合わせ鏡
by 遙か
最近。
感情の起伏が、僕自身が薄かったせいか。
感情をぶつけられる事に、戸惑う…と、言うより…。
僕は、身体が硬直して、声さえも満足に出なくなっていました。
三蔵と。
悟浄。
昨日の夜、女性の身体になってしまった僕は。
えっと…そのお…悟空を相手に、処女喪失を体験してしまって。
それが。
今朝、三蔵と悟浄にばれてしまって。
別に、望んだ訳でも、誘った訳でもないのですが。
流されてしまった事は、確かみたいなので……。
それが、大きく2人の怒りを買ってしまった様で……。
「お願い、です。
止めて…く、ださぃ……さ、んぞぉ…ごじょ…ぉ。」
「やあだね。」
「ふん。」
着ていた服を破かれた、恐怖。
言葉を聞いてくれない、恐怖。
身体を抑え付けられ、それを跳ね退けられない、恐怖。
外見がどう変わろうと、僕は僕でしかないのだし。
何も変わらないと思っていたのが、覆されてしまう。
悟浄が、恐いと、思う。
三蔵が、恐いと、思ってしまう。
「いやあっ。」
「かっわいい、声。
女の声で、八戒が怯えてるのっていーねぇ。
なっ、そー思わねえか、三蔵。」
「そう、だな。」
ベッドの上。
ベッドヘッドに凭れた悟浄に、後ろから抱き抱えられ。
急に、両足を左右に大きく開かれて。
羞恥心から、僕は、悲鳴を上げてしまいました。
「お願い…足…離し、て…。」
「離したら、見えなくなっちゃうからだあめ。
ほ〜ら、三蔵サマによおくお見せして。」
「やめ、やめて…くださ、い…ごじょお。」
「三ちゃん、女の身体見んの、初めてっしょ。
この機会に、思いっきり見とけよ。」
悟浄の言葉に返事をしないけれど。
三蔵の視線を強く感じて、僕は恥ずかしくて俯いてしまいました。
「あれ、なあにが恥ずかしいのかな、八戒ちゃんは。
今更じゃん。俺達、隅々まで知ってんだぜ、オマエのコトはさ。
あ、でも、女の子の気分になっちゃったのかなあ?」
「……………ご、じょう。」
「いいねえ、その弱々しい蚊の泣く様な言い方。
可憐な美少女を襲うって、AVタイトルみたいでさあ、ソソルな。
な、三蔵v」
「…バカ、か。」
「バカってなあ…オマエなあ。
ま、いっか。ヤルコトは、ヤルでしょ、三蔵サマ?」
「ああ。」
そう言って、法衣の上だけを脱いだ三蔵が。
僕の足の間に身体を進めてきて。
「さ、さんぞっ。」
いきなり、僕の女性化した部分へと指を突き立てました。
ぐいぐいと、奥へと入り込んでくる三本の指に。
強い痛みを感じ、僕は制止の声を上げました。
「いっ、いたいっ。
いたい、です…さんぞぉ。」
「三ちゃん三ちゃん、最初っから無茶しねーの。
悟空に先越されたのが、そんなに頭キタ?」
「煩い。」
「おー、こわ。
あのな、ここもさ、一緒に触ってやっといいんだぜ。」
悟浄の手が伸びてきて、三蔵の指が入り込んでいる場所の直ぐ上を。
触り始めました。
それが、軽いタッチで。
「あっ。」
「ほらな、八戒は俺達のおかげで敏感体質なんだからさ。
触ってやれば、どんどん良くなってくんだよ。」
「あっ、ごじょ、やめてぇ。」
僕が知らない部分を悟浄の指先に、ぐいっと押されて。
痛みと一緒に、いつもの快感も感じてしまって。
「なっ、こーしてやればさ、ちゃーんといつもみたいになんだよ。
ま、多少勝手は違うけどよ。
「あっ、…いゃ…ぁ。」
「どこがイヤなんだか。
三ちゃんの指を三本も美味そうに銜えててさあ。」
「全くな。」
悟浄と三蔵の指の動きから起こる音に。
耳を塞ぎたくても、許されず。
顔を背けたくても、抑え付けられ。
僕は、膨大な熱量に頭が、熱くなってしまって。
「ほらよ、いいか。
自分で支えて、自分で挿れるんだぜ、八戒。」
「……………。」
「なあんでもするっとゆったろ。
ちゃんと、守れよな。」
促される儘に、僕は三蔵の上へと跨り。
足を開いて、三蔵のモノを握り。
自分から腰を沈めていきました。
何を弁解しても、2人には届かず。
許して欲しいのなら、何でもとの、条件を出されて。
僕は、思考の定まらないままに、承諾をさせられて。
自分から受け入れるという、とても恥ずかしい行為を。
……させられて、いました。
肉を割る感触をリアルに感じて。
僕は背中を仰け反らせて、耐えようとしたのに。
その背をぐいっと押されて。
横になっている三蔵の胸へと倒れ込みました。
「…ごじょ?」
「この方が、挿れやすいからな。」
腰を悟浄の両手で、掴まれて。
少しだけ上へと引き上げられました。
「オマエの出したモンで準備万端。
んじゃ、いくぜ。」
「えっ?」
予想もしていませんでした。
逃げる間も。
叫ぶ間も。
僕には何も与えられず、ただ、悟浄の侵入を受け止めさせられました。
「!!」
こんな…。
こんな…ことが、ある…なんて。
一遍に、悟浄と三蔵の両方を。
感じる事に。
僕は最後まで握っていた、理性の紐を。
手から離してしまいました。
悟浄の荒い息と。
三蔵の息遣いに。
挟まれたままに――。
2002.3.22 UP
★ コメント ☆
【終わりなき夜に生まれつく】の池田いづるさまへ捧げます
えっとね、いづるさまv
以前からのメール。
そして、先日の春コミで、いづるさんに唆されたネタ。
はい、私が勝手に妄想していた3P編のお話です。
いづるさんの許可が頂けたので、つらつらと書いてしまいました。
が。
いづるさんの腕には、到底及ばすヌルイだけのモノに…ι
でも、良かったらサイト3万ヒットのお祝いがてら捧げさせて下さいませ。
これからも、どうぞ、仲良くしたってやって下さいませ〜♪
追伸・いづるさんに指摘された通り、私は38お初です。
レアですか、こんなモンでも・笑。