僕らの永遠


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沢山の言葉
伝えたい言葉
俺からお前へ

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今年の八戒の誕生日に何をやろうかと悩んだ俺は。
直接、八戒に希望を聞いてみた。
サプライズじゃなくなるけど、偶にはこんなのもいいじゃんか、と。
思い付いて、実行してみた。

八戒は、俺の提案にきょとんとして。
次に、暫く考え込んで。
にっこりと、リクエストを口にした。

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それが、一週間前の話。
んで、今日本日が八戒の誕生日、の朝。
いつもは睡眠タイムで、八戒も無理には起こさない時間に。
俺は起きていた。
…八戒に声は掛けて貰ってだけどな。

天気ヨシ。
残暑がちっと残ってけど、開けてある窓からの風は気持ちイイ。
そんな中。
八戒が作ってくれた朝メシ。八戒が淹れてくれたコーヒー。
それらを目の前に座って、ニコニコしてる八戒の笑顔を見ながら食うのって。
すんごくイイ。

穏やかって言うんだよな、こーゆーの。

「悟浄」
「ん、ナニ?」

実はリクエストの本題は、まだ聞いてねぇ。
今朝、一緒にご飯食べましょうって、しか。
だから、来たなと身構えると。
八戒がクスクスと笑いだした。

「ナニよ」
「シーツを干したいので、食事が終わったら手伝って貰えますか」
「イイけど…」

肩透かし。
え? そんなんでイーのか?
言葉が続かなくなかった俺に、八戒は目を細めて微笑んでくる。

「お願いしますね」

柔らかい声色で。
いつもみたいな、有無を言わせないってのじゃナイ。
だから、俺も素直に頷いてた。

「ウン」
「ありがとうございます」

不思議な気分になった。
擽ってぇ。
胸がドキンと、する。
丁々発止で構えるコトがなく、緩やかさを感じるのって。
そんで、それを受け入れてる、自然にさ。

八戒が笑ってる。
俺のコト、呼んでる。
不安定さが、ドコにもナイ。
落ち着いてて、それが凄く眩しかった。


洗濯モンを干した後は、買い物のお供。
行きも帰りも、普通に話をしながらで。
あんなコトがあった、こんなコトありましたって、たわいないコトばっか。
それに、ひとつひとつ声出して笑って…。
そんな八戒の笑顔に見惚れて…。
俺の胸の動悸は、ドンドン増してった。

     ◆◇◆◇◆◇◆◇

夕メシは、八戒が腕を奮ってくれた。
俺的には、どっかの店でと思ってたんだけど。
リクエストを聞いた時に、僕が作りますから家でとお願いされたんだよな。
八戒が主役だからさ、八戒の好きな様に。
それが一番だと思ってさ。

…イイんだよな。
八戒がさ、喜んでんのがイイんだからさ。

ただ、ケーキだけは俺に買わせて貰った。
意地で。
それと、花。
毎年、贈ってっからな。
八戒も嬉しそうに受け取ってくれたから、ヨシだ。
でも、どーしても聞いておきたいコトがある。


「なあ、八戒」
「何ですか」
「ナンかさ、折角の誕生日だってのに特別なコトひとっつもしてねぇんだけどさ、コレでイイのか?」
「ええ」
「でもさ…」
「特別ですよ、誕生日に悟浄…貴方にお祝いをして貰えているんですから」
「俺?」
「はい、僕は貴方と一緒に日常を過ごしていけるのが、一番なんです。それがどんなに大切で大事な事か、貴方に教えて貰っていますから」
「それは俺もだって、八戒がいてくれっから…」
「同じです、同じだから幸せなんですよ、悟浄」

言葉がいらなくなって。
俺は八戒を思いっ切り抱き締めてた。
胸ん中に思いっ切り広がってく幸福感。
俺にコレをくれるのは、八戒一人だけだ。

絶対に言いたいコトをひとつ、八戒の耳ん中に囁いてから。
背中に回された八戒の腕を感じつつ。
恋人の誕生日の夜に、俺は喜んで溺れてった。


2010.09.21 up





★ コメント ★

2010年の八戒誕生日話です
白を!
白い八戒を目指してみました(笑)
それから、幸福な日常を
今まで縁の無かった2人が恋人の誕生日を祝える
そんな幸せを感じて欲しくて

お誕生日おめでとう、八戒vvvvv






モドル