嫉 妬
§ 前 §
by 遙か
そんなの、誰だって、持ってる。
持っていない方が、可笑しい。
だって、一人しかいねーんだ。
だったら、権利も一つだろ。
それを俺が使って、何が悪いんだよ。
俺が八戒を好きなのと同じに。
三蔵も、八戒が好きだ。
口に出さなくたって。
態度に出さなくたって。
そんなの、分かる。
当然だ。
同じ、相手が好きなんだからさ。
だけど、八戒は一人だろ。
だったら、俺のモンだ。
俺だけ、のモンだ。
三蔵になんか、絶対に渡さねえ。
碧の瞳が、涙の粒を浮かべているのを見ると。
むくりと、俺ん中の凶暴なモンが目覚めるのが分かる。
普段は、自分でも忘れてる。
完全に、奥底に眠らせている。
八戒への、独占欲から生じる、薄暗いモン。
「…悟浄…。」
声が怯えて、泣きそうだ。
そりゃあ、そーだろう。
後ろ手に縛られた上に。
俺、一言もしゃべんねーもんな。
不安ばっかが、大きくなってんだろう。
八戒の表情を見れば、そんなの一目瞭然だった。
「…どう、して?」
どうして、じゃねーの。
あれだけ、言ってあったのにさ。
それを無邪気に守んないお前が、イケナイんだろーが。
『どんな理由があろーと、三蔵と2人きりになるな。』
コレを何度も言い聞かせていた。
俺は、八戒に約束させていた。
三蔵を――八戒を――信用してないって次元じゃねーんだ。
何かあってからの、後悔なんかしたくねえ。
それに、何より。
理屈より、俺様がイヤなんだ。
「俺との約束、破ったろ。
だから、さ――。」
◆遙かのCOMMENT◆
侍派出所の長春さまより、超・イイモノ頂きましたv
それに、先ずは前のSSを付けさせて頂きましたv
はい、では、どうぞ
次の頁へとお進み下さいませ〜♪
注・女の子Hが駄目な方は、ここでお帰り下さいね
責任、持てませんから、本当にvv
進