はい、いらっしゃいませv
おまけとは、何かとゆーと。
実は、パソコンのデータふっ飛び事件の時に、
丁度、女の子の裏話を書いておりまして、
それをサーバーに上げる前だったので、
諦めていたんです。
それで、キリリクだったし、
自分でも早く書きたかったので、
丸々全部書き直して、
夏生さんのトコに贈ったのですが、
今回、データ復活作業をしていて、
その時のモノが、めでたく復活出来ましたvv
と、いうことで途中までですが、
おまけという形でここに載せてみました。
いやあ〜、如何に自分が記憶力の無い人間だということが、
良く分かりました……ι
では、どうぞvv
【ごめんね】のあとは…
by 遙か
「あっ。」
そういえば、悟浄の煙草、今のが最後の筈でした。
急いで、買って来ないと。
そう思った僕は、悟空に買い物に行って来ますね、と伝えて。
宿を出ました。
結構、時間が掛かってしまいました。
やっぱり、買い物に出ると、他のも買っておきたくなるんですよね。
でも、今日は一人だったから、あまり買い込めませんでした。
直ぐに帰るつもりだったし……。
悟浄…怒っているでしょうか。
買い物時には必ず、声を掛ける様に言われていたのを。
ちょっとだからと思って、掛けて来なかったし。
でも、悟浄…寝ていたんですもの。仕方ないですよね。ええ。
おいしょ、と荷物を持ち直して。
僕は悟浄の顔を思い浮かべました。
心配症で、過保護の、悟浄。
以前から僕の事を子供並の扱いはしていたのですが。
最近、特に過剰です。
この、女性の身体になってから。
別に、中身など一つも変わっていないと言うのに。
何となく…手を離したら、直ぐにどっかへ行ってしまう3歳児みたいに。
僕の事を思っているんじゃないかなって、思う時があるくらいに。
悟浄は僕を手元に、置きたがっているんですよね。ふう。
そんなに…頼り無いのかなあ。
そんな…事、無いと思うのですが。
悟浄に。
凄く、大切にされているのは、分かっています。
それが、とても嬉しい事も、ちゃんと分かっています。
でもねえ。
時々、思ってしまうんですよね。
甘やかし過ぎだって。
こんなに甘やかされて、僕、駄目になっちゃうんじゃないかって。
もしかして、コレって、反抗期なのでしょうか? くす。
まあ、兎に角、早く帰りましょう。
本当に、予定よりずっと時間をくってますから。
街の中も、夕闇が支配し始めていて。
夜に営業するお店の灯りがつき始めていますものね。
帰ったら、きっと、悟浄の神鳴りが落ちる筈ですから。
その対応策を考えながら、帰りましょう。
そう思って、足を速めようとした瞬間。
僕は気配無く、後から伸びて来た手に。
口を塞がれ、身体を掴まれ。
そのまま、一番近くの路地に……。
「おい、今、なんつった、サルっ。」
「サルじゃねーって言ってんだろっ。
八戒は、買い物に行ったって言ったんじゃんか。
耳遠くなったのか、この年寄りエロガッパっ。」
「おーまーえなあ、言うにコトかいて年寄りなんぞつけんなっ。
年寄りは、坊主だろーがっ。」
「おい(怒)。」
「んにゃ、それより八戒が買い物行ったってのは、マジか?」
「たがら、さっきから言ってんじゃんか。」
「一人でか?」
「直ぐ帰って来るから、一人で大丈夫だって、八戒が…。」
「あんのお、じゃじゃ馬がっ。」
俺はそこら辺にほっておいた自分の上着を掴み取り。
大急ぎで、部屋を出ようとした。
「迎えに行って来る。」
「程々にしとけよ。」
「うっせえっ。」
三蔵が出しなに言った言葉に、ムカ付く。
自分でも分かってんだよ、この心配症はっ。
けど、八戒なんだぜ。
心配すんなって方が、ぜってえ、無理っ。
可愛いくて可愛いくて、仕方がねえ。
女の子化してっから、余計に。
八戒、自分じゃ気付いてねえみたいだが。
甘えんのが以前より、2割増してんだ。
それが、どんなに可愛いくて、男を刺激すんのか。
アイツ、まるっきり分かってねえ。
だから、他の男にこんなのを味合わせるつもりなんか、ねえし。
俺、心狭いから。
一時だって、手元から離したくねえってのに。
ちゃんと、言いきかせてあるってのに。
全く、みっつのガキじゃねえんだからさ。
俺の言うコト、ちゃんと聞いてろよなあ…八戒。
人がうたた寝してる間に、外行くんじゃねえっての。
やばっ、もう夕方じゃんか。
暗くなり始めてる。
俺の足を地を蹴っていた。
俺はかなり夜目の効く方で。
八戒は義眼の為、視力にはあまり頼らず気配で回りを察する。
だから、どんなに気配を殺しても八戒には通じないんだが。
俺だけは、例外。
すっごく、無防備になる。絶対の信頼っての?
兎に角、気配を完璧に殺しちゃえば、八戒を掴まえられる。
息を切らした俺の視線の先に、八戒が歩いて来るのが見えたんだ。
良かった。無事で、とほっとした途端。
めらめらと燃え上がってきた、怒り。
俺をこんなに心配させやがってえ、ってヤツ。
で、ここは一発【お仕置き】が必要だよな、ってな。
俺はその場から一番近くの路地に姿を隠し。
八戒の気配を追った。
距離を図り、タイミングを図り、息を潜めた。
そして――。
早足で通り過ぎて行く八戒を後から――。
とにかく、前しか見ていませんでした。
遅くなってしまった事が、一分でも早く帰らなくてはと。
僕を急き立てて、早足で帰ろうとしていました。
その時。
一瞬、何が自分に起こったのか、全く分かりませんでした。
気付いた時には、後から伸びて来た手に。
口を塞がれていて、両腕ごと身体を掴まれて。
身動きの出来ない自分になっていました。
恐怖でした。
僕の全身を駆け巡ったのは‥‥。
『悟浄、悟浄、悟浄……。』
藻掻いているのに、腕の力は弛まない。
藻掻く程、腕の力が籠もっていく。
息苦しくて。
……どんどん、恐くなって。
涙が、ポロリと不覚にも零れて……。
「ほら、分かったろ。
一人で出歩くと、こーゆーコトがあんだぞ。八戒。」
え? この声、悟浄?
口を覆っていた手が外されて。
腕の力が弛んで。
僕の身体が反転されてたら。
そこには、笑っている悟浄がいました。
「な、俺の言うコト聞かないと、こんな恐い目に合うんだぞ。
これに懲りたら…。」
ばっちーーーんっ!!
悟浄の言葉の最後までなんて聞いてられない。
僕は悟浄の頬を思いっきり叩いて。
「悟浄の馬鹿、バカ、バカっ。
悟浄なんて、大嫌いですっ。」
そこから走り出した。
悟浄をその場に残して。
八戒には悪いが、軽い気持ちだった。
少し脅かして、言い聞かせるつもりだった。
それが、あんなに傷付いたとゆーか、怯えていたとゆーか。
それらを越えて、怒っていた涙目。
「八戒っ。」
一瞬、呆けた俺は慌てて、八戒の後を追った。
はい、ここまでねv