I am
by 遙か
同居から同棲。
それは、他人から恋人への、大きな変化。
想いが、通じ合えたのが、ただ、嬉しくて。
ただ。
ただ。
嬉しくて……。

「はあっかい。」
「はいはい、何ですか、悟浄?」
「八戒、八戒、八戒……。」
「だから、何ですか、悟浄。」
まるで、動物園のゴリラが飼育員に懐く様に。
悟浄は八戒に、ベタベタと纏わり付いておりました。
三蔵が、この場におったらば。
眉間に皺、額には三叉路の怒りマーク、手にはS&W。
そして、標的には悟浄となっていた事でしょう・笑。
「まあだ、終わんねえの?」
「もう少しですから。」
食事の後のお片付け。
シンクで、食器を洗っている八戒の背中に張り付いて。
さっきから、催促のし通し。
もう、八戒にかまって欲しくて、欲しくて仕方のナイ悟浄は。
痛くは無い様にと加減して、八戒の肩に顎を乗せて。
くんくんと、犬コロの様に、八戒の匂いを吸い込んで。
項へと唇を寄せて、キスをしつつ、ペロリと舐める。
「擽ったいですってば、悟浄っ。」
「だって、暇なんだもん、俺。」
「だったら、手伝って……。」
「やっぱ、忙しいわ、俺。」
「…何もしていないじゃないですか?」
「八戒かまうのに、忙しいの。」
「あっ、駄目ですってば……。」
八戒の両手が、水で濡れて、反撃出来ないのを良い事に。
腰を引き寄せて、密着し、より深く抱き抱える。
顎を掴まえて、自分へと向けさせ、口吻ける。
触れるだけの。
確かめるだけの。
軽い、小さなキスを。
いくつも、いくつも、交わしてゆく。
この先は、寝室で――。

「ぅ…ん。」
鼻にかかる、甘い声。
今までのお姉さん達とは違う、妖艶でもなく、技巧もなく。
思わずといった、声。
「八戒。」
囁いても、ぎゅっと目を瞑り、唇を開こうとしない。
肩は強張っているし、心臓の音は早鐘で。
指先は、シーツを必死で掴んでいる。
【好き】だから。
抱き締める。
キスをする。
それ以上を求めてみたくなる。
だけども。
【はい、そうですか】と、言う程、簡単じゃないから。
時間を掛けるし。
待つ事もして。
大切に、するのよね。
「八戒、八戒。」
軽く頬を叩いて、自分へと意識を向けさせて。
緊張でガチガチになっている八戒の背に、手を差し入れて。
悟浄は、八戒の躯を抱き起こした。
「ご、じょお?」
「いいから、少しこのまんま、でな。」
向かい合わせに、緩く抱き締めて。
小さな頭を、肩に乗せさせる。
背中の浮き出た華奢な骨を撫でてやる。
気持ちが、逃げないように。
恐くないと、これは自然な事なのだと、教える様に。
「…ご、めんな…さ…。」
「謝る必要ナシ。
八戒は俺になあんも悪いコトしてねえんだから、さ。
こーして、くっついてんのヤじゃねーだろ。」
「…えぇ。」
「気持ちイイコトだけすっからさ。
八戒は、それだけに集中してな。
他のコト、考えんのナシ。」
「…悟浄?」
「ほら。」
「あっ。」
悟浄の片方の手が、2人の腹の間に滑り込み。
その大きな掌で、2人分の陰茎を握り込んだ。
勿論、力は入れずに。
「なっ、気持ちイイだろ。
こーすっとさ。」
「んっ…ごじょ。」
「俺も、メチャ、気持ちイイ。
お前としてんのは、さ。」
悟浄の親指が、ペニスの先をゆるゆると刺激していく。
残りの4本の指が、緩急を付けて握り込まれる。
ペニスの芯から、精液が溢れていくのが。
感覚で、その音で、八戒に知らしめる。
緊張が、羞恥になり、快楽を追い始める。
左のカフスを軽く噛まれ、名前を呼ばれる。
必死に崩れそうになる上半身を首へと回した手で支える。
悟浄の腕。
悟浄の汗の匂い。
悟浄の心臓の音。
世界が、狭まり、一色の色だけに染まる。
悟浄の――紅――の色だけに。
吐く息が熱くなり。
それ以上に躰の奥底が熱くなった、瞬間。
焼け付く痛みを伴った、愛しさを。
八戒は躰の裡へと、悟浄を受け入れた。
「ごじょおっ。」
「はっか、い。」
声が潰れようと、繰り返すだろう、互いの名前を呼びながら――。
2001.11.6 UP
☆ コメント ★
はい、13000のキリバンのリクエストですv
申告制を取っての、お初のリクです
レンコさま、ありがとうございますvv
さて、そのリクの内容は
ごじょはちの甘々♪
日常生活が大好きなので、ラブラブ同棲モノで
できたら裏で。お約束ですが・・・(笑)
との、ことでしたが…
どんなモノでしょうか?
レンコさんv
えっと、設定としては同棲になったばかりの頃
まだ、Hに八戒が慣れてなくて
悟浄が経験値の高さの腕を奮うって・笑
これから、悟浄の色に染まってゆくのね
って、腐ってるにゃあ
困った、困った・笑
では、慎んで捧げさせて頂きますvv
どうぞ、お受け取り下さいませ〜♪
