密やかなる愉しみ
by 遙か
いつもと立場が、逆で。
凄く、恥ずかしいのですけど。
悟浄の好意という事もあって。
素直に甘える事にしました。
悟浄の膝の上に頭を乗せて。
悟浄に耳掻きをしてもらう。
何か、やっぱり、照れてしまいます。
………慣れていませんから。
自分が何かをして貰う事に。
でも、こんな風に。
悟浄が手放しで、甘やかしてくれる事に。
甘えるのは、好きです。
子供みたいに、悟浄に……。

「八戒?」
「……………。」
「あれ、寝ちまったのか?」
不意に膝の上の八戒の頭が、重くなり。
俺は耳掻きを中断して、八戒を覗き込んだ。
寝てる。
やっぱ、寝てるわ。
寝息までたてて。
めっずらしいなあ。
こんな八戒、滅多にお目にかかれないぜ。
マジ。
よっこらせっと。
八戒を一旦、膝から。
起こさない様に、細心の注意を払って、降ろす。
で、自分の方の体勢を整えてから。
俺は、八戒を抱き上げた。
力が抜けきってっから、良く寝てるのが分かる。
ホント。
珍しい。
別に俺に気を許してない訳じゃねえんだろーけど。
八戒の性格上、ある程度きちっとしてねーと、さ。
落ち着かない部分があるらしい。
俺としては、もっともっと、こーゆー部分を。
俺に見せて欲しいんだ。
もっともっと、八戒の事を甘やかして。
その甘やかした先に見せてくれる、八戒を見たい。
誰も知らない、八戒を。
俺だけの、八戒を。
もっともっと、知りたいと思う…んだな。

ベッドへと、八戒の躯を横たえて。
楽になる様にと、シャツを緩めてやったのが。
失敗だった。
鎖骨の上に、くっきりとある、俺が付けた独占の印。
俺は必ずと言っていい程。
その場所に、いつもきつく痕を残す。
八戒の白い肌に、俺の紅の印。
ぐらりと、理性が揺さぶられる。
八戒のシャツのボタンを全部外し、ズボンのジッパーを下げる。
そして、八戒の躯を俯せに反転させた。
この方が、服、脱がせ易いんだ。
引っ掛かりが、なくなっから。
さて、俺も今のうちに、脱いどくか。
ギシリ、と。
俺が乗り上げたせいで、ベッドのスプリングが軋む。
体重を掛けないように、八戒の背に自分を重ねて。
シャツの襟を下へと、引っ張る。
途端に現れるのが、雪の白の肌。
滑らかな肩胛骨と薄紅色に残ってる前の情事の痕。
その痕に、触れるだけのキスを繰り返すと。
ピクッと、小さく。
八戒の躯が反応を返す。
そのまま、同じ行為を繰り返しながら。
今度は袖の部分を引き下ろす。
ただ、二の腕までで、肘から手首までを。
シャツを絡ませておく。
ちとした、安全対策。
腰から、細いウエストを嘗め上げながら。
ズボンと下着を剥ぎ取り、ベッドから放り投げる。
なんで、こう、何時見ても、綺麗なんだか。
女のモンじゃねーし、確かに男のモンなのにさ。
八戒を構成してるモンが、綺麗としかいーよーがねえ。
んじゃ、やるコト、やっか。さっさ、と。
八戒の腹のトコに、俺は枕を差し込み。
腰が付き上がる様にする。
脚の内側に手をあてて、角度を付ける。
紅が少し、濃くなっている部分が俺の目の前に現れる。
ほら、ここもすっげえ、綺麗でさ。
俺、マジマジと見てえのに。
いっつも、八戒の抵抗にあってさあ。
あんまし、拝ませて貰えないんだよ。
良い機会だから、じっくり見とこっと。
ちっこいよなあ。
よく、ここに、俺が入れるよなあ。
ある意味、感心。
ま、いつも、きちんと準備を怠らないから出来るんだし。
八戒に、苦痛も負担も掛けさせたくないからね。
これは、俺のお仕事、お仕事、と。
両方の親指で、ソコを少しだけ左右に広げる。
ヒクリ、と。
反応したのに、気を良くして。
俺は、先ずは嘗め上げた。
「……あっ……ん。」
八戒の上の口からも、反応した声が上がる。
けど、起きる気配はないから。
どんどん、やっちまおう。
回りを嘗めながら、親指を交互にソコへと軽く押し込む。
浅いトコロを丹念に刺激してやると。
「ん……ん、ぁぁ……。」
声も、上がり出す。
ツプリ。
右の親指を深く、潜り込ませるて。
中の柔らかい壁を擦り上げ。
左の親指をストッパーにして、舌も潜り込ませる。
「あっ、あっ……あぁ…ん。」
快感を感じている声と一緒に。
熱さを増していく、八戒の中。
それを俺は、指と舌で、直接に感じるコトが出来る。
トロリとした、柔らかい感触。
キュルリとした、締め付けと引き付け。
八戒の躯が、俺を受け入れる為に変化していく。
「……い、ィィ…ご、じょ……。」
えっ。
名前を呼ばれたコトにびっくりして、躯を起こして八戒を見たが。
まだ、目覚めてはいない。
ってコトは、無意識にも俺を八戒も求めてるってコトか。
だったら。
ここは、ご期待に添わなくてはな。
八戒の為に。

えっ。
これって。
一体、どういう事ですかっ。
目が覚めたら。
服は着ていないし。
躯は動けなくなっているし。
しかも……熱くなってるし。
「好きだぜ、八戒。」
僕だって、好きですよ、悟浄の事は。
けど、これって。
一体、何なんですかっ。
「あっ、ヤっぁ……。」
広げられた脚の間に、悟浄が居て。
その奥の中にも、もう既に、悟浄自身がいて。
快感が、津波の様に僕に襲い掛かっていて。
目覚めたばかりの思考なんて、何の役に立ちません。
一気に、攫われて。
悟浄の腕に、翻弄されてしまいました。
内側の最奥。
激流が押し寄せたのを感じた途端。
僕は、達していました……。

ぐったりと、力の抜けた八戒を。
俺は、俺自身を抜かずにそのまま。
向かい合わせで、膝の上に抱き上げた。
背中を支えてやって、顎を俺の肩に乗せてやって。
同時に達した、余韻に浸っていた。
さて、落ち着いたトコで。
次のラウンドだ。
「八戒。」
力の入らない八戒の後頭部に掌をあて。
俺は八戒を呼びながら、キスをした。
ホント、好きだぜ、八戒。
2001.6.5 UP
☆ コメント ★
えっとお。
表で書いた【膝枕】の裏です・笑。
柾紀さんに、リクエストを頂いていたので、何時かはっと。
野望しておりましたので、書けたコトには、とても満足してまっす。
けど、内容が…はは、エロなんかどうか、ちっとも分からん。
ごじょがヒヒオヤジ…、汗。
それだけは、分かる。
分かり過ぎるくらいに…やばっ。
でも、愉しんで熱心に書けたので。
よしっ、としとこう。そうしよう。そう…させてね・泣。
では、柾紀さんに謹んで進呈致しちゃいます。
貰ってねったら、貰ってね。はあ〜。
では、どうか感想をお聞かせ下さいませ。
それが、明日への活力となる・殴
