内緒のお話
【中坊編→フェードアウト部分】
BY 遙か
「……ぁ。」
小さな唇の柔らかさが、俺を惹き付けて離さず。
暫く、ずっとキスするのを止めらんなかったら。
八戒が酸欠を起こして、全身から力が抜けてしまった。
慌てて、唇を離すと。
金魚みたいに、空気を求めて深呼吸を繰り返していた。
「…ごめん。」
俺は押し倒していた八戒を背中を支えて抱き起こして。
楽になれる様にと、背中をさすり、俺へと八戒の躯を寄り掛からせた。
「大丈夫?」
耳元にそっと尋ねると、こくりと小さく頭が動く。
「ごめん。」
頬に掌をあてて、息苦しさからの生理的な涙を零している目元に。
キスをして。
頬にもキスして。
もう一度、唇にも触れるだけのキスをした。
柔らかくて、小さい、八戒の躯は。
俺の腕に凄く馴染んで、いつまでも抱き締めていたくなる。
抱き込んだ腕の中で、八戒の髪の毛がふわふわしてて。
仔猫を抱いてる様な気分になる。
「センセ。」
「……。」
「スキ、だからね。」
八戒の膝裏に腕を回して、その場から俺は立ち上がる。
抱き上げて、隣の部屋、八戒の寝室のベッドの上に。
八戒を慎重に降ろす。
俺は自分のシャツをその場に脱ぎ落として。
八戒を抱きくるみながら、ベッドの中へと入った。
「ご…じょ、く…ん、……だめ……。」
「俺のコト、キライだから?」
「ちがっ…。」
「スキ? センセ、答えて。」
俺も八戒も、全裸で。
素肌を密着させてる状態で。
このまんまいくしかないってのに。
まだ、残ってる八戒の理性が、言葉を口にしてきた。
雪みたいに白いのに、あったかい八戒の肌。
小さいけど、綺麗なラインを描いている柔らかい胸。
掌で全体を愛撫して、乳首を舐めて、軽く噛んだりすると。
「あっ。」
トーンの高い興奮してる声を聞かせてくれるし。
背を反らしてくるから、身を擦り寄せるカンジになってさ。
俺もどんどん、熱くなってくる。
「俺、スキだよ。センセが、すっげえ、スキ。
ねえ、センセは? センセは、俺のコト、スキ?」
耳元に囁いて、耳朶を甘く噛んで。
唇の端にキスして。
俺は、八戒の碧の瞳を覗き込んだ。
「教えて?」
ああ、何て綺麗なんだろ。
可愛いのに、こんな潤んだ瞳で、俺を見てる八戒。
ポロリと、快感の涙が頬を伝わり落ちると同時に。
「……………すき、です。」
八戒からも、俺の待ち望んでいた告白が零れた。
「ホントに?」
「……えぇ。」
「大事にするっ。俺、ぜってえ、センセのコト大切にすっからっ。」
「ご、じょお…くん。」
「マジ、嬉しいよ。俺、めっちゃ幸せ。」
ぎゅうーーーっと、抱き締めた。
絶対に離さない。誰もに渡さない。
八戒は、俺のモン。このまんま、一生、俺のモンだっ。
「あ…あの、ご、ごじょ、くん。」
「ナニ?」
「あの、あし……あし、こんな風に、しなくちゃ…いけない、んですか?」
「どして?」
「だ、だって…こんな…か、かえ、る…みたい……なのって。」
顔を真っ赤にして、八戒は今の自分が取ってる体勢に。
抵抗してきた。
でもさ、これしかナイんだよね。
まさか、一番はじめっからバックはやだろーし。
俺も、八戒の顔見ながらの方がイーもんな。
「痛い?」
「痛い、とか…じゃなくて。」
「じゃ、うんと気持ち良くさせてあげっから。
こんなの気になんなくなるくらい。忘れちゃうくらいにさ。
俺が気持ち良くしてやっから。」
八戒が何かを言う前に、キスをする。
体勢を崩さない様に、八戒をそのまんま抑え付ける。
俺は腕の中の、無駄な抵抗を楽しみつつ。
右手の指を2本、八戒の中心へと滑り込ませた。
途端、大きく八戒の躯が跳ね上がった。
それも抑えて、更に指を奥へと潜り込ませていく。
前戯に、時間を目一杯掛けておいたからさ。
八戒の意志とは違うトコで、躯の方はだいぶ準備が進んでいた。
俺の指に纏わり付いてくる、裡の感触がイイ。
柔らかいわ、あったかいわ。
ちゃんと、濡れてっからスムーズに受け入れて。
そっと、動かすと。
反応して、八戒の躯がびくびくとする。
俺は細心の注意を払って、強弱を付けて指を出し入れし始めた。
「あ……あぁ、だ…め、も、……や、めて……ぇ。」
切れ切れの八戒の声は、俺をも刺激する。
ベッドの白いシーツの上で、殆ど抵抗らしい抵抗が出来ず。
ただ、手と足を小さく藻掻かせて。
八戒は、全身を薔薇色に染めていた。
もう一押しだな。
俺は自分の身体を一旦起こし。
八戒の脚の内側に掌を当て、角度を保たせた。
とろりとした、蜜が溢れ出している、八戒の秘所。
俺は獣が水を飲むように、その部分へと口吻けた。
「い、いやあっ。」
刺激が強すぎるのか、八戒が絶叫した。
それを無視して、俺は甘噛みして、嘗め上げて。
八戒の裡へと、舌と指を潜り込ませていった。
何度も、繰り返す愛撫。
八戒が、何度、根を上げようと。
俺は執拗に、八戒へと触れ続けていた。
落花狼藉。
正に、その形容にまで八戒を追い込んでから。
俺は自分を。
初めて、八戒の裡へと埋め込んだ。
痛みに、理性を少し戻した八戒の手を俺は背中へと回させて。
「俺にしがみついて、いいから。
少しだけ、我慢して――八戒。」
こくこくと、八戒が頷いた。
それを合図に、ずっと高め合ってきた激流を。
俺と八戒は、一緒に解放した……。
「おはよ、八戒。」
目が覚めると、目の前に悟浄くんが居て。
僕はびっくりするしかありませんでした。
あれ?
どうして?
記憶が上手く、繋がらない……。
「…おはよう…ござい、ます。」
「熱は、ナイみたいだな。良かった。」
僕の額に手を当てて、悟浄くんはほっとした声で言いました。
次に、僕の手を取って。
「昨日、あれから貧血起こして手足がすっげえ冷たくなっちゃてさ。
だから、俺、一緒に寝てあっためたんだ。もお、大丈夫みたいだな。」
「一緒に? 昨日、から?」
それって、もしかしてお家に帰っていないって事、ですか。
「兄貴には連絡してあっから、平気。心配ないって。
それよりさあ、『ちゃんと面倒見て差し上げろ』って、
言われちまったよ。」
それって……。どういう事なのでしょうか……。
「今日は日曜だから、ゆっくりとして躯、休めような。」
身体? 凄く、怠いです。自分のではないみたいに…。
「ごめんな、初めてだったから、やっぱツライよな。
次は、もっともっと良くしてあげっし。
今日一日、下僕すっから許して。」
あっ!
記憶が――昨日からのが、一気に思い出されてきました。
僕…僕は、悟浄くんと……。
「あのあの、悟浄くんっ。」
「悟浄。2人きりん時は、くん付けなしな。」
「で、でもっ。」
「いーの。俺も八戒って呼ぶから。
さ、朝飯作ってくんね、俺。八戒ほど上手くないけどさ。」
笑って立ち上がった悟浄くんは、何も着てなくて。
自分をも見ると、やっぱり、何も着てなくて……。
「大人しく待っててな、八戒。」
パニックを起こしている処に、キスをされて……。
そのキスが、とても優しくて。
僕の中に、ほんわりとした温かさを灯してくれました。
「大スキ、八戒。」
「………僕も、です。…悟浄。」
にっこりと、本当に嬉しそうに、悟浄が笑うから。
僕も、嬉しくなって。
悟浄に、笑い返しました――。
2001.9.24 UP
★ コメント ☆
はい、ヤバイですね。はは、もう、乾いた笑いしかでませんわ。
完っ全に唆されました、私。
誰かさんに…身に覚えがナイとは、絶対言わせないわっ。
くしょお〜。
中坊ゴジョの、肝心な部分です・笑。
書くのは楽しかったさ。
ああ、楽しかったよ。
開き直らないと、現実なんか直視…したくなーいっ。
ふう。
最近、人のコトをエロエロ言う人がいっから。
思い切り隠してみました。
ここに、自力で辿り着けた方には、拍手〜パチパチ。
頑張ったの。
だから、出来たら感想を下さいな。
カキコでヤバイという方は、メールでもOK!
この話の反応が気になるの〜・切実。
さて、ゴジョのヤツ、まんまと八ちゃんのヴァージンを喰っちゃいました。
ここの設定でね、ゴジョは13歳ん時に童貞喪失してます。
それからは、年上のお姉さん達が大体相手なので、
テクニックを磨くコト磨くコト。
そりゃあ、もう、齢15にして、免許皆伝頂いてますから。
対する八ちゃんは、幼稚園から女子校で。
超・奥手で、本人にその自覚ナシなもんだから。
誘いは、めちゃくちゃありましたが、
全て、あの天然ボケの前にシャットアウト。
だったのに〜・泣。
なんで、よりににってゴジョなの〜・大泣。
八ちゃんの処女喪失は、22歳でした。
うわーん(>o<)
