桃と苺【2】 《美味しさと品質をお楽しみ下さい》
この話は不定期連載の形を取ってます
この話は天八萌え仲間の茗子嬢に捧げます
通り雨
空から突然、降り注ぐ雨は一つの思い出を作ります
不意の出来事は、進展の後押しを
時にはしてくれるのですから
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八戒に生徒会の用事を手伝って下さいな、と。
お願いして、外に連れ出した日曜日。
朝から快晴で、予報も一日晴れと言う事だったのに。
いきなりの夕立に、僕も濡れネズミにされてしまいました。
ただ、不幸中の幸いで、もう寮に近かったのでダッシュで帰り着きました。
生徒会の用事――買い物の荷物を持った儘の八戒を。
その儘、僕の部屋に連れて来ちゃいました。
「このままじゃ、風邪を引いてしまいます。
一緒に、シャワーを浴びましょう。」
一緒というポイントに、真っ赤になった八戒を。
有無を言わせないうちに、脱衣所へと連れて行き。
濡れた張り付いていた服を脱がせ、僕も素早く脱いで。
浴室を温める為に、シャワーを思いっ切り出しました。
ふわっと温かい湯気に包まれて、ホッとしながら。
僕は八戒を抱き締めて、頭の上から降り注ぐシャワーの中に立ちました。
両腕で引き寄せている八戒は、恥ずかしさから身の置き所がないらしく。
身体を固くさせていました。
これが、初々しいって言うんですねv
「寒くないですか。」
「だ、大丈夫…です。」
「まだ、冷えてますね。」
俯こうとするばかりの八戒の顎を取って、唇を重ねました。
一瞬、戸惑って、逃げようとしましたが。
僕がそれを許す筈がないでしょう?
ぎゅうっと、抱き締めて、胸を押し付けてみました。
「…あっ。」
可愛い声が漏れたのと同時に、僕は舌を滑り込ませ。
八戒の舌に、僕のを絡ませました。
ディープキスといえど、まだまだ序の口ですからね。
これからです。
八戒って、どこもかしこも甘くて柔らかくて、気持ち良いです。
調子に乗ってしまいそうです。
逃げなくなった八戒の胸に、僕はそっと触れてみました。
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雨で濡れて、冷えてしまった身体が。
今は嘘の様に、熱いです。
頭の中は、お湯が沸騰しているみたいに。
何を考えて良いのか、判りません。、
誰かと一緒に、お風呂に入るなんて物心付いてから記憶にありません。
いつも、一人でしたから。
それが、ふ、服まで…ぬ、脱がされて。
一緒にシャワーを浴びている現実に、僕は対応しきれませんでした。
全部、恥ずかしいんです。何も着ていない事。
天蓬お姉様と一緒に事。お姉様も何も着ていない事。
まともに、目なんて開けていられなくて。
何をどうすれば、良いのか…僕は全く動けなくなってしまっていました。
シャワーが身体に当たる音と。
お姉様の声しか聞こえなくなって、僕は話し掛けられる度に。
目眩がしていました。
お姉様とのキスは、初めてではないのに。
心臓が壊れてしまいそうに、ドキドキとしています。
こんなキスの仕方が、あるなんて知りませんでした。
お姉様に任せながら、僕は意識が朦朧としかけました。
そこへ、胸の先に触れてきたお姉様の指先に。
吃驚して、声を上げてしまいました。
「ここを押すと、可愛い声が出るんですねv」
「あ、あの…。」
「はい、何ですか、八戒。」
「………。」
にこにこっと笑いながら、僕を見つめてくるお姉様に。
『手を動かさないで下さい』と、とても言えなくて。
「…何でもありません。」
と、言うのが精一杯でした。
なのに。
「そうですか?
では、身体も温まった事ですし、ついでに身体を洗いましょうね。
勿論、八戒は僕が洗ってあげますからv」
!!!!!
信じられない申し出に、僕が固まっているうちに。
シャボンを泡立てたバスタブの中に、入れられて。
手際良く、全身を洗われてしまいました。
お姉様の手で…。
その後、途中で逆上せてしまい、記憶が曖昧なのですが。
あの日から、お姉様のスキンシップが以前より多くなっているのは。
決して、僕の気の所為じゃないと…思う、のですが…。
続く★
モドル