ナース・コール
【医師編→フェードアウト部分】




BY 遙か




悟浄の膝の上に、その躯を軽々と乗せられ。
腰を悟浄の腕に、支えられているとはいえ。
不安定さが拭い切れない八戒は。
悟浄の肩に手を置いて、バランスを取ろうとしていた。
なのに、悟浄の大きな掌が。
八戒の膝頭をクルンと、撫でさすった後。
太腿を下から上へと撫で上げ。
スカートの裾を捲り上げて。
順調に進入を果たすと、八戒の躯がビクンと跳ね上がり。
自分から、バランスを崩してしまった。



「ぃ、やっ…せん、せぃ。」
「はい、大人しくな。」
「………だ、め…ぇ。」
「何が?」

何が駄目なのかと、言われて。
八戒の羞恥心が、一気に高まる。
ナース服の、スカートの裾を遠慮なく捲り上げられて。
ガーター・ストッキングに包まれた脚は元より。
下着を着けた、小さめなお尻まで。
空気に晒されてしまっている。
悟浄の手が動き、そのお尻をギュッと掴んだ。

「ひゃ、んっ。」
「今日のは、白ね…うんうん。」

そう言って、今度は形を確かめる様に。
柔らかく、揉み込んでゆく。

「あっ。…やっ、やん。」
「これも八戒に似合ってて、可愛いけどさあ。
この間、俺が買った黒のは、どーして着けてくんないの?」
「だ、だって…黒の、だと…透け、ちゃうん…です。」

分かり切ってる答を貰い、悟浄は満足そうに笑い。
そして、甘い声を零し続けている八戒の唇を。
ペロリと、嘗めてから塞いだ。

「………ん、ふぅ…ん…。」

息苦しさで、八戒が首を左右に振るが。
それを許さず、更に追い込む様に。
悟浄は貪る為に、深く口吻ける。
震える躯が崩れない様にと、強張らせる八戒の理性を。
悟浄はどんどん、摘んでゆく。
服の上から、躯のラインを丁寧に辿られてゆく。
わざと、緩やかに施される悟浄の愛撫に。
八戒は、もどかしさを募らせてしまう。
しかも、もう、上げられてしまった熱は治まる術をしない。
けれど…。

「せん…せぃ、ここ、じゃ…だめ…。」
「だったら、俺の部屋、行く?」

やっと出せた懇願の言葉に、耳元へと答の提案が返された。
ここ――職場の一角だと、やっぱり理性を飛ばし切れないから。
そうなると、燻る熱が中途半端になってしまうから。
八戒は、濡れた瞳を開いて、悟浄を見つめ返しながら。
小さく、頷いたのはいいのですが。

「……………ん。」
「だったら、交換条件な。ナース服のまんまで、行こーな。」
「え……えぇっ?」
「このまんまじゃなきゃ、俺、絶対ヤだかんね。」
「……………分かり、ました。」

観念した八戒のナース・キャップを素早く取り。
次に自分の脱いだ白衣に、八戒をくるみ込んで。
悟浄は人気の無い道を選びながら、地下駐車場へと足を向けた。



何度、ここで悟浄と過ごしたか正確な数は忘れてしまった、ベッドの上。
恭しく、抱き下ろされて、八戒がちょこんと鎮座している前で。
悟浄は、Yシャツを脱ぎ始めた。

「悟浄…あの…シャワー、浴びたい、の、です…が…。」
「後で、一緒にな。」
「い、今…。」
「だあめ、ここまで我慢したんだぜ。」
「で、でも…。」
「ほい、限界越えましたってさ。」

八戒の胸元に、顔を埋めて、そのまま後ろへと押し倒す。
華奢な躯に重さを掛けない様に注意しつつ、抵抗を封じる。

「それにさ、折角の八戒の匂い、消すコトないじゃん。」
「やっ、やだっ。」
「すっげえ、イイ匂い。俺、好きなんだよなあ。」
「悟浄…。」

背中に柔らかいシーツの感触。
躯の上に、悟浄の熱い体温を感じて。
八戒は目をギュッと閉じた。
服の前のジッパーが、下ろされていく音がして。
次に肩を浮かされて、服を剥がされる。
ただ、袖は抜かれず、二の腕の辺りに残された。
フロントホックのホックが外され。
悟浄の掌と、唇と舌が触れてくる。
揉まれて、吸われて、軽く噛まれて。
八戒は、甲高い声を抑えずに、その唇から発した。

悟浄は、その柔らかいイメージと感触を。
自分の全身で感じ、熱量を膨大させていた。
ただ、その全てをぶつけてしまうのだけを抑えつつ。
八戒へと触れ続けていた。
左耳の後ろ。
顎から項へと続くライン。
丸みを帯びた肩と腕の内側の特に柔らかい部分。
腰の括れ。左の脇腹。
自分だけが知っている、八戒の感じ易すぎる、箇所。
そのひとつひとつを丁寧に、丹念に、愛撫する毎に。
上擦り、掠れていく、甘い声。
膝裏に手を当て、大きく角度を持たせ。
ストッキングに包まれた脚を開かせる。
白のシルクの下着の中心に、鼻先を寄せ。
グッと押し付けると、高い声が上がった。
白い指先が、止めようと伸びてくるが、それを無視して。
悟浄は更に、強く刺激を繰り返した。
ひっきりなしに上がる、嬌声。
快楽で抵抗を封じ込められ、ただ、ひくつく肢体。
汗が珠の様に浮かび、素肌が紅色へと染まり上がる。
悟浄の躯からも、汗が滴り落ち。
八戒のと、交じり合いながら、シーツへと染み込んでいく。

肉体の一部を繋ぎ合わせ。
ひたすら、お互いを求め合う。
裡へ深く入り込み。
楔を深く受け入れる。
白い、閃光の果てに――。



「いいか、そこでジッとしてるんだぞ。」
「…はい。もぉ…動けないです。」
『腰も、足も、痺れてるみたいに(/////)。』

お風呂に入れて来た八戒に、自分のバスローヴを着せて。
ソファの上に、座らせた。
以前、八戒専用のも買っておこうかと、悟浄は考えたコトがあったのですが。
自分のをぶっかに着ている八戒が、可愛くて。
悟浄は自分用のを更に買い足して、おりました。

仕事の疲れと悟浄のせいの疲れで。
ふにゃあとしている八戒。
それに一瞬だけ感じた罪悪感を。
さっさと、忘却してしまった悟浄は、キッチンへと向かう。
八戒へ食べさせる夜食を作る為に。



2001.10.20 UP



★ コメント ☆


ひっさびさに、自分なりの裏仕様でしたん

駄目だ
超・楽しい……ι
書いてて、めっさ、盛り上がってたわ……ιι

唆されたとはいえ、ヴィジュアルの一部が
頭ん中に浮かんだ途端
ザーッと、早送りの様に
大体の構成が出来ちゃったのよ〜

感想を頂けると嬉しいなv
おねだり、おねだり
えへへ

そうすると、きっと、また
何かしでかしますよ、私
うへへ〜