかすで、放っておけないと思って下さったのでしょうか。
だったら、それで良いです。
他の方々よりも、僕はお姉様のお傍にいたいと。
図々しくも、思ってしまったのですから…。

僕は…天蓬お姉様が、好きなんです。とても。

でも、口に出せないから。
せめてお傍にと思っていた僕の願い事は。
お姉様の一言で、とても簡単に叶ってしまいました。

『好きですよ、八戒。貴方は僕の事をどう思っていますか?』
『好きですっ。僕はお姉様の事が初めてお会いした時から。』
『それは嬉しいですね。僕達は運命の恋人だった訳ですね。』

その後、言葉が詰まって何も言えなくなってしまった僕を。
ぎゅうっと、抱き締めて貰ったのまでは覚えてはいるのですけど。
あの…その…唇が重ねられたのは、、夢現で…。
思い出すのが恥ずかしいくらいに、曖昧なんです。



続く★



モドル