なにしてんの



by 遙か



究極の選択っていうのを
間違えた気がします…

にこにこと
僕にボディソープのボトルを握らせる
悟浄のこれ以上は無いって位の
エロオヤジ系のスケベ笑いを見ながら
僕は心より思いました…

引き返せるものならば
引き返したい、です…





事の発端は、内職のつもりで始めた仕事だと思います。
三蔵から軽い気持ちで受けた、裏仕様の仕事が思いの他、好評を受け。
次々と、僕達の所へと依頼が舞い込み始めたんです。
別に仕事は、嫌ではありません。
何か、収入が欲しかったので、働きたいとずっと思っていましたし。
普通でない仕事内容も、なかなかお面白いものでしたし…。
ただね…身体は1つなんですよ、僕も悟浄も。
許容量というものが、あるでしょう?
労働基準法を無視していますよ、という仕事の量になってきて。
流石に、2人共疲れが溜まり始めたので。
三蔵に、お休みを申請しました。
却下は、認めませんよ、と。
それで頂いたお休み。
先ずは、ゆっくりと身体を休めてから。
――お風呂に入って、ご飯食べて、睡眠を取って――って。
久しぶりに、恋人同士の時間をベッドの上で、過ごそうとしたのですが………。





「八戒……………。」
「―――ん? どうしました、悟浄?」

正に、クライマックス。
と言うところの、一歩手前で。
散々、焦らされて、煽られて、盛り上がって。
あと、挿れるだけというところで。
悟浄に名前を呼ばれて、僕はうっすらと目を開けました。

いつもは。
特に、sexの時は精悍な悟浄の顔が。
この世の終わりという、表情なので。
もどかしさで、燻っている身体を我慢して、僕は。

「どうしたんですか、悟浄?」

と、出来るだけ優しい声色で、訊ねてみました。

「…タタナイ。」
「え? 何がですか?」
「…ナニがタタねーんだよー、八戒ーっ。」

ガバッ、と。
泣き声で、抱き付かれて。
悟浄の、今の、言葉を反芻しつつ。
僕の頭の中には、『インポ』の文字が。
赤信号で、点滅していました……………。





悟浄の不幸は、継続していて。
本人も色々と、努力をしたらしいのですが。
それが、実を結んでいないのは。
丸めた背中とオドロ線を背負ったままの、背景で。
一目瞭然でした。
僕も食事療法とかをしているのですけど、効果は無いみたいで…。
病院だけは、死んでも嫌だと言うし。
多分、疲労のせいだと思うんです。
一緒に仕事と言っても、肉体労働は悟浄の担当ですし。
疲労の蓄積度は、悟浄の方が大きいのだと思うんです…。
それに、三蔵に『休暇』の申請は出来ても。
まさか、『不能』の保障は請求出来ませんしねえ…。
困りました…どうしましょうかねえ…。





果てしなく落ち込んで、落ち込んで、落ち込んで……。
ゴロゴロゴロ。
毛布を被って、ウダウダしてた。
八戒が、俺を気遣って色々と世話をやいてくれるが。
息子の方は、未だに休眠状態。
ストライキ続行中だった。
さすがに、このまんまじゃ八戒に捨てられっかもと。
冷や汗、たら〜りとした時。
八戒からの提案に、俺は内心泡踊りを踊り巻くっていた。

「僕、何でもします。
 何が、いいですか?
 何でもしますから、悟浄、言って下さい。」

それに対する。
俺の即答は、イメクラソープ嬢ごっこ、だった。
早速、フロ場を簡易ソープ個室にして。
俺は、やり方を知らないと真っ赤になってる八戒に。
懇切丁寧な指導をする為に、どっかりと座り込んだ。
1つ1つ。
特に売れっ子のオネーさん達に、シテ貰ったコトを。
説明してやると、八戒はぎこちなく、それでも俺の為に。
始めてくれた。





いつもは、俺の下にいる白い躯が。
今は、俺の上で動き回っている。
唇を軽く開き。
紅く柔らかい舌で、俺の身体を嘗めていく。
伏せた睫毛が、震えてる。

「そこそこ、ん、口ん中に入れて、アメ玉みたいに嘗めてヨ。」
「………はぃ。」

何の技巧も持たない、ただ、ひたすら熱心に嘗めてくれんのが、イイ。
八戒の細い指が、俺の肩や腕をそっと掴んだり。
胸とか腹に、置かれて触られたりすっと。
ぞくっとしして、これまた、イイ。
俺の熱を煽ろーとしてるくせに、八戒が。
知らずに自分自身を煽っちゃってんのが、イイ。
うっすらと、桜色に染まってく肌を。
しっかりと、密着させボディーソープの滑りを借りて。
全身で奉仕しちゃってくれてんのが、イイ。

しかし。
そのイイコト尽くめなのに、なあんの兆しもナイってのが。
超情けなく、興奮しつつも落ち込みかけた時。

「…悟浄、シテ、いいですか?」
「は? へ? おい、八戒…ナニをっ!」

髪を横に掻き上げ、八戒は俺の返事の前に。
パクリと、可愛らしく俺のを口の中に銜え込んだ。
くう〜〜〜〜〜っ。
八戒から、こんな積極的にして貰えるなんてっ。
俺、不能になって良かったっ。
と、感激した途端に、覚えのあるモンがっ。

―――ドクンッ!

八戒が、ゴホッと噎せ返った。

―――復活っ!!!!!

「悟浄っ、おめでとうございますっ!」
「サンキュー、八戒っ。おまえのおかげだっ。」
「良かったです、本当に良かった…。」

涙ぐんで、心から喜んでくれてる八戒を抱き締めて。
俺は、ニヤリと囁いた。

「んじゃ、ラストまで面倒見てな。」
「…ラスト?」
「そ。ラストはなー、ツボ洗いって決まってんのv」
「?」

初めて聞く言葉らしく、不思議そうな顔をする八戒に。
更に、囁いてやった。
俺の説明を理解した八戒が、硬直する。
けど、こののんまじゃあ、治まりつかねーだろ。
俺もおまえも、さ。

さあさあさあ、中途半端は性に合わないだろ。
最後まで、しっかりとやろーぜ。

ギクシャクして、強張った八戒の躯をとろかす為。
復活した俺も盛大に、協力的にコトを始めた。



―――――絶対 これって 癖に なるな
     俺も おまえも …きっと、な



2002.10.21 UP



☆ コメント ★

サイゴック大佐に、捧げますv

相互リンクのお礼に書かせて頂きました
勿論、リクの内容は大佐からです←強調v
何が宜しいでしょうかと
ご機嫌伺いもとい、注文取りに行ったらば
即座に
はい、即座にですね
【ソープ悟浄】
との、お題を下さいました
だから
これは、大佐のモンです
大佐のモンったら、大佐のモン←大強調vv


では、大佐に慎んで贈呈致します〜♪