ずっと前から愛を込めて… 後編
「ごじょ…」
雨が降りしきる夜。
ノックされて、部屋の扉を開くと必ず八戒がいた。
雨の日だけじゃなく、雷の夜も、風の強い夜も。
「…怖いのか?」
枕を抱いてフルフルと震える小さな八戒を抱き上げてやる。
こくん、と頷かれてしまうと、甘やかしてはいけないという気持ちが萎える。
自分でも不思議なくらい、八戒が愛しかった。
「じゃあ、一緒に寝よう」
体温の高い八戒を抱いて、眠りに就く。
すぅすぅと安らかな寝息を立てる八戒の頬を何度も撫でてやった。
八戒という子は、しっかりした子供だった。
聞き分けは良いし、泣いて愚図るなんてことはない。
超多忙な父親と、病弱な母親の元ではこういう子になるのだろうか。
…だけどそれはあくまで“俺以外の前”のことで。
聞いた話によると、俺がいないところでは転んだって我慢してるのに。
俺の前じゃ、
「ふぇっ…ごじょ…」
って泣き出す始末。
食の細い子だから、食事をちゃんと取らなくて、俺が叱っても。
泣きながらも、何故か俺に縋りついてくる。
可愛くて可愛くて。
こんな存在があることを知って驚いた。
八戒はそのたびに、
「ごじょ〜、ちゅーしてくださぁい…っ…」
なんて甘えるから、思わず何度もキスしてやる。
「よしよし…いー子だな」
って言って。
八戒の教育係になってからというもの。
それまでと人が変わったように、努力した。
言葉遣い。
礼儀作法。
そして勉強も。
八戒の躾は勿論、家庭教師の真似事もした。
猪家にとって、“沙悟浄”という男が役に立つ人間になれるようにと。
気が付けばストレートで日本最高学府にも合格していた。
駆け足で日々が過ぎて。
大学を卒業した俺は、当然のように先代が社長を勤める、猪コーポレーションに入社した。
俺が22歳、八戒12歳の春だった。
八戒は中学に上がるころになると、あまり俺と話さないようになった。
「八戒。学校はどうだ?」
俺と話をするのが大好きだった子供が。
「…ええ、まぁ」
目も合わせてくれなくなって。
所謂“反抗期”というヤツだったのか。
俺は急に八戒を意識する羽目に遭う。
八戒は女の子のように可愛い子供だったが。
中学にもなると、男の子としても長身の部類に入るくらい背が伸びた。
それに反し、やけに華奢で線が細くて。
二人っきりになることに危険を感じさせるような、色香があった。
勿論、“ちゅー”なんて出来っこない。
一緒にお風呂、なんて以ての外だ。
その上、俺は社会人になったのを機に、先代から屋敷の敷地内に家を建てて戴いた。
すぐそばとは言え、一つ屋根の下で暮らさなくなって。
殆ど接点のないまま、日々が過ぎていった。
寂しいとは思いつつも、一緒にいることが怖くて仕方なかった…。
その後、八戒とこうなったのは。
そうだ、俺が27歳になろうとしていたあの日。
先代から俺に見合い話が持ち掛けられたのがきっかけだった。
そろそろ寝ようかとベッドに入ると、チャイムが鳴った。
「…夜分、すみません」
インターフォンから聴こえてきたのは、少しだけ低くなった八戒の声。
慌てて俺は玄関の扉を開く。
パジャマの上にカーディガンを羽織っただけの八戒が立っていて。
久しぶりに見た八戒は、17歳になったばかり。
…ますます綺麗になっていた。
家の中に招き入れて。
温かいココアを飲ませる。
「…で、どうしたんだ?何かあったのか?」
すっかり俺に懐かなくなった八戒が、今ごろどうして?と。
俺にはかなり理解できなかった。
「…悟浄…。…結婚…しちゃうんですか?」
俯いたまま虫が鳴くような声でそう言った八戒が、ようやく顔を上げた。
不思議な碧色の瞳から、大きな涙の粒が零れ落ちていた。
「…八戒…」
鼓動が大きくなるのを感じたけれど、身体が心を支配する。
気付いたときには、隣に座る八戒の細い躰を抱き締めていた。
「―悟浄…お願いです…。何もいらないっ、誰にもいわないからっ…だから…」
抱いて下さい、と。
八戒の呟きが耳を擽る。
その瞬間、俺の中でツプリと切れる音を聴いた。
唇を塞ぐ。
何度も…何度も重ねる。
「…ふ…ン…っ…」
上手く呼吸できずに苦しそうな声を聴いた。
「…いいんだな?」
唇の端を舐め取りながら、そう囁く。
「はい…」
縦にばかり大きくなった躰を抱き上げて…ベッドルームへ向かった。
「不安…か?」
ベッドサイドに置かれたライトの明かり。
それだけでも羞恥を覚える八戒を見下ろして、問いかける。
「…いいえ…」
白い肌が益々映えて、眩しいくらいだ。
口で否定してみても、閉じたまま震える瞼が緊張を伝えてくる。
指で肌にそっと触れてみる。
余りの心地良さに、眩暈がしそうだ。
薄い胸は吸い付くようで、その感触を楽しんでいると。
「―あ…っ…」
溜息のような声が漏れた。
つい楽しくなってしまい、舌を這わせる。
乳首がしこって、その淡い色も深まっていく。
豊かな乳房にしか興味を覚えなかったはずなのに。
幼い少女のような胸に堪らなく興奮させられる。
「は…ぁ…っ」
一際強く吸い上げると、八戒が身をくねらせた。
下腹部に手を伸ばす。
「…もうこんな?」
それは既に勃起していて、妙に嬉しくなってしまう。
八戒は火が点いたかのように、カァッと顔を赤らめた。
「だ、…だってっ……ずっと…ほしかった…から……(///)…ア…っ」
望み以上の回答への御褒美に、俺はそれを口に含んだ。
若く従順な躰は反応が良く、あっという間に口中で膨れ上がる。
数回扱いただけで苦味が広がり…。
「―あぁ!…いやァッ、はなし…てぇ!」
一瞬ビクリと躰が引き攣り、そのまま崩れた。
全身をピンクに染め、荒く息を吐く八戒。
見ているだけでも興奮させられてしまう。
早く挿れて、メチャクチャにしてやりたいくらいに。
でも、傷つけたいわけじゃないから。
「…八戒、じっとしてろ」
すっかり脱力しきった細い両脚を抱え上げて、白い双丘の谷間を露わにする。
「―ま…まさ、か…っ?アっ!」
逃げを打とうとする八戒を押さえつけて、尖らせた舌で舐める。
唾液を塗りこみ、滑りの良くなったところで指を差し挿れて慎重に解す。
八戒の蕾はきつ過ぎる程、小さくて。
一本ずつ、数ミリずつ、慣らしていく。
「はぁっ…ン…ぁ…な、んか…へん…です…っ…」
言いながらも、その躰は緩やかな動きを見せ始めた。
…八戒は昔から、飲み込みの良い子だった。
可愛いペニスを勃ち上がらせたままで、腰をくねらす八戒は…壮絶な色香を醸し出している。
「も…お前のせいだかんな…」
「―ひゃ…っ…」
湿った指を引き抜くと、八戒は喪失感からか悲鳴を上げた。
「もっとイイの、やるから」
身を起こして、再び八戒の上に乗り上げて。
ヒクヒクと蠢く窪みに、俺のを押し当てる。
恐怖心を感じる暇も与えずに、グッと挿入させた。
「――――あぁぁあぁぁああああ!」
俺の動きから無意識に逃げようとして、八戒の身が擦り上がっていく。
追いかけるように何度か叩きつけると。
ゴツン、ゴツン。
と、八戒の頭がベッドヘッドに打ち付けられている。
「おいっ!逃げんなよ。頭打ってるって!」
腰を掴んで引き寄せて。
庇うように、俺の左手を小さな頭に添える。
「あっあっあっ…イっ…ン…ぅ…」
少しずつ慣れてくるものの、痛みを堪えるような八戒を見ているとこっちまで辛い。
「八戒…っ…。もう無理か…?」
嫌だと言われたって止められないくせに。
眉根を寄せる八戒が気に掛かって声を掛けた。
少しだけ、腰の動きも緩める。
「…へ…っき…で、す…アっ!」
だからやめないで、と首を振られて。
「ケドよ…」
そうですか、と貪る気にもなれず、青白い八戒の顔を見遣る。
「…ガマン…する、からっ…っ……キス…して、…くださ…いっ」
「―八戒…」
愛しさが込み上げて。
どうしようもないくらい可愛くて。
「…ン…ふ…」
何度も何度も口付ける。
子供のチューみたいに。
すると次第に八戒の後庭が少しづつ綻びだした。
宥めるようにキスしながら、交わりを深めていく。
蕩けそうな快感に、いつしか理性なんて吹っ飛びそうなくらい。
揺れのせいで、マトモに唇を重ねられなくなって。
「―あっ、あ、あ、あっ、ン、っ…ア…ッ!」
少しずつ快感を拾い上げていく八戒に、溺れながら。
「―はっ、かいッ!!」
「ごじょっ!ご、じょお!ア… ―――っっ!」
大きく震えて意識を失う躰を抱き締めた。
「じょ!…悟浄?!」
「―へ?!」
大きく揺さぶられて、マヌケな声を上げる。
目の前には…不思議そうに俺を見つめる八戒の姿が。
「…どうしちゃったんですか、悟浄?さっきからニヤニヤして…」
「あ、…ああ。…別に」
何時の間にか俺は、向かいのソファに座ったままボーっとしていたみたいだ。
知らない間に、八戒は目を覚まして。
5年前のアノ日を思い出している俺を眺めていたらしい。
ひぇ〜恥かし(汗)。
でも何度思い出しても、あん時の八戒って超可愛かったよなぁ。
まだヴァージンで、何にも知らなくて。
すっかり手放せなくなっちまって。
先代への恩返しと考えていた見合いすら、断ったくらいなんだから。
「…熱はないですねぇ」
まだ反芻中の俺を、体調が悪いとでも思ったのか、おでこを俺の額にくっ付けてくる。
心配そうな八戒……やっぱ今はもっと、激可愛い。
「―ちょっ!な、何をするんですかっ!(///)」
そのまま離さないように腰を抱く。
「…チュウしてくれたら治りますよ…社長?v」
柔らかな唇を奪って。
「ん――っ…も、してるくせにっ!…ン…つごう…いい、ときだけ…しゃちょ…って…」
「はいはいv…一緒にキモチヨクなりましょうね、社長vv」
5年の歳月ですっかりオトナになった八戒の躰を、フカフカのソファに押し倒した。
End
魚住さまのアトガキ
あははははは。ネチッコイですなぁ(笑)。
「もういい加減にエロシーンを終わらせようや、魚住!」
と思いつつも、ネチネチと書いてしまいました★
前編の反動か?(笑)。
まぁきっと、遥かさんは今ごろはムカついていることと思います。
秘書ゴジョは折檻の末、投獄しておきますんで。
イイ目、見やがってねぇ、もう。
すっかり長くなりましたが、遥かさんに愛を込めてv
ちゅっv (^3^)/
遙かのCOMMENT
B&Bの魚住涼さまより頂きましたv
ムカついていません
ニヤけてましたv
イイ目見てますねえ
う〜ん
しかし、まさか、八ちゃんからだとは・驚
あー、何て据え膳状態なのお
ゴジョが喰わない訳ないじゃん
はあ〜
こーして、五年の月日を掛けて
ゴジョ好みの躯になってしまったのね
涼さん、しっかりとアナタの愛は受け取りましんたvv