「僕を貰って」
表コンセプト「僕を貰ってください悟浄 ?」
裏コンセプト「生殺し58」
注意事項)悟浄の誕生日にドS受け八戒をプレゼント。おめでとう悟浄!
「お誕生日、おめでとうございます。悟浄」
「え? 覚えていてくれたの? サンキュー」
悟浄は顔を綻ばせた。なんだかんだいったって大好きな八戒に誕生日を祝ってもらうのは嬉しい。
今年のプレゼントはなんだろう。去年は八戒お手製のケーキだったし、その前はジッポーのライターその前は……などと悟浄が思いを巡らせていると八戒が言った。
「今年は……僕がプレゼントっていうのはどうです? 悟浄」
そういうと、八戒は自分の服のボタンを外しだした。悟浄のことを見つめたまま、その欲望を煽るような仕草で服を脱ぐ。シャツが無造作に八戒の足元に落ちた。白い裸体が悟浄の前に月光に照らされて艶めかしく映る。
「こんな趣向もたまには悪くないでしょう」
妖しく囁かれる誘惑の言葉。冷静になって後から考えれば、いささか唐突だと思わないでもなかったが、
このときは気がつかなかった。
「僕を……貰って下さい。悟浄」
圧倒的な、躰の奥から噴き上げるようなその色香の前に。
悟浄はあっけなく陥落した。
「は……なに、今日って……すごい……積極的じゃん……」
黒い絹のような髪が、悟浄の下肢で踊る。八戒は舌で悟浄の猛り始めたものを舐め上げ、ずっぽりと奥まで咥え込んでいた。
「は……む。だって今日、ごじょ……誕生日……ですものね」
八戒は淫蕩な笑みを浮かべて、悟浄の方を上目遣いに流し見る。その目つきが悪魔のように蟲惑的だ。
その表情だけで、達してしまいそうだと思いながら、悟浄は腰奥に集まってくる快楽の火種をなんとかやり過ごそうと奥歯を噛み締めた。
「くっ……」
精悍な顔立ちを歪めて耐える悟浄に、八戒がちらりと一瞥を投げかける。
「イイみたいですね。悟浄」
昼間見せている、温厚な好青年の仮面を脱ぎ捨てた八戒が淫らな表情で舌なめずりする。
悟浄の先端に軽くキスをすると、塩気のある先走りを滲みだしたそれに、ねっとりとした愛撫の手を施した。
そして、そのまま奥まで咥え込む。
「う……わ! 八戒ッ」
ゆっくりとした、柔らかな愛撫から、強烈に吸われる口淫に急に切り替えられて、悟浄が慌てる。
「す、すっげぇ、バキュームフェラ……ち、ちょっとまって! タンマ!勘弁して!」
眩暈のするような感覚に悟浄は意識を失いそうになった。
連続でこんな刺激を与え続けられたら絶対にもたない。
「んなにされたら……イク……イッちゃうって! 八戒タンマ!! 」
悲鳴を上げて上体を仰け反らす悟浄に黒髪の恋人が無慈悲な調子で告げた。
「まだ、イッちゃダメですよ。悟浄」
「!」
八戒は悟浄の根元を押さえて握り込んだ。その後ろの双球もついでに後ろへと引っ張る。
悟浄の中で射精感が一瞬薄らいだ。
「もっと……僕を感じて……悟浄」
八戒は妖しく微笑んだ。涙目で呆然と見つめる悟浄にくちづけると、そのまま押し倒す。
「ま、待った、何する気? 」
焦ったような声が悟浄から漏れる。すっかり主導権を奪われて立場がない。
「ん……」
八戒は上唇を舌でひと舐めすると、自分の後ろへと悟浄の猛りきった肉塊を導いた。
硬く育ちきった悟浄のが、八戒のナカへと入りたがってひくひくと蠢くのが卑猥だ。
八戒はそれに、自分の淫らな粘膜を擦りつけるような動きをした。腰を自ら動かして、粘膜で悟浄を愛撫する。
しかし、完全に挿入はさせなかった。挿れさせてもらえそうなのに、挿れさせてもらえない。このギリギリな感じが悟浄を苦しめ煽り立てた。突っ込みたくてしょうがない。
悟浄は段々目が血走ってくるのが自分でも分かった。
八戒は上体を前傾して、悟浄にくちづけてくる。甘い甘い蕩けるようなキスを振る舞う八戒は官能的だった。それは後頭部まで舌の感覚が走り抜けてぐずぐずになってしまうような性的なキスだった。
その感覚は腰奥にまで伝わり、響いて痛いほどになって悟浄を苦しめた。キスと、後ろでの素股だけでもう既に悟浄のは、血管が浮き出るほどに張り詰め、これ以上はないくらいに硬くなった。勃ち過ぎて苦しいほどだった。
それでも
なかなか、八戒はその腰を降ろそうとはしなかった。
「挿れさせて! 八戒ッ! お願いッナカにッ」
悟浄は必死だ。ほとんど拝むようにして必死で懇願する。
しかし、八戒の答えは辛辣だった。
「まだですよ。悟浄。しばらくこのままでいいでしょう? 」
「……!! 」
血走った目で恨めしそうに見上げる悟浄の前で、八戒は嗜虐的に口元をつり上げた。
紅い髪の男前が、自分を欲しがって身悶えしているというのに、それをこんな冷然と無視できるとは、八戒も相当なものだ。
こうなったら実力行使だとばかりに、悟浄が腰を突き上げるようにして動こうとする。
すると、八戒は動こうとするその胸に手をついて制した。
「いけない人ですねぇ。まだまだ、オアズケですよ」
心地よさげに微笑みを浮かべる八戒が、圧し掛かられている悟浄には、まさに悪魔そのものに映っていた。
紅い舌で、その唇をぺろりと舐める様が、官能的でいやらしい。
「八戒ッ……!!」
そして、とうとう。
「あ……ああっ……あ! 」
無念そうな呻き声を、歯の間から漏らすようにして、悟浄は達してしまった。白濁した精液が飛び散る。
「我慢できなかったんですね。悟浄、こんなにお漏らしちゃって。早いですよ、あなた」
冴え冴えとした八戒の口調に悟浄は軽い屈辱を感じていた。
「ふ……でも、いっぱい出ましたね。よかったですね」
悟浄としては、八戒の躰の下で悶絶するしかない。
「この……悪魔! 」
「ご挨拶ですね。おや、あなたにしちゃ、濃いというか……ほとんど固まりですよね。最近は抜いてませんでしたっけ? 」
八戒は自分の手を濡らす、悟浄の精液を手に掬うと、そのまま口元に運んだ。
「ん……オイシ」
ぴちゃぴちゃと音を立てて、悟浄の精液で糸をひく自分の指を舐める。
淫蕩そのものという風情で、男の体液を啜る八戒は、月明かりに照らされて、この世のものとも思われないほど艶めかしい。
「……でも」
八戒は呟いた。
ぐちゅ。
精液の滴る指で、八戒は放出してもいまだに天を仰いでいる悟浄のものを握り締める。
「我慢ができなかった人にはお仕置きですよね」
「え……? 」
悟浄がその目を大きく見開いた。八戒の手のなかのペニスが微妙に震えた。かちりと音がする。
何か、硬いものを嵌められた感触がした。
悟浄は、首を上げて自分の根元に嵌められたものを見た。
それは
革製のコックリングだった。
ペニスの根元にきつく嵌められている。
「ち……ちょっと? ちょっと八戒さん? 」
蒼白になりながらも、悟浄は自慢の息子をそのまま淫猥な仕草で扱きだした八戒に抵抗できなかった。
「ふ……もう少し、柔らかいときに嵌めた方がよかったかも知れないんですけど。でも気持ちよくしてあげますよ。悟浄」
つ、と八戒の指が悟浄のペニスをなぞった。惑乱するような快美感とともに、それが体積を増してゆく。しかし、普通は頂点目がけて直線的に跳ね上がる快楽を、嵌められたリングによって塞き止められて、悟浄は悶絶した。
別に痛いわけではない。
逆だった。
射精の、絶頂感をひたすら引き伸ばされるような、途方も無い腰を焼くような性的な甘い快美感に引き裂かれる。
八戒はそれを百も承知で、再び悟浄のに舌を伸ばしてそれを啜った。
「ぐ……ぁ」
悟浄が目の前で火花が散るような、悦すぎて眩暈がするような感覚に悶えた。
「はっ……かい! 」
先端から先走りとは異なる濃い色の精液が滲み出した。
八戒はそれにくちづけ、舐めとる。悟浄が、天を仰いだ。仰け反って震える。快感が、引き伸ばされて拷問に感じる。こんなセックスは初めてだった。
ペニスの先から、精液がだらだらと滴り落ちる間、絶頂感が永遠に続く感じがして悟浄は身を捩った。
イキたくてもいけない。まさに生殺しだ。
「八戒ッ頼む! お前のナカでイキたいってのに……! 」
悟浄は振り絞るような声を出した。快楽で脳が焼かれるようだった。
「じゃあ、悟浄」
八戒は既にべたべたに手を濡らしている。悟浄の精液に塗れたその指を自分の後ろに宛がった。
「そこで……見てて下さい」
「は……ッ」
八戒が、左手で自分の胸の尖りを、右手で自分の後ろを解すようにして、指を出し入れする。
白い躰をわななかせて、仰け反らせると悟浄の躰の上で、快感に喘いだ。
「ふ……イイッ」
とはいえ、騎乗位よろしく悟浄の躰に跨ってはいるが、全く悟浄とは繋がっていない。無慈悲にびくびくと震える悟浄のものを放置して、八戒は自分で自分を慰める行為にふけっていた。
「ああ、ああっ……も、たまらない……」
八戒は自分の後ろを犯している指の本数を増やした。一本二本と、その形のよい長い指が吸い込まれるようにして飲み込まれ、ピンク色した淫猥な粘膜を捲り上げるようにして動く。
前の方にある、前立腺のイイところに宛がおうと、八戒が指を走らせる。上手く探り当てたらしく、何も触れてもいないのに、八戒の前が、勃ちあがってびくびくと震えた。
「んんッ……あっあ……んッ」
目の前で、しかも至近距離でそんな艶姿を見せつづけられている悟浄はたまったものではない。
だらだらとお行儀の悪い涎のように、精液を滴らせながら、八戒のいやらしい自慰行為を眺め続けるだけだ。
「んな自分の指でなんてイクなよ! 八戒ッオレの挿れてやるからッ! オレのがいいだろうが!! 」
もう、悟浄の頭の中には、ナマで八戒の後ろにぶち込むことしかない。他のことなんて一切考えられなかった。
「ふふっ……焦らした方が……気持ちいいんじゃありません? どうです悟浄……」
もう、限界だった。我慢などこれ以上無理だった。悟浄はどこかで自分の何かが切れた音を聞いたような気すらした。悟浄は艶めかしくオナニーショーを繰り広げるその躰を全身の力を振り絞って引き寄せた。
サディスティックな恋人を叱りつけるようにきつく抱きしめる。
「……! 」
素早く体位を交換する。
悟浄は、サド気質な恋人を自分の躰の下に敷きこむと、心の底から安堵したような、ため息を吐いた。
「ったく……」
抗う美しい獣のような八戒を逃すまいと、押さえつけたまま、悟浄は自分に嵌められたコックリングを苦労して外した。
途端に、塞き止められていた内部の熱が、急激に放出を求めて狭い出口へ集中し、暴れ狂うのに必死で耐えた。耐え切った。
「何がお仕置きだ。今度はオレがお前をお仕置きしてやるよ。八戒」
そういうと、悟浄はもの凄い勢いで、八戒のナカに押し入った。ぐちゅぐちゃと卑猥な音を立てて媚肉を穿った。
「あっ……ああっ…ん」
八戒の口から押さえようもない嬌声があがる。激しい交尾のような抽送だった。
「ったくこんなに煽りやがって……どうなるか、覚悟してんだろうな! 絶対に優しくなんかできねぇし、途中でなんか止めてやらないぞ! 」
「ひ……! 」
敏感な孔を穿たれ、抉り回される。悟浄の本能のままに腰を打ち付けられて、八戒が悲鳴を上げた。
奥まで立て続けに穿たれて、悟浄の下生えのあたる感触がした。
「あっ……激しすぎ……ごじょ」
「知るか! 止まんねぇんだよ。お前のせいだお前の! 」
確かに八戒はやりすぎた。
「あ、きつい……きついです、ごじょッ……! 」
肉を穿ち、より奥に入るように悟浄は八戒の脚をM字型に曲げさせて貫いた。恥ずかしい格好だった。
「ひっ……! 」
八戒が粘膜の弱いところを抉り回されてぶるぶると震える。悟浄は捏ねるように腰を回した。
「いやっ……いや悟浄ッ」
今や八戒は動物のように犯されていた。悟浄を煽り過ぎたのだ。躰を喰われるように犯されている。
優しさの全くない、情欲だけの獣の仕草で、悟浄は八戒の髪をつかむと、抗えないように押さえつけて、奥の奥を穿った。
「ああああっ! ……やぁ嫌です……ご……じょ」
恥ずかしい体位で躰の奥まで割開かされて脚を広げ、雄を受け入れさせられる。
「足りねェ。八戒ッ足りねェよ」
抜き差しする動きが加速するように早くなり、その穿たれる強さに八戒が眉を顰めた頃、悟浄は、八戒のナカで達した。
びくびくと震えるそれが、精液を放出して淫蕩な熱が粘膜中に広がる。
「や……! 」
「クソ……! 」
悟浄は、そのままぐるりと腰を回した。
「ひ……! 」
八戒は躰を震わせた。乱暴に人形のように躰をそのまま揺さぶられる。
「止めて……嫌ですもう! 止めて下さい」
「だから、止まんねぇっつたろ! 」
悟浄は、射精しながら八戒を貫きだした。粘膜に精液が突き刺さるような淫らな感覚と、それを追うように悟浄のペニスで抉り回される激しい感覚に八戒がのたうつ。
わざと、悟浄が入り口で浅く抜き差しをした。途端に卑猥な濡れた音が立ち、聴覚まで淫靡に染め上げられた。
八戒の下の口がひくつきながら、悟浄を捉えようとして収縮すると、貫かれる音はますます淫らに恥知らずに大きくなった。
「ああッ……ん」
モノのように、犯されるような。獣かなにかまで堕されるようなセックスに、精神がついていけない。
忘我すれすれの状態で、八戒は悟浄のなすがままにいまや躰を揺すられていた。
いままでも、抜かず三発みたいなことはよくやられていたが、ここまで激しい抱かれかたは初めてだった。荒々しく道具のようにペニスを出し入れされる。
「嫌ッ……いやぁッ」
いつ放ってしまったのか。八戒も前をしどどに濡らして達してしまっていたが、いつイッたのか覚えがまったくなかった。
躰の中いっぱいに暴れまわる悟浄の感覚が全てだった。夢中で悟浄とのセックスに溺れる。
「ごじょ……ごじょッ」
許しを得ようとする人のように甘い声で啼きながら、八戒が悟浄の背に腕を回して縋る。
既に、悟浄の背には、八戒の爪のあとが幾筋も紅くついていた。
目の色の変わっている悟浄が、八戒に配慮もなしにその躰を裏返す。
ペニスを抜かれずに躰を回されて、八戒が喘ぐ。肉筒を軸に回転させられて、ひどく過敏な箇所に、空気が入った音がした。
「や……ん」
悟浄は、八戒の腰を高く掲げさせると、そのままぶつけるように獣の交尾のように八戒を穿った。
肉と肉がぶつかる音が部屋に響いた。悟浄の太腿が、八戒の尻肉に当たるぱんぱんという音が立ち、情交は獣じみたものに成り下がっていた。
「あっ……いい、イイッ、はッ……ごじょ気持ちイイッ……!」
腰を打ち付けられながら八戒が喘ぐ。
「八戒……! 」
「も……腰からし…た……溶けそ……! 」
八戒が悦がりながら、躰を震わせる。快楽のあまり、生理的な涙で瞳は潤み、焦点はあってない。ひたすら悟浄の与える暴力的なまでの快楽に溺れきっていた。
「あ……! イク……またイッちゃう……! 」
「は……スケベな躰してんじゃん……」
悟浄が腰を押し付けて捏ねまわすような動きをした。
「犯してやるよ。今日はイヤっていったってしてやるから」
「壊れ……ちゃ……ごじょ! あ、ああッん」
八戒が艶やかな声を放って喘ぐ。
それはいつまでも続いた。
「も……なにもでねぇ……」
悟浄がやっと気がすんだというように、八戒の躰の上に倒れ込んだ。荒く息を吐く悟浄の躰を八戒は呆然と受け止めていた。
躰の奥の奥まで犯されるようにして男に貪り尽くされ、精も根も尽き果てていた。もう、一指だって動きはしない。
部屋の中には濃い精液の匂いが充満している。二人分のそれは、八戒の躰をあますことなく汚していた。
内側も外側も満遍なく精液に塗れてごわついてる八戒は、後始末をしようという余裕どころか、そんなことを考えることもできないでいた。
もう、貫かれすぎて、脚の間にまだ何か挟まっているかのような違和感がある。今歩くと、さぞみっともない歩きかたになる筈だ。
いかにも男に犯されましたと背中に紙でも貼られたような無残な動きしかできないだろう。というか、そもそもそれ以前の問題として躰が動かない。
「う……」
だるくてしょうがない躰をそれでも無理やり起こそうとした。二人の下のシーツは既にたっぷりと体液を吸ったあと一度乾いたらしく、ごわごわした感触を伝えてくる。
あたり中が、がびがびしていて閉口するありさまだった。
しかし、起きようとしても、そもそも悟浄がまだ躰の上に乗っていて動こうとしない。
「ごじょ……」
すっかり掠れてしまった声で悟浄を呼ぶと、悟浄がやはり全精力を遣い果たしたとでもいうような様子で目を開け、寝ぼけたまま愛しげに八戒の頭を撫でた。
そして、ひとつあくびをすると、自分が何をしていたかに思い当たった様子で肩を竦めた。
「ったく……わりぃ。やりすぎたわ。オレ」
そう言うと、ベッドサイド近くの机の上にあるティッシュを何枚かわしづかみ、八戒の股間を拭おうと近寄って来た。
「自分で……できます。悟浄」
掠れてガラガラいう声で八戒は悟浄からティッシュを受け取った。そのまま、自分で拭おうと、脚を開く。
途端に、つうと、悟浄のものが溢れてきた。
「あ……」
ナカは悟浄の白濁液でいっぱいだった。
「風呂行くしかねぇな、それ」
悟浄は頭を掻きながら呟いた。
「立てるか。オイ」
そう言って、八戒の肩を支えてベッドから降ろそうとするが、完全に八戒は腰が砕けているらしく、思いのほかてこずった。
それでもなんとか、床に足をついて、悟浄に支えられながら風呂場へと足を向ける。
そのときだった。
思わず八戒はその場にうずくまりそうになった。
熱いものが、躰の中からどろどろと外へ流れ出る感覚が走ったのだった。
後孔から悟浄の放った精液が垂れ、それは一度漏れ出ると、それが呼び水になったかのように、あとからあとから脚を伝い床に垂れて汚した。すごい量だった。
「…………!! 」
なんともいえないその感覚に、八戒が躰を震わせて耐える。
いままで、これに近いことはあったが、ここまでひどかったことはない。
それほどまで繰り返し、悟浄に気の遠くなるほど抱かれ、何回も交わり、犯された証拠だった。
しかも全部中出しで。
「後で掃除しよ。な、今は躰を綺麗にしよ、さ、いこいこ」
恨めしそうな八戒の視線を宥めるように、悟浄は八戒の肩を担ぐようにして支えると、部屋続きになっているユニットバスのドアを開けた。
八戒の躰を押し込むようにして中に入る。
「あなたって人は……!」
狭い風呂場で、声が出ないながらも八戒が叫んだ。
「だって、お前があんなことすっから! なんだよ。お仕置きって! オレがしたいってのに挿れさせてくれないし! いじわる! 」
悟浄が負けずに叫んだ。
「だからって、こんなことしていいなんてことありますか! 何度ヤれば気が済むんです! こっちは死ぬかと思いましたよ! 」
緑の目をつり上げて、八戒が喚く。
「うるせ! そもそも悪いのは八戒だろ! 変なのでオレのアレは縛るし、とにかく挿れさせてくれないし。なんなわけ! なんであんなに焦らすんだよ! このサド! 」
悟浄が理不尽だとばかりに反撃した。もう止まらない。
「なにが『誕生日に僕を貰って』だよ! どこがだよ! 好きにさせてくれねぇし。ひどいじゃんか」
「それは……」
八戒が言葉に詰まった。
「誕生日……ですから」
「へ? 」
悟浄が目を丸くする。
「いつも……悟浄に僕、気持ちよくしてもらってるから……誕生日には、悟浄のことも気持ちよくさせてあげたかったんです」
八戒が、恥ずかしそうに横を向いた。悟浄が意表を突かれるその答えに毒気を抜かれる。
「だから……誕生日の日は、僕の方が動いて悟浄を気持ち良くさせたいなって……」
「……なにいっちゃってるんだか、よくわかんねぇケド」
悟浄は美人な恋人の頭をくしゃくしゃと乱暴に撫でた。悟浄の白い飛沫を浴びて、綺麗な髪はすっかりごわごわになっている。
「オレはお前としてるだけで気持ちいいの! ていうか一緒にいるだけで気持ちよくて幸せなの! んな、変なプレイとかはしなくていいの!!! 」
一気に息もつかずに言い切ると、悟浄は鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている八戒を抱きしめた。
「ん……も、バカだお前。ホントばか。頭良さそうだけど、実はお前ってばバカでしょ」
「悟浄に言われたくないですよ 」
可愛くない憎まれ口を利くその唇を悟浄は塞いだ。甘い、甘い恋人同士の蕩けるようなくちづけを二人で交し合う。
狭いユニットバスの空間に、甘い吐息が漏れた。今度こそ八戒の躰から力が抜ける。
悟浄はその躰を支えて、洗おうと蛇口を捻った。勢い良く出る湯を片手で調節する。
そのまま、悟浄の胸におとなしく躰を預けながら八戒は呟いた。
「ふふふ。でもちょっと良かったでしょう? 悟浄」
八戒が抱きかかえられたまま、口元にあった悟浄の指をぺろりと舐めた。
「ん? まぁな」
シャワーの湯の熱さを確かめながら悟浄が答える。
確かに、我慢したあとの八戒の躰は最高だった。中に入ったとき、蕩けちゃうんじゃないかと思うほどの快美感に悟浄は包まれたのだ。
「じゃあ、またいろいろ研究して……試してあげますね。悟浄……」
八戒は気だるげに囁いた。ぞっとするような濡れた瞳でこちらを流し見る視線が艶めかしい。
悟浄自慢の恋人は、どうも全然懲りていないらしかった。黒髪碧眼の美人さんに悟浄は心の中で舌を巻いた。
躰中にいやというほど情交の跡がついたその躰を洗ってあげながら、どうしたらその妙な研究熱心さを止められるだろうかと、悟浄は首を捻った。
綺麗だし美人だけれど、八戒はやっぱり、どこか変わっているのかもしれない。
それでも、顔を蹴られようが、足蹴にされようが、ひどい目に合わされようが、ついつい全部許してしまうのだから、もうこれは惚れた弱みとしかいいようがなかった。
悟浄は八戒に聞かれないように、こっそりため息を吐いた。
了
★ コメント ★
『八(hati)』の伊藤さまから頂きましたv
今年のお誕生日は一緒のテーマで書きましょうとお約束して
一緒に書いた作品をおねだりして、強引に頂いてきました(笑)
あー、八戒の色っぽい事…悟浄じゃなくたって、目眩がしますですよ
いいよな〜悟浄、八戒が恋人なんだもん
と、私が足蹴りにしたいですv(にーっこり)
又、色々と八受け語りして下さいねvv
本当にありがとうございましたv
モドル