NIGHT PLAY
by 遙か
天蓬元帥の、悪癖のひとつ。
下界に降りた時。
戦闘中のごたごたの中。
あれやこれやと、何を基準にしてるのやら。
凡人にはわからない判断力で、選ばれて、物色されてきた物の数々。
さて、今回の戦利品を前に。
天蓬元帥のお顔が、満面に輝いており。
何を企んでいるのかが、一目瞭然。
まあ、犠牲者は一人と限定されますので。
そこのところは、宜しいのですが……。
さて、と。
良い物が手に入りました、ね。
僕は、目の前の透明な液体の入った小瓶をじーーっと、見つめていました。
指で摘んで、宙に翳して、中身を揺らしてみる。
説明書の中には、無味無臭とありましたね。
でもねえ。
変なところで、あの人ってば、敏感ですからねえ。
う〜ん。
さて、どうしましょうか。
やっぱり、一計を案じた方が確実ですよねえ。
そうそう。
丁度良い事に、今晩は、戦勝会です。
どうせまた、水の様にお酒を呑むんでしょうから。
チャンスは、幾らでも…ですね。ふふ。
楽しそうな、元帥さまの含み笑い。
ターゲットは、勿論、捲簾大将、唯一人。
今宵の夜が、お楽しみとなります…かな・笑。
「てーーん、ぽおーーちゃあーーん。」
ご機嫌な声。
ご機嫌な千鳥足。
「ご機嫌ですね、捲簾。」
「そりゃーそーでしょー。
勝ち戦でさあー、祝いの酒でさあーー。
気分、さいこーーって、なもんでしょー。
そ、だろおー、てんぽーげんすい、さまあ。」
「はいはい。
仰せの通りですよ、捲簾大将。」
「んーー、やっぱ、お前って。
さいこーーっvv」
ぎゅっと、抱き付いてくる捲簾に。
天蓬は、これだったらと、内心笑みを深くする。
「はい、捲簾。
どうぞ、お水ですよ。」
「ああー、さんきゅー。」
ごくごくと、捲簾が何の疑いもなく、一気に。
差し出されたコップから、中身を呑んでいく。
「はい、ベッドに横になりましょう。」
「うんうん、わかったわかった…。」
どさりと、でっかい音をたてて捲簾が。
ベッドへとそのデカイ図体を沈み込ませる。
「きょーの、てんぽー、やさしー。」
「僕はいつも優しいじゃないですか。」
「うんうん………。」
すうーーっと、そのまま、捲簾が眠りへと落ちていく。
その寝顔をまじまじと、見ながら。
天蓬は、一つ、残念そうな溜息をついた。
「紛い物だったのですかねえ。
効果…出ませんねえ。」
自分の思う通りにならないのが、相当不満らしく。
天蓬は唇を尖らせて、捲簾の頭を一つ小突いた。
そのくらいで、目を覚ます男ではないですから、いいですけどね。
「あふ。眠くなっちゃいました。
僕も寝ちゃいましょう。」
ごそごそと、捲簾の横に。
ぴったりと、寄り添う様に。
天蓬も、直ぐに安らかな寝息を立て始めました。
ふわふわ。ふわふわ。
離れていた意識と躯が、距離を縮めていく。
「う…ん。ふぅ。」
その二つが一致した瞬間。
天蓬が、目を覚ました。
自分の上に乗っかっている、捲簾にびっくりしながら。
「捲、簾?
あなた、何をしてるんですか?」
「ナニに決まってんだろ。」
「何でまた急に…。」
「お前のせいだろ。」
「僕の?」
「お前、オレに一服盛ったろ。」
「ああ、そういえば。」
「そういえばじゃねー、責任取れよな。」
「責任、ですか。」
「ぜってえ、取ってもらうからな。」
「絶対ねえ…。
僕、ネムイんですけど。」
「却下。」
くすくすと、からかうように笑い出した天蓬に。
いつになく真剣な
【そりゃ、一服盛られて抜き差しならない状態ですからねえ、
捲兄の躯は・笑】声で。
捲簾は、天蓬のネクタイを手にし。
無防備な天蓬の躯をコロンと、ひっくり返し。
きつくはないが、決して弛まることなく。
鮮やかに、腕を縛ってしまった。
「け、捲簾?」
「やるっつったら、ヤルんだよっ。」
一枚だけ、パジャマ代わりに来ていたシャツが肩から剥がされ。
下へと降ろされ、なだらかな背中のラインを半分。
捲簾の目の前に晒す。
「ち、ちょっとっ。」
「ちょっとじゃねーの。」
「け、捲簾っ。」
ヤル気満々なのは、いつもの事だが。
盛られた薬に、流された捲簾は。
いつもと違う強引さで、天蓬に伸し掛かっていった。
「あっ……ゃ、やっ!」
躯を抱き起こされ、天蓬は捲簾の執拗な愛撫を全身に隈無く受けていた。
耳の中に舌を差し込まれ、熱い息を、自分の名前を。
何度も何度も囁かれる。
右の胸の飾りだけを無骨な指で、優しく。
時たま痛みを感じる程に、摘まれ続けている。
その片方だけに偏った愛撫に、触れてもらえない左が。
じんじんと疼いてしまうが、どうにも出来ず、もどかしくなるばかり。
腰は、捲簾の膝の上に抱かれていて。
その細い両脚は、左右に大きく開かされ…今は、閉じる事を忘れている。
「気持ち、イイ、よな?
こんなんだもんな。」
天蓬と、呼びながら、返事は待たずに。
捲簾の親指が、天蓬自身の先を押し潰す。
「あっ!!」
不意にされた強い刺激。
一気に意識も飛びそうだったが、根元がしっかりと抑えられている為。
イクことも、意識を飛ばすことも、出来なかった。
「け……ん、れ…ん。」
「ん。」
天蓬の躯を後から、すっぽりと抱き込み。
天蓬の裡へと、自分のモノのこれ以上ないくらいに打ち込んでいる捲簾は。
上機嫌で、天蓬の肩へと顎を乗せた。
「イキたい?」
こくり、と天蓬が素直に頷く。
「これで何回目か、知ってる、天蓬?」
今度は、横に首が振られる。
縛られている腕の痛みが麻痺してるのと同じ様に。
回数など、もう記憶の片隅にもない状態に。
天蓬は、捲簾に翻弄されていた。
「天蓬、キス、しよ。」
無理な体勢を承知の上で、2人は唇を合わせた。
ぐっと、天蓬の裡の捲簾の体積が、増していく。
階段を昇るというより、高い場所から飛び降りるスピード感が。
2人を同時に突き抜けた。
満たされた甘い吐息が、2人の間に交わされていった……。
遅効性、だったんですね。
アレは……。
その成果は――。
普段の三倍、捲簾を増殖させてしまったことになり。
三倍、天蓬の躯へ跳ね返って来た。
ベッドの住人と化した天蓬ですが。
元々、面倒見の良い捲簾を扱き使いつつ。
今度は、もう少し威力を落として使ってみようと。
懲りない考えに浸っておりました。
2001.7.7 UP
★ コメント ★
はい、これは遠藤さや様からのリクエスト。
ケンテンで、裏で、何かリクエストないですかとお尋ねしたトコロ。
縛りで、薬で、とのご返答を頂きましたvv
と、いうことで、ここの責任者はさやさんですvvv
私は無責任な書き逃げ管理人でーす。
万歳!!
ところで、さやさん。
私、リクエストをクリアしてるかなあ。
そこが、ちと、心配です。
ま、兎に角、このお話全てさやさんのモノなので。
どうぞんvv
感想・ご意見、お待ちしてまーす。